ジャルジャルがキングオブコントで優勝したのは、2020年9月26日。後藤淳平と福徳秀介のコンビが、第13回大会で悲願の初優勝を果たし、第13代キングの称号と優勝賞金1000万円を獲得した。決勝で披露したのは、1本目の「野次ワクチン」と2本目の「空き巣タンバリン」。ファーストステージ477点、ファイナルステージ464点、合計941点という圧倒的な結果だった。
注目すべきなのは、優勝までに要した時間である。ジャルジャルは2008年の第1回大会から13大会すべてに挑戦し、決勝進出は通算4回。2019年の3位を経て、翌2020年についに頂点へ到達した。2026年11月現在、キングオブコントは第19回大会まで開催され、最新王者はジェラードンとなっている。ジャルジャルの優勝記録と、歴代王者の中での位置づけを振り返る。
【優勝はいつ?】キングオブコント2020でジャルジャルが第13代王者に

ジャルジャルがキングオブコント2020を制したのは、2020年9月26日(土)。TBS系列で生放送された「お笑いの日2020」のフィナーレを飾る大会で、後藤淳平と福徳秀介が悲願の優勝を達成した。
当時のエントリー総数は1707組。厳しい予選を勝ち抜いた10組が決勝に進み、ファーストステージで上位3組に入ったジャルジャル、ニューヨーク、空気階段がファイナルステージで優勝を争った。
ジャルジャルは1本目から高得点を獲得し、トップでファイナルへ進出。最後のネタでも464点を記録し、合計941点で逃げ切った。
優勝賞金は1000万円。第13回大会の王者となった2人にとって、長年追い続けてきた目標がようやく実現した瞬間だった。
当時のTBS公式発表や日刊スポーツの決勝速報でも、ジャルジャルの優勝と941点という結果が報じられている。
【941点の内訳】1stステージ477点・ファイナル464点の圧倒的な結果
ジャルジャルの優勝を数字から分析すると、特に注目したいのがファーストステージで築いたリードだ。
キングオブコント2020では、5人の審査員がそれぞれ100点満点で採点。各ステージ500点満点、2ステージの合計1000点満点で優勝者が決定する方式だった。
ファーストステージは477点でトップ通過ジャルジャルは1本目の「野次ワクチン」で477点を獲得。2位のニューヨークに16点差、3位の空気階段に19点差をつけた。
各審査員の採点は以下の通り。
- 松本人志:95点
- 大竹一樹:94点
- 三村マサカズ:96点
- 日村勇紀:97点
- 設楽統:95点
5人全員から94点以上の高評価を受け、合計477点という好成績を記録した。特定の審査員だけに評価されたのではなく、審査員全体から高く評価された点が特徴的だ。
ファイナルステージも464点で逃げ切り2本目の「空き巣タンバリン」では464点を獲得。ファイナルステージ単体の点数ではニューヨークと空気階段をそれぞれ1点上回った。
審査員別の採点は次の通り。
- 松本人志:95点
- 大竹一樹:92点
- 三村マサカズ:90点
- 日村勇紀:94点
- 設楽統:93点
ファーストステージとファイナルステージを合算した最終順位は以下の通りだ。
- 1位:ジャルジャル 941点(477+464)
- 2位:ニューヨーク 924点(461+463)
- 3位:空気階段 921点(458+463)
ジャルジャルは2位のニューヨークに17点差、3位の空気階段に20点差をつけた。特にファーストステージの16点差・19点差が、最終的な優勝争いで大きな意味を持った。
ファイナルだけを見ると3組の差はわずか1点。しかし、最初のネタで圧倒的な評価を得ていたことが、最後の勝敗を決定づけたのである。
【披露ネタを解説】「野次ワクチン」と「空き巣タンバリン」は何が面白かった?
キングオブコント2020のジャルジャルを語るうえで欠かせないのが、2本のコントの個性の違いだ。1本目は独特な設定と言葉のやり取り、2本目は小道具を使った不条理な展開が印象に残るネタだった。
1本目「野次ワクチン」:野次に耐えるための奇妙な訓練ファーストステージで披露した「野次ワクチン」は、新人歌手がボートレース場で野次に耐える練習をするという設定のコント。
人前で歌うことに慣れていない新人歌手が、観客から飛んでくる野次に対応するための訓練を受ける。通常なら応援されるはずの歌手が、あえて厳しい言葉を浴びるという設定そのものにズレがある。
ジャルジャルらしい特徴は、奇妙な状況を大げさな説明に頼らず、2人のやり取りによって膨らませていくところだ。予想外の言葉や反応が重なり、観客の笑いにつながっていく。
このネタは2019年末の単独ライブで生まれたものだった。優勝後のインタビューで福徳は、マニアックになりすぎず、大衆にも伝わる反応があったことを選定理由として説明している。
後藤も、自分たち自身が演じながら笑ってしまうネタだったと振り返った。演者本人が面白いと感じることも、ネタを選ぶ際の判断材料になっていた。
2本目「空き巣タンバリン」:約10年前のアイデアが大舞台で開花ファイナルステージで披露したのは「空き巣タンバリン」。空き巣に入る人物が、なぜか音の出るタンバリンを持っているという奇妙な状況を軸にしたコントだ。
静かに行動する必要がある空き巣と、鳴らすことを目的とするようなタンバリン。この相反する要素がネタの面白さを生み出している。
実は、このネタは決勝のために新しく作られたものではない。福徳の優勝後の説明によると、約10年前に考えたアイデアで、単独ライブでも披露せず、長い間ボツネタとして扱っていたものだった。
転機になったのは、ジャルジャルが毎日投稿していたYouTube企画「ネタのタネ」だった。久しぶりに撮影したところ、スタジオの反応が良く、視聴者からも好意的な反応があったため、キングオブコントで披露することを決めたという。
後藤は、YouTubeで育ったネタが大舞台で花開いたという趣旨の喜びを語っている。
2本のネタに共通していた選定の考え方興味深いのは、2本のネタの選び方が異なっていたことだ。
- 野次ワクチン:単独ライブでの観客の反応を重視。
- 空き巣タンバリン:YouTubeでの視聴者や撮影現場の反応を重視。
つまり、劇場で直接観客に届けてきたネタと、インターネット上で育ったネタを組み合わせた決勝だった。
長年にわたってネタを作り続け、舞台だけでなく動画配信でも試行錯誤してきたジャルジャルの活動が、2本の選択に表れていたといえる。
なお、ネタ名については表記に違いがある。TBSの当時の発表記事には「野沢ワクチン」と記載された箇所もあるが、本人インタビューや日刊スポーツでは「野次ワクチン」と紹介されている。
【13回目の挑戦の軌跡】決勝進出は4回!2008年からの歩み
ジャルジャルの優勝が特別な意味を持った理由は、13回目の挑戦だったことにある。
2人は2008年の第1回キングオブコントから2020年まで、全13大会に出場し続けた。日刊ゲンダイなどの報道によると、13大会すべてで準決勝以上に進出している。
ただし、ここで間違えやすいのが「13回目の挑戦」と「決勝進出回数」の違いだ。ジャルジャルが決勝に進出したのは13回ではなく、通算4回である。
ジャルジャルのキングオブコント戦績| 開催年 | 大会での結果 | 主な出来事・意味 |
|---|---|---|
| 2008年 | 準決勝進出 | 第1回大会から挑戦を開始 |
| 2009年 | 決勝進出 | 初めて決勝の舞台に立つ |
| 2010年 | 決勝進出 | 2年連続の決勝進出 |
| 2011~2018年 | 準決勝進出 | 毎年挑戦を継続 |
| 2019年 | 決勝3位 | 優勝まであと一歩に迫る |
| 2020年 | 決勝優勝 | 4回目の決勝で第13代キングに |
優勝前年の2019年、ジャルジャルは決勝に進出して3位という結果を残していた。
すでに決勝の舞台を経験し、実力を認められていた一方、優勝には届かなかった。そこから翌年も挑戦を続け、ついに頂点をつかんだ。
2020年の優勝後、福徳は13回目の挑戦について、同世代の芸人が出場を辞退する中でも、どうしてもチャンピオンになりたかったという思いを語った。
後藤も、第1回から挑戦して12回悔しい思いをしたことを振り返り、優勝によってその悔しさが吹き飛んだと話している。
13大会すべてに出場したことだけでなく、決勝に進めない時期も含めて挑戦を続けたことが、この優勝の背景にある。
【松本人志の審査員評価】ジャルジャルはなぜ高く評価された?
キングオブコント2020でジャルジャルを高く評価した審査員の一人が、松本人志だった。
2020年大会の審査員は、松本人志、さまぁ~ずの大竹一樹と三村マサカズ、バナナマンの設楽統と日村勇紀の5人。
松本はファーストステージで95点、ファイナルステージでも95点をつけた。いずれも自身の採点の中でジャルジャルに最も高い点数を与えている。
特に注目されたのが、優勝後に松本が語った次の評価だ。
「とっくに優勝にしてもおかしくない実力を持っている」
これは単に2020年のネタが面白かったという評価にとどまらない。長年にわたって賞レースに挑戦してきたジャルジャルの実力を認める言葉として受け止められた。
タンバリンへのコメントにも表れた評価ファイナルステージの「空き巣タンバリン」について、松本はネタ中のタンバリンがうるさかったとユーモアを交えてコメントした。
これに対して後藤が、そういうネタなのだと返す一幕もあった。審査員と演者のやり取りも、優勝直後の印象的な場面となった。
重要なのは、松本だけが高得点をつけたわけではないという点だ。ファーストステージでは5人全員が94点以上をつけており、ジャルジャルのネタが審査員全体から支持されたことが数字にも表れている。
特定の審査員の好みだけに依存せず、幅広い評価を獲得したことが941点という結果につながった。
【2026年最新】キングオブコント歴代優勝者とジャルジャルの位置づけ
2026年11月現在、キングオブコントは第19回大会まで開催されている。
2026年10月17日に行われた大会では、ジェラードンが優勝。第19代キングとなった。ジャルジャルが優勝した2020年は、第13代王者が誕生した大会として歴代記録に残っている。
キングオブコント歴代優勝者一覧(2008~2026年)2008~2016年
- 2008年・第1回:バッファロー吾郎
- 2009年・第2回:東京03
- 2010年・第3回:キングオブコメディ
- 2011年・第4回:ロバート
- 2012年・第5回:バイきんぐ
- 2013年・第6回:かもめんたる
- 2014年・第7回:シソンヌ
- 2015年・第8回:コロコロチキチキペッパーズ
- 2016年・第9回:ライス
2017~2026年
- 2017年・第10回:かまいたち
- 2018年・第11回:ハナコ
- 2019年・第12回:どぶろっく
- 2020年・第13回:ジャルジャル
- 2021年・第14回:空気階段
- 2022年・第15回:ビスケットブラザーズ
- 2023年・第16回:サルゴリラ
- 2024年・第17回:ラブレターズ
- 2025年・第18回:ロングコートダディ
- 2026年・第19回:ジェラードン
ジャルジャルの優勝を特徴づけるのは、優勝までの挑戦回数と、決勝での得点の両方だ。
2020年の優勝は13大会目の挑戦で実現したものだった。決勝進出4回目という数字も、単発の勢いや偶然だけで獲得したタイトルではないことを示している。
その後、2021年には空気階段、2024年にはラブレターズ、2025年にはロングコートダディが初優勝を達成。2026年にはジェラードンが第19代キングとなった。
こうした歴代王者の顔ぶれを見ると、キングオブコントでは、初めて決勝に進んだコンビだけでなく、長年挑戦してきた実力派が悲願を達成するドラマも生まれている。
なお、2026年大会のジェラードンはファースト671点、ファイナル671点、合計1342点で優勝した。2020年のジャルジャルの941点とは採点条件が同一とは限らないため、合計点の数字だけで年度をまたいだ優劣を比較することはできない。
ジャルジャルの941点は、あくまで2020年大会の審査方式における優勝記録として見るのが適切だ。
【よくある質問】キングオブコントとジャルジャルに関するFAQ
Q1:ジャルジャルがキングオブコントで優勝したのは何年ですか?
A1:2020年9月26日です。キングオブコント2020で第13代王者となり、優勝賞金1000万円を獲得しました。
Q2:ジャルジャルが2020年の決勝で披露したネタは何ですか?
A2:1本目が「野次ワクチン」、2本目が「空き巣タンバリン」です。前者は新人歌手が野次に耐える練習をする設定、後者はタンバリンを持った空き巣を題材にしたコントです。
Q3:ジャルジャルの941点の内訳は?
A3:ファーストステージが477点、ファイナルステージが464点です。合計941点で、2位のニューヨークの924点を17点上回りました。
Q4:ジャルジャルはキングオブコントの決勝に何回進出していますか?
A4:通算4回です。2009年、2010年、2019年、2020年に決勝へ進出しました。13回目というのは大会への挑戦回数を指します。
Q5:松本人志はジャルジャルを何点と評価しましたか?
A5:ファーストステージ、ファイナルステージともに95点です。また、優勝後には、以前から優勝してもおかしくない実力があったという趣旨の評価をしています。
Q6:2026年現在のキングオブコント最新王者は誰ですか?
A6:2026年10月17日の第19回大会で優勝したジェラードンです。ジャルジャルは2020年の第13代王者です。
ジャルジャルがキングオブコントで優勝したのは2020年9月26日。披露した「野次ワクチン」と「空き巣タンバリン」の2本で、ファーストステージ477点、ファイナルステージ464点、合計941点を獲得した。
その背景には、2008年の第1回大会から13大会連続で挑戦し続けた2人の歩みがある。決勝進出は4回。2019年の3位を経て、2020年に念願の優勝を果たした。
今回の優勝記録から読み取れるのは、賞レースで結果を出すためには、その日の舞台での完成度だけでなく、日々のネタ作りと観客の反応を確かめる積み重ねも大きな意味を持つということだ。
単独ライブで育てたネタと、YouTubeの「ネタのタネ」から生まれたネタ。その異なる経路で磨かれた2本が、同じ決勝の舞台で最高の結果につながった。
2026年にはジェラードンが新たな王者となったが、ジャルジャルの941点と13回目の挑戦でつかんだ優勝は、キングオブコントの歴史を振り返るうえで欠かせない記録である。
参照資料:TBS公式大会発表、日刊スポーツ、WEBザテレビジョン、ナタリー掲載の優勝会見、MANTANWEBの2025・2026年大会報道。