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【親がセックスする理由】性生活は夫婦関係の一部?子どもに見られても問題ないのか

藤森 綾 藤森 綾 • 更新: • 公開: • 読了約 18 分
目次

親がセックスをする理由は、妊娠や出産だけではありません。夫婦やパートナーがお互いの愛情を確かめたり、身体的な快感を得たり、親密な時間を共有したりすることも理由になります。

親になっても性生活があるのは自然なこと

子どもが生まれると、夫婦の生活は大きく変化します。育児や仕事、家事に時間を取られ、二人だけで過ごす時間が減る家庭もあります。

それでも、親になることによって成人としての性的な感情や欲求がなくなるわけではありません。

親の性生活には、主に次のような側面があります。

- 愛情表現: パートナーとの親密さや愛情を確かめる。
- 身体的な満足: 性的な欲求や快感を満たす。
- 夫婦のコミュニケーション: お互いの気持ちや身体的な距離を確認する。
- 妊娠・出産: 子どもを望むカップルにとって、生殖につながる行為となる。

ただし、すべての夫婦が同じ理由でセックスをするわけではありません。性生活の頻度も、年齢、健康状態、仕事、育児環境、本人たちの価値観によって異なります。

また、夫婦関係が良好だから必ず性生活が活発になるわけでも、セックスの頻度が少ないから愛情がないと判断できるわけでもありません。

親の性生活の実態はどこまで分かっている?

親の性生活について考える際には、一般成人の性行動に関する調査と、子どもがいる家庭の性生活に関する調査を区別する必要があります。

2026年時点で、親の性行為の頻度や子どもによる目撃率を全国の家庭について一律に示す公的な代表値は確認できません。

一方、家庭で性について話すことの難しさを示す資料はあります。

「乳幼児期の性に関する情報提供」という保健師など専門職向けの手引きでは、令和3年度の調査研究において、保護者の52.6%が子どもとの性に関する会話を必要と考えていたことが紹介されています。

これは性生活の実施率を示す数字ではありません。性について話す必要性を感じていても、実際の会話には難しさがあるという家庭の課題を示すものです。

親が性について話すことを避け続けると、子どもは疑問をインターネットや友人から得た不確かな情報で埋め合わせる可能性があります。

親の性生活を子どもに詳しく説明する必要はありませんが、身体の尊重やプライバシーについて話せる関係をつくっておくことには意味があります。

【心理的影響を検証】親のセックスを見てしまった子どもはどう感じる?

親のセックス

親の性行為を目撃した子どもが感じることは一つではありません。

驚いてその場を離れる子もいれば、何が起きているのか分からず不安になる子、恥ずかしさや嫌悪感を覚える子もいます。

1. 驚きや混乱を感じる

小さな子どもは、大人の性的な行動を十分に理解できません。

例えば、両親が親密な時間を過ごしている様子を見て、片方の親が痛い思いをしているのではないかと心配することがあります。

命育が公開している専門職向けの手引きでも、子どもは目の前で起きていることを理解できず、どちらかがいじめられていると感じる可能性が指摘されています。

このような場合、親が何も説明しないまま普段どおりに戻ると、子どもの疑問や不安が残ることがあります。

2. 親に対する嫌悪感や恥ずかしさ

小学生から思春期にかけては、親を一人の大人として見る一方で、親の性的な側面を知ることに抵抗を感じる場合があります。

特に思春期は、自分自身の身体や性的な感情について敏感になる時期です。

親の性行為を見てしまったことがきっかけで、次のような反応が生まれることもあります。

- 親の顔を見るのが気まずくなる。
- 親と同じ部屋で過ごすことに抵抗を感じる。
- 親の寝室に近づきたくなくなる。
- 親の性生活を想像してしまい、不快になる。
- 以前のように親と自然に話せなくなる。

こうした反応は、必ずしも親子関係が壊れたことを意味しません。時間が経過し、親が落ち着いて対応することで、気持ちが整理されることもあります。

3. 不安や睡眠への影響

目撃した状況が強く印象に残ると、子どもによっては不安や緊張が続く場合があります。

特に、性行為中の大きな声や物音を暴力と誤解した場合には、親の身に危険が及んでいるのではないかと心配する可能性があります。

不安が強いと、寝つきが悪くなる、親の様子を過剰に気にする、集中しにくくなるといった変化が現れることも考えられます。

ただし、偶然一度見てしまっただけで、必ず長期的な心理的ダメージが生じるわけではありません。

目撃した後の説明や家庭の安心感、子ども自身の受け止め方が重要です。

4. 性に対する誤解や不適切な模倣

子どもが大人の性行為を繰り返し目にすると、十分に理解できないまま、その行動をまねる可能性があります。

命育の手引きでは、性的な行為を頻繁に見せたり、子どもに手伝わせたりすることによって、年齢に見合わない性的な言動などの性化行動が現れる場合があると説明しています。

重要なのは、子どもに大人の性生活を見せることと、年齢に応じて正しい性教育をすることは別だという点です。

子どもには、性行為そのものを見せるのではなく、身体の仕組み、同意、プライベートゾーン、他人の身体を尊重することを言葉で伝える必要があります。

【年齢別に比較】親の性行為を目撃したときの受け止め方

子どもへの対応では、年齢だけで判断せず、言葉の理解力や発達段階も考慮する必要があります。

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの発達段階資料や、文部科学省の性に関する指導資料を参考にすると、次のように整理できます。

年齢・発達段階 受け止め方の傾向 親が意識したい対応
0〜2歳 行為の意味は理解しにくいが、声や雰囲気に反応する 安心できる環境を整える
3〜5歳 大人の行動への好奇心が強く、何をしているのか質問することがある 簡潔で分かりやすい言葉で説明する
6〜9歳 大人と子どもの違いや、赤ちゃんが生まれる仕組みに関心を持つ 質問に正直に答え、プライバシーを教える
10〜13歳 性への関心が高まり、親の性的な側面に抵抗を感じることもある 恥ずかしさや嫌悪感を否定せず、距離感を尊重する
14歳以上 性や人間関係について自分なりの価値観を形成する 対等な対話を心がけ、本人のプライバシーも尊重する
乳幼児期:理解よりも安心感を優先する

0〜2歳では、性行為の意味を理解することは難しい時期です。

一方、親の声や表情、家庭内の雰囲気の変化には反応します。

3〜5歳になると、身体への興味や質問が増えていきます。

この時期に子どもが何かを尋ねた場合、必要以上に慌てたり、怒ったりする必要はありません。

「大人同士が仲良くしていたんだよ」「驚かせてごめんね」といった簡潔な説明が考えられます。

小学生:疑問に対して正確に答える

小学生になると、身体の違いや妊娠、出産について知りたいと思うことがあります。

親の性行為を目撃した場合も、見たことと赤ちゃんが生まれる仕組みを結びつけようとする子がいる可能性があります。

質問されたら、子どもが何を知りたいのかを先に確認します。

例えば、赤ちゃんができる仕組みを尋ねられた場合には、精子と卵子の働きを年齢に合わせて説明できます。

すべての性的な情報を一度に教える必要はありません。質問された内容に正確に答えることが基本です。

思春期:嫌悪感やプライバシーを尊重する

10代になると、親の性生活を知りたくないという気持ちが強くなることがあります。

親が「夫婦なのだから問題ない」と説明しても、子どもの嫌悪感が消えるとは限りません。

思春期の子どもには、自分の部屋や持ち物、友人関係などのプライバシーがあります。同様に、親にも夫婦間のプライバシーがあります。

お互いの領域を尊重し、必要以上に踏み込まないことが親子関係を保つうえで大切です。

【具体的な対処法】親のセックスを見てしまったときにすべきこと

実際に親の性行為を見てしまった場合、最初に大切なのは、子ども自身が安心できる状態を取り戻すことです。

子どもが目撃してしまった場合

親側は、次の順序で対応するとよいでしょう。

1. まず性行為を中断する

子どもが部屋に入ってきたことに気づいたら、すぐに行為を中断します。

その場で子どもを怒ったり、無理に部屋から追い出したりしてはいけません。

2. 驚かせたことを謝る

「驚かせてごめんね」と伝え、子どもが落ち着けるようにします。

親が過剰に慌てたり、子どもに責任があるかのように振る舞ったりすると、子どもが自分を責めてしまう可能性があります。

3. 簡潔に説明する

命育の手引きでは、嘘やごまかしを避け、子どもが理解できる言葉で説明することが勧められています。

例えば、次のような言葉が考えられます。

「パパとママは仲良くしていたんだよ。大人同士のとてもプライベートな時間だったんだ。びっくりさせてごめんね」

年齢が上がれば、親しい大人同士の身体的な親密さについて、もう少し具体的に説明してもよいでしょう。

4. 子どもの質問を聞く

「何か気になったことはある?」

このように尋ね、子どもが話したいことを聞きます。

無理に詳しい説明を続ける必要はありません。質問がなければ、そのまま普段の生活に戻っても構いません。

5. 再発防止のために環境を整える

子どもが自由に寝室へ入れる家庭では、プライバシーを守る仕組みを見直します。

寝室の施錠やノックの習慣、生活時間の調整など、子どもの安全や避難を妨げない範囲で対策を取ります。

親の性行為を音で察知してしまった場合

性行為そのものを見ていなくても、声や物音によって子どもが気づくことがあります。

この場合も、子どもが不安を感じていないか確認することが大切です。

例えば、次のような対応が考えられます。

- 音が聞こえていたことを指摘されたら、否定せずに受け止める。
- 不安そうな場合は、誰かが傷ついているわけではないことを説明する。
- 子どもが眠れないほど気にしている場合は、生活環境を改善する。
- 大きな音や声が外に漏れないよう、寝室の環境を見直す。

「子どもには分からないだろう」と考えるのは適切ではありません。

子どもは、意味が理解できなくても、家庭内の音や雰囲気から何かを察知することがあります。

子どもが親に伝える場合の言い方

反対に、子どもの立場から親の性生活について伝えたい場合もあります。

直接話すのが難しい場合は、短い言葉で不快だったことを伝えて構いません。

例えば、次のような表現です。

- 「この前、部屋から変な音が聞こえて気になった」
- 「夜の音が聞こえると眠れないから、少し気をつけてほしい」
- 「あの日に見てしまったことが、まだ気になっている」
- 「詳しく聞きたいわけではないけれど、もう見たり聞いたりしたくない」

親がどう反応するか不安なら、もう一方の親や信頼できる大人に相談する方法もあります。

子どもが親の性生活について嫌だと感じることは、わがままではありません。

【家庭内のプライバシーと性教育】親の性生活を守りながら子どもを守る方法

家庭は親と子どもが一緒に生活する場所ですが、家族だからといってすべてを共有する必要はありません。

親の性生活にはプライバシーがあり、子どもにも自分の身体や気持ちを守る権利があります。

夫婦の寝室と子どもの生活空間を分ける

家庭内のプライバシーを守るためには、生活空間の使い方を考えることが重要です。

具体的には、次のような対策があります。

- 夫婦の寝室と子どもの寝室を可能な範囲で分ける。
- 寝室に入る際はノックする習慣をつける。
- 子どもが寝室に入る可能性がある時間帯を避ける。
- 音や声が子どもの生活空間に伝わりにくい環境を整える。
- 子どもが不安を感じている場合は、寝室の使い方を見直す。

ただし、鍵をかける場合も、火災や急病などの緊急時に子どもが助けを求められる環境を確保してください。

性教育は恥ずかしい話ではない

家庭で性教育をする際に、親の性生活を具体的に説明する必要はありません。

伝えるべきなのは、身体の仕組みや人間関係、同意、プライバシーなどです。

文部科学省の学校における性に関する指導資料では、発達段階に応じて、身体の変化、思春期の性衝動、妊娠、性感染症の予防などを扱うことが示されています。

また、幼児期から身体の大切な部分や、自分と他人の身体を尊重する考え方を身につけることも大切です。

家庭では、次の3点を意識するとよいでしょう。

1. 自分の身体は自分のものであり、嫌なことは嫌と言ってよい。
2. 他人の身体を勝手に見たり触ったりしてはいけない。
3. 性に関する疑問や不安を、安心して相談できる大人がいる。

親が性について話すことを過度に恥ずかしがると、子どもも質問しにくくなる可能性があります。

親の性生活を公開することと、性についてオープンに話すことは別の問題です。

親の性行為を子どもに見せることと、偶然の目撃は区別する

ここは特に注意が必要な点です。

偶然に一瞬見てしまったケースと、子どもがいることを認識しながら意図的に性行為を見せるケースは、同じものではありません。

こども家庭庁が示す児童虐待の定義では、性的虐待の例として、子どもへの性的行為だけでなく、性的行為を見せることも挙げられています。

また、子どもに性行為を手伝わせることや、繰り返し性的な行為にさらすことは、深刻な問題です。

一度の偶然の目撃について、それだけで直ちに法的な評価を決めることはできません。しかし、意図的に見せる、繰り返し見せる、子どもを性的な行為に関与させるといった状況は、決して軽く考えてはいけません。

子どもの安全に不安がある場合は、児童相談所などの専門機関に相談してください。

【相談先を紹介】親の性生活や性に関する悩みを誰に相談する?

親のセックスを目撃したことによる不安や嫌悪感が続く場合、家庭内だけで解決しようとする必要はありません。

相談内容や緊急性に応じて、適切な窓口を利用できます。

1. 学校の養護教諭・スクールカウンセラー

学校で相談できる大人がいる場合は、まず話を聞いてもらう方法があります。

親に直接話すことが難しい子どもにとって、学校の先生やスクールカウンセラーは身近な相談相手です。

眠れない、授業に集中できない、親のことを考えると不安になるなどの悩みも相談できます。

2. 小児科・児童精神科

不安や睡眠の問題が続く場合には、小児科や児童精神科などの医療機関に相談できます。

目撃した状況を何度も思い出す、強い嫌悪感が続く、日常生活に支障が出ている場合には、専門家による評価が役立ちます。

3. 児童相談所虐待対応ダイヤル「189」

の安全に関わる問題や、性的な行為を意図的に見せられている可能性がある場合は、児童相談所への相談が選択肢になります。

こども家庭庁が案内する主な窓口は次のとおりです。

相談窓口 電話番号 主な相談内容
児童相談所虐待対応ダイヤル 189 虐待の疑いや子どもの安全に関する相談
児童相談所相談専用ダイヤル 0120-189-783 子どもの福祉や家庭環境に関する相談
24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310 子どもの悩みや不安、学校生活などの相談
子どもの人権110番 0120-007-110 子どもの人権侵害や虐待などの相談

189は、匿名での相談や通告も可能で、相談者や相談内容の秘密が守られるとこども家庭庁は案内しています。

また、親子のための相談LINEでは、子どもや保護者が匿名で相談できます。相談内容は原則として第三者に公開されませんが、生命や身体に危険が及ぶ緊急時には関係機関と情報共有される場合があります。

4. 性暴力に関する専門相談窓口

性行為を強制されたり、身体を触られたり、性的な行為への参加を求められたりしている場合は、単なる家庭内のプライバシーの問題ではありません。

性暴力に関する相談窓口や児童相談所に早めに相談してください。

子どもが安全に過ごせる場所を確保することを優先し、無理に親と一対一で話し合う必要はありません。

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コンテンツディレクター 藤森 綾
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