青色一号は、食品に青色を付けるために開発された合成着色料で、食品添加物の分類では食用タール色素に属します。
正式名称は「食用青色1号」、英語名は「Brilliant Blue FCF(ブリリアントブルーFCF)」です。消費者庁が公開する第10版食品添加物公定書にも収載されており、指定添加物として管理されています。
青色一号の基本情報主な特徴を整理すると、次のとおりです。
- 正式名称:食用青色1号
- 別名:ブリリアントブルーFCF
- 英語表記:Brilliant Blue FCF
- 分類:合成着色料・食用タール色素
- 用途:食品の着色
- 分子式:C₃₇H₃₄N₂Na₂O₉S₃
- 分子量:792.86
- 日本での位置付け:指定添加物
青色一号の特徴は、鮮明で発色の強い青色を表現できることです。
東京都保健医療局の食品添加物に関する解説でも、タール系色素は鮮明な色を出しやすく、退色しにくい特徴を持つ着色料として紹介されています。
この性質は、商品の製造時に色を均一に整えたい場合や、保管中の色調を維持したい場合に役立ちます。
青色一号はなぜ食品に使われる?食品の色は、原材料や製造工程、保存条件によって変化します。
例えば、同じ商品でも原材料の収穫時期や加工条件によって色合いが異なることがあります。
青色一号のような合成着色料を使うことで、製品の色調を一定に整え、消費者が商品から受ける視覚的な印象を安定させられます。
特に青色は、自然の食品だけでは鮮やかに表現しにくい色です。そのため、菓子や装飾用の食品など、見た目の演出が重視される製品で着色料が利用されます。
ただし、青色一号は栄養成分や健康機能を高める目的の添加物ではありません。あくまで食品の色を調整するためのものです。
【青色一号が使われる食品】使用基準と使用できない食品を解説

青色一号は、すべての食品に自由に使用できるわけではありません。
日本では食品衛生法に基づく規格基準が設けられ、使用できる食品と使用できない食品が区別されています。
青色一号が使われることのある食品食用タール色素の一般的な使用対象として、東京都保健医療局は次のような食品分野を挙げています。
- 菓子類
- 漬物の一部
- 魚介加工品
- 畜産加工品
青色一号についても、製品の色調や製造目的に応じて使用されることがあります。
具体的には、青色のキャンディー、清涼飲料、冷菓、菓子の装飾などがイメージしやすい例です。ただし、これらの食品すべてに青色一号が入っているわけではありません。
実際の使用有無は、商品ごとの原材料表示で判断する必要があります。
青色一号の使用基準で禁止されている食品消費者庁が2025年6月に公表した食用タール色素に関する資料では、使用してはならない食品として、以下の品目が示されています。
- カステラ
- きなこ(うぐいす粉を除く)
- 魚肉漬物
- 鯨肉漬物
- こんぶ類
- しょう油
- 食肉
- 食肉漬物
- スポンジケーキ
- 鮮魚介類(鯨肉を含む)
- 茶
- のり類
- マーマレード
- 豆類
- みそ
- めん類(ワンタンを含む)
- 野菜
- わかめ類
これは青色一号だけに適用される制限ではなく、食用タール色素に関する使用基準です。
重要なのは、指定添加物だからといって、どの食品にも使用できるわけではないという点です。
食品添加物の使用には、成分規格だけでなく、対象食品や使用目的に関するルールも関係します。
青色一号アルミニウムレーキとは?青色一号を調べると、「青色一号アルミニウムレーキ」という別の名称も見つかります。
これは通常の青色一号と全く別の着色料という意味ではありません。
食品添加物公定書によると、アルミニウム塩を利用して食用青色1号を吸着させ、ろ過・乾燥・粉砕して作られるものです。
一般的な青色一号と異なり、水に溶けにくい性質を持つため、食品の表面などを着色する際に適しています。
つまり、両者の主な違いは色素の基本的な名称ではなく、使用する形態と物理的な性質にあります。
【青色一号と青色二号の違い】成分・色素名・ADIを比較
青色一号と青色二号は、どちらも食品を青く着色するための指定添加物です。
しかし、化学構造や正式な別名、安全性評価におけるADIには違いがあります。
青色一号:ブリリアントブルーFCF
鮮やかな青色を表現する合成着色料。英語名はBrilliant Blue FCF。
青色二号:インジゴカルミン
インジゴ系の青色色素。英語名はIndigotine。
| 比較項目 | 青色一号 | 青色二号 |
|---|---|---|
| 正式名称 | 食用青色1号 | 食用青色2号 |
| 別名 | ブリリアントブルーFCF | インジゴカルミン |
| 英語名 | Brilliant Blue FCF | Indigotine |
| 分子式 | C₃₇H₃₄N₂Na₂O₉S₃ | C₁₆H₈N₂Na₂O₈S₂ |
| 分子量 | 792.86 | 466.35 |
| JECFAのADI | 0~6mg/kg体重/日 | 0~5mg/kg体重/日 |
| アルミニウムレーキ | あり | あり |
| 日本での指定 | 指定添加物 | 指定添加物 |
両者の違いを理解するうえで重要なのは、同じ青色系の着色料でも、同一の化学物質ではないということです。
青色一号はブリリアントブルーFCF、青色二号はインジゴカルミンという別々の物質です。
また、JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)の評価では、青色一号のADIは6mg/kg体重/日、青色二号は5mg/kg体重/日となっています。
この数値の違いだけで、どちらかが危険だと判断することはできません。それぞれ異なる物質について、個別に毒性データを評価した結果です。
青色一号と青色二号は、名前や色が似ていても、安全性評価まで同じではないという点を確認しましょう。
【青色一号の原材料表示】食品パッケージではどう記載される?
青色一号を避けたい人や、どの着色料が使われているのか確認したい人にとって、最も実用的なのが原材料表示の読み方です。
日本では食品添加物の表示制度が設けられており、原則として食品に使用した添加物は表示する必要があります。
青色一号の主な表示名称食品表示基準に関する消費者庁の資料や厚生労働省の通知では、青色一号について次のような名称が示されています。
| 表示例 | 意味 |
|---|---|
| 食用青色1号 | 正式な添加物名 |
| 青色1号 | 簡略名 |
| 青1 | 略した表示名称 |
| ブリリアントブルーFCF | 別名 |
| 着色料(青色1号) | 用途と物質名を併記した表示 |
| 食用青色1号アルミニウムレーキ | アルミニウムレーキの名称 |
例えば、商品の原材料表示に次のような記載があったとします。
原材料表示の例(説明用)原材料名
砂糖(国内製造)、水あめ、ゼラチン、酸味料、着色料(青色1号)、香料
着色料(青色1号)
この表記があれば、青色一号が使用されていることを確認できます。
特に注意したいのは、「着色料」という文字だけで判断しないことです。
着色料には複数の種類があり、植物由来の色素や別の合成着色料も含まれます。
青色一号が使われているかどうかを調べるなら、括弧内に記載された物質名まで確認しましょう。
青色一号を避けたい場合のチェックポイント購入時には、次の3点を確認すると判断しやすくなります。
1. 原材料表示に「青色1号」「青1」がないか確認する。
2. 「ブリリアントブルーFCF」という別名も覚えておく。
3. 同じ商品でもリニューアルや製造地域によって原材料が変わる場合があるため、購入時の表示を確認する。
なお、青色一号を使っていない食品だからといって、必ずしも食品添加物を一切使用していないとは限りません。
【青色一号の安全性と危険性】ADI・発がん性・摂取量を検証
青色一号について最も気になるのが、人体への影響でしょう。
合成着色料という名称から、発がん性や長期摂取による健康被害を心配する人もいます。
安全性を考えるには、動物実験の結果だけでなく、国際機関による評価と、実際に人がどの程度摂取しているかを合わせて見る必要があります。
JECFAが設定したADIは6mg/kg体重/日JECFAは2017年、ブリリアントブルーFCFについて安全性を再評価しました。
その結果、青色一号のADIを次のように設定しています。
JECFAによるADI6
mg/kg体重/日
2017年評価・ブリリアントブルーFCF
ADIとは?
人が毎日、一生涯にわたって摂取し続けても、健康への悪影響がないと推定される一日当たりの摂取量です。
この評価の根拠となったのが、ラットを用いた長期毒性試験です。
JECFAは、無毒性量(NOAEL)を631mg/kg体重/日と評価しました。
加えて、人と動物の違いや個人差などを考慮するため、不確実係数100を適用し、ADIを0~6mg/kg体重/日に設定しています。
以前のADIは0~12.5mg/kg体重でしたが、2017年の再評価によって変更されました。
ADIを体重別に換算すると?ADIの考え方を理解するため、体重別に換算してみます。
| 体重 | ADI換算値 |
|---|---|
| 20kg | 120mg/日 |
| 30kg | 180mg/日 |
| 40kg | 240mg/日 |
| 50kg | 300mg/日 |
| 60kg | 360mg/日 |
これはJECFAのADIを単純に体重に掛けた数値です。
注意したいのは、この数値が食品への使用上限や推奨摂取量ではないことです。
実際の食品中の青色一号の含有量は商品によって異なります。ADI換算値だけから、特定の商品を何個まで食べられるかを計算することはできません。
日本人の青色一号の摂取量はどの程度?安全性を判断する際には、実際の摂取量も重要です。
消費者庁が2025年6月に公表した資料には、国内で使用されている食用タール色素の摂取量推計が掲載されています。
青色一号については、次の数値が示されています。
| 調査方法 | 一日推定摂取量 |
|---|---|
| 2023年度マーケットバスケット調査・混合群 | 0.0006mg/kg体重/日 |
| 2023年度マーケットバスケット調査・表示群 | 0.002mg/kg体重/日 |
| 2022年度生産量調査による推計 | 0.075mg/kg体重/日 |
| JECFAのADI上限 | 6mg/kg体重/日 |
これらは異なる調査方法による推計値です。
特に注目したいのは、生産量調査による推計でも0.075mg/kg体重/日であり、ADI上限の6mg/kg体重/日を大きく下回っていることです。
消費者庁の資料でも、国内の食用タール色素について、推定摂取量はADIと比較して大きく下回っていたと整理されています。
このデータは、通常の食生活における青色一号の摂取量を考えるうえで重要な判断材料になります。
青色一号に発がん性の危険はある?発がん性については、動物実験で使用された量と、人間が通常の食事から摂取する量を区別する必要があります。
2017年のJECFA評価では、長期毒性試験の結果を踏まえてADIが設定されました。
また、2025年6月の消費者庁資料では、食用タール色素について、国際的な評価機関による安全性評価に影響する新たな科学的知見は報告されていないと説明されています。
したがって、青色一号について、通常の食品添加物としての使用を直ちに発がん性の危険と結び付ける根拠は示されていません。
子どもの行動やADHDへの影響は?合成着色料については、子どもの落ち着きのなさや多動性との関連を指摘する研究が話題になることがあります。
ただし、ここで注意したいのは、複数の着色料や保存料を組み合わせた研究結果を、青色一号単独の影響として扱わないことです。
消費者庁の2025年の資料でも、2008年に取り上げられた英国の研究について、複数の合成着色料と保存料を組み合わせた飲料水の摂取を調べたものであり、その研究だけから子どもへの重大な影響を判断することはできないとする過去の審議内容が紹介されています。
青色一号だけがADHDを引き起こすと確定したわけではありません。研究対象の物質、摂取量、試験条件を区別して理解することが大切です。
【2026年最新】青色一号をめぐる海外規制と日本の現状
青色一号の安全性を考えるうえで、海外の規制動向も無視できません。
特に大きな話題となったのが、2025年4月22日に米国保健福祉省(HHS)と米国食品医薬品局(FDA)が発表した合成着色料の段階的な削減方針です。
米国では青色一号と青色二号の段階的な廃止方針米国FDAは、石油由来の合成着色料を食品供給から段階的に減らす方針を発表しました。
対象となった6種類には、以下の着色料が含まれています。
- FD&C Blue No.1(青色一号)
- FD&C Blue No.2(青色二号)
- FD&C Green No.3
- FD&C Red No.40
- FD&C Yellow No.5
- FD&C Yellow No.6
当初の発表では、2026年末までの段階的な移行が示されていました。
その後、FDAの公開する企業別の移行状況では、対象色素の段階的な削減について2027年末を期限とする企業の取り組みも掲載されています。
つまり、米国では一律に即時禁止されたというより、食品メーカーや小売業者と連携した段階的な切り替えが進められている状況です。
米国での方針変更は日本での禁止を意味する?ここは誤解されやすい部分です。
米国の政策が変わったからといって、日本国内でも青色一号が自動的に禁止されるわけではありません。
消費者庁が2025年6月に公表した資料では、日本の食用青色1号と食用青色2号は、引き続き指定添加物として整理されています。
また、同資料に掲載された2025年5月時点の海外比較では、青色一号はカナダ、EU、オーストラリアでも使用が認められていました。
米国以外の主要国で、同じ時期に取り扱いを変更する情報は確認されていないと説明されています。
加えて、FDAの現行公開情報でもFD&C Blue No.1は「Permanently listed, certification required」とされており、認証を必要とする色素として登録されています。
これは、米国での段階的な業界移行方針と、法令上の使用許可の取り消しが別の手続きであることを示しています。
2026年の日本で確認したいポイント日本国内で青色一号を判断するときは、次の3つを分けて考える必要があります。
1. 指定添加物としての位置付け:日本では食用青色1号とそのアルミニウムレーキが指定添加物に収載されている。
2. 使用基準:使用できない食品が定められており、無制限に使用できるわけではない。
3. 国際的な動向:米国の削減方針は日本の使用許可とは別の問題である。
2026年11月時点で、日本の消費者が青色一号を確認する際には、消費者庁の食品添加物公定書と食品表示制度が基本的な判断材料になります。
【プロの結論】青色一号を避けるべきか?判断基準を整理
青色一号について、最も大切なのは「合成だから危険」「指定添加物だから無条件に安全」という二者択一で考えないことです。
公的な評価では、青色一号のADIは6mg/kg体重/日と設定されており、日本国内の摂取量推計もその上限を大きく下回っています。
一方、食品添加物をできるだけ減らしたいという消費者の選択も尊重されるべきです。
判断のポイントを整理します。
| 判断基準 | 考え方 |
|---|---|
| 安全性を重視する | 公的評価と実際の摂取量を確認する |
| 添加物を減らしたい | 青色1号の表示がない商品を選ぶ |
| 子どもの食品を選ぶ | 着色料だけでなく糖分や栄養バランスも確認する |
| 海外製品を購入する | 製造国の規制と日本国内での表示を区別する |
| 長期的な摂取が気になる | 特定の色素だけでなく、食品全体の摂取傾向を見る |
特に重要なのは、ADIを超えていないことと、積極的に摂取する必要があることは別問題だという点です。
青色一号は栄養素ではありません。食品の見た目を整えるための添加物であり、健康維持のために摂取する必要はありません。
公的な安全性評価を正しく理解しながら、自分の食生活や価値観に合わせて商品を選ぶこと。 それが、青色一号との適切な付き合い方です。
【青色一号に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:青色一号は日本で禁止されていますか?
A1:2026年11月時点で、日本では食用青色1号は指定添加物として位置付けられています。ただし、食品衛生法に基づく使用基準があり、すべての食品に自由に使用できるわけではありません。
Q2:青色一号と青色二号は同じ成分ですか?
A2:異なる成分です。青色一号はブリリアントブルーFCF、青色二号はインジゴカルミンです。化学構造やADIも異なります。
Q3:青色一号は発がん性がありますか?
A3:JECFAによる長期毒性試験などの評価を経てADIが設定されています。通常の食品添加物としての使用を直ちに発がん性の危険と結び付ける科学的根拠は示されていません。
Q4:青色一号のADIはどのくらいですか?
A4:JECFAが設定したADIは0~6mg/kg体重/日です。体重60kgの場合、換算値は360mg/日となります。ただし、これは一生涯の継続摂取を想定した安全性評価上の値であり、推奨摂取量ではありません。
Q5:青色一号はどのように原材料表示されますか?
A5:「食用青色1号」「青色1号」「青1」「着色料(青色1号)」などの名称で表示されます。アルミニウムレーキについても関連する簡略名が定められています。
Q6:米国で青色一号が禁止されたという話は本当ですか?
A6:米国では2025年に青色一号を含む6種類の合成着色料を段階的に減らす方針が発表されました。ただし、業界との移行計画と法令上の使用許可取り消しは別です。FDAの公開情報では青色一号は認証を必要とする登録色素として掲載されています。
青色一号(食用青色1号)は、ブリリアントブルーFCFという別名を持つ合成着色料です。
日本では指定添加物として認められ、食品添加物公定書に成分規格が収載されています。
今回押さえておきたい要点は次のとおりです。
- 青色一号は食品を鮮やかな青色に着色するための添加物。
- 青色二号とは異なる化学物質である。
- 使用できる食品と使用できない食品が定められている。
- 原材料表示では「青色1号」「青1」などを確認できる。
- JECFAのADIは6mg/kg体重/日。
- 日本国内の推定摂取量はADIを大きく下回っている。
- 米国の段階的削減方針と日本の使用許可は別の制度である。
食品添加物の安全性は、名称やイメージだけで決まるものではありません。公的機関の評価、使用基準、摂取量という3つの視点から判断することが大切です。
2026年以降も海外の規制や食品メーカーの対応によって、着色料を取り巻く状況は変化していく可能性があります。食品を購入するときには、最新の原材料表示と公的な情報を確認し、自分に合った選択をしていきましょう。
主な参考資料
- 消費者庁『第10版食品添加物公定書』(2024年)
- 消費者庁『食用タール色素について』(2025年6月)
- 厚生労働省『食品、添加物等の規格基準』
- 厚生労働省『食品衛生法に基づく添加物の表示等について』
- FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)『Brilliant Blue FCF』評価資料(2017年)
- 米国食品医薬品局(FDA)『Tracking Food Industry Pledges to Remove Petroleum Based Food Dyes』