2026年の新しいサントリー天然水のテレビCMは、5月28日から全国で順次放映が始まった「水の山から/生命(いのち)」篇と「水の山から/水源」篇の2作品だ。
出演者は俳優の柄本佑、ナレーションは安藤サクラ。どちらも2024年の「大自然を味方に」篇から続く広告シリーズで、親子の関係性と自然の恵みという2つのテーマを引き継いでいる。
①「水の山から/生命(いのち)」篇この作品の中心にいるのは、柄本佑が演じる父親と、5歳の息子役を演じる「さんちゃん」だ。
雄大な山々に囲まれた山道を走り回る息子を、父親が追いかける。林の中で変顔を見せたり、広い場所でじゃれ合ったりする親子の姿には、作り込まれた演出よりも自然な親密さが感じられる。
物語の後半では、父親と息子が一緒に天然水を飲む。安藤サクラのナレーションが重なり、信じられる存在に出会うことや、大切なものを守ることの意味を伝えている。
印象的なのは、商品を単においしい水として紹介するのではなく、家族の信頼や生命を支える自然の恵みと結び付けている点だ。
②「水の山から/水源」篇もう一つの作品は、天然水が消費者のもとへ届くまでの道のりを描いた映像だ。
夜明け前の雪景色や山麓の風景を背景に、サントリー天然水を積んだトラックが走っていく。自然の厳しさと、その恵みを届ける人々の営みが対照的に映し出される。
この作品では、生命篇に登場したさんちゃんと実のお兄さん2人も撮影に参加。三兄弟が一緒に雪の上を走り回る姿が盛り込まれている。
つまり、生命篇が水によって育まれる家族の絆を表現しているのに対し、水源篇は水を守り、届けるというブランドの役割を描いている。
2026年7月には別の天然水関連CMも公開5月のテレビCMとは別に、2026年7月18日にはサントリーの企業広告「サントリーのものづくり『天然水』篇」もテレビ放映された。
こちらは森を育てる人、地下水を見守る人、天然水を汲み上げて届ける人など、商品を支える仕事に焦点を当てた60秒の映像だ。
ナレーションは神野三鈴、使用楽曲は玉置浩二の「田園」。5月のCMに出演した柄本佑・安藤サクラとは異なる構成で、天然水を生み出す人間の仕事を前面に出している。
2026年の広告展開を追う際には、この2種類のCMを混同しないことがポイントだ。
【出演者・楽曲を解説】柄本佑と安藤サクラが選ばれた理由

父親役・出演
ナレーション
柄本佑は、映画やテレビドラマなど幅広い作品で活躍する俳優だ。今回のCMでは、父親として息子と向き合う役を演じている。
特に注目したいのは、親子の距離感だ。息子を追いかける場面や、二人で地面に寝転ぶ場面には、父親としての温かさと遊び心が同居している。
2024年の「大自然を味方に」篇でも父親役を務めており、2026年版では前作から2年ぶりに息子役の子役と再会した。オリコンのインタビュー記事でも、再会によって成長を実感したエピソードが紹介されている。
前作を知っている視聴者にとっては、同じ親子の物語が時間を経て続いているように見える点も魅力だ。
安藤サクラのナレーションが生み出す余韻ナレーションを担当する安藤サクラは、2024年のCMから続けて起用されている。
今回のCMでは、声の表現が映像の感情を補う重要な役割を担っている。親子が走り回る映像だけなら、単純な家族の日常を描いた広告にも見える。しかし、安藤の落ち着いた語りが重なることで、信頼や生命というテーマに奥行きが生まれる。
映像の中心にいる柄本佑と、画面の外から物語を支える安藤サクラ。この役割分担が、シリーズに統一感を与えている。
CMで流れる曲は「心の瞳」作詞:荒木とよひさ/作曲:三木たかし
原曲歌唱:坂本九
CM歌唱:大妻中野中学校・高等学校 合唱部
2026年版のCMで使用されているのは、坂本九が1985年に発表した「心の瞳」だ。
この曲は、家族への想いを伝える愛の歌として知られている。坂本九が生前最後にレコーディングした楽曲であり、現在では中学校の音楽教科書にも掲載され、合唱曲としても親しまれている。
今回のCMでは、大妻中野中学校・高等学校の合唱部が歌唱を担当。複数の声が重なる合唱の響きが、映像に描かれる親子の信頼や生命のつながりを際立たせている。
ここで押さえたいのは、CMで流れる歌が単なる懐かしのヒット曲ではないということだ。歌詞のテーマと広告のメッセージが重なっているため、映像を見終わった後にも曲の印象が残りやすい。
【歴代CMの変遷】1991年から2026年までの広告展開
南アルプス天然水のCMを振り返ると、広告表現の中心が変化してきたことが分かる。
初期は南アルプスという水源の名前と清らかな水のイメージを強く打ち出していた。その後、山そのものを訪ねる映像、自然と人間の関係、家族の絆、そして水を守る仕事へと表現の幅を広げている。
主な歴代CMとブランドの転換点この変遷で特に大きな転換点となったのが、2016年の宇多田ヒカル出演シリーズだ。
2016年の「水の山行ってきた 南アルプス」篇では、宇多田ヒカル自身が山に足を運ぶ姿を通じて、水源の自然を体験するというコンセプトが打ち出された。翌2017年には奥大山篇へと展開し、特定の山だけではない天然水ブランドの世界観を表現している。
2024年には柄本佑と安藤サクラによる親子の物語が始まり、2026年には同じ出演者を起用して続編的な作品が制作された。
つまり、歴代CMは単純に出演者や楽曲を入れ替えてきたわけではない。自然を見せる広告から、自然と人間の関係を描く広告へと発展している。
【商品名の真相】南アルプス天然水は今も販売されている?
「南アルプス天然水」という検索語には、実は少し注意が必要だ。
現在、商品としての正式名称は基本的に「サントリー天然水」に統一されている。かつての「サントリー 南アルプスの天然水」という商品名を、そのまま現在のCMタイトルだと考えると、情報が混同しやすい。
2020年に商品名が統一された理由サントリー食品インターナショナルは2020年9月18日、南アルプス・奥大山・阿蘇の天然水の商品名を「サントリー天然水」に統一すると発表した。同年11月上旬から順次切り替えが実施された。
背景にあったのは、安定供給体制の強化だ。地域や時期によって水源を切り替えられる仕組みを整え、災害などの不測の事態にも対応しやすくする狙いがあった。
現在の主な水源は4地域現在のサントリー公式サイトでは、天然水のふるさととして以下の4地域を紹介している。
- 南アルプス: 山梨県の白州を中心とする水源。
- 北アルプス: 北アルプスの山々に育まれる水源。
- 奥大山: 鳥取県の自然豊かな山麓の水源。
- 阿蘇: 熊本県の阿蘇地域の水源。
ここで重要なのは、すべてのペットボトルが南アルプスの水であるとは限らないことだ。水源は地域や時期によって変わる場合があり、購入時に水源を指定できないケースもある。
CMの「20年以上」という数字は何を意味する?CMで繰り返し伝えられる「20年以上」という時間にも理由がある。
サントリーの公式説明によれば、天然水は海から蒸発した水が雲となり、山に雨や雪を降らせ、森の土に浸透して地中へ進むことで育まれる。
地下へ浸透した水は、幾重もの地層を通過する。その過程で天然のミネラルが溶け込み、工場で汲み上げられる天然水になるまでに、およそ20年以上かかるという。
この時間軸を知ると、CMに登場する森や山、雪景色が単なる美しい背景ではないことが分かる。映像そのものが商品の成り立ちを説明しているのだ。
【ネットの反応・炎上の真相】2026年のCMはどう評価された?
2026年のCMを評価するうえで注目したいのが、CM好感度の調査結果だ。
2026年6月度のCM好感度ランキングで総合2位
2026年6月度・銘柄別CM好感度ランキング2位
サントリー天然水72.7
P‰
1位
Google:80.0 P‰
2位
サントリー天然水:72.7 P‰
3位
ドン・キホーテ:64.0 P‰
出典:CM総合研究所・2026年6月度銘柄別CM好感度トップ10
CM総合研究所が公表した2026年6月度のランキングでは、サントリー天然水が総合2位に入った。
同社の紹介によると、今回のCMは「心の瞳」の合唱バージョンや安藤サクラのナレーション、柄本佑が息子を追いかける親子の映像などが評価され、特に成人女性の支持を伸ばした。
加えて、CM好感度と放送回数の両方でブランドとしての自己最高値を記録したと報告されている。単に出演者の知名度だけではなく、音楽と映像の組み合わせが広告として評価された点は見逃せない。
なお、これはCM好感度調査の結果であり、SNS利用者全体の意見を集計した数値ではない。
ネットの反応で注目される3つのポイント2026年のCMについて、話題になりやすい論点は次の3つに整理できる。
1. 柄本佑と子役の自然な親子関係
演技を前面に押し出すのではなく、追いかけっこやじゃれ合いを通して親子の距離感を表現している点が作品の特徴だ。2年ぶりに同じ子役と再会したという制作エピソードも、シリーズの継続性を感じさせる。
2. 「心の瞳」の合唱が生み出す感動
坂本九の楽曲を合唱で再構成したことによって、懐かしさと新鮮さが同居している。学校の合唱曲として知っている世代にも届きやすい選曲だ。
3. 雪山や水源の映像美
水源篇では、商品を積んだトラックが雪景色の中を走る。普段は意識しにくい水の生産や供給の背景を視覚的に伝えている。
サントリーのブランド担当者も、食品業界専門紙の取材で両作品の好感度が高く、「心の瞳」に共感や感動の声が寄せられていると説明している。
炎上したという噂は本当?検索すると「南アルプス天然水のCMが炎上したのでは?」という疑問が見つかることがある。
しかし、2026年の「水の山から」篇について、出演者の起用やCMの演出が原因で大規模な炎上に発展したと裏付ける主要報道や公式発表は確認できない。
また、SNSの投稿を網羅した信頼できる炎上分析データも確認できないため、特定の批判が広範な世論になっていると判断する材料はない。
CM好感度ランキングでは総合2位という結果が公表されている。少なくとも、2026年の新CMを重大な炎上案件として扱う根拠は乏しい。
よくある誤解と事実の整理
誤解①:CMの商品は今も南アルプス限定
現在の商品名はサントリー天然水。複数の水源から供給されている。
誤解②:2026年CMの曲は「ハナミズキ」
「ハナミズキ」は2024年版。2026年5月版は「心の瞳」が使用されている。
誤解③:2026年の新CMは炎上している
大規模な炎上を裏付ける主要報道や公式発表は確認されていない。
誤解④:7月の玉置浩二のCMも同じ作品
7月の「天然水」篇は企業のものづくりを伝える別の広告作品。
【プロの結論】南アルプス天然水CMが長く支持される理由
2026年のCMを歴代作品と比較すると、サントリー天然水の広告には一貫した特徴がある。それは、商品そのものを説明するだけでなく、水が生まれる自然環境と、そこに関わる人間の営みを一緒に描いていることだ。
この広告戦略には、大きく3つの意味がある。
1. 水源をブランドの物語に変えているミネラルウォーターは、消費者から見ると透明な液体が入ったペットボトルというシンプルな商品だ。味や価格だけで差別化するには限界がある。
そこでサントリーは、南アルプスをはじめとする水源の自然や、地下水が育つまでの長い時間をブランドの物語として表現している。
「20年以上かけて磨かれる」という説明は、商品の背景にある時間と自然環境を具体的に想像させる。これは単なるイメージ広告にとどまらない、ブランド価値の伝え方だ。
2. 出演者と楽曲の組み合わせに一貫性がある2016年には宇多田ヒカル、2024年と2026年には柄本佑と安藤サクラというように、出演者や音楽を通じて異なる世代に接点を作ってきた。
2026年の「心の瞳」は、家族や信頼という普遍的なテーマを持つ楽曲だ。親子を描く映像と組み合わせることで、商品を知らない視聴者にも物語が伝わりやすくなる。
3. 自然保護を広告の外側に広げているサントリーは天然水を守る取り組みとして「ウォーター・ポジティブ」を掲げている。公式説明では、国内工場で汲み上げる地下水量の2倍以上の水を「天然水の森」で育む活動を紹介している。
こうした活動は、CMの美しい森や山の映像とつながっている。水を販売するだけではなく、その水を育む環境を将来に残すことまでブランドの役割として伝えているのだ。
ただし、広告の映像だけで環境活動の成果を判断することはできない。活動の実態を知りたい場合は、CMとは別に企業の環境報告や公式活動資料を確認することが大切だ。
どこに注目してCMを見ればよい?CMの魅力をより深く理解したい人は、次の視点で見比べると面白い。
- 映像重視の人: 「水の山から/水源」篇。雪景色やトラックの映像に注目。
- ストーリー重視の人: 「水の山から/生命」篇。父親と息子の関係性に注目。
- 音楽重視の人: 「心の瞳」の合唱と安藤サクラのナレーションに注目。
- 歴史を知りたい人: 宇多田ヒカル出演の2016年版と2024年版を見比べる。
- 商品を詳しく知りたい人: 水源、採水地、商品ラベルを確認する。
特におすすめしたいのは、2024年の「大自然を味方に」篇と2026年の「水の山から」篇を続けて見ることだ。柄本佑と安藤サクラという共通の出演者を通じて、ブランドが描こうとしている世界観の変化と継続性を感じ取れる。
【南アルプス天然水のCM】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年最新の南アルプス天然水CMに出演している俳優は誰?
A1:2026年5月28日から放映された「水の山から/生命(いのち)」篇と「水の山から/水源」篇には、柄本佑が出演している。ナレーションは安藤サクラが担当している。
Q2:2026年のCMで流れている曲は何?
A2:坂本九の楽曲「心の瞳」。作詞は荒木とよひさ、作曲は三木たかし。CMでは大妻中野中学校・高等学校の合唱部が歌っている。
Q3:CMに登場する子役は誰?
A3:サントリーの公式発表では「さんちゃん」という呼び名で紹介されている。2026年のCMでは実のお兄さん2人も撮影に参加している。
Q4:南アルプス天然水という商品名はなくなった?
A4:2020年11月から順次、商品名は「サントリー天然水」に統一された。南アルプスは現在も公式に紹介されている水源の一つだ。
Q5:歴代CMで宇多田ヒカルが出演していたのはいつ?
A5:2016年の「水の山行ってきた 南アルプス」篇などに出演している。2017年には奥大山篇も展開された。
Q6:2026年のCMは炎上している?
A6:大規模な炎上を裏付ける主要報道や公式発表は確認されていない。2026年6月度のCM好感度ランキングでは総合2位を記録している。
Q7:2026年7月の玉置浩二の曲が流れるCMは何?
A7:「サントリーのものづくり『天然水』篇」。玉置浩二の「田園」を使用し、神野三鈴がナレーションを担当した企業広告だ。5月の柄本佑出演CMとは別作品である。
2026年のサントリー天然水CMは、柄本佑と安藤サクラが出演する「水の山から/生命(いのち)」篇と「水の山から/水源」篇が中心となっている。
「心の瞳」の合唱、雄大な山々、親子の絆という組み合わせは、単に水を売るための広告ではなく、自然と生命のつながりを伝える作品に仕上がっている。
加えて、2026年7月には玉置浩二の「田園」を使用した「サントリーのものづくり『天然水』篇」も公開され、水を育む人々の仕事にも焦点が当たった。
今回の情報を整理すると、押さえておきたい要点は次の3つだ。
- 2026年5月の最新テレビCMは柄本佑出演、安藤サクラのナレーション、楽曲「心の瞳」の2作品。
- 「南アルプスの天然水」は歴史ある旧商品名で、現在は「サントリー天然水」に統一されている。
- 歴代CMは宇多田ヒカルの水源探訪から、柄本佑の親子の物語、ものづくりを支える人々の紹介へと広がっている。
これから新しいCMが公開される際にも、出演者や楽曲だけでなく、水源の自然や環境保全への取り組みに注目すると、サントリー天然水の広告が伝えようとしている本当のメッセージが見えてくる。
長年続いてきた南アルプス天然水のCMは、2026年も自然と人間のつながりを描くブランドストーリーとして進化を続けている。
主な情報源:サントリービバレッジ&フード公式ニュースリリース、サントリー天然水公式サイト、CM総合研究所、オリコンニュース、食品新聞、渡辺音楽出版。