2026年10月5日、東京ヴェルディは城福浩監督との契約解除を発表した。2022年6月の就任からチームを率い、2023年には16年ぶりのJ1復帰を実現。さらに2024年のJ1リーグでは6位という躍進を成し遂げた指揮官が、シーズン途中でクラブを去ることになった。
契約解除の直接的な背景にあったのは、2026/27シーズンの開幕から8試合を終えて0勝4分4敗、勝ち点4で19位という厳しい成績だった。クラブは「将来を見据えた総合的な判断」と説明している。一方、城福監督本人はチームづくりがこれからという段階での退任に無念さをにじませた。
では、なぜJ1復帰の功労者が解任されることになったのか。これまでの監督歴、FC東京・ヴァンフォーレ甲府・サンフレッチェ広島での実績、東京ヴェルディで築いた成果を振り返りながら、2026年11月2日時点の現在と今後の可能性を整理する。
【2026年最新】城福浩の現在は?10月5日の契約解除と解任の真相

城福浩氏は2026年10月5日付で東京ヴェルディの監督を退任した。
クラブが公式発表で示した理由は、2026/27明治安田J1リーグ第8節終了時点で19位に低迷していたチーム状況だ。
この時点での成績は次のとおり。
- 試合数:8試合
- 勝利:0勝
- 引き分け:4分
- 敗戦:4敗
- 勝ち点:4
- 順位:19位
開幕から8試合を戦って一度も勝利できず、チームは降格圏を意識せざるを得ない位置に沈んでいた。
東京ヴェルディの中村考昭社長は、クラブ公式発表で第8節終了時点の19位という現状を重く受け止め、クラブの将来を見据えた総合的な判断だったと説明している。
つまり、今回の契約解除についてクラブが公式に示した直接的な判断材料は、リーグ戦での成績とチームの将来を見据えた経営・強化上の判断だった。
城福監督本人は突然の退任に無念さを表明一方、城福氏自身のコメントからは、クラブ側との認識に少なからず温度差があったこともうかがえる。
本人はシーズン序盤に勝ち点を積み上げられなかったことを認めながらも、補強選手が出そろい、負傷者の復帰も見込める状況になっていたと説明した。
そして、チームづくりはこれからという段階での退任について、次のように述べている。
このタイミングでチームを離れることは無念ですし申し訳ない気持ちでいっぱいです。
このコメントで注目したいのは、城福氏が単に成績不振を認めて退任したわけではない点だ。
本人は戦力が整いつつあることを踏まえ、これからチームを立て直す余地があると考えていた。しかし、クラブはその先の成長を待つのではなく、指揮官交代による変化を選んだ。
両者の判断基準が異なっていたことが、今回の契約解除を理解するうえで重要になる。
後任は相馬直樹氏に決定10月5日の発表では、10月7日の天皇杯3回戦は森下仁志ヘッドコーチが暫定的に指揮を執る予定とされた。
その後、東京ヴェルディは10月8日、相馬直樹氏の新監督就任を発表した。
これにより、城福体制は正式に終了。クラブは新しい指揮官のもとで巻き返しを図ることになった。
2026年11月2日現在、城福氏の次の監督就任先については公表されていない。
今回の契約解除は、指導者としてのキャリアそのものの終わりを意味するものではない。過去のJ1上位進出やJ2優勝、東京ヴェルディの再建実績を踏まえれば、今後もJリーグの監督候補として名前が挙がる可能性はある。
【まとめ年表】城福浩の監督経歴と歴代指揮クラブを時系列で整理
城福浩氏は1961年3月21日生まれ、徳島県出身。2026年11月現在65歳で、日本サッカー協会公認S級コーチライセンスを保有する。
選手としては富士通サッカー部などでプレー。その後、指導者としてのキャリアを積み重ね、育成年代の代表監督からJリーグのトップチーム監督へと活動の場を広げていった。
特にFC東京、ヴァンフォーレ甲府、サンフレッチェ広島、東京ヴェルディでの指導歴は、城福氏を理解するうえで欠かせない。
城福浩の歴代監督クラブ・主要実績一覧| 年代 | 所属・役職 | 主な実績・転換点 |
|---|---|---|
| 1993~1996年 | 富士通サッカー部 | コーチを経て監督に就任 |
| 1999~2007年 | FC東京・日本代表育成関連 | 育成部門、強化部、各年代別日本代表監督 |
| 2008~2010年 | FC東京監督 | 2009年ナビスコカップ優勝 |
| 2012~2014年 | ヴァンフォーレ甲府監督 | 2012年J2優勝・J1昇格 |
| 2016年 | FC東京監督 | ACLベスト16 |
| 2017年 | 日本サッカー協会 | 関東地域統括ユースダイレクターなど |
| 2018~2021年 | サンフレッチェ広島監督 | 2018年J1リーグ2位 |
| 2022年6月~2026年10月 | 東京ヴェルディ監督 | 2023年J1昇格、2024年J1・6位 |
出典:各クラブの公式プロフィール、Jリーグ公式記録。
FC東京時代:育成部門からトップチーム監督へ城福氏の指導者としてのキャリアを語るうえで、FC東京は重要な存在だ。
1999年に育成普及部長に就任し、その後は育成部門や強化部門で経験を積んだ。
さらにU-15、U-16、U-17日本代表などの指導にも携わり、2006年にはU-16日本代表を率いてAFC U-17選手権優勝を経験している。
2008年にFC東京のトップチーム監督に就任すると、2009年にはJリーグヤマザキナビスコカップを制覇した。
2010年にはスルガ銀行チャンピオンシップでも優勝している。
一方、2010年はリーグ戦で苦戦し、J1の16位という結果だった。成功と厳しい結果の両方を経験した時期でもある。
2016年にもFC東京の監督を務めており、同クラブとは育成・強化・トップチームの複数の立場で関係を築いてきた。
ヴァンフォーレ甲府時代:J2優勝とJ1昇格2012年、城福氏はヴァンフォーレ甲府の監督に就任した。
この年の甲府はJ2で24勝14分4敗を記録。勝ち点86を獲得し、リーグ優勝を達成した。
J2からJ1への昇格を実現したこの経験は、後の東京ヴェルディでの仕事にもつながる実績だった。
その後の2013年はJ1で15位、2014年は13位。強豪クラブとは異なる戦力環境のなかで、J1に定着するためのチームづくりを経験している。
サンフレッチェ広島時代:2018年J1リーグ2位2018年から2021年まではサンフレッチェ広島を指揮した。
就任初年度の2018年には、J1で17勝6分11敗を記録。リーグ2位という好成績を残した。
2019年は6位、2020年は8位、2021年は11位だった。
広島では4シーズンにわたり指揮を執り、J1リーグ通算135試合で56勝37分42敗を記録している。
2021年10月に退任したが、2018年の2位という結果は、城福氏の監督としての実力を示す代表的な実績の一つだ。
【東京ヴェルディ】16年ぶりのJ1昇格から2024年6位、2025年17位への変化
城福氏のキャリアのなかでも、東京ヴェルディでの仕事は特別な意味を持つ。
2022年6月、当時J2だった東京ヴェルディの監督に就任。長年J1から遠ざかっていた伝統あるクラブの再建を託された。
2023年:J2・3位から昇格プレーオフを制覇就任翌年の2023年、東京ヴェルディはJ2で21勝12分9敗、3位という成績を残した。
そしてJ1昇格プレーオフを勝ち抜き、16年ぶりとなるJ1復帰を実現した。
これはクラブにとって歴史的な出来事だった。
J1昇格は単に順位を上げただけの成果ではない。長期間J2で戦ってきたクラブが、限られた戦力と環境のなかで再びトップカテゴリーに戻ったという点に価値がある。
江尻篤彦強化部長も2026年10月の契約解除発表時、城福氏が2023年に達成した16年ぶりのJ1復帰を大きな功績として評価している。
2024年:J1復帰初年度で6位という躍進2024年の東京ヴェルディは、J1で14勝14分10敗、勝ち点56を獲得して6位となった。
昇格初年度のクラブが上位争いに加わったことは、城福監督の手腕を評価する大きな材料になった。
特に、昇格直後のチームがJ1の強豪と互角に戦い、シーズンを通して安定した勝ち点を積み重ねた点は見逃せない。
2025年:17位に後退し、2026年にさらなる苦境しかし、2025年は状況が変わった。
東京ヴェルディはJ1で11勝10分17敗、17位に終わった。
2024年の6位から大きく順位を下げたものの、J1残留は達成している。
そして2026年には、春に開催されたJ1百年構想リーグと、夏に開幕した2026/27シーズンという異なる大会区分が存在する。
ここは数字を比較する際に注意したい部分だ。
2026年のJ1百年構想リーグでは20試合で10勝1分9敗。その後の2026/27シーズンでは、城福氏が指揮を執った第8節までで0勝4分4敗となった。
つまり、2026年を通して一貫して勝てなかったわけではない。春の特別大会では10勝を挙げており、今回の契約解除の直接的な対象となったのは、2026/27シーズン序盤の不振だった。
【監督としての実力】城福浩の戦術の特徴と評判を検証
城福浩氏の指導スタイルを理解するには、戦術面だけでなく、選手との向き合い方やチームマネジメントにも目を向ける必要がある。
選手の意欲を引き出すコミュニケーション2018年のベースボール・マガジン社のインタビューでは、城福氏は若手選手へのアプローチについて、自分が意識しているのは「彼らの心に火を付けること」だと説明している。
選手が持っている能力を引き出し、自発的に高いパフォーマンスを発揮できるように働きかける姿勢がうかがえる。
また、選手起用や試合中の判断についても、自分一人の考えに閉じこもらず、コーチ陣からの情報を積極的に取り入れることを重視している。
この考え方は、2025年の日刊スポーツのインタビューでも確認できる。城福氏はスタッフ間のフィードバックや課題の共有を重視し、独断による判断の偏りを避ける姿勢を語っていた。
組織的な守備とチーム全体の連動性城福氏のチームづくりでは、個人の能力だけに依存しない組織的な戦い方が特徴として挙げられる。
特定の選手に攻撃を任せるのではなく、チーム全体で役割を共有し、守備から攻撃への切り替えを含めた連動性を高める考え方だ。
東京ヴェルディが2023年にJ2で3位となり、昇格プレーオフを勝ち抜いた背景にも、選手間の役割分担やチームとしてのまとまりがあった。
ただし、城福氏の監督スタイルを単純に一つのフォーメーションや戦術に限定することはできない。指揮したクラブの戦力や選手構成に応じて、チームの組み立てを調整してきた指導者と捉えるのが適切だ。
城福浩監督の評判は?評価が分かれる理由城福氏への評価には、主に二つの側面がある。
一つは、組織づくりと選手の意欲を引き出す能力だ。
甲府のJ2優勝、広島のJ1・2位、東京ヴェルディのJ1昇格など、異なるクラブで結果を残していることは高く評価できる。
もう一つは、成績が下降した際の立て直しという課題だ。
FC東京時代の2010年や、東京ヴェルディでの2025年から2026年にかけての成績は、チームの停滞を長期化させない難しさを示している。
情熱的な指導や明確な意思表示は、選手の意識を変える強みになる一方、結果が出ない状況ではチーム全体の修正を急ぐ必要も生じる。
城福氏の評価は、昇格や上位進出という実績だけでも、直近の契約解除だけでも判断できない。長期的なチーム再建と短期的な成績管理の両面から見る必要がある。
【Jリーグ公式記録】城福浩の監督通算成績とクラブ別実績
城福氏の指導者としての実績を数字で確認すると、J1とJ2の双方で豊富な経験を積んできたことが分かる。
Jリーグデータサイトの監督通算記録では、通常のJ1リーグ戦で400試合、141勝118分141敗。J2リーグ戦では105試合、55勝31分19敗となっている。
また、リーグカップでは64試合、27勝15分22敗を記録している。
| 大会・クラブ | 試合数 | 勝利 | 引分 | 敗戦 |
|---|---|---|---|---|
| J1リーグ通算 | 400 | 141 | 118 | 141 |
| J2リーグ通算 | 105 | 55 | 31 | 19 |
| リーグカップ通算 | 64 | 27 | 15 | 22 |
| 2026年J1百年構想リーグ | 20 | 10 | 1 | 9 |
| 東京ヴェルディ2026/27・第8節まで | 8 | 0 | 4 | 4 |
※大会区分はJリーグ公式データサイトの集計に基づく。J1通常リーグ、J2、リーグカップ、2026年特別大会は別集計。
この数字から分かるのは、城福氏がJ1だけでなく、J2でも安定した実績を残してきた監督だということだ。
特にJ2では105試合で55勝。勝率は約52.4%となり、J2の指揮官としては高い水準の成績を残している。
甲府のJ2優勝と東京ヴェルディのJ1昇格は、その実績を象徴する出来事だ。
一方、J1通算では400試合141勝。勝率は約35.3%となる。J1での上位進出を経験する一方、残留争いや順位低下にも直面してきたことが数字に表れている。
【プロの結論】城福浩の契約解除から見える監督評価の難しさ
今回の契約解除を考えるうえで重要なのは、過去の功績と直近の成績を切り離して評価しないことだ。
2023年のJ1昇格と2024年の6位は、城福氏の指導力を示す明確な成果である。
しかし、2025年の17位、そして2026/27シーズンの開幕8試合未勝利という状況も、同じようにチーム運営の結果として受け止めなければならない。
16年ぶりの昇格を実現した監督が、なぜ交代を求められたのかここには、Jリーグのクラブ運営における難しい問題がある。
J2からJ1に昇格することと、J1で継続的に上位を目指すことは、求められる能力が必ずしも同じではない。
昇格を目指す段階では、限られた戦力を組織化し、勝ち点を着実に積み上げることが重要になる。
一方、J1で戦い続けるには、選手層の充実、補強の精度、対戦相手への対応力、負傷者が出た際の代替策など、より複雑な課題が生じる。
東京ヴェルディは2024年に6位となったものの、2025年には17位まで後退した。
クラブが次の段階を目指すなかで、2026/27シーズン序盤の0勝4分4敗という結果が、監督交代の判断を後押ししたと考えられる。
ただし、補強や選手構成、負傷者の状況などを含めた内部事情について、クラブが今回の解除理由として具体的に説明したわけではない。
城福浩の監督としての評価を見極める3つの判断基準城福氏の実績を評価するときは、次の3点に注目したい。
1. 昇格・残留というチーム目標を達成できたか
甲府のJ2優勝、東京ヴェルディのJ1昇格、2024年のJ1・6位は明確な成功事例だ。
2. 長期的にチームを成長させられたか
育成部門からトップチームまで経験した経歴や、若手選手への個別アプローチは、城福氏の強みとして評価できる。
3. 成績が悪化した際に修正できたか
2025年から2026年にかけての東京ヴェルディの順位低下は、今後も検証されるべき課題だ。
この3点を総合すると、城福氏はJリーグで実績を積み上げた経験豊富な監督でありながら、長期的な成果と短期的な結果の両立という課題にも直面してきた人物だと整理できる。
【よくある質問】城福浩の現在・契約解除・監督経歴について
Q1:城福浩監督は現在どこのクラブに所属していますか?
A1:2026年10月5日に東京ヴェルディとの契約が解除されている。2026年11月2日時点で、新たな監督就任先は公式発表されていない。
Q2:城福浩監督が東京ヴェルディを解任された理由は何ですか?
A2:クラブは2026/27シーズン第8節終了時点で19位だったことを重く受け止め、将来を見据えた総合的な判断として契約解除を決定した。成績は0勝4分4敗だった。
Q3:城福浩監督は東京ヴェルディをJ1に昇格させた監督ですか?
A3:そうだ。2022年6月に監督へ就任し、2023年にJ2で3位となった後、J1昇格プレーオフを制覇。16年ぶりのJ1復帰を実現した。
Q4:城福浩監督が過去に指揮したクラブはどこですか?
A4:主な監督歴はFC東京、ヴァンフォーレ甲府、サンフレッチェ広島、東京ヴェルディ。FC東京では2009年のナビスコカップ優勝、甲府では2012年のJ2優勝、広島では2018年のJ1・2位を経験している。
Q5:城福浩監督のJリーグ通算成績はどのくらいですか?
A5:Jリーグ公式データサイトによると、通常のJ1リーグ戦は400試合141勝118分141敗、J2リーグ戦は105試合55勝31分19敗。リーグカップでは64試合27勝15分22敗を記録している。2026年の特別大会は別集計となる。
城福浩氏は、FC東京、ヴァンフォーレ甲府、サンフレッチェ広島、東京ヴェルディという複数のJリーグクラブで指揮を執り、昇格やリーグ上位進出などの実績を残してきた監督だ。
東京ヴェルディでは2023年に16年ぶりのJ1復帰を実現し、2024年にはJ1で6位という結果を残した。その功績は、2026年10月5日の契約解除によって失われるものではない。
一方、2025年の17位、2026/27シーズンの第8節終了時点での19位、0勝4分4敗という数字は、クラブが監督交代を選択した背景として重い意味を持つ。
10月8日には相馬直樹氏が後任に就任し、東京ヴェルディは新体制でシーズンを戦うことになった。
2026年11月2日現在、城福氏の次の挑戦はまだ公表されていない。しかし、J1・J2で積み重ねた経験と、複数クラブで結果を残した実績は、今後の指導者キャリアを考えるうえで大きな財産になる。
城福浩の評価を決めるのは、東京ヴェルディでの最後の8試合だけではない。J1昇格という歴史的成果と、最後に直面した成績不振。その両方を踏まえることが、今回の契約解除を正しく理解する鍵となる。
主な参照資料: 東京ヴェルディ公式「城福浩監督 契約解除のお知らせ」「相馬直樹監督 就任のお知らせ」、Jリーグ公式データサイト、FC東京公式プロフィール、サンフレッチェ広島公式退任発表、日刊スポーツ、スポーツナビ、ベースボール・マガジン社のインタビュー。