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【会社概要と沿革】1964年のリース会社が総合金融グループへ成長した理由

藤森 綾 藤森 綾 • 更新: • 公開: • 読了約 28 分
目次

オリックス株式会社の基本情報を整理すると、一般的な金融機関やリース会社とは異なる企業構造が見えてくる。

2026年3月末時点の会社概要は次のとおりだ。

- 会社名: オリックス株式会社(ORIX Corporation)
- 設立: 1964年4月17日
- 代表者: 髙橋英丈(取締役兼代表執行役社長・グループCEO)
- 決算期: 3月
- 従業員数: 37,286人(連結)
- 株主資本: 約4兆4,825億円
- 連結子会社: 1,369社
- 持分法適用関連会社: 128社
- 国内上場市場: 東京証券取引所プライム市場
- 証券コード: 8591
- 海外上場市場: ニューヨーク証券取引所
- 海外証券コード: IX

東京本社は東京都港区浜松町の世界貿易センタービル南館、大阪本社は大阪市西区のオリックス本町ビルに置かれている。

特に注目したいのは、国内だけでなく海外にも事業基盤を持ち、グループ全体で多様な金融・事業運営機能を保有している点だ。

1964年から現在までの主な転換点

オリックスの出発点は、現在の社名とは異なるオリエント・リース株式会社だった。

1964年4月、3商社と5銀行の出資によって設立。創業時の社員はわずか13人だった。米国で普及していたリースという金融手法を日本に導入し、企業の設備投資を支えるビジネスを始めた。

その後、単なる物件貸し出しから、金融、保険、投資、海外事業へと拡大していく。

主な転換点は以下のとおりだ。

- 1964年: オリエント・リース株式会社を設立。
- 1970年: 大阪証券取引所市場第二部に上場。
- 1971年: 香港に初の海外現地法人を設立。
- 1973年: 東京・大阪・名古屋の各証券取引所第一部に上場。
- 1980年: 宮内義彦氏が代表取締役社長に就任。
- 1989年: オリエント・リースからオリックスへ社名変更。
- 1991年: 生命保険事業に参入。
- 1998年: ニューヨーク証券取引所に上場。
- 1999年: 不動産事業の専門会社を設立。
- 2002年: 環境エネルギー事業を本格的に推進。
- 2015年: 関西エアポート株式会社を設立し、空港運営事業を開始。
- 2026年8月: オリックス銀行の譲渡を完了。

この歴史から読み取れるのは、オリックスが一つの事業に固執せず、経済環境の変化に合わせて収益源を組み替えてきたことだ。

特に1989年の社名変更は象徴的である。リース会社という創業時のイメージから、国際的かつ多角的な金融サービス企業への転換を明確にした出来事だった。

また、1998年のニューヨーク証券取引所上場は、海外投資家を意識した経営体制やコーポレートガバナンスの強化という意味でも重要な節目となった。

【事業内容とビジネスモデル】金融・不動産・環境エネルギーをどう収益化するのか

オリックス株式会社

オリックスの企業研究で最も重要なのが、事業内容と収益の仕組みだ。

オリックスは、一般的なリース会社のように物件を貸し出して利息やリース料を得るだけの企業ではない。

自ら資金を投じて資産を取得し、その資産を運営して価値を高め、売却益や運営収益を得る。加えて、売却後も第三者の資金を活用したファンドなどを通じて管理・運営を続け、手数料収入につなげる。

つまり、投資・運営・売却・再投資を循環させるビジネスモデルが大きな特徴となっている。

10の事業セグメントと収益構造

2026年3月期の開示では、オリックスの事業は次の10セグメントに分類されていた。

事業セグメント 主な事業内容 主な収益源 法人営業・メンテナンスリース 企業融資、手数料、自動車・ICT機器のリース 利息、リース料、手数料 不動産 不動産開発、賃貸、ホテル、施設運営、資産管理 賃貸収入、運営収益、売却益 事業投資・コンセッション 企業投資、事業再生、空港・水事業の運営 投資収益、売却益、運営収益 環境エネルギー 再生可能エネルギー、電力、省エネ、資源リサイクル 売電収入、サービス収入、投資収益 保険 生命保険、医療保険、死亡保険 保険料収入、運用収益 銀行・クレジット 不動産投資ローン、法人融資、カードローン 貸出金利息、金融収益 輸送機器 航空機・船舶の投資、リース、管理 リース料、運用収益、売却益 ORIX USA 米国の金融、投資、資産運用 利息、投資収益、運用手数料 ORIX Europe 欧州を中心とする株式・債券運用 資産運用手数料、投資収益 アジア・豪州 アジア・オセアニア地域の金融・投資 金融収益、投資収益

収益の仕組みは「資産を持つ」だけではない

オリックスのビジネスモデルは、大きく2つの考え方で理解できる。

1.事業価値創造モデル

自社で資金を投じて企業や不動産、インフラなどに投資し、専門的なノウハウを使って運営・改善する。

その後、資産価値が高まった段階で売却やファンド化を行う。売却益を確保する一方、売却後も資産管理を受託すれば継続的な手数料収入を得られる。

この仕組みがキャピタルリサイクリングとアセットマネジメントの拡大につながる。

2.顧客課題解決モデル

企業が抱える設備投資、資金調達、事業承継、車両管理、環境対応などの課題に対し、グループ内の専門知識やサービスを組み合わせて解決策を提供する。

例えば、ある企業が設備投資を必要としている場合、単純な融資だけでなく、リース、設備管理、資金調達、事業投資などを組み合わせた提案が可能になる。

このように、金融と実業の両方を持つことが、他の金融機関との差別化につながっている。

特に注目したい4つの事業領域

金融事業

法人融資やリース、保険、各種手数料サービスを中心とする。比較的継続性のある収益を積み上げる役割を担う。

不動産事業

不動産開発だけでなく、賃貸、ホテル・旅館、施設運営、資産管理まで手掛ける。物件を保有することによる収益と、売却による利益の両方を狙う。

環境エネルギー事業

太陽光や風力などの再生可能エネルギー、電力関連サービス、廃棄物処理、資源リサイクルなどを展開する。脱炭素化やエネルギー転換に伴う投資機会を取り込む分野だ。

事業投資・コンセッション

企業への出資や事業再生、公共インフラの運営などを担う。関西エアポートのような空港運営も、この事業モデルを理解するうえで重要な実例である。

ただし、2026年3月期の10セグメントは通期実績を理解するための区分だ。2027年3月期からは開示区分の再編も進んでいるため、年度をまたいだセグメント比較では注意したい。

【2026年3月期の業績】売上高3兆3,308億円、純利益は過去最高を更新

2026年5月11日に発表された2026年3月期の通期決算は、オリックスの収益力を示す重要な内容となった。

営業収益は3兆3,308億円、当期純利益は4,473億円となり、いずれも前年を上回った。特に当期純利益は3年連続で過去最高を更新している。

2026年3月期の主要業績
項目 2026年3月期 前年比
営業収益 3兆3,308億円 +15.9%
営業利益 4,562億円 +37.5%
税引前当期純利益 6,914億円 +43.9%
当期純利益 4,473億円 +27.2%
ROE 10.4% +1.6ポイント
セグメント利益合計 7,326億円 +35%

営業収益だけでなく、利益率や資本効率を示すROEも改善している点が注目される。

業績を押し上げた主な要因

2026年3月期の利益拡大には、複数の事業が貢献した。

特に大きかったのが、環境エネルギー分野の投資回収と事業投資の収益拡大だ。

決算説明資料では、インドの再生可能エネルギー企業Greenkoの持分売却・評価益、Ormatやジークライト関連の売却益、東芝などのプライベートエクイティ投資先の収益が業績を押し上げたと説明されている。

保険事業では運用資産の積み増しや多様化によって運用収益が拡大。ORIX Europeでも運用資産の増加やCanara RobecoのIPOに伴う持分売却益が貢献した。

一方、不動産事業では大型物件の売却益に加え、ホテル・旅館がインバウンド需要を取り込んだ。

このように、2026年3月期はリースや金融の基礎収益だけでなく、投資先の価値向上や資産売却が利益成長を牽引した年度だった。

注意したいのは利益の継続性

好決算である一方、利益の中身には注意が必要だ。

資産売却益や投資先の評価益は、毎年同じ規模で発生するとは限らない。

実際、2026年3月期のキャピタルゲインは2,652億円に達した。これはオリックスの投資能力を示す一方、翌年度以降も同じ水準の売却益を計上できるかは別問題である。

加えて、ORIX USAでは貸倒引当金や減損、支払利息の増加が響き、セグメント利益が前期の399億円から10億円へ減少した。

つまり、グループ全体の最高益だけを見て、すべての事業が一様に好調だと判断するのは早計だ。各事業の基礎収益と一時的な投資利益を分けて見る必要がある。

【2027年3月期第1四半期決算】純利益2,808億円の急増をどう読むべきか

2026年8月6日、オリックスは2027年3月期第1四半期の決算を発表した。

対象期間は2026年4月1日から6月30日まで。

前年同期と比べると大幅な増益となったが、今回の決算には通常の営業活動だけでは説明できない特殊な要因が含まれている。

第1四半期の連結業績
項目 2027年3月期第1四半期 前年同期比
営業収益 8,766億円 +17.4%
営業利益 1,339億円 +11.7%
継続事業の税引前利益 4,061億円 +178.8%
当社株主に帰属する純利益 2,808億円 +161.8%

営業収益と営業利益も増加しているが、特に目を引くのが税引前利益と純利益の伸びだ。

第1四半期の純利益2,808億円は、通期予想5,300億円に対して約53%に相当する。

一見すると、年間予想を大きく上回るペースに見える。

しかし、その背景を理解するには、東芝とキオクシアに関連する投資損益を確認する必要がある。

キオクシア関連の評価益が利益を押し上げた

オリックスは、持分法適用会社であるTB投資事業有限責任組合を通じて、東芝によるキオクシアホールディングス株式の売却損益・評価損益を認識している。

2026年8月の決算説明資料によると、第1四半期にはキオクシア株式に関する売却益・評価益が税引前で約1,798億円計上された。

背景にはキオクシア株価の上昇がある。

同資料では、キオクシア株価が2026年3月末の1万9,080円から、6月末には8万9,680円へ上昇したことが示されている。

この株価変動による利益の一部は、実際に現金を受け取ったことによる収益ではなく、保有株式の評価変動などに基づく会計上の利益だ。

つまり、純利益2,808億円のすべてが、毎四半期繰り返される営業活動から生まれたわけではない。

ここを見落とすと、オリックスの本来の収益力を過大評価する可能性がある。

上半期予想8,400億円なのに通期予想は5,300億円

今回の決算で特に興味深いのが、上半期と通期の利益予想の関係だ。

会社側は2027年3月期の上半期純利益を8,400億円と予想した一方、通期予想は5,300億円に据え置いた。

この数字だけを見ると矛盾しているように感じるかもしれない。

実際には、上半期予想にキオクシア関連の評価益が大きく含まれているためだ。

会社の説明では、上半期純利益予想8,400億円の内訳は次のようになっている。

- 調整後利益(税後):3,000億円
- キオクシア関連の売却・評価益(税後):5,400億円
- 上半期純利益予想:8,400億円

キオクシアの株価次第で評価益が変動するため、年間の純利益を単純に上半期から外挿することは難しい。

オリックスはこの変動性を踏まえ、通期純利益予想を5,300億円としている。

加えて、キオクシア株価が1万円変動した場合、税引後利益への影響は約570億円と試算されている。

この数字からも、投資先の株価がグループ業績に与える影響の大きさが分かる。

オリックス銀行の譲渡も重要なニュース

もう一つ見逃せないのが、オリックス銀行株式会社の譲渡だ。

オリックスは2026年8月3日に譲渡を完了した。これに伴い、銀行事業は会計上、非継続事業として区分されている。

そのため、第1四半期決算では営業収益、営業利益、税引前利益について、銀行事業を除いた継続事業の数字が表示されている。

前年同期の比較数値も組み替えられているため、過去の決算短信に記載された数字と単純比較することはできない。

銀行事業の譲渡は、資産を保有し続けるのではなく、売却によって資本を回収し、次の投資機会へ振り向けるキャピタルリサイクリングの一環として理解できる。

なお、2026年11月2日時点で公表済みの最新決算は第1四半期決算だ。第2四半期決算は2026年11月9日発表予定となっている。今後の業績を判断するうえでは、キオクシア関連の評価損益と調整後利益の両方を確認したい。

【株価8591と株主還元】配当187.36円の見方と投資判断のポイント

オリックス株式会社は、東京証券取引所プライム市場に上場している。

証券コードは8591。国内株式市場では、総合金融サービス企業として個人投資家や機関投資家から売買されている。

2026年11月2日の株価

2026年11月2日の東京証券取引所終値は次のとおりだった。



オリックス(8591)
前日比マイナス

5,747円


前日比 −99円(−1.69%)


2026年年初来高値
6,680円


2026年年初来安値
4,528円


売買単位
100株


100株購入時の概算
574,700円

11月2日終値。購入金額には手数料などを含まない。株価は日々変動する。

年初来高値は7月28日の6,680円、年初来安値は3月30日の4,528円だった。

株価を分析するときには、当期純利益だけでなく、ROE、PBR、配当利回り、投資先の評価益なども合わせて確認したい。

オリックスは資産売却や投資評価によって利益が変動するため、一般的な安定配当株と同じ基準だけで評価するのは適切ではない。

2027年3月期の配当予想は187.36円

2026年3月期の年間配当は、1株当たり156.10円だった。

2027年3月期については、2026年8月6日に配当方針の変更が発表されている。

新しい方針では、東芝を通じて認識するキオクシア関連の株式売却損益・評価損益を控除した調整後当期純利益を基準とする。

具体的には、次の2つを比較し、高い方を年間配当とする。

- 調整後EPSに39%を乗じた金額
- 前期の年間配当156.10円

第1四半期決算発表時点の年間配当予想は187.36円。内訳として中間配当107.27円が予想されていた。

この187.36円は確定配当ではなく、会社が示した業績前提に基づく予想である。

11月2日の株価5,747円を基準にすると、年間187.36円の配当が実現した場合の予想配当利回りは約3.26%となる。

ただし、実際の配当額は調整後利益や会社の決定によって変わるため、単純な利回り比較だけで投資判断をするべきではない。

自社株買いも重要な株主還元策

オリックスは配当だけでなく、自己株式取得にも積極的に取り組んでいる。

2025年5月から2026年2月までの自己株式取得額は1,500億円だった。

加えて、2027年3月期の第1四半期決算説明資料では、2,500億円の自己株式取得枠のうち、2026年7月末までに784億円を取得したと説明されている。

自社株買いは市場に流通する株式数を減らす効果があり、1株当たり利益や株主価値の向上につながる可能性がある。

オリックスの場合、事業投資に必要な資金、信用格付け、資本効率、株主還元のバランスを考えながら、配当と自社株買いを組み合わせている点が特徴だ。

【中期経営計画2026~2028年】ROE11%とAUM100兆円への挑戦

オリックスの今後を考えるうえで欠かせないのが、2026年3月期から2028年3月期までの3年間を対象とする中期経営計画だ。

重要な経営指標は次の2つ。

- ROE11%の達成
- 信用格付A格の維持

単純な売上高拡大ではなく、保有資本をどれだけ効率よく利益につなげられるかを重視する内容になっている。

資産運用残高を63兆円から100兆円規模へ

特に注目されるのが、アセットマネジメント事業の拡大だ。

オリックスは2025年3月期時点で63兆円だったAUM(運用資産残高)を、100兆円規模に成長させる目標を掲げている。

AUMとは、金融資産や不動産など、顧客や投資家から預かって運用・管理する資産の規模を示す指標だ。

ここで重要なのは、必ずしも自社資本で全資産を保有する必要がないという点である。

第三者の資金を活用して資産を取得・管理し、運用手数料を得ることができれば、バランスシートへの負担を抑えながら収益機会を広げられる。

オリックスが目指しているのは、従来の資産保有型ビジネスから、資産運用と事業運営を組み合わせたハイブリッド型のビジネスへの進化だ。

2035年に向けた長期ビジョン

さらに先の目標として、オリックスは2035年3月期に向けた長期ビジョンも示している。

経営指標は次のとおり。

- ROE:15%
- 当期純利益:1兆円

2028年3月期のROE11%は、この長期目標へ向かうための中間地点に位置付けられている。

成長領域として掲げるのが、PATHWAYS、GROWTH、IMPACTの3つだ。

PATHWAYS:次世代産業への投資

AIインフラ、DX、BPaaS、新しいモビリティサービス、宇宙関連事業など、技術革新に伴う新しい市場を対象とする。

GROWTH:投資・金融資産の拡大

オルタナティブ投資、ホスピタリティ・エンターテインメント、アジア太平洋地域の投資・ファイナンス、ウェルスマネジメントなどが中心となる。

IMPACT:脱炭素と環境関連事業

再生可能エネルギー、新エネルギー、環境負荷低減、サーキュラーエコノミーなどを重点分野とする。

これらは、従来のリース・金融事業で培った顧客基盤や資産運営のノウハウを、新たな産業へ応用する戦略でもある。

オリックスの強みはどこにあるのか

企業としての競争力は、次の4点に整理できる。

1. 事業の多角化: 金融、不動産、保険、環境エネルギー、投資など複数の収益源を持つ。
2. 投資と運営の一体化: 資産を取得するだけでなく、実際の運営を通じて価値を高める。
3. 資本回収の機動性: 投資した資産を適切なタイミングで売却し、次の成長領域へ資金を移す。
4. 海外ネットワーク: 米国、欧州、アジアなどの地域で金融・投資・運用事業を展開する。

中でも大きな強みは、金融機能と実業の運営能力を併せ持つことだ。

一般的な銀行は融資や金融サービスが中心となり、投資会社は投資先の価値向上や売却に重点を置く。

オリックスはその両方に加え、不動産や航空機、エネルギー、公共インフラなどの実物資産にも関与できる。

この事業構造が、企業の課題に対して複数の解決策を提案できる理由になっている。

一方、投資先の評価変動、金利上昇、信用コスト、為替変動、資産売却環境などの影響を受けやすい点はリスクとして認識しておきたい。

【平均年収・従業員数・企業評判】就職先としてのオリックスを検証

オリックスは投資家だけでなく、就職・転職市場でも関心を集める企業だ。

特に平均年収、働き方、福利厚生、若手社員の裁量、キャリア形成などが検索されやすい。

平均年収は1,039万円

2026年3月末時点の有価証券報告書などに基づくオリックス単体の平均年間給与は、1,039万6,546円だった。

前年の976万1,606円から増加している。

項目 2026年3月末
オリックス単体の従業員数 3,016人
グループ連結従業員数 37,286人
単体平均年間給与 10,396,546円
単体平均年齢 44.2歳

ここで注意したいのは、平均年収がグループ全体の数字ではなく、オリックス株式会社単体の従業員を対象とした数字であることだ。

グループ連結の37,286人には、国内外のさまざまな事業会社で働く従業員が含まれる。

また、平均給与は年齢構成、役職、職種、賞与などによって変動する。新卒社員や若手社員がそのまま1,000万円以上を受け取れるという意味ではない。

企業評判・口コミで見られる評価

転職会議などの口コミサイトでは、オリックスに関する投稿が1,200件以上掲載されており、年収・評価制度、仕事のやりがい、キャリア開発、福利厚生、ワークライフバランスなど、幅広いテーマが扱われている。

公開されている投稿データでは、次のような特徴が確認できる。

肯定的に評価されやすいポイント

- 金融に限らず、多様な事業領域に関われる。
- 若手社員でも責任のある業務を担当する機会がある。
- 法人営業や事業投資など、規模の大きな案件に関われる。
- 福利厚生や給与水準に魅力を感じるという意見がある。

慎重に確認したいポイント

- 部署や職種によって業務内容や働き方に違いがある。
- 仕事の範囲が広く、幅広い専門知識が必要になる。
- 裁量の大きさが、責任や業務負担の大きさにつながる場合がある。
- キャリア形成や昇進については、配属先や個人の状況によって評価が分かれる。

転職会議の投稿データでは、総合評点4.36、平均残業時間28.9時間/月、有給消化率67.2%という数字も掲載されている。ただし、これらは利用者の投稿に基づく集計であり、会社が公表する公式の勤怠統計とは異なる。

口コミを読む際は、投稿者の職種、在籍時期、雇用形態を確認することが大切だ。

オリックスへの就職・転職が向いている人

オリックスの事業構造から考えると、次のような人には適性がある。

- 金融だけでなく、幅広い業界のビジネスを学びたい人。
- 投資や事業運営、経営課題の解決に興味がある人。
- 専門性を身につけながら、新しい領域にも挑戦したい人。
- 数字や収益性を意識して仕事を進められる人。
- 国内外のさまざまな事業に関わりたい人。

一方、業務範囲を特定の専門分野に限定したい人や、仕事内容が明確に固定された職場を希望する人は、配属先や職種ごとの違いを慎重に確認した方がよい。

オリックスは事業領域が広いからこそ、入社後にどの部門で何を経験できるかが、キャリアの満足度を左右する。

【オリックス株式会社に関するよくある質問(FAQ)】

Q1:オリックス株式会社は何をしている会社ですか?

A1:1964年にリース事業からスタートした総合金融サービス企業です。現在は金融、不動産、生命保険、環境エネルギー、事業投資、航空機・船舶、資産運用など幅広い事業を展開しています。

Q2:オリックス株式会社の2026年3月期の業績はどうでしたか?

A2:営業収益は3兆3,308億円、当期純利益は4,473億円でした。当期純利益は前年比27.2%増加し、3年連続で過去最高を更新しました。

Q3:オリックス株式会社の2027年3月期の配当予想はいくらですか?

A3:2026年8月の第1四半期決算発表時点では、年間187.36円、中間配当107.27円が予想されています。調整後EPSの39%または前期配当156.10円の高い方を基準とする方針で、確定額ではありません。

Q4:オリックス株式会社の証券コードと上場市場は?

A4:証券コードは8591で、東京証券取引所プライム市場に上場しています。ニューヨーク証券取引所にも上場しており、海外証券コードはIXです。

Q5:オリックス株式会社の平均年収はいくらですか?

A5:2026年3月末時点のオリックス単体の平均年間給与は1,039万6,546円です。連結グループ全体の平均年収ではありません。

オリックス株式会社は、1964年のリース事業を原点とし、約60年にわたって事業領域を拡大してきた総合金融サービス企業だ。

現在の事業構造は、金融、不動産、環境エネルギー、保険、事業投資、輸送機器、海外資産運用など多岐にわたる。

2026年3月期には当期純利益4,473億円を達成し、3年連続で最高益を更新した。2027年3月期第1四半期も純利益2,808億円と大幅な増益になったが、その一部にはキオクシア関連の非現金評価益が含まれている。

今後の企業価値を見極めるには、次の5点が重要になる。

1. 基礎収益の成長: 金融、保険、資産運用など継続的な収益をどれだけ拡大できるか。
2. 投資回収の実績: Greenkoなどの売却益に続く新たな投資成果を生み出せるか。
3. 資産運用事業の成長: AUMを63兆円から100兆円規模へ拡大できるか。
4. 株主還元の持続性: 配当方針と自己株式取得を維持しながら、財務健全性を確保できるか。
5. 資本効率の改善: 2028年3月期のROE11%という目標を持続的に達成できるか。

特に2026年11月9日予定の第2四半期決算は、今後の業績を判断する重要な材料になる。

オリックスの本当の競争力は、単に多くの事業を持っていることではない。投資によって資産を取得し、事業運営によって価値を高め、売却や資産運用によって次の収益機会を生み出す仕組みにある。

投資家にとっては、過去最高益という結果だけでなく、その利益がどれだけ継続可能なのかを見極めること。就職希望者にとっては、幅広い事業領域の中で自分の専門性をどう育てられるかを考えること。

この2つの視点が、オリックス株式会社を正しく評価するための重要な判断基準となる。

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藤森 綾
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