(つるほ・ようすけ)
基本プロフィール
- 生年月日:1967年2月5日
- 出身地:大阪府
- 年齢:59歳(2026年11月現在)
- 学歴:東京大学法学部卒業
- 所属政党:自由民主党
- 選挙区:和歌山県
- 当選回数:参議院議員5回
鶴保庸介氏は、1998年の参議院議員選挙で初当選して以来、和歌山県を地盤に政治活動を続けてきた政治家です。
参議院の公式プロフィールによると、1992年に東京大学法学部を卒業。その後、衆議院議員秘書を経験し、1996年には衆議院和歌山2区から立候補しましたが、当選には届きませんでした。
転機となったのが1998年7月の参議院選挙です。和歌山県選挙区から出馬し、初当選。当時、同選挙区で最年少の当選者となりました。
その後、2004年、2010年、2016年、2022年と再選を重ね、通算5回の当選を果たしています。
鶴保議員は自民党でどのような立場なのか鶴保氏は、自民党内で政策分野の責任者や国会運営に関わる役職を経験してきました。
特に、国土交通分野、地方創生、外交、観光政策など、地方経済や国の成長戦略に関係する領域で活動してきた点が特徴です。
過去には、次のような重要ポストを務めています。
- 国土交通大臣政務官
- 国土交通副大臣
- 内閣府特命担当大臣
- 参議院厚生労働委員長
- 参議院決算委員長
- 参議院議院運営委員長
- 自民党参議院政策審議会長
2016年の第3次安倍第2次改造内閣では、内閣府特命担当大臣として沖縄及び北方対策、クールジャパン戦略、知的財産戦略、科学技術政策、宇宙政策、情報通信技術政策などを担当しました。
こうした経歴から、鶴保氏は単なる地方選出議員ではなく、国会の委員会運営や政策形成に関わってきた政治家と位置付けられます。
【経歴を年表で整理】参議院5選から予算委員長までの歩み

鶴保議員の政治経歴を理解するには、当選歴だけでなく、どの時期にどのような役職を担ったかを見ることが重要です。
以下に、主要な転換点をまとめました。
1. 国土交通分野との関わりが長い
国土交通大臣政務官と国土交通副大臣を経験しており、交通、地域インフラ、地方の活性化といった分野に接点があります。
2. 国会運営の経験が豊富
厚生労働委員長、決算委員長、議院運営委員長などを歴任しています。2025年に就任した参議院予算委員長も、国会運営における重要な役職の一つでした。
3. 地方創生と観光政策に力を入れている
近年の活動では、二地域居住や観光立国政策が中心的なテーマになっています。人口減少に悩む地方に人の流れを生み出すことを重視している点が特徴です。
【2025年7月の能登半島地震発言】何が問題になったのか?
鶴保議員の名前が全国的に大きく報じられるきっかけとなったのが、2025年7月8日の発言です。
問題となったのは、参議院選挙の応援演説で、2024年1月に発生した能登半島地震について「運のいいことに能登で地震があった」という趣旨の表現をしたことでした。
発言があったのは和歌山市での応援演説2025年7月8日、鶴保氏は和歌山市内で開かれた参議院選挙の自民党候補者の応援集会に出席しました。
その場で訴えていた政策の一つが、都市部と地方の両方に生活拠点を持つ「二地域居住」です。
鶴保氏は、能登半島地震で被災した輪島市の住民が金沢市に避難した事例を取り上げ、避難先でも輪島市の住民票を取得できるようになった行政対応について説明しました。
その際、次の発言が問題になりました。
「また運のいいことに、能登で地震があったでしょ」 2025年7月8日の応援演説。TBS NEWS DIG報道より
この発言は、二地域居住を進めるうえでの制度的な可能性を説明する文脈で出たものでした。
しかし、能登半島地震は多くの犠牲者を出し、被災地では住宅や生活基盤の再建が続いていた災害です。
その災害を「運がいい」と表現したことで、被災者の苦しみを軽視しているように受け取られました。
なぜ「運がいい」という言葉が批判されたのか問題は、二地域居住という政策そのものではありません。
被災者が避難先で行政サービスを受けられるようにすることは、災害時の生活再建にとって重要な課題です。
しかし、政策上の成果を説明する際に、災害そのものを「運がいい」と表現したことで、話の焦点が逆転してしまいました。
被災者にとって地震は、生活や仕事、住居、地域社会を失うことにもつながる深刻な出来事です。
行政手続きの改善という成果があったとしても、それは地震を肯定的に評価できる理由にはなりません。
加えて、当時は能登の復旧・復興が続いており、被災者の感情に対する配慮が求められる時期でした。
つまり、政策の趣旨と発言の表現が大きく食い違っていたことが、批判を強めた要因です。
【謝罪・撤回から参院予算委員長辞任へ】問題発言の全経緯
問題発言は、単に謝罪して終わったわけではありません。
被災地の自治体議会や野党からも批判が相次ぎ、最終的には参議院予算委員長の辞任に至りました。
2025年7月8日から14日までの動き7月8日:問題発言と撤回
和歌山市での応援演説で「運のいいことに能登で地震があった」と発言しました。
その後、同日中に発言を撤回するコメントを発表しました。
7月9日:記者会見で謝罪
鶴保氏は和歌山市内で記者会見を開き、発言について説明しました。
自身の発言について、被災地への配慮が足りなかったと認め、陳謝と撤回を表明しました。
TBS NEWS DIGの報道では、鶴保氏は次のようにも説明しています。
「能登地方が被災したことを『運よく』などと発言してしまいましたが、思った発言ではまったくありません」
また、議員辞職や離党については、当時は考えていないとの考えを示しました。
7月11日:輪島市議会が抗議文を送付
石川県の輪島市議会は、鶴保氏の発言に対して抗議文を送付しました。
報道によると、全会派一致で抗議文の提出を決定し、被災者の感情を深く傷つけたとして、より厳正な対応を求めました。
また、野党側からは鶴保氏の議員辞職を求める声も上がりました。
7月11日:参院予算委員長の辞任意向
鶴保氏は、問題発言の責任を取るため、参議院予算委員長を辞任する意向を党幹部に伝えました。
7月14日:正式に辞任
鶴保氏は11日付で辞任願を提出しており、7月14日に関口昌一参議院議長がこれを許可しました。
これによって参議院予算委員長を正式に辞任しました。
世間の反応はどうだった?当時の報道では、被災地の住民から厳しい意見が相次いでいました。
TBSの取材では、石川県能登町の女性が、復興に向けて前を向こうとしている時期に不適切な表現だという趣旨の批判を述べています。
輪島市の男性からも、被災地の現状を理解していないのではないかという趣旨の声が紹介されました。
また、輪島市議会は抗議文を送付し、野田佳彦氏をはじめとする野党側からも厳しい批判が出ました。
こうした反応から分かるのは、問題が単なる言葉遣いの問題にとどまらなかったことです。
政治家が災害や復興を語る際には、政策の成果だけでなく、被災者が置かれている状況への理解や共感も求められます。
参院予算委員長の辞任と議員辞職は別ここは誤解されやすいポイントです。
鶴保氏が辞任したのは、参議院予算委員長という役職です。
参議院議員そのものを辞職したわけではありません。また、自民党を離党したわけでもありません。
2026年11月現在も、参議院の公式議員名簿に掲載されており、議員としての活動を続けています。
したがって、「能登発言で議員辞職した」という理解は誤りです。
【2026年現在の鶴保議員】所属・参議院での役職はどうなった?
2026年11月現在、鶴保庸介氏は引き続き自由民主党所属の参議院議員です。
参議院公式プロフィールでは、和歌山県選挙区選出、当選5回と記載されています。
任期満了日は2028年7月25日です。2025年の問題発言によって議員の資格を失ったわけではありません。
参議院での現在の役職2026年10月31日現在の参議院公式プロフィールには、次の委員会が掲載されています。
| 項目 | 2026年10月31日現在 |
|---|---|
| 所属会派 | 自由民主党・無所属の会 |
| 選挙区 | 和歌山県 |
| 当選回数 | 5回 |
| 内閣委員会 | 委員として掲載 |
| デジタル社会・AI関連 | 特別委員会の委員として掲載 |
| 任期満了 | 2028年7月25日 |
なお、2026年7月14日現在の名簿では行政監視委員会の理事にも掲載されていましたが、10月31日現在の最新プロフィールでは、内閣委員会とデジタル社会・AI関連の特別委員会が掲載されています。
古い役職情報と最新の情報を混同しないことが大切です。
自民党では観光立国調査会会長を継続2026年の鶴保氏を理解するうえで注目したいのが、党内の役職です。
自民党の2026年10月16日付の公式発表では、鶴保氏は引き続き観光立国調査会会長として紹介されています。
つまり、2025年に参議院予算委員長を辞任した後も、自民党内で政策形成に関わる役割を担っているということです。
また、2026年6月のわかやま新報のインタビューでは、自民党の二地域居住推進議員連盟の会長としても紹介されています。
2026年の主な活動分野は、次のように整理できます。
- 観光立国政策
- インバウンドの地方誘客
- 二地域居住の推進
- 地方経済の活性化
- 人口減少地域の担い手確保
参議院予算委員長という国会の重要ポストからは退いていますが、政策分野での活動は続いています。
【二地域居住を推進する理由】鶴保議員の地方創生政策とは?
鶴保氏が長年取り組んできた政策の一つが、二地域居住の推進です。
これは、都市部に生活の拠点を持ちながら、地方にも別の生活拠点を設け、双方の地域と継続的に関わる暮らし方を指します。
単に地方へ旅行することや、完全に移住することとは異なります。
二地域居住を推進する目的鶴保氏がこの政策を重視する背景には、地方の人口減少と人手不足があります。
2026年6月5日のわかやま新報のインタビューでは、鶴保氏は和歌山県内の事業者が人手不足を理由に事業を断念する状況について、危機感を示しています。
地方では、高齢化や人口減少によって、農業や地域産業を支える人材が不足しています。
一方、都市部に移り住んだ地方出身者の中には、故郷とのつながりを維持したいと考える人もいます。
二地域居住は、こうした人々が都市部の生活を続けながら、地方にも継続的に関わる仕組みをつくる政策です。
二地域居住と能登半島地震発言の関係2025年7月の問題発言を理解するには、この政策との関係を整理する必要があります。
鶴保氏は、能登半島地震で輪島市から金沢市に避難した住民の行政手続きについて説明していました。
被災者が避難先で生活する場合、行政手続きをどこで受けられるのかという問題が発生します。
鶴保氏は、この経験を二地域居住に関する制度の可能性を示す事例として紹介しました。
ただし、ここで重要なのは、二地域居住と住民票を二つ持つことは同じではないという点です。
国土交通省が進める二地域居住の制度は、住まい、仕事、地域住民との交流環境などを整備し、地方への人の流れをつくるための仕組みです。
2024年5月22日に改正法が公布され、同年11月1日に施行されました。
法律上は、自治体による促進計画や、二地域居住者を支援する法人の仕組みなどが整備されています。二つの自治体に住民票を二重登録することを認める法律ではありません。
ふるさと住民登録制度にも注目鶴保氏が推進している政策として、ふるさと住民登録制度もあります。
これは、住民票を置いていない地域であっても、その地域との継続的なつながりを可視化し、地域活動や移動支援につなげる考え方です。
2026年6月のわかやま新報の報道では、和歌山県と日本航空による実証施策が紹介されました。
具体的には、二地域居住プログラムの参加者に「ふるさと住民アプリ」の試用版を配布し、利便性を検証する取り組みです。
加えて、日本航空とJR西日本も、二地域居住による関係人口の拡大に向けた協定を締結したと報じられています。
この政策の本質は、地方に住む人を増やすだけではなく、地方と継続的に関わる人を増やすことにあります。
人口減少が続く地域では、定住人口だけを基準に地域の将来を考えることが難しくなっています。
そのため、二地域居住や関係人口の創出は、地域経済の維持に向けた選択肢の一つとなっています。
【観光立国調査会会長としての現在】インバウンド・地方誘客政策に注力
2026年の鶴保氏の政治活動を語るうえで、もう一つ重要なのが観光政策です。
自民党の観光立国調査会会長として、訪日外国人旅行者を地方へ誘導する政策や、観光産業の課題について議論を進めています。
2026年6月:インバウンド消費と民泊の課題を議論2026年6月16日、観光立国調査会は日本百貨店協会や全国免税店協会、政府、自治体などからヒアリングを行いました。
自民党の公式発表によると、鶴保会長は、前年の訪日外国人数が4,000万人を突破したことに触れ、2030年に6,000万人を目指す政府目標に向けて議論を進める考えを示しました。
会議では、次のようなテーマが取り上げられています。
- インバウンド消費の拡大
- 免税店の売り上げと地方経済への波及
- 地方企業や特産品と訪日外国人の接点
- 民泊による地域トラブル
- 外国人旅行者への日本の生活マナーの周知
特に民泊については、地域住民から不安の声が出ていることや、地域の実情に応じた規制の必要性が議論されました。
2026年10月:地方誘客とオーバーツーリズム対策2026年10月14日には、観光立国調査会が観光関連団体を招いてヒアリングを実施しました。
対象となったのは、日本観光振興協会、定期航空協会、日本外航客船協会などです。
会議では、観光客の過度な集中によるオーバーツーリズムの問題や、地方の交通インフラの維持が難しくなっている現状が取り上げられました。
鶴保会長は、国際観光旅客税の使い道も含め、観光全体の戦略を考える必要性を示しています。
議論の中心にあるのは、訪日外国人旅行者を単純に増やすだけでなく、いかに地方にも足を運んでもらうかという課題です。
2030年に向けた観光政策の目標観光庁が2026年3月に決定した第5次観光立国推進基本計画では、次の目標が掲げられています。
2030年の訪日外国人旅行者数6,000万人
2030年の訪日外国人旅行消費額15兆円
観光庁・2026~2030年度の第5次観光立国推進基本計画
この計画では、インバウンドの誘客と住民生活の質の確保を両立させることが重視されています。
また、地方誘客の促進、オーバーツーリズム対策、観光と交通・まちづくりの連携、観光DXなども主要な施策に位置付けられています。
鶴保氏が担当する観光立国調査会の議論も、こうした国の方向性と関係しています。
ただし、調査会でのヒアリングや議論と、具体的な政策の成立・実施は別の段階です。今後は、地方交通の維持や地域住民の生活環境への配慮などについて、どのような具体策が打ち出されるかが注目されます。
鶴保議員の評判をどう見るべきか鶴保氏への評価は、政治家としての長年の実績と、2025年の能登発言を分けて考える必要があります。
これまで国土交通分野や国会運営、観光政策などに関わってきた経験は、政治家としての経歴上の実績です。
一方、能登発言については、被災者や自治体議会から厳しい批判が寄せられ、参議院予算委員長の辞任にまで発展しました。
この問題を謝罪・撤回だけで終わった出来事として扱うのは適切ではありません。災害を経験した人々への配慮や、政治家の発言責任という課題を残したからです。
2026年の活動を評価する際には、次の3点が判断材料になります。
1. 政策実績: 二地域居住や地方誘客で、地域の雇用や経済に具体的な成果を生み出せるか。
2. 説明責任: 過去の問題発言を踏まえ、被災地や地域住民に対して丁寧な説明ができるか。
3. 実行力: 調査会での議論を、実効性のある制度や地域支援策につなげられるか。
肩書の多さだけで政治家の評価は決まりません。実際に地域の課題を解決できるかどうかが、今後の評価を左右します。
【鶴保議員に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:鶴保庸介議員は2026年現在も自民党に所属していますか?
A1:はい。2026年10月31日現在、参議院の公式プロフィールでは自由民主党・無所属の会の所属議員として掲載されています。和歌山県選挙区選出の参議院議員で、当選回数は5回です。
Q2:鶴保議員は能登半島地震の発言で議員辞職したのですか?
A2:いいえ。2025年7月14日に辞任したのは参議院予算委員長の役職です。参議院議員そのものを辞職したわけではなく、2026年現在も現職です。
Q3:鶴保議員の現在の主な役職は何ですか?
A3:自民党の観光立国調査会会長を務めています。また、参議院では内閣委員会とデジタル社会・AI関連の特別委員会に所属しています。二地域居住推進議員連盟の会長としても活動しています。
鶴保庸介氏は、1998年に参議院議員として初当選し、和歌山県選挙区で5回当選した自民党のベテラン議員です。
国土交通副大臣や内閣府特命担当大臣、参議院予算委員長などを歴任し、2026年現在は観光立国調査会会長として政策活動を続けています。
2025年7月の能登半島地震をめぐる「運のいいことに」という発言は、被災地への配慮を欠いたものとして批判され、謝罪・撤回と参議院予算委員長辞任につながりました。ただし、議員辞職には至っていません。
現在の主な政策テーマは、二地域居住による関係人口の拡大と、インバウンドの地方誘客です。
【プロの結論】
鶴保議員を2026年時点で評価する際には、次の3つを切り離さずに見ることが重要です。
- 過去の国会・政府での役職と政治経験
- 能登発言で問われた政治家としての発言責任
- 二地域居住や観光政策で今後生み出す具体的な成果
特に注目したいのは、観光政策と地方創生が実際に地域の人手不足や交通問題、経済活性化につながるかどうかです。
2025年の問題発言によって傷ついた信頼をどう回復するのか。そして、2026年に掲げている政策をどこまで実現できるのか。鶴保庸介氏の今後の政治活動は、この2つの側面から引き続き注視する必要があります。