2026年の男子卓球決勝を理解するうえで、最初に区別したいのがアジア競技大会とアジア卓球選手権大会だ。
両大会は開催時期も競技種目も異なり、優勝者も同じではない。
| 大会・種目 | 決勝カード | 最終結果 | 優勝者 |
|---|---|---|---|
| アジア大会・男子団体 | 日本対中国 | 3対2 | 日本 |
| アジア大会・男子シングルス | 林詩棟対王楚欽 | 4対0 | 林詩棟 |
| アジア選手権・男子シングルス | 張本智和対李天陽 | 3対2 | 張本智和 |
| アジア選手権・男子団体 | 中国対韓国 | 3対0 | 中国 |
出典:日本卓球協会、卓球レポート、テレビ東京卓球NEWSの大会記録。
特に重要なのは、アジア大会の男子団体決勝で日本が中国を破った一方、男子シングルスでは中国勢同士の決勝になったことだ。
加えて、10月のアジア選手権では張本智和が男子シングルスを制している。
つまり、2026年は日本が団体戦とシングルスの両方で中国に迫る成果を残した年であり、種目ごとに優勝者と試合展開を見なければ大会全体の勢力図を正確につかめない。
【アジア大会・男子団体決勝】日本が中国を3対2で破った歴史的試合

開催日:2026年9月24日/会場:スカイホール豊田(愛知県豊田市)
日本
3
優勝・金メダル
VS
男子団体決勝
3-2
中国
2
準優勝・銀メダル
2026年9月24日の決勝は、日本にとって1966年バンコク大会以来、60年ぶりとなる男子団体金メダルを懸けた一戦だった。
相手はアジア大会で男子団体8連覇を続けていた中国。日本は前日の準決勝で韓国を3対0で下し、決勝に進出していた。
日本卓球協会の公式記録とテレビ東京卓球NEWSの試合報道によると、決勝は5試合制で、先に3勝したチームが優勝する方式。日本は最終第5試合までもつれ込む接戦を制した。
決勝の全試合結果
| 試合 | 日本選手 | 対戦相手 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 第1試合 | 松島輝空 | 王楚欽 | 2-3 |
| 第2試合 | 張本智和 | 温瑞博 | 3-1 |
| 第3試合 | 戸上隼輔 | 林詩棟 | 1-3 |
| 第4試合 | 張本智和 | 王楚欽 | 3-0 |
| 第5試合 | 松島輝空 | 温瑞博 | 3-1 |
勝負を決めたのは張本智和と松島輝空だった。
第1試合では松島が世界ランキング1位の王楚欽から2ゲームを先取したものの、そこから逆転されて敗戦。
第2試合では張本が温瑞博を3対1で破り、日本が1勝を取り返した。しかし、第3試合では戸上隼輔が林詩棟に1対3で敗れ、中国が2勝目を挙げた。
後がなくなった第4試合で再び登場した張本は、王楚欽に対して11対7、11対4、11対9のストレート勝利。中国のエースを圧倒し、チームを救った。
そして最終第5試合。
松島は温瑞博に第2ゲームを奪われたものの、攻撃の組み立てを崩さず、最終的に3対1で勝利した。
最終ゲームでは松島のサーブと両ハンド攻撃が機能し、11対8で決着。日本が3対2で中国を破った。
この勝利によって、中国の男子団体連覇は8でストップ。日本男子は60年ぶりにアジアの頂点へ返り咲いた。
この試合で注目すべきポイント
- 張本智和が2試合に出場し、どちらも勝利。
- 松島輝空が最終第5試合を担当して優勝を決定。
- 戸上隼輔は敗れたものの、最終的にはチーム全体で勝ち切った。
- 中国の8連覇を止めたことが、歴史的な意味を持つ。
個人の実力だけでなく、オーダーの組み方と選手の起用が結果を左右した団体戦だった。
【アジア大会・男子シングルス決勝】林詩棟が王楚欽に4対0で完勝
開催日:2026年9月28日/会場:スカイホール豊田
男子シングルス決勝は、日本と中国の対戦ではなく、中国勢同士の対決となった。
対戦したのは、林詩棟と王楚欽。
王楚欽は前回大会の男子シングルス王者で、世界ランキング1位として決勝に臨んだ。一方の林詩棟は世界ランキング8位で、準決勝ではチャイニーズタイペイの林昀儒を4対3で破って決勝に進出していた。
決勝の結果は、林詩棟の4対0。
ゲームごとのスコアは次のとおり。
| ゲーム | 林詩棟 | 王楚欽 |
|---|---|---|
| 第1ゲーム | 11 | 5 |
| 第2ゲーム | 11 | 8 |
| 第3ゲーム | 13 | 11 |
| 第4ゲーム | 11 | 5 |
| 合計 | 4ゲーム | 0ゲーム |
第1ゲームを11対5で先取した林詩棟は、第2ゲームも11対8で奪取。
勝負の分岐点になったのは第3ゲームだった。
王楚欽は11対10と先にゲームポイントを握ったが、林詩棟がそこから3連続得点。13対11でこのゲームも奪った。
第4ゲームも11対5で制し、ストレート勝利を完成させた。
OCA(アジアオリンピック評議会)の大会報道では、林詩棟は決勝で4対0という結果になることを予想していなかったと振り返っている。
また、林詩棟は男子団体、男子ダブルス、混合ダブルスにも出場。男子シングルスの金メダルによって、この大会で3つ目の金メダルを獲得した。
日本代表のシングルス結果は?
ここで注意したいのが、男子団体の金メダルと男子シングルスの成績は別だという点だ。
日本の張本智和は準々決勝でイランのノシャド・アラミヤンに3対4で敗れた。松島輝空も準々決勝で林詩棟に2対4で敗退している。
日本卓球協会の大会記録では、両選手とも男子シングルス5位に位置付けられている。
つまり、アジア大会では団体戦で日本が中国を破った一方、シングルスでは中国が金・銀を独占した。
この結果は、日本男子の団体力が大きく向上したことと、中国の個人戦での強さが依然として高い水準にあることを同時に示している。
【アジア選手権・男子シングルス決勝】張本智和が李天陽に3対2で逆転勝利
開催日:2026年10月25日/会場:ウズベキスタン・タシケント
2026年10月のアジア卓球選手権では、張本智和が男子シングルスのタイトルを獲得した。
対戦相手は中国の李天陽。19歳のカットマンで、守備を主体としながら攻撃も織り交ぜるプレースタイルが特徴だ。
この決勝は、2026年の男子卓球シングルス決勝の中でも特に劇的な試合となった。
張本は最初の2ゲームを落とし、0対2と追い込まれた。それでも残り3ゲームを連取し、3対2で逆転優勝を果たした。
決勝の詳細スコア
| ゲーム | 張本智和 | 李天陽 |
|---|---|---|
| 第1ゲーム | 1 | 11 |
| 第2ゲーム | 9 | 11 |
| 第3ゲーム | 11 | 7 |
| 第4ゲーム | 11 | 8 |
| 第5ゲーム | 11 | 7 |
| 最終結果 | 3 | 2 |
なぜ張本は最初の2ゲームを落としたのか?
第1ゲームは1対11。張本にとって非常に厳しい立ち上がりだった。
李天陽のカットは、通常の攻撃型選手とは異なる回転の変化を生み出す。強打で決めようとしても、相手のボールの回転を正確に読めなければ、ネットやオーバーミスにつながる。
第2ゲームも李の巻き込みサーブとフォアドライブに苦しみ、9対11で落とした。
しかし、第3ゲームから張本の対応が変わる。
打ち急ぐのではなく、ドライブの回転とコースを使い分け、李を台から下げる展開を増やした。相手のカットの球質にも徐々に対応し、11対7で初めてゲームを奪い返した。
第4ゲームも11対8で連取。勝負を最終ゲームへ持ち込んだ。
第5ゲームでは張本が7対2とリードした後、李の攻守に押し戻されて7対7に追いつかれる場面もあった。
それでも最後はブロックと前後への揺さぶりで主導権を取り戻し、11対7で勝利した。
テレビ東京卓球NEWSの試合報道によれば、張本は準々決勝でも台湾の馮翊新に3対2で勝利。準決勝では中国の温瑞博を3対0で破っていた。
つまり、決勝だけでなく、終盤のトーナメントでも強豪との厳しい試合を乗り越えてきたことになる。
日本男子52年ぶりの連覇という記録
今回の優勝には、歴史的な意味もある。
張本は2024年のアスタナ大会に続いて、アジア選手権男子シングルスを2大会連続で制覇した。
日本男子が同種目で連覇するのは、1972年と1974年に優勝した長谷川信彦以来、52年ぶりの快挙となった。
0対2からの逆転勝利と歴史的な連覇。この2つが2026年の張本智和の優勝を象徴している。
【男子卓球決勝のトーナメント表・試合速報】結果を確認する方法
男子卓球の決勝を追いかける際には、単に優勝者だけを見るのではなく、準々決勝、準決勝、決勝までの勝ち上がりを確認することが大切だ。
2026年の2大会について、日本卓球協会は大会別の公式結果を掲載している。
張本智和のアジア選手権・決勝までの結果
| ラウンド | 対戦相手 | 結果 |
|---|---|---|
| 2回戦 | 関文皓(香港) | 3-0 |
| 3回戦 | 金民赫(韓国) | 3-1 |
| 4回戦 | 黄友政(中国) | 3-0 |
| 準々決勝 | 馮翊新(台湾) | 3-2 |
| 準決勝 | 温瑞博(中国) | 3-0 |
| 決勝 | 李天陽(中国) | 3-2 |
この勝ち上がりを見ると、張本は中国勢との対戦を複数回経験しながら決勝に進んでいたことが分かる。
特に準々決勝と決勝の両方でフルゲームの接戦を制した点は見逃せない。
男子卓球の試合速報・結果を確認する主な情報源
- 日本卓球協会:大会日程、出場選手、公式試合結果、トーナメントの確認。
- ITTF・ATTU:国際大会の公式記録、選手情報、海外選手の結果。
- テレビ東京卓球NEWS:試合速報、勝負のポイント、映像配信情報。
- TBS NEWS DIG:アジア大会の日本代表の試合結果と放送情報。
特に日本卓球協会の大会ページは、団体戦とシングルスの記録が分かれているため、異なる大会の結果を取り違えにくい。
2026年の男子卓球決勝・放送予定と配信情報2026年11月2日時点では、今回取り上げたアジア大会とアジア選手権の決勝はすでに終了している。
当時の放送・配信情報は次のとおり。
| 大会 | 放送・配信 | 対象 |
|---|---|---|
| アジア大会 | TBS系列 | 男女団体決勝の大会中継 |
| アジア大会 | TVer | TBS地上波のリアルタイム配信予定 |
| アジア大会 | U-NEXT | 男女団体決勝のライブ配信予定 |
| アジア選手権 | U-NEXT | 張本智和対李天陽の男子シングルス決勝 |
アジア大会の男子団体決勝は9月24日、アジア選手権の男子シングルス決勝は10月25日に開催された。
現在、試合を見直したい場合は、各配信サービスの見逃し配信・アーカイブの掲載状況を確認する必要がある。過去のライブ配信ページが残っていても、映像を引き続き視聴できるとは限らない。
【プロの結論】2026年の男子卓球は団体力と個人技の両方に注目
2026年の男子卓球決勝から読み取れるのは、日本と中国の実力差が種目によって異なる形で表れたことだ。
アジア大会の男子団体では、日本が中国を3対2で破った。
張本智和が2勝を挙げ、最後は松島輝空が勝負を決めた。個々の選手の力に加え、チームとしての戦い方が結果につながった。
一方、男子シングルスでは林詩棟が王楚欽に4対0で勝利。中国の選手層の厚さを改めて示した。
そしてアジア選手権では、張本智和が李天陽との決勝を制し、日本男子として52年ぶりの連覇を達成した。
この3つの決勝を比較すると、今後の男子卓球を評価するうえで、次の3つの視点が重要になる。
1.団体戦は選手個人のランキングだけでは評価できない
団体戦では、エース同士の対決だけでなく、第3試合や最終試合の勝敗も大きく影響する。
2026年の日本対中国戦では、張本の2勝だけでなく、松島の最終戦での勝利が決定的だった。
2.シングルスは相手の戦術への対応力が重要
林詩棟と王楚欽の決勝は、林詩棟が終始主導権を握った試合だった。
一方、張本と李天陽の決勝では、カットへの対応を試合中に修正できたことが勝敗を分けた。
同じ卓球でも、相手の戦型によって必要な戦術は大きく異なる。
3.優勝者だけでなく、勝ち上がり方にも注目する
決勝のスコアだけでは、選手の本当の強さを十分に判断できない。
準々決勝で接戦を経験したのか、準決勝で中国の強豪を破ったのか、あるいは決勝で圧倒的な勝利を収めたのか。
こうした経緯を含めて見ることで、選手の現在の実力や大会での調子をより正確に理解できる。
【男子卓球決勝】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年の男子卓球団体決勝で優勝したのはどの国?
A1:2026年9月24日のアジア競技大会では、日本が中国を3対2で破って優勝した。1966年大会以来、60年ぶりの男子団体金メダルとなった。
Q2:2026年の男子シングルス決勝で林詩棟は誰に勝った?
A2:アジア大会の決勝で中国の王楚欽と対戦し、11対5、11対8、13対11、11対5の4対0で勝利した。
Q3:張本智和と李天陽の決勝結果は?
A3:2026年10月25日のアジア選手権決勝で、張本智和が李天陽に3対2で勝利した。第1・第2ゲームを落とした後、3ゲームを連取する逆転優勝だった。
Q4:張本智和は2026年のアジア大会でも男子シングルスで優勝した?
A4:いいえ。アジア大会では準々決勝でイランのノシャド・アラミヤンに敗れ、5位だった。その後、10月のアジア選手権で男子シングルス優勝を果たしている。
Q5:林詩棟と張本智和は同じ大会で優勝した?
A5:異なる大会で優勝した。林詩棟は9月のアジア大会男子シングルス、張本智和は10月のアジア選手権男子シングルスの優勝者だ。
Q6:2026年の男子卓球決勝はどこで視聴できる?
A6:アジア大会の団体決勝はTBS系列、TVer、U-NEXTでの中継・配信が案内されていた。アジア選手権の張本対李の決勝はU-NEXTでライブ配信が案内された。現在の見逃し配信状況は各サービスで確認する必要がある。
2026年の男子卓球決勝では、アジア大会とアジア選手権でそれぞれ印象的な結果が生まれた。
- アジア大会・男子団体: 日本が中国に3対2で勝利し、60年ぶりの金メダル。
- アジア大会・男子シングルス: 林詩棟が王楚欽を4対0で破って優勝。
- アジア選手権・男子シングルス: 張本智和が李天陽に3対2で逆転勝利し、2大会連続優勝。
特に張本の0対2からの逆転と、松島が決めた団体戦の最終勝利は、2026年の日本男子卓球を語るうえで欠かせない出来事だ。
中国の個人戦での強さは依然として際立つものの、日本も団体戦と個人戦の双方で確かな結果を残した。
今後の国際大会では、張本智和、松島輝空、戸上隼輔ら日本の主力選手と、林詩棟、王楚欽ら中国のトップ選手との対戦が引き続き大きな見どころになる。
2026年の男子卓球は、単なる優勝・準優勝の結果だけでは語れない。団体戦で歴史を変え、シングルスでも新たな王者が誕生した、転換点となるシーズンだった。