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【第74期王座戦2026】広瀬章人が伊藤匠を破った全5局の結果

朝倉 仁 朝倉 仁 • 更新: • 公開: • 読了約 18 分
目次

第74期王座・広瀬章人九段

第74期王座戦五番勝負は、2026年9月2日に開幕し、10月27日の第5局で決着しました。挑戦者の広瀬章人九段が伊藤匠王座を3勝2敗で破り、自身初の王座を獲得しています。

日本将棋連盟が公表した対局結果では、広瀬九段が第1局、第4局、第5局に勝利。伊藤王座は第2局、第3局を制しました。途中で伊藤王座が2勝1敗とリードしたものの、広瀬九段が最終盤の2局を連勝して逆転しました。

第74期王座戦・五番勝負の日程と結果一覧
局 対局日 対局場所 勝者
第1局 9月2日 元湯陣屋・神奈川県秦野市 広瀬章人
第2局 9月15日 名古屋マリオットアソシアホテル 伊藤匠
第3局 10月2日 ニセコ温泉郷・いこいの湯宿 いろは 伊藤匠
第4局 10月14日 ホテルオークラ神戸 広瀬章人
第5局 10月27日 常磐ホテル・山梨県甲府市 広瀬章人

出典:日本将棋連盟・第74期王座戦公式対局結果。

シリーズの流れを振り返る

第1局:9月2日・広瀬九段が先勝

神奈川県秦野市の元湯陣屋で開幕した五番勝負。広瀬九段が勝利し、挑戦者として好スタートを切りました。

第2局:9月15日・伊藤王座が1勝1敗に戻す

名古屋で行われた第2局は伊藤王座が勝利。広瀬九段の先行を許さず、シリーズを振り出しに戻しました。

第3局:10月2日・伊藤王座が連勝

北海道ニセコ町で行われた第3局も伊藤王座が制しました。これで伊藤王座が2勝1敗とし、初防衛に王手をかけます。

第4局:10月14日・広瀬九段が踏みとどまる

神戸市のホテルオークラ神戸で行われた第4局は、広瀬九段が94手で勝利。シリーズを2勝2敗のタイに戻し、決着を最終局へ持ち越しました。

対局後、広瀬九段は中継ブログのインタビューで、終盤の攻めが見えたところで勝ちを意識したと振り返っています。伊藤王座も自身の読み抜けについて言及し、最終局への準備を口にしていました。

第5局:10月27日・広瀬九段が初の王座獲得

山梨県甲府市の常磐ホテルで行われた最終局は、広瀬九段が勝利。3勝2敗でシリーズを制し、王座を獲得しました。

第3局終了時点では伊藤王座が優位に立っていましたが、広瀬九段は第4局、第5局を続けて勝利。最後まで勝敗の行方が分からない五番勝負となりました。

【最終局を解説】10月27日の広瀬章人対伊藤匠は何が起きた?

王座戦将棋

2026年10月27日の第5局は、単なるタイトル戦の最終戦ではありませんでした。広瀬九段にとっては初の王座獲得を懸けた一局であり、伊藤王座にとっては初防衛を懸けた重要な勝負でした。

121手、午後8時46分に決着

日本将棋連盟の王座戦中継ブログによると、対局は午前9時に始まり、午後8時46分に終局しました。


第74期王座戦・第5局の確定結果




先手・勝者
広瀬章人九段

○




後手・敗者
伊藤匠王座

●




終局時刻
20時46分


終局手数
121手


広瀬九段の消費時間
5時間00分


伊藤王座の消費時間
5時間00分

広瀬章人 3勝2敗 伊藤匠


広瀬九段が初の王座を獲得

特筆すべきは、両者が持ち時間をすべて使い切るまで戦ったことです。5時間という長い持ち時間がありながら、終盤まで難しい判断を迫られる展開となりました。

終盤の勝負を分けた判断

王座戦中継ブログでは、伊藤王座が持ち時間を使い切り、1手60秒未満の秒読みに入った局面も伝えられています。一方、広瀬九段は時間を残しながら局面を進めていました。

終盤の解説では、広瀬九段が守備を固めて相手の攻めを抑える方針と、伊藤王座が攻めをつなげる方針の違いが焦点となりました。

伊藤王座は対局後の記者会見で、73手目の▲7五成銀と引く手を見落としたことが、その後の形勢に影響したとの認識を示しています。シリーズを通じた内容についても反省を口にし、さらに力をつけたいという意向を語りました。

この結果、伊藤王座の初防衛はならず、広瀬九段が新王座となりました。広瀬九段のタイトル獲得は、2018年の竜王獲得以来です。

広瀬章人はなぜ挑戦者になれたのか?

今回の王座獲得を理解するうえで欠かせないのが、8月5日に行われた挑戦者決定戦です。

広瀬九段は第74期王座戦の挑戦者決定トーナメントを勝ち上がり、最後に藤井聡太竜王・名人と対戦しました。

この一局は117手で決着。広瀬九段が藤井竜王・名人に勝利し、伊藤王座への挑戦権を獲得しました。両者の持ち時間はそれぞれ5時間で、広瀬九段にとって王座戦五番勝負への初登場が決まりました。

つまり、広瀬九段は藤井聡太という強敵を破って挑戦者となり、さらに現王座の伊藤匠を五番勝負で破ったことになります。第74期の結果は、挑戦者決定戦から続く勝負強さを示すものとなりました。

【将棋の王座戦とは?】歴史・持ち時間5時間・棋戦の特徴

王座戦は、日本将棋連盟が主催する八大タイトル戦の一つです。日本経済新聞社が共同主催し、東海東京証券が特別協賛しています。

王座戦の特徴は、一次予選から挑戦者決定トーナメントまでの勝ち上がり方式と、現王座に挑戦する五番勝負を組み合わせていることです。

王座戦の歴史は1952年に始まった

王座戦は1952年に優勝棋戦として創設されました。当初は現在のようなタイトル戦ではなく、優勝者を決める棋戦でした。

1983年の第31期からタイトル戦に昇格し、現在につながる五番勝負の形式になりました。優勝棋戦時代の第1回優勝者は大山康晴十五世名人、タイトル戦としての初代王座は中原誠名誉王座です。

また、長い歴史のなかで羽生善治九段が王座を通算24期獲得したことも特筆されます。連続5期または通算10期の獲得によって名誉王座の資格が得られるという、長期にわたる実績が問われる称号でもあります。

王座戦の持ち時間は各5時間

王座戦の持ち時間は、タイトル戦だけでなく、挑戦者決定トーナメントや一次予選、二次予選でも各5時間です。

対局ではチェスクロックを使用します。持ち時間を使い切った後は1手60秒未満で指す秒読みに入ります。タイトル戦は1日制で、午前9時開始が基本です。

項目 王座戦の規定
タイトル戦 五番勝負
対局形式 1日制
持ち時間 各5時間
時間計測 チェスクロック
持ち時間終了後 1手60秒未満
昼食休憩 12時10分~13時
夕食休憩 17時~17時30分

日本将棋連盟の棋戦情報と対局規定に基づく内容です。棋戦によって持ち時間や対局日数は異なるため、王座戦ならではの特徴として覚えておくと分かりやすいでしょう。

【王座戦の仕組み】一次予選・二次予選から挑戦者決定戦まで

王座戦でタイトルを獲得するには、現王座との五番勝負に進む必要があります。しかし、その挑戦者になるまでにも複数のトーナメントを勝ち抜かなければなりません。

日本将棋連盟の棋戦概要によると、参加対象は全棋士と女流棋士4名。予選から挑戦者決定まで、段階的に参加者が絞られていきます。


王座戦の勝ち上がり構造



一次予選
トーナメント形式で勝ち上がる





二次予選
一次予選通過者などが参加





挑戦者決定トーナメント
二次予選通過者とシード棋士による16名の戦い





挑戦者決定戦
トーナメント最後の一局で挑戦者が決まる





王座戦五番勝負
挑戦者 VS 現王座

3勝先取でタイトル獲得




一次予選:挑戦への最初の関門

一次予選はトーナメント形式で行われる最初の段階です。参加棋士が対局を重ね、勝ち残った棋士が二次予選に進みます。

一度負ければ敗退するトーナメント方式なので、実力だけでなく、対局当日のコンディションや一局ごとの対応力も問われます。

二次予選:挑戦者決定トーナメントへの切符

二次予選では一次予選を通過した棋士などが対局します。ここを勝ち抜くことで、挑戦者決定トーナメントへの出場権を得られます。

一方、前期の成績やタイトル保持などによってシードされる棋士もいるため、すべての棋士が同じ段階から出場するわけではありません。

挑戦者決定トーナメント:現王座への挑戦権を争う

二次予選通過者とシード棋士を合わせた16名で行うトーナメントです。ここで勝ち上がった棋士が挑戦者決定戦に進みます。

2026年は広瀬章人九段と藤井聡太竜王・名人が最後の一局を戦い、広瀬九段が117手で勝利しました。

注目すべきなのは、藤井聡太のようなタイトル保持者であっても、王座戦では挑戦者決定戦を勝ち抜かなければ現王座に挑めないことです。実績のある棋士でも、挑戦権が自動的に与えられるわけではありません。

【王座戦の歴代タイトル保持者】羽生善治・藤井聡太・伊藤匠・広瀬章人の系譜

王座戦の歴代王者を振り返ると、長期政権を築いた棋士と、短期間でタイトルを奪取した棋士の双方が存在します。

特に2010年代後半から2026年にかけては、羽生善治、永瀬拓矢、藤井聡太、伊藤匠、広瀬章人と、時代を代表する棋士が王座を争ってきました。

近年の王座と関係棋士の変遷
時期・期 王者・関係者 主な結果・関係 1952年 大山康晴 優勝棋戦として創設。初代優勝者 1983年・第31期 中原誠 タイトル戦に昇格。初代王座 2010年代 羽生善治 通算24期獲得。名誉王座資格者 2021~2022年 永瀬拓矢 第69期・第70期を制覇 2023~2024年 藤井聡太 第71期・第72期を連続獲得 2025年・第73期 伊藤匠 藤井聡太を3勝2敗で破り奪取 2026年・第74期 広瀬章人 伊藤匠を3勝2敗で破り初獲得

出典:日本将棋連盟の王座戦歴代結果、王座戦中継ブログ。

羽生善治:通算24期の実績を持つ名誉王座資格者

羽生善治九段は、王座戦の歴史を語るうえで欠かせない存在です。通算24期の王座獲得実績を持ち、名誉王座の資格を有しています。

連続5期または通算10期という名誉称号の条件を大きく上回る実績は、王座戦における羽生九段の存在感を示しています。

藤井聡太:2023年・2024年の王座

藤井聡太は第71期、第72期を連続で制覇しました。特に第72期は永瀬拓矢九段を3勝0敗で破り、防衛を果たしています。

しかし、2025年の第73期では伊藤匠に2勝3敗で敗れ、王座を失いました。2026年は挑戦者決定トーナメントの決勝まで進みましたが、広瀬九段に敗れて挑戦権を逃しています。

この2年間の結果を見ると、藤井聡太が王座戦で圧倒的な実績を残してきた一方、挑戦者決定戦やタイトル戦では他のトップ棋士との競争が激しくなっていることが分かります。

伊藤匠:2025年の奪取から2026年の初防衛失敗へ

伊藤匠は2025年の第73期王座戦で藤井聡太を3勝2敗で破り、王座を獲得しました。翌2026年は初防衛戦に臨みましたが、広瀬九段に2勝3敗で敗れました。

第2局、第3局を連勝したものの、第4局、第5局を落としたことがシリーズの結果を左右しました。伊藤王座にとっては防衛を逃した一方、2025年に続くタイトル戦での経験を次につなげる機会となります。

広瀬章人:8年ぶりのタイトル獲得と初の王座

広瀬章人九段は2018年に竜王を獲得した実績を持つ棋士です。2026年は王座戦初挑戦でタイトルを獲得し、再びタイトル保持者の座に就きました。

特に、挑戦者決定戦で藤井聡太を破り、五番勝負で伊藤匠を破った過程は注目に値します。単に最終局に勝ったというだけではなく、異なるタイプのトップ棋士を連続して相手にした勝ち上がりだったからです。

第74期は、藤井聡太が王座を取り戻す展開でも、伊藤匠が初防衛を果たす展開でもなく、広瀬章人が新たな王者になる結果となりました。

【プロの結論】2026年の王座戦から読み解く将棋界の勢力図

第74期王座戦で最も重要なのは、広瀬章人九段が初の王座を獲得したという結果だけではありません。挑戦者決定トーナメントから五番勝負まで、複数の強豪棋士がタイトルを争う構図が明確になったことです。

1. タイトル戦は過去の実績だけでは決まらない

藤井聡太は2023年、2024年の王座であり、2025年も挑戦者として五番勝負に進みました。しかし2026年は挑戦者決定戦で広瀬九段に敗れています。

タイトル獲得歴や知名度だけで次の王者を予想することはできません。トーナメントでは一局の勝敗がそのまま次の機会を左右するため、直近の対局内容や対戦相性も重要な判断材料になります。

2. 持ち時間5時間は終盤の時間配分が見どころ

王座戦は各5時間という持ち時間を採用しています。長時間の読み合いができる一方、終盤に時間を残せるかどうかが勝負を左右します。

第74期第5局では両者が持ち時間を使い切りました。終盤の局面判断だけでなく、そこに至るまでの時間配分も見どころの一つでした。

3. 王座戦の速報は「局の勝敗」と「シリーズ成績」を分けて確認する

将棋のタイトル戦を追いかける際、混同しやすいのが一局ごとの勝敗とシリーズ全体の成績です。

例えば2026年の第3局終了時点では伊藤王座が2勝1敗でした。しかし、シリーズ全体では第4局、第5局を広瀬九段が勝ち、最終的に3勝2敗となっています。

速報を見るときは、次の3点を確認すると状況を正確につかめます。

- 直近の対局でどちらが勝ったか
- 五番勝負全体で何勝何敗か
- すでに3勝を挙げてタイトル獲得が決まったか

この3点を押さえれば、対局途中の速報と最終結果を混同しにくくなります。

【王座戦将棋に関するよくある質問(FAQ)】

Q1:2026年の第74期王座戦で優勝したのは誰ですか?
A1:広瀬章人九段です。2026年10月27日の第5局で伊藤匠王座に勝利し、シリーズ通算3勝2敗で初の王座を獲得しました。

Q2:王座戦の五番勝負は何勝すればタイトルを獲得できますか?
A2:先に3勝した棋士が王座を獲得します。最大5局で、どちらかが3勝した時点でシリーズ終了です。

Q3:将棋の王座戦の持ち時間は何時間ですか?
A3:各5時間です。タイトル戦、挑戦者決定トーナメント、一次予選、二次予選で基本的に同じ持ち時間が設定されています。

Q4:2026年の王座戦第5局はいつ、どこで行われましたか?
A4:2026年10月27日、山梨県甲府市の常磐ホテルで開催されました。広瀬章人九段が121手で勝利しています。

Q5:藤井聡太は2026年の王座戦に出場しましたか?
A5:出場しました。挑戦者決定トーナメントを勝ち上がりましたが、8月5日の挑戦者決定戦で広瀬章人九段に117手で敗れ、挑戦権を逃しました。

Q6:王座戦の予選はどのような順番で進みますか?
A6:一次予選、二次予選、挑戦者決定トーナメント、挑戦者決定戦の順に進みます。挑戦者が決まると、現王座との五番勝負が行われます。

Q7:王座戦の歴代最多獲得者は誰ですか?
A7:羽生善治九段です。王座を通算24期獲得しており、名誉王座の資格を持っています。

2026年の第74期王座戦は、広瀬章人九段が伊藤匠王座を3勝2敗で破り、初の王座を獲得する結果となりました。

9月2日に始まった五番勝負は、伊藤王座が2勝1敗とリードする展開から、広瀬九段が第4局、第5局を連勝する劇的な結末を迎えました。特に10月27日の最終局は121手、午後8時46分まで続く熱戦となりました。

また、広瀬九段が挑戦者決定戦で藤井聡太を破っていたこと、伊藤匠が前年に藤井から王座を奪取していたことも、第74期を象徴する重要な背景です。

歴代王者を見ても、羽生善治の長期政権、永瀬拓矢の活躍、藤井聡太の連続獲得、伊藤匠の奪取、そして2026年の広瀬章人の初戴冠と、王座戦は時代ごとに主役が移り変わっています。

2026年11月時点では第74期が終了し、日本将棋連盟の棋戦情報では第75期の一次予選が進行しています。次の挑戦者が誰になるのか、そして広瀬新王座が防衛できるのか。第75期も将棋界の勢力図を占う重要なシリーズになりそうです。

王座戦をより深く楽しむなら、最終的な勝敗だけでなく、一次予選から挑戦者決定戦までの勝ち上がりと、五番勝負での局面ごとの変化にも注目してください。

主な参考資料:日本将棋連盟「王座戦」棋戦情報・第74期公式結果、日本将棋連盟王座戦中継ブログ、王座戦対局規定、日本将棋連盟の歴代棋戦記録、報道各社の2026年10月27日対局報道。

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トレンドリサーチャー 朝倉 仁
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