歩きスマホをしている人を見て、「なぜ前を見ずに歩けるのか」「周囲に迷惑をかけている自覚はないのか」と疑問に感じたことはないだろうか。駅の構内や混雑した歩道で突然立ち止まる人、正面から人が来ても画面を見続ける人、階段や横断歩道でもスマートフォンから目を離さない人に対して、非常識だと感じるのは自然な反応だ。
実際、2025年3月に一般社団法人電気通信事業者協会(TCA)が公表した意識調査では、回答者の約97%が歩きスマホを危険だと認識していた。それにもかかわらず、約半数が自分自身も歩きスマホをすることがあると回答している。加えて、東京消防庁が2026年4月に公表した最新資料では、過去5年間の関連事故による救急搬送者は171人、2025年だけでも43人に達している。
つまり、歩きスマホに対する批判の背景には、単なる好き嫌いだけでなく、安全意識と実際の行動の矛盾、周囲への配慮の欠如、注意力の低下という具体的な問題がある。
【なぜ「頭おかしい」と思われる?】歩きスマホに対する批判の心理と理由
歩きスマホをする人に対して否定的な印象を持つ人が多いのは、スマートフォンを操作する行為そのものが嫌われているからではない。
問題は、画面に意識を集中することで、周囲の歩行者や交通状況への注意が不足し、他人に危険や不利益を与える可能性が高まることにある。
1. 周囲の人に避ける負担を押しつけている歩道や駅構内は、複数の人が同時に利用する共有空間だ。
通常、人は前方の歩行者の動きや進行方向を確認しながら、互いに進路を調整している。ところが、歩きスマホをしている人は前方への注意が不足し、進路を急に変えたり、予測できないタイミングで立ち止まったりすることがある。
その結果、周囲の人が避ける、歩く速度を落とす、進路を変更するといった対応を強いられる。
本人はスマートフォンを見ているだけでも、周囲には余計な負担が発生する。
この一方的な負担の押しつけが、歩きスマホを迷惑だと感じる大きな理由だ。
2. 注意されても危険性を軽く考えているように見える歩きスマホの危険性は、すでに広く知られている。
それでも人混みや階段で画面を見続けていると、周囲からは「危険を理解していない」「自分だけは事故に遭わないと思っている」と受け取られやすい。
実際には、本人が危険性を知らないとは限らない。危険だと理解していても、短時間なら問題ないと考えている可能性がある。
しかし、事故のリスクは本人の自信とは関係なく発生する。
3. 他人の安全より自分の都合を優先しているように映る歩きスマホには、メッセージをすぐ確認したい、目的地を調べたい、動画を見たいといった個人的な事情がある。
ただし、その事情が他人の安全より優先されるわけではない。
特に混雑した駅や狭い歩道では、周囲の人が予測できない動きをするだけで接触事故につながる。
自分の数秒の利便性のために、他人に衝突や転倒のリスクを負わせているように見えることが、社会的な反感につながっている。
「頭がおかしい」は医学的な評価ではないここで区別しておきたいのが、行動への批判と、その人の人格や精神状態への評価だ。
歩きスマホをすることだけで、精神的な問題や認知機能の異常があるとは判断できない。
危険な行動を取っていることと、その人自身に医学的な問題があることは別の話である。
批判すべきなのは、人格ではなく、周囲の安全を損なう具体的な行動だ。
【TCAの意識調査を検証】危険と知っていても歩きスマホをやめられない心理
歩きスマホをする人の心理を理解するうえで、重要な資料となるのがTCAによる2025年3月26日公表のインターネット調査だ。
この調査は、2024年12月13日から15日に実施された。首都圏と関西圏に住む15~69歳のスマートフォン所有者1,660人が対象となっている。
対象者は首都圏の対象路線と関西圏の対象路線を週1回以上利用する人であり、日本全国の全世代を代表する調査ではない。その点を踏まえても、歩きスマホに対する意識と行動の矛盾を示す興味深い結果となっている。
約97%が危険だと認識しているのに、約半数が実行調査結果では、歩きスマホを危険だと思う人の割合は首都圏97.0%、関西圏96.6%だった。
普段から注意・意識している人も首都圏89.6%、関西圏87.7%と高い。
ところが、実際に歩きスマホをすることがある人は、首都圏49.4%、関西圏47.3%に達した。
つまり、危険だと理解していることと、実際に行動を変えられることは必ずしも一致しない。
この矛盾は、歩きスマホ問題の本質を表している。
歩きスマホをしてしまう理由は何かTCAの調査では、歩きスマホをする人に対して、その理由も尋ねている。
首都圏と関西圏では、上位に挙がる理由が異なっていた。
首都圏では、移動中に時刻表や地図アプリを使うことが便利だからという理由が33.1%で最多。続いて、スマートフォンを見ることが習慣になっているからという回答が26.9%だった。
一方、関西圏では、スマートフォンを見ることが癖になっているからが30.6%で最多となり、移動中の時刻表や地図アプリの利用が25.7%で続いた。
ここから見えてくるのは、歩きスマホが必ずしも悪意や反抗心から生まれる行動ではないということだ。
便利さと習慣が重なり、危険性を理解していても行動を変えられなくなっている。
歩きスマホをやめられない4つの心理① すぐに情報を確認したい心理
LINEやSNS、メール、ニュースなどをすぐ確認したいという欲求がある。
通知が届くと、内容を確認するまで落ち着かない人もいる。移動時間を情報確認に使おうとすることが、歩きスマホのきっかけになる。
② スマートフォンを見ることが習慣化している
特に目的がなくても、歩き始めるとスマートフォンを取り出す人がいる。
これは、移動中に手持ち無沙汰になると画面を見るという行動パターンが定着しているためだ。
③ 数秒なら大丈夫という過信
事故は毎回起こるわけではない。
そのため、何度も歩きスマホをして無事だった経験が、「今回も大丈夫」という過信につながる場合がある。
しかし、過去に事故がなかったことは、次の事故が起きない保証にはならない。
④ 周囲もやっているという安心感
周囲に同じ行動をする人が多いと、自分の行為も特別に危険ではないと感じやすい。
これは、集団の行動を基準にして自分の行動を正当化する心理と関係する。
ただし、周囲に歩きスマホをしている人が多いからといって、安全性が高まるわけではない。
【東京消防庁の2026年最新データ】5年間で171人が救急搬送された事故の実態
歩きスマホに対する批判を、単なるマナー論で終わらせられない理由が事故の実態にある。
東京消防庁は2026年4月10日、「歩きスマホ等に係る事故に注意!」という資料を更新した。
そこでは、令和3年から令和7年までの5年間に、スマートフォンを見たり操作したりしながら歩行・自転車利用をしていたことに関連する事故で、171人が救急搬送されたと報告されている。
2025年の搬送者は43人だった。
なお、この171人という数字は、厳密には歩行中だけの事故ではない。自転車に乗りながらスマートフォンを操作・注視していたケースも含む「歩きスマホ等」の集計である。また、2025年の人数は速報値だ。
事故の内訳と注目すべき数字東京消防庁の公表資料から、特に注目すべきデータを整理した。
| 項目 | 公表された人数・割合 | 内容 |
|---|---|---|
| 過去5年間の救急搬送 | 171人 | 2021~2025年 |
| 2025年の救急搬送 | 43人 | 速報値 |
| 20歳代 | 31人 | 年代別で最多 |
| 転倒事故 | 71人 | 事故種別で最多 |
| 落下・転落事故 | 47人 | 階段や駅などでの事故を含む |
| 衝突事故 | 46人 | 人や物などとの接触 |
| 中等症以上 | 36人 | 入院が必要な程度以上 |
| 道路・交通施設 | 119人 | 全体の約7割 |
※東京消防庁管内の集計。東京都のうち稲城市と島しょ地区を除く地域が対象。事故の種類は、歩行中と自転車利用中の関連事故を含む。
最も多いのは転倒事故事故種別で最も多かったのは、転倒による事故だ。
5年間で71人が搬送され、全体の4割以上を占めた。
スマートフォンの画面を見ながら歩くと、路面の段差や階段の状況を把握しにくくなる。
歩行中は、足元だけでなく周囲の人の動きや進行方向も確認する必要がある。画面に注意を奪われると、その判断が遅れて転倒につながる。
次に多かったのは「落ちる」事故の47人、そして「ぶつかる」事故の46人だった。
駅のホームから線路に転落した事例も東京消防庁の公表資料には、実際に発生した事故の事例も掲載されている。
例えば、40歳代の人がスマートフォンを見ながら駅の階段を下りていたところ、踏み外して転倒し、頭部を負傷した事例がある。
また、20歳代の人がスマートフォンを使用しながら歩いていた際、電柱に気づかず額をぶつけて負傷した事例も報告されている。
加えて、10歳代の人が駅のホームを歩いていた際に足を踏み外し、線路内に転落して腰部を負傷した事例もある。
こうした事故は、スマートフォンの操作に集中することで、目の前にある危険を察知できなくなることを示している。
2026年時点でも続く啓発活動東京都は2026年10月22日、同年11月1日から30日まで実施する「やめましょう、歩きスマホ。」キャンペーンを発表した。
全国の鉄道事業者95社局をはじめ、電気通信事業者協会や携帯電話事業者などが参加する取り組みだ。
駅構内や車内にポスターを掲出し、歩きスマホによる利用者同士の衝突や線路への転落を防ぐことを目指している。
2026年11月現在も、鉄道事業者や通信事業者が共同で注意を呼びかけていることから、歩きスマホは個人のマナーだけでは解決しない公共空間の安全問題として扱われている。
【歩きスマホと注意力・認知機能】なぜ周囲が見えなくなるのか
歩きスマホの危険性は、単純に下を向いていることだけでは説明できない。
重要なのは、歩行とスマートフォン操作という複数の作業を同時に行うことで、注意力や認知資源が分散することだ。
人間の脳は複数の作業に同時に集中できない歩くという行為は、一見すると簡単に思える。
しかし実際には、周囲の状況を確認しながら、障害物を避け、速度や歩幅を調整し、バランスを維持する必要がある。
そこにスマートフォンの操作が加わると、画面の文字を読み、情報を理解し、返信内容を考え、指を動かすという別の作業が発生する。
この状態は、認知心理学や人間工学でいう二重課題(デュアルタスク)に関係する。
複数の作業を同時に行うことで、どちらかの作業のパフォーマンスが低下する可能性がある。
文字入力は歩行能力にも影響する2018年に学術誌Applied Ergonomicsに掲載された研究では、32人の成人を対象に、スマートフォンを使用しながら歩く場合の歩行能力が検証された。
研究では、スマートフォンを使わない場合と、画面上で数字を並べ替える課題や簡単なタップ操作をしながら歩く場合などを比較した。
その結果、スマートフォンを使いながら歩くと、歩行速度や歩幅、歩行時間の安定性などに影響が生じた。
研究者らは、歩行能力の低下には運動的な負担、視覚情報の減少、認知的な負担が関係しており、特に認知的な要因の寄与が大きかったと報告している。
つまり、画面を見ながら歩く危険性は、単に視界が狭くなることだけではない。
メッセージの内容を考えたり、文章を入力したりすること自体が、歩行に必要な注意力を奪う可能性がある。
慣れている人でも危険性はなくならない歩きスマホを日常的に行う人の中には、「いつも問題なく歩けている」「周囲は見えている」と考える人もいるだろう。
しかし、普段の歩行に慣れていることと、突然の危険に対応できることは別だ。
例えば、前方の人が急に立ち止まった場合や、自転車が横から接近した場合、スマートフォンを見ていれば反応が遅れる可能性がある。
特に危険なのは次のような場所だ。
- 駅のホームや階段
- 横断歩道や交差点
- 人が密集する駅構内
- 狭い歩道や商業施設の通路
- 夜間や見通しの悪い道路
歩きスマホによって注意力が分散することと、脳の認知機能が長期的に損なわれることは区別する必要がある。
歩行中のスマートフォン操作による注意力や歩行パフォーマンスへの影響は研究されているが、それだけで恒久的な知能低下や脳の損傷が生じると判断することはできない。
問題の中心は、スマートフォンを操作しているその瞬間に、安全な歩行に必要な注意が不足することだ。
【歩きスマホをする人の特徴】性格ではなく行動パターンに注目
歩きスマホをする人には、いくつかの共通した行動パターンがある。
ただし、特定の年齢、職業、性格の人だけが行うというものではない。
TCAの調査結果からも、便利さや習慣が大きく関係していることが分かる。
1. 移動時間を無駄にしたくない人通勤や通学中に、ニュースやSNS、メールを確認するタイプだ。
少しの空き時間も情報収集に使いたいという意識が、歩きながらの操作につながることがある。
2. 通知をすぐに確認したい人メッセージやSNSの通知が届くたびに確認する習慣がある人は、歩行中でも画面を開きやすい。
返信が遅れることへの不安や、情報を見逃したくないという心理も背景にある。
3. スマートフォンを見ることが習慣になっている人特に用事がなくても、無意識にスマートフォンを取り出して画面を見る人だ。
TCAの2025年調査では、この習慣が首都圏で26.9%、関西圏で30.6%の回答につながっている。
4. 周囲の状況を確認する意識が不足している人歩行中の進路や人の流れよりも、画面の情報を優先してしまうタイプだ。
ただし、これだけで注意力が低い性格だと決めつけることはできない。
重要なのは、その場の環境に合わせてスマートフォンを操作するタイミングを判断できているかどうかだ。
5. 自分の行動が他人に与える影響を意識していない人歩きスマホによって、周囲の人が進路を変更したり、急停止したりすることがある。
本人が気づいていなくても、周囲には危険や不快感が生じている可能性がある。
歩きスマホをする人の特徴を考える際は、性格を分類するよりも、こうした行動が周囲にどのような影響を与えるかを見ることが大切だ。
【歩きスマホをやめさせる方法】自分も周囲も安全を守る具体策
歩きスマホを減らすためには、危険性を理解するだけでなく、実際の行動を変える必要がある。
TCAの2025年調査では、啓発広告を認知していた人のうち、歩きスマホをする機会が減ったと回答した割合は首都圏64.5%、関西圏72.7%だった。
これは自己申告による結果であり、広告だけの効果と断定はできないものの、継続的な注意喚起が行動改善につながる可能性を示している。
自分の歩きスマホをやめる5つの方法① 歩き始める前にスマートフォンを確認する
地図や時刻表、メッセージなどは、歩き出す前に確認しておく。
目的地や乗り換えを把握してから移動すれば、途中で画面を見る回数を減らせる。
② 通知を一時的にオフにする
移動中はSNSやメールの通知を切る、集中モードを利用するなどの工夫が有効だ。
通知が届くたびに画面を開く習慣を減らせる。
③ スマートフォンを取り出しにくい状態にする
ポケットやバッグにしまい、歩いている間は手に持たないようにする。
画面をすぐに確認できない状態を作ることで、無意識の操作を抑えやすくなる。
④ 必要なときは安全な場所で立ち止まる
道の中央や人の流れを妨げる場所ではなく、通行の邪魔にならない安全な場所に移動してから操作する。
駅ではホームの端や階段付近を避け、十分に安全を確保することが大切だ。
⑤ 移動中のスマートフォン利用を習慣から外す
歩き始めたら画面を見ないというルールを決める。
最初は短い移動時間から始め、歩行中にスマートフォンを確認しない行動を定着させる。
歩きスマホをする人に注意するときの伝え方他人の歩きスマホが危険だと感じた場合、感情的に怒鳴ったり、相手の人格を否定したりするのは避けたい。
相手が周囲の状況を把握していない可能性もあるため、簡潔で具体的な伝え方が望ましい。
例えば、次のような言葉が考えられる。
- 「前に人がいるので、少し気をつけてください」
- 「危ないので、ここで止まって確認しませんか」
- 「後ろから自転車が来ています」
相手が危険な行動を続けている場合は、無理に接触せず、自分の安全を優先する。
駅のホームや改札付近で危険がある場合は、駅員に知らせる方法もある。
家族や子どもに教える場合子どもに歩きスマホをやめさせたい場合は、単に禁止するだけでなく、具体的な危険を説明することが大切だ。
例えば、スマートフォンを見ながら階段を下りると踏み外す可能性があること、人混みで画面を見ていると他人と衝突する可能性があることを伝える。
また、大人自身が歩きスマホをしていれば、子どもに注意しても説得力がなくなる。
家庭内で「歩いている間は画面を見ない」という共通ルールを設けることが効果的だ。
【歩きスマホについてよくある質問(FAQ)】
Q1:歩きスマホをする人は本当に頭がおかしいのでしょうか?
A1:歩きスマホをするという行動だけで、精神的な異常や認知機能の問題があるとは判断できない。習慣や利便性、通知への反応などが背景にある場合が多い。ただし、周囲の安全を危険にさらす行為であることは変わらない。
Q2:歩きスマホをしている人はなぜ周囲が見えないのでしょうか?
A2:画面を確認することで視覚的な注意が画面に向かい、さらに文字を読む、内容を考えるといった認知的な負担も増えるためだ。視界だけでなく、危険を判断するための注意力も不足しやすくなる。
Q3:歩きスマホによる事故は本当に多いのでしょうか?
A3:東京消防庁の2026年4月公表資料では、2021~2025年の5年間で関連事故による救急搬送者は171人、2025年は43人だった。ただし、自転車に乗りながらスマートフォンを使用していたケースも含む数字である。
Q4:歩きスマホをやめられないのはスマホ依存だからですか?
A4:必ずしもそうではない。移動中に地図や時刻表を確認する利便性や、画面を見る習慣など、複数の理由が考えられる。歩きスマホだけで医学的な依存症と判断することはできない。
Q5:歩きスマホをしている人を見かけたら注意してもよいですか?
A5:危険が差し迫っている場合は、短く具体的に注意を伝える方法がある。ただし、相手とのトラブルを避け、自分の安全を優先することが大切だ。駅構内では駅員に知らせる方法もある。
Q6:歩きスマホを防ぐ最も効果的な方法は何ですか?
A6:スマートフォンを見たいときに、安全な場所で立ち止まる習慣をつけることだ。通知をオフにする、歩き始める前に地図を確認するなどの工夫も有効だ。
「歩きスマホをする人は頭おかしい」と感じる背景には、危険な行動への不安と、周囲への配慮が不足しているように見えることへの不満がある。
TCAの2025年意識調査では、約97%が歩きスマホを危険だと認識している一方、約半数が自分も行うことがあると回答した。危険性を知っていても、習慣や利便性によって行動を変えられないという矛盾が浮かび上がっている。
加えて、東京消防庁の2026年公表データでは、過去5年間の歩きスマホ等に関連する事故による救急搬送者が171人、2025年だけでも43人に達した。転倒や転落、衝突といった事故は、決して軽視できない。
ここで重要なのは、歩きスマホをする人の人格を否定することではない。問題となる行動を具体的に改善することだ。
歩きスマホを評価する際の判断基準は、次の3点に集約できる。
1. 安全性: 前方や足元、周囲の交通状況を十分に確認できているか。
2. 周囲への配慮: 他人の進路を妨げたり、接触事故の危険を生じさせたりしていないか。
3. 行動の適切さ: スマートフォンを確認する必要がある場合、安全な場所で立ち止まっているか。
2026年11月も全国規模の啓発キャンペーンが実施されているように、歩きスマホの問題は個人だけでなく、鉄道事業者や通信事業者も取り組むべき社会的な安全課題となっている。
スマートフォンは便利な道具だが、歩行中に確認しなければならないものではない。
画面を見る数秒よりも、自分と周囲の人の安全を優先する。
その当たり前の行動を一人ひとりが実践することが、歩きスマホによる事故や不必要なトラブルを減らすための最も確実な方法だ。
主な取材・根拠資料
- 一般社団法人電気通信事業者協会(TCA)「歩きスマホの実態および意識に関するインターネット調査」(2025年3月26日)。
- 東京消防庁「歩きスマホ等に係る事故に注意!」(2026年4月10日更新)。
- Applied Ergonomics掲載「What affects gait performance during walking while texting?」(2018年)。
- 東京都「やめましょう、歩きスマホ。」キャンペーン実施発表(2026年10月22日)。