『良いこと悪いこと』の犯人を理解するには、第9話で判明した実行犯と、第10話で明かされた共犯者を分けて考える必要がある。
最初に結論を整理すると、連続殺人の実行犯は宇都見啓(木村昴)。しかし、今國一成(戸塚純貴)と東雲晴香(深川麻衣)も計画に関与していた。
つまり、宇都見だけを犯人として理解すると、最終回の本当の意味を見落としてしまう。
事件の始まりは小学5年生のいじめ高木たちが小学5年生だったころ、同級生の瀬戸紫苑は「ドの子」と呼ばれ、いじめを受けていた。
紫苑はピアニストになる夢を持っていたが、周囲の悪ふざけによって学校生活に深い傷を負う。その後、転校先のタクト学園で生活することになる。
高木たちが小学6年生になったころには、今度は転校生の猿橋園子がいじめの標的になっていた。
つまり、紫苑と園子は別々の時期に同じ集団から傷つけられた被害者だった。
ところが、高木たちは紫苑の存在を忘れ、園子へのいじめについても深刻な問題として捉えないまま大人になっていた。
この「忘れられた被害者」という構造が、物語全体を貫く重要な伏線になっている。
第9話で判明した実行犯・宇都見啓宇都見は警視庁捜査一課の刑事で、高木たちとも接点のある人物だ。
事件を捜査する立場にいながら、実際には一連の殺人を実行していた。
その動機は、婚約者だった瀬戸紫苑への復讐だった。
紫苑は大人になってピアニストとして活動していたが、過去のいじめによるトラウマを抱え続けていた。
加えて、娘の花音を連れた高木が紫苑のピアノ教室を訪れたことをきっかけに、過去の記憶が再びよみがえる。紫苑はピアノを弾けなくなり、最終的に自ら命を絶った。
宇都見にとって、これは単なる昔のいじめではなかった。愛する婚約者の人生を奪った過去の加害者たちに対する復讐だった。
第9話では宇都見が小山を殺害し、それまでの事件も自分が実行したと高木に告白する。
ここで犯人が明らかになったにもかかわらず、最後に意味深な行動を見せたことで、視聴者には共犯者の存在が強く意識されることになった。
最終回で明らかになった今國と東雲の正体最終回で大きく意味が変わるのが、今國と東雲の存在だ。
東雲は週刊アポロの記者として園子と一緒に仕事をしていた。ところが、彼女自身も過去にいじめを経験しており、転校先のタクト学園で瀬戸紫苑と知り合っていた。
今國も同じタクト学園に関係する人物で、紫苑と親しい関係にあった。
2人は紫苑の死をきっかけに、宇都見とともに復讐計画に加わっていたのである。
ここで重要なのは、事件の目的が単純な殺人による復讐だけではなかったことだ。
今國と東雲は、高木自身に今國を殺させようとしていた。過去にヒーローになりたいという夢を持っていた高木を、復讐のために殺人を犯す人物へ変えようとしたのである。
高木が自分たちの仲間を殺した人物を殺せば、復讐の連鎖が完成する。被害者のために正義を実現するつもりが、新たな加害者を生み出すという皮肉な構造だ。
しかし、高木は今國に銃を向けられても、引き金を引くことができなかった。
そして、涙ながらに過去のいじめを認め、今國に謝罪する。
犯人・動機・役割の関係を整理| 人物 | 事件での役割 | 動機・目的 |
|---|---|---|
| 宇都見啓 | 連続殺人の実行犯 | 婚約者・紫苑への復讐 |
| 今國一成 | 共犯者・計画への関与 | 紫苑の死をめぐる復讐 |
| 東雲晴香 | 共犯者・計画への関与 | いじめをなくすため社会を変えたいという考え |
| 高木将 | 標的・過去の加害者 | 自らの罪と向き合うことになる |
| 瀬戸紫苑 | 事件の発端となった被害者 | 過去のいじめによるトラウマを抱えていた |
この表からも分かるように、宇都見、今國、東雲は同じ立場ではない。宇都見が実際に殺人を実行し、今國と東雲はその計画に加わっていた。
高木は最後に自分の罪を認めた最終回の重要な場面が、週刊アポロによる高木の独占インタビューだ。
東雲の記事によって、高木は過去のいじめの主犯格として世間に知られることになる。その影響は本人だけにとどまらず、自宅への嫌がらせや娘の花音へのいじめにまで広がった。
高木は自分の過去を隠すのではなく、園子の取材を受けて、いじめをしていた事実を認める。
そして、これからは自分の選択に責任を持ち、変わり続けるという決意を示した。
この展開は、単純に犯人が逮捕されて事件が終わるミステリーとは異なる。
加害者が自分の過去を認めた後、どのように生きていくのか。
それが本作の最終的な問いだった。
最後の30秒が示した花音への希望最終回では、花音が学校の倉庫に閉じ込められてしまう場面が描かれる。
暗い倉庫の中で泣いていた花音のもとに、やがて光が差し込む。扉を開けた人物は花音に声をかけるが、その正体は明確に示されないまま物語が終わる。
このラストは、視聴者の間でも話題になった。
高木がかつて行ったいじめによって、今度は娘が同じような苦しみを味わう。親の過去が子どもにまで影響するという、非常に厳しい展開だ。
一方、最後に差し込む光は、いじめの連鎖を断ち切る可能性も感じさせる。
犯人が分かればすべて解決するという結末ではなく、次の世代が同じ過ちを繰り返さないために何ができるのかを残した終わり方だった。
【Huluオリジナルストーリー・主題歌・評判】本編だけでは分からない魅力

『良いこと悪いこと』には、地上波の全10話とは別に、Hulu独占配信のオリジナルストーリーが2話用意されている。
これらは単なる番外編ではない。本編では描き切れなかった過去や、事件が終わった後の登場人物の心情を補う内容だ。
9.5話「犬」は高木たちの子ども時代を描く第9話放送後の2025年12月13日に配信が始まったのが、9.5話「犬」だ。
葬儀から帰宅した高木は、妻の加奈から1枚のDVDを渡される。
そこに映っていたのは、小学生時代の高木たちが犬を助け、ニュースの取材を受けた映像だった。
映像には、高木だけでなくターボー、貧ちゃん、カンタロー、ニコちゃん、ちょんまげの姿も映っている。
このエピソードの見どころは、事件が起こる前の仲間たちの姿を確認できることだ。
本編では、過去のいじめや復讐によって関係が壊れていく様子が描かれる。一方、9.5話では、彼らにも確かに仲良く過ごしていた時間があったことが示される。
タイトルの「犬」は、かつて高木が犬を助けた出来事に由来する。
10.5話「良いこと悪いこと」は事件後の日常を描く2025年12月20日の最終回放送後に配信が始まった10.5話は、本編のエピローグにあたる。
事件が終わって数日後、高木や園子たちは、それぞれの生活に戻ろうとしている。
しかし、過去の出来事は消えない。自分の行動を反省していても、すぐに以前の生活へ戻れるわけではない。
そんな中、花音は学校の宿題で「将来の夢」を絵に描くことになる。
そこで両親に、母親が看護師になった理由や、父親がペンキ屋になった理由を尋ねる。
本編の重要なモチーフだった「将来の夢」が、ここでもう一度登場する構成が印象的だ。
9.5話が過去を振り返る物語なら、10.5話は過去を背負いながら未来へ進む物語といえる。
Huluオリジナルストーリーの視聴順| 視聴順 | エピソード | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 第1話~第9話 | 連続事件の発生と真相解明 |
| 2 | 9.5話「犬」 | 小学生時代の仲良し6人組 |
| 3 | 第10話「はじまり」 | 真犯人と事件の結末 |
| 4 | 10.5話「良いこと悪いこと」 | 事件後の登場人物たち |
この順番で見ると、物語の過去・事件・その後という時間の流れが自然につながる。
主題歌はポルノグラフィティの「アゲハ蝶」『アゲハ蝶』
2001年6月27日発売/ドラマ主題歌
本作の主題歌に起用されたのは、ポルノグラフィティの代表曲『アゲハ蝶』。
2001年6月27日に発売された6枚目のシングルで、平成を代表するヒット曲の一つだ。
日本テレビの主題歌発表では、2025年にメジャーデビュー26周年を迎えたポルノグラフィティの楽曲を起用し、作品に散りばめられた平成の雰囲気を音楽でも表現すると紹介していた。
また、同曲は2023年6月にストリーミング累計1億回再生を突破している。
2000年代の小学校生活を物語の背景に置く本作にとって、2001年の楽曲は時代感を演出する重要な要素だ。
懐かしさを感じさせる一方、歌詞やメロディーが持つ切なさは、登場人物たちの失われた時間とも重なる。
TVer再生回数は日テレのレギュラードラマ歴代1位
第8話のAVOD再生回数(8日間)366万回
TVer累計再生数(2025年12月17日時点)
4,800万回突破
関連動画を含む見逃し配信の合計再生数
作品の話題性を裏付けるのが、TVerの再生実績だ。
2025年12月6日放送の第8話は、8日間のAVOD再生回数が366万回を記録。これにより、日本テレビのレギュラードラマ歴代1位の記録を4度目の更新となった。
加えて、TVerの累計再生数は12月17日時点で4,800万回を突破している。これは関連動画を含む見逃し配信の合計で、TVer DATA MARKETINGの調査に基づく数字だ。
ここで注意したいのは、366万回と4,800万回は同じ指標ではないという点だ。前者は第8話単独の8日間の再生数、後者は関連動画を含めた累計再生数である。
数字を正しく分けて見ることで、作品がどれほど配信視聴でも支持されたのかが分かる。
視聴者の評判は?考察の面白さと重いテーマが話題に本作への反応は、大きく分けて3つの論点がある。
- 伏線回収への評価: どの子とドの子の違い、7人目の存在、今國と東雲の正体など、後半で過去の描写がつながる構成が注目された。
- 演技への評価: 普段は明るい今國を演じる戸塚純貴が、最終回で高木と対峙する場面の演技が話題になった。
- いじめを扱う難しさ: 高木への批判、復讐の正当性、花音にまで被害が及ぶ展開など、単純な善悪では整理できない問題に議論が集まった。
共同通信社のエンタメ記事やentaxの最終回レビューでも、最終回への視聴者の反応が紹介されている。高木の決意を評価する声がある一方、過去の加害行為を簡単には許せないという意見も見られた。
視聴者の感想を全体の総意と捉えることはできないが、考察だけでなく、いじめの被害と加害者の責任について意見が分かれる作品だったことはうかがえる。
【2026年最新】良いこと悪いことの視聴方法・配信情報・DVD発売日
2026年11月1日時点で、作品を改めて楽しむ方法として確認したいのは、Huluの配信ページ、Blu-ray・DVD BOX、シナリオブックの3つだ。
1. Huluで本編とオリジナルストーリーを楽しむ
本編・オリジナルストーリーの配信案内あり
Huluは本作の公式配信先であり、作品ページでは本編のエピソード情報が掲載されている。
また、9.5話と10.5話はHulu独占のオリジナルストーリーとして配信が開始された。
2026年に初めて視聴する人は、Huluの作品ページで本編と特別編の配信状況を確認するのがよい。
2. TVerは放送当時の見逃し配信を支えたサービス2025年放送時の見逃し配信・再生実績
TVerは放送期間中、本作の見逃し配信を提供し、歴代記録を更新するほどの視聴を集めた。
ただし、2026年11月時点で全10話とHuluオリジナル2話を通して視聴できるサービスとして、TVerを前提にするのは避けたい。
過去の再生回数の記録と、現在の配信状況は別の情報として考える必要がある。
3. Blu-ray・DVD BOXは2026年6月10日発売映像を手元に残したい人には、バップから発売されたBlu-ray・DVD BOXがある。
| 項目 | Blu-ray BOX | DVD BOX |
|---|---|---|
| 発売日 | 2026年6月10日 | 2026年6月10日 |
| 価格(税込) | 29,040円 | 22,990円 |
| 品番 | VPXX-72157 | VPBX-14284 |
| ディスク数 | 4枚組 | 4枚組 |
| 本編 | 約450分 | 約450分 |
| 特典映像 | メイキング | メイキング |
| 封入特典 | カラーブックレット | カラーブックレット |
共通の特典として、撮影の裏側を収録したメイキング映像とオールカラーブックレットが付属する。
また、先着購入者特典としてオリジナルステッカー6枚セットも用意された。こちらは数量限定のため、購入時に在庫状況を確認したい。
価格や収録内容は日本テレビと発売元バップの公式商品案内に基づく。
4. シナリオブックは2026年3月16日に発売
『良いこと悪いこと シナリオブック』
脚本:ガクカワサキ
出版社:宝島社
発売日:2026年3月16日
定価:2,420円(税込)
判型:四六判・400ページ
この本の大きな特徴は、ドラマ本編の全10話に加えて、Huluオリジナルストーリーの脚本も収録していることだ。
加えて、脚本家のガクカワサキとプロデューサーの鈴木将大による特別対談も掲載されている。
対談では、作品の誕生秘話、放送中に話題になった伏線、主題歌に『アゲハ蝶』を起用した理由、別のエンディング案など、映像を見ただけでは分からない制作面の情報も取り上げられている。
ドラマの考察をもう一度楽しみたい人にとって、答え合わせができる資料として価値のある一冊だ。
【プロの結論】良いこと悪いことが最後に問いかけたもの
『良いこと悪いこと』の面白さは、犯人を予想するだけでは終わらないところにある。
作品の構造を振り返ると、3つの重要なテーマが見えてくる。
1つ目は、忘れた側と忘れられた側の記憶の違いだ。
高木たちは、子ども時代の行動を忘れて日常を送っていた。一方、紫苑や園子にとって、その出来事は人生に影響を与えるほど大きなものだった。
同じ出来事でも、加害者と被害者では記憶の重さが違う。この非対称性が事件の根底にある。
2つ目は、正義と復讐は同じではないということだ。
今國と東雲は、いじめをなくしたいという思いを持ちながら、復讐のために殺人計画へ加わった。
しかし、その方法は新たな被害者を生み、最終的には花音まで苦しめることになる。
被害者の痛みを社会に伝えることと、別の人間を傷つけることは同じではない。園子が東雲への協力を断った理由も、ここにある。
3つ目は、反省は一度の謝罪で終わらないということだ。
高木は自分の過去を認めたが、それだけで被害者が受けた傷が消えるわけではない。
だからこそ、最終回では変わり続けることが強調された。
この作品は、犯人の逮捕をゴールにするのではなく、事件後にどう生きるのかまで描いた点に独自性がある。
どんな人におすすめできる作品か- おすすめできる人: 伏線を探しながら何度も見返す考察ミステリーが好きな人。
- おすすめできる人: 同級生の過去や人間関係が現在の事件につながる群像劇が好きな人。
- おすすめできる人: いじめ、加害者の責任、被害者の心情などを考える社会派ドラマに関心がある人。
- 注意したい人: いじめや自殺、連続殺人を扱う重い題材が苦手な人。
- 注意したい人: 犯人探しだけを楽しみたい人。後半は人物の贖罪や社会的な問題に重点が移っていく。
【『良いこと悪いこと』に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:『良いこと悪いこと』の真犯人は誰ですか?
A1:連続殺人の実行犯は宇都見啓(木村昴)です。最終回では今國一成(戸塚純貴)と東雲晴香(深川麻衣)も共犯者として計画に関与していたことが明らかになります。
Q2:猿橋園子と瀬戸紫苑は同じ人物ですか?
A2:別人です。猿橋園子は「どの子」、瀬戸紫苑は「ドの子」と呼ばれています。紫苑は小学5年生、園子は小学6年生のときにいじめを受けました。
Q3:『良いこと悪いこと』は全何話ですか?
A3:日本テレビで放送された本編は全10話です。これとは別に、Hulu独占の9.5話「犬」と10.5話「良いこと悪いこと」があります。
Q4:2026年に視聴するにはどこがおすすめですか?
A4:Huluの公式作品ページで本編の配信情報を確認できます。Blu-ray・DVD BOXも2026年6月10日に発売済みです。Huluオリジナルの2話についても、視聴時に配信状況を確認してください。
Q5:主題歌は誰が歌っていますか?
A5:ポルノグラフィティの『アゲハ蝶』です。2001年に発売された楽曲で、作品の平成らしい雰囲気を彩っています。
Q6:シナリオブックはいつ発売されましたか?
A6:2026年3月16日に宝島社から発売されました。価格は2,420円(税込)で、全10話とHuluオリジナルストーリーの脚本、脚本家とプロデューサーの対談などを収録しています。
『良いこと悪いこと』は、2025年10月11日から12月20日まで放送された全10話の考察ミステリーだ。
間宮祥太朗演じる高木将と、新木優子演じる猿橋園子を中心に、タイムカプセルから発見された卒業アルバム、忘れられた瀬戸紫苑、宇都見・今國・東雲の復讐計画が複雑に絡み合った。
最終回で明らかになったのは、犯人の正体だけではない。過去のいじめを忘れてしまった加害者と、その傷を抱え続けた被害者の間にある深い溝だった。
2026年にはBlu-ray・DVD BOXとシナリオブックも発売され、Huluでは本編やオリジナルストーリーの配信情報を確認できる。
まだ視聴していない人は、まず本編10話を通して見てから、9.5話と10.5話で物語の前後を補完するのがおすすめだ。
すでに最終回まで見た人も、卒業アルバムや夢を語るDVD、犬を助けた映像など、何気ない場面を改めて見直すと、物語の印象が変わるはずだ。
このドラマが最後に残した問いは、「誰が悪かったのか」だけではない。自分の過去と向き合い、これから何を選ぶのかという、視聴者自身にも向けられた問いなのである。