2026年の大相撲名古屋場所で、朝乃山は東前頭十枚目として15日間を戦い、9勝6敗で勝ち越しを決めた。序盤の連敗を乗り越え、中盤には7連勝を記録。5月場所の7勝5敗3休から成績を立て直し、9月場所では東前頭六枚目で10勝5敗を挙げた。加えて、2026年11月場所では東前頭筆頭まで番付を上げている。
一方、朝乃山が目指すのは単なる幕内上位への復帰ではない。元大関として、再び三役、そして大関の地位に戻ることだ。名古屋場所の全15日間の対戦相手と決まり手、2026年の番付推移、休場からの復活、高砂部屋での最新動向を整理し、現在の実力と今後の昇進可能性を検証する。
【2026年名古屋場所】朝乃山は9勝6敗!序盤の苦戦から7連勝への巻き返し

2026年の名古屋場所は、7月12日から26日まで名古屋市のIGアリーナで開催された。
朝乃山は東前頭十枚目で出場。最終成績は9勝6敗で、3つの勝ち越しではなく、白星が黒星を3つ上回る勝ち越しとなった。
特に注目したいのは、中盤の安定感だ。
初日に翔猿を破って白星発進したものの、2日目の若ノ勝、3日目の藤凌駕に連敗。序盤は苦しい展開となった。
しかし、4日目の狼雅戦から流れが変わる。
狼雅、千代翔馬、阿炎、御嶽海、阿武剋、大青山、藤青雲を連破し、4日目から10日目まで7連勝を記録した。
この連勝によって勝ち越しを決め、幕内上位を目指すうえで重要な結果を残した。
ただし、終盤は尊富士、獅司に連敗。13日目の欧勝馬戦で白星を挙げたものの、琴栄峰、高安に敗れ、最終的には9勝6敗で場所を終えた。
名古屋場所の幕内優勝は安青錦同じ名古屋場所では、関脇安青錦が12勝3敗で幕内優勝を果たした。
千秋楽の本割では熱海富士に敗れ、霧島を含む3人が12勝3敗で並んだ。その後の優勝決定巴戦で安青錦が熱海富士、霧島を連破し、3場所ぶり3度目の優勝を決めている。
大関復帰も同時に果たした安青錦の活躍は、2026年名古屋場所を象徴する出来事だった。
朝乃山にとっても、こうした上位力士との実力差を意識しながら、次の番付を目指す場所となった。
【完全版】朝乃山の9勝6敗・全15日間の星取表と対戦相手
2026年7月場所の朝乃山の取組結果を、日ごとに整理した。
| 日程 | 対戦相手 | 勝敗 | 決まり手 |
|---|---|---|---|
| 初日 | 翔猿 | ○ | 突き倒し |
| 2日目 | 若ノ勝 | ● | 寄り倒し |
| 3日目 | 藤凌駕 | ● | 押し倒し |
| 4日目 | 狼雅 | ○ | 寄り切り |
| 5日目 | 千代翔馬 | ○ | 寄り切り |
| 6日目 | 阿炎 | ○ | 寄り切り |
| 7日目 | 御嶽海 | ○ | 上手投げ |
| 8日目 | 阿武剋 | ○ | 寄り切り |
| 9日目 | 大青山 | ○ | 寄り切り |
| 10日目 | 藤青雲 | ○ | 寄り切り |
| 11日目 | 尊富士 | ● | 寄り切り |
| 12日目 | 獅司 | ● | 下手投げ |
| 13日目 | 欧勝馬 | ○ | 上手投げ |
| 14日目 | 琴栄峰 | ● | 寄り切り |
| 千秋楽 | 高安 | ● | 押し出し |
出典:相撲番付の2026年7月場所・朝乃山の星取表および決まり手記録。
星取表から読み取れる3つの特徴1. 中盤の7連勝が勝ち越しの決め手
4日目から10日目までの7連勝は、朝乃山の相撲が安定していたことを示す。
特に寄り切りによる勝利が目立ち、得意とする右四つから前に出る相撲が結果につながった。
2. 終盤の連敗が二桁勝利を逃した要因
11日目、12日目に連敗した後、13日目には欧勝馬を上手投げで下した。
しかし、14日目と千秋楽を落としたため、最終成績は9勝6敗となった。
中盤の勢いを最後まで維持できなかった点は、今後の課題だ。
3. 決まり手は寄り切りが中心
15日間の結果を見ると、寄り切りが複数回記録されている。
朝乃山はもともと右四つ、寄りを得意とする力士だ。相手に十分な体勢を取らせる前に、自分の形を作れるかどうかが勝敗を左右する。
なお、名古屋場所の対戦相手は前頭5枚目から16枚目までの力士が中心だった。三役との対戦はなく、9勝6敗という結果だけで上位陣への対応力まで判断することはできない。
【2026年の番付推移】5月場所の7勝5敗3休から9月場所10勝5敗へ
朝乃山の2026年を振り返ると、成績と番付の両方で着実な回復が見られる。
日本相撲協会の公式力士プロフィールに掲載された戦歴によれば、2026年は初場所から幕内で勝ち越しを重ねている。
2026年の場所別成績と番付- 1月場所:東前頭十六枚目・9勝6敗
- 3月場所:西前頭十二枚目・8勝7敗
- 5月場所:東前頭十枚目・7勝5敗3休
- 7月場所:東前頭十枚目・9勝6敗
- 9月場所:東前頭六枚目・10勝5敗
- 11月場所:東前頭筆頭
特に注目したいのは、9月場所の成績だ。
東前頭六枚目で10勝5敗を記録し、名古屋場所からさらに白星を1つ増やした。番付も前頭十枚目から六枚目へ上がり、11月場所では前頭筆頭に到達した。
この推移は、単に幕内に残っているだけではなく、上位に戻るための実績を積み上げていることを示している。
5月場所の休場はなぜ起きたのか2026年5月場所の朝乃山は、11日目まで7勝4敗だった。
ところが、翔猿との取組で左足を負傷。12日目から休場することになった。
日刊スポーツの2026年5月21日の報道によると、提出された診断書には、左足リスフラン靱帯損傷、いわゆる左足甲の捻挫と記載され、約4週間の治療期間が必要とされた。
12日目の対戦相手だった琴栄峰は不戦勝となり、朝乃山は7勝5敗3休で場所を終えている。
ここで押さえておきたいのは、2024年に負った左膝の大けがと、2026年5月の負傷は別のけがだという点だ。
朝乃山は2024年7月の名古屋場所でも左膝前十字靱帯断裂などの重傷を負い、途中休場した。7月30日に手術を受け、リハビリを経て復帰を目指した。
その後、2025年3月場所には三段目で7戦全勝の優勝を達成。幕下、十両と番付を上げ、2026年1月場所に幕内へ復帰している。
長期休場から幕内上位まで戻った経緯を考えれば、2026年5月の負傷後に再び9勝、10勝と成績を伸ばしたことには大きな意味がある。
【現在の実力を分析】朝乃山の得意技と三役復帰に必要な課題
朝乃山の現在の実力を判断するうえで、勝ち星だけでなく決まり手にも注目したい。
日本相撲協会の公式プロフィールでは、過去6場所の取組結果を基にした決まり手の傾向が公開されている。
主な内訳は次のとおりだ。
- 寄り切り:約47%
- 押し出し:約18%
- 上手投げ:約7%
- その他:約28%
集計対象は87取組、55勝。寄り切りが最も多く、朝乃山の基本的な勝ち筋が数字にも表れている。
朝乃山の強みは右四つからの攻め朝乃山の得意技は押し、右四つ、寄りだ。
188センチ、172キロという体格を生かし、相手にまわしを取らせずに前へ出る相撲もできる。
特に右四つの形を作った際の寄りは強みとなる。相手を土俵際まで運ぶ力と、組んだ状態での圧力は、幕内で勝ち越しを続けるための重要な武器だ。
一方、相手に先手を取られた場合や、攻めをいなされた場合には、体勢を立て直す必要がある。
名古屋場所でも終盤に3敗を喫しており、15日間を通じた安定性は今後の評価ポイントとなる。
9月場所の10勝5敗は実力を測る重要な結果9月場所の朝乃山は東前頭六枚目で10勝5敗だった。
対戦相手には、狼雅、欧勝馬、尊富士、平戸海、阿炎、金峰山、美ノ海、熱海富士、藤ノ川などが並んだ。
特に13日目の熱海富士戦では寄り切りで勝利。14日目の藤ノ川戦では突き落としで敗れている。
上位力士との対戦が増える中でも二桁勝利を達成した点は評価できる。
名古屋場所の9勝6敗と比較しても、番付が上がった状態で10勝を挙げた9月場所の内容は、三役復帰を考えるうえで重要な材料だ。
三役復帰には何が必要なのか三役とは、関脇と小結を指す。
朝乃山が三役に戻るには、まず前頭上位で勝ち越し、上位陣との対戦でも結果を残す必要がある。
特に重要なのは次の3点だ。
1. 前頭筆頭から前頭数枚目の位置で安定して勝ち越す。
2. 関脇、小結、大関など上位力士との対戦で白星を積み重ねる。
3. 番付編成時の三役の空き枠や、他の力士の成績との兼ね合いで昇進を勝ち取る。
三役への昇進には、単純に何勝すれば確実という固定ルールがあるわけではない。
前頭筆頭での勝ち越しは有力な材料になるが、同じ場所で他の力士がどのような成績を残したかも関係する。
2026年11月場所の朝乃山は、東前頭筆頭という位置にいる。三役復帰を狙ううえで、非常に重要な場所になる。
【2026年11月場所】朝乃山は東前頭筆頭!大関復帰の可能性は?
2026年10月26日に発表された11月場所の番付で、朝乃山は東前頭筆頭となった。
9月場所の東前頭六枚目から5枚上がった形だ。
高砂部屋の公式情報でも、朝乃山は11月場所の幕内所属力士として東筆頭に掲載されている。
九州場所は11月8日初日、福岡国際センターで開催される予定だ。
11月場所は上位陣との対戦が焦点前頭筆頭まで上がったことで、朝乃山は横綱、大関、関脇、小結といった上位陣に近い位置で戦うことになる。
これまでの前頭中位での勝ち越しとは、求められる内容が変わってくる。
上位陣との対戦では、立ち合いから主導権を握れるか、得意の右四つに持ち込めるかが重要になる。
特に、相手の圧力を受け止めるだけでなく、自分から前に出て攻め続けられるかが問われる。
朝乃山本人は大関復帰を目標にしている2026年11月1日の日刊スポーツの報道では、朝乃山が九州場所に向けて調整する様子が伝えられた。
記事では、本人が「大関に戻りたい」と目標を語ったことも紹介されている。
また、三役復帰については、次のような考えを示している。
上の人を倒さないと番付は上がらない。
前頭筆頭という位置に到達した今、上位力士を倒すことが次の昇進につながるという認識だ。
同報道によると、3日前に痛めた左足首の不安も消え、11月2日から出稽古を始める意向を示していた。
大関復帰には33勝が目安になる?大関昇進の目安としてよく知られているのが、三役で直近3場所合計33勝という数字だ。
ただし、これは日本相撲協会が定めた絶対的な昇進規定ではない。
過去には32勝で大関に昇進した力士もおり、朝乃山自身も2020年の大関昇進前の3場所は32勝だった。
昇進判断では、勝ち星だけでなく、相撲の内容や上位力士との対戦結果なども考慮される。
現在の朝乃山は前頭筆頭であり、まず三役に復帰することが先決だ。
かつて大関だったからといって、以前の地位に自動的に戻れるわけではない。現在の番付から改めて昇進の実績を作る必要がある。
したがって、大関復帰は長期的な目標として現実味を持つものの、11月場所の結果だけで実現するものではない。
【高砂部屋の最新情報】朝乃山の復活を支える環境と今後の展望
朝乃山が所属するのは、高砂親方(元関脇朝赤龍)が師匠を務める高砂部屋だ。
富山県富山市出身の朝乃山は、近畿大学を経て2016年3月場所で初土俵を踏んだ。
2017年9月に新入幕、2019年11月に新三役、2020年7月に大関へ昇進。最高位は大関で、幕内優勝1回の実績を持つ。
その後、大けがと長期休場を経験したが、2025年から段階的に番付を戻し、2026年には幕内上位に復帰した。
休場からの復活で評価したいポイント朝乃山の復活を評価する際には、単に現在の番付を見るだけでは不十分だ。
注目したいのは、次の3つの変化である。
第一に、幕下から十両、幕内への復帰を果たしたこと。
2025年3月場所の三段目優勝から始まった再起は、2026年の幕内復帰につながった。
第二に、幕内で連続して勝ち越していること。
2026年1月場所から9月場所まで、5月場所の途中休場を挟みながらも、出場した各場所で勝ち越しを記録している。
第三に、上位に戻るための番付を確保したこと。
11月場所の東前頭筆頭は、再び三役を目指すうえで大きな前進だ。
今後は、けがの再発を避けながら、15日間を安定して戦い抜けるコンディションを整えることが欠かせない。
【プロの結論】朝乃山は三役復帰に近づいたが、本当の勝負はここから
2026年の朝乃山を総合的に評価すると、復活への道筋は着実に進んでいる。
名古屋場所の9勝6敗は、中盤の7連勝が光る内容だった。5月場所の休場から立て直し、9月場所には10勝5敗を記録。11月場所には東前頭筆頭まで番付を上げた。
この流れは、幕内復帰後の成長を示している。
ただし、三役復帰と大関復帰は別の目標として考える必要がある。
三役復帰には前頭上位での勝ち越しと上位力士への勝利が必要であり、大関復帰にはさらに継続的な実績が求められる。
今後の朝乃山を評価する際は、次の基準を押さえておきたい。
- 勝ち越しの継続: 15日間を安定して戦い、8勝以上を積み重ねられるか。
- 上位陣への対応: 横綱、大関、関脇との取組で勝利を挙げられるか。
- けがへの対応: 左膝や足の状態を管理し、休場せずに出場を続けられるか。
- 相撲内容の改善: 得意の右四つと寄り切りを上位相手にも発揮できるか。
元大関という実績は、朝乃山の大きな強みである。しかし、現在の評価を決めるのは過去の肩書ではなく、これからの土俵での結果だ。
11月場所は、その実力を上位陣に示す重要な機会となる。
【朝乃山の2026年名古屋場所】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:朝乃山の2026年名古屋場所の成績は何勝何敗?
A1:東前頭十枚目で9勝6敗だった。4日目から10日目まで7連勝し、勝ち越しを決めている。
Q2:朝乃山は2026年5月場所にどうして休場した?
A2:11日目の翔猿戦で左足甲を負傷したため。左足リスフラン靱帯損傷と診断され、12日目から休場した。最終成績は7勝5敗3休だった。
Q3:朝乃山の2026年9月場所の成績は?
A3:東前頭六枚目で10勝5敗だった。名古屋場所の9勝6敗からさらに白星を伸ばしている。
Q4:朝乃山の2026年11月場所の番付は?
A4:東前頭筆頭。9月場所の東前頭六枚目から5枚上昇した。
Q5:朝乃山は三役に復帰できる?
A5:十分に目指せる位置まで戻っている。前頭筆頭で勝ち越し、上位力士との対戦で結果を残すことが重要になる。ただし、昇進は他の力士の成績や三役の枠にも左右される。
Q6:朝乃山は再び大関になれる?
A6:本人も大関復帰を目標に掲げている。まず三役に戻り、その後も複数場所にわたって高い成績を残す必要がある。33勝は一般的な目安だが、絶対的な規定ではない。
Q7:2026年名古屋場所の優勝力士は誰?
A7:関脇の安青錦。12勝3敗で熱海富士、霧島と並び、優勝決定巴戦を制して3度目の幕内優勝を果たした。
朝乃山は2026年名古屋場所で9勝6敗、9月場所で10勝5敗と成績を伸ばし、11月場所では東前頭筆頭に昇進した。
5月場所の左足甲の負傷による休場を乗り越え、幕内上位まで戻ってきたことは大きな成果だ。
今後の最大の焦点は、前頭筆頭で上位力士を破り、三役復帰を実現できるかどうかにある。
そして、その先には本人が明確に掲げる大関復帰という目標がある。
かつて大関まで上り詰めた朝乃山が、再び上位陣の中心で戦う姿を見せられるのか。2026年11月場所は、その可能性を測る重要な15日間となる。