2026年11月現在、年末の音楽賞として知られる「日本レコード大賞(レコ大)」は、第68回の開催を控えている。2025年の第67回では、Mrs. GREEN APPLEが「ダーリン」で大賞を受賞し、2023年から3年連続の快挙を達成した。
ところで、日本レコード大賞は誰が決めているのだろうか。主催者はTBSだと思われがちだが、実際の主催者は公益社団法人日本作曲家協会である。選考には新聞社やスポーツ紙の記者、JNN系列放送局の代表、音楽評論家らが参加する審査委員会が関わっている。TBSは番組の制作・放送を担う重要なパートナーだが、放送局と審査機関は同じではない。
1959年の第1回から続く歴史を振り返ると、童謡賞の廃止、1974年のヤングアイドル賞の導入、歌謡曲・演歌とポップス・ロックの部門分けなど、音楽シーンの変化に応じて制度も変わってきた。2026年の最新情報を交えながら、選考の仕組み、歴代受賞曲、賞の変遷を整理する。
【誰が決める?】日本レコード大賞の主催者と選考委員会の正体

日本レコード大賞の正式な主催者は、公益社団法人日本作曲家協会である。
同協会は作曲家を中心とする団体で、音楽文化の発展や作家の活動支援などを目的としている。日本レコード大賞についても、単なる年末のテレビイベントではなく、音楽作品や歌唱、作詞・作曲・編曲などの功績を顕彰する事業として位置づけている。
協会の公式な実施要項には、日本レコード大賞を制定・実施するために、次の組織を設けることが記されている。
- 日本レコード大賞制定委員会
- 日本レコード大賞実行委員会
- 日本レコード大賞事務局
また、2026年3月時点の協会公式組織情報には、レコード大賞委員会の構成員として、徳久広司、水森英夫、岡千秋、杉本眞人、田尾将実、蔦将包、桧原さとし、向井浩二の名前が掲載されている。
ここで注意したいのは、協会内部の運営委員会と、実際に作品を審査する審査委員会は同じものではないという点だ。
選考委員は新聞記者が中心では、実際に大賞を決めるのは誰なのか。
第67回の放送時に紹介された審査方法によると、審査委員会は新聞記者、JNN系列放送局の代表、音楽評論家など合計21名で構成されていた。
新聞社・スポーツ新聞社・通信社などの音楽担当記者が参加し、放送局関係者や音楽評論家も加わる仕組みだ。
つまり、特定のレコード会社や芸能事務所、テレビ局の担当者だけで大賞が決まる制度ではない。
新聞記者が選考に関わる背景には、音楽業界を継続的に取材してきた立場から、作品の評価や世間への広がりを判断する役割がある。
音楽評論家は作品そのものの表現や独創性を評価し、放送局関係者は音楽シーンの動向などを踏まえた視点を持つ。
異なる立場の審査委員が参加することで、単純な人気投票とは異なる選考が行われている。
ただし、21名という人数は第67回について確認できるものであり、すべての開催回で固定されているとは限らない。
また、公式実施要項には審査委員の票数配分や、売上・再生数などの数値的な評価ウェイトが一律の計算式として掲載されているわけではない。
主催者・審査委員・TBSの役割の違いそれぞれの役割を整理すると、次のようになる。
| 関係者・組織 | 主な役割 |
|---|---|
| 日本作曲家協会 | 日本レコード大賞の主催・制定・実施 |
| 制定委員会 | 賞の制度や運営方針に関わる |
| 実行委員会 | 開催に向けた運営や実務を担う |
| 審査委員会 | 対象作品や各賞の審査を行う |
| 新聞・スポーツ紙記者 | 音楽業界や作品の動向を取材する立場から審査に参加 |
| 音楽評論家 | 音楽作品の芸術性や独創性などを評価 |
| JNN系列局の代表 | 放送局側の立場から審査に参加 |
| TBS | 番組制作・放送、開催に関する協力 |
特に重要なのは、TBSが番組を放送していることと、TBSだけで受賞者を決定していることは別問題だという点である。
この役割分担を理解すれば、日本レコード大賞の選考構造が見えやすくなる。
【選考基準と決め方】大賞はどのような基準で選ばれる?
日本レコード大賞の選考基準は、公益社団法人日本作曲家協会の公式実施要項に記載されている。
単純にCDの売上枚数が最も多かった曲や、音楽配信ランキングで1位になった曲を自動的に選ぶ制度ではない。
大賞の審査で重視される4つの要素公式実施要項では、日本レコード大賞の対象作品について、次のような観点を示している。
1. 芸術性
作曲・作詞・編曲を通じて、音楽作品として優れた芸術性を持っているか。
メロディーや歌詞、サウンドの完成度などが評価の対象となる。
2. 独創性
既存の音楽表現にとどまらず、その作品ならではの個性や新しさがあるか。
ジャンルの違いや表現方法も含め、独自の魅力が問われる。
3. 企画性
作品の制作意図や構成、音楽的な企画に優れた特徴があるか。
単なる話題性だけではなく、作品としての企画的な価値も評価対象となる。
4. 大衆の支持と年度を代表する力
優れた歌唱によって作品の魅力が生かされ、大衆から強い支持を得ているか。
加えて、その年の音楽シーンを反映し、年度を代表する作品と認められるかが重要になる。
ここで注目したいのは、人気と芸術性の両方が基準に含まれていることだ。
売上や配信再生数は作品の支持を考える際の参考情報になり得るが、公式基準には特定のランキング順位や再生回数を大賞の必須条件とする規定はない。
大賞候補になるには「優秀作品賞」が必要日本レコード大賞の決め方で、特に知っておきたいのが優秀作品賞との関係だ。
公式実施要項では、日本レコード大賞の審査対象は優秀作品賞に選ばれた作品と定められている。
大まかな流れは次のとおりだ。
1. 対象となる年度の音楽作品を審査する。
2. 優秀作品賞などの部門賞を決定する。
3. 優秀作品賞に選ばれた作品を大賞の審査対象とする。
4. 最終審査会で日本レコード大賞を決定する。
5. TBSの番組で受賞結果を発表する。
第67回では、優秀作品賞に10作品が選ばれ、その10組のパフォーマンスが番組内で披露された後、最終的にMrs. GREEN APPLEの「ダーリン」が大賞に選ばれた。
この仕組みからも、優秀作品賞と日本レコード大賞は同じ賞ではないことが分かる。
新人賞・最優秀新人賞も別の仕組み新人賞についても、独立した審査基準がある。
公式要項では、対象年度に初めて顕著な活動をし、大衆から支持され、将来性が認められた歌手を新人賞の対象としている。
その新人賞受賞者の中から、最も優秀と認められた歌手に最優秀新人賞が贈られる。
2025年の第67回では、新人賞にCUTIE STREET、SHOW-WA&MATSURI、HANA、BOYNEXTDOORの4組が選ばれ、その中からHANAが最優秀新人賞を受賞した。
日本レコード大賞の主な賞と評価対象| 賞の名称 | 主な評価対象 |
|---|---|
| 日本レコード大賞 | 芸術性・独創性・企画性・大衆の支持 |
| 優秀作品賞 | 年度を代表する優れた音楽作品 |
| 新人賞 | 新人歌手の活動実績と将来性 |
| 最優秀新人賞 | 新人賞受賞者の中で最も優秀な歌手 |
| 最優秀歌唱賞 | 楽曲を的確に表現し、歌唱で高めた歌手 |
| 作曲賞 | 独創性と優秀性を備えた作曲 |
| 作詩賞 | 独創性と優秀性を備えた作詞 |
| 編曲賞 | 独創性と優秀性を備えた編曲 |
| 企画賞 | 独創的な企画と音楽文化への貢献 |
| 功労賞 | 長年にわたる音楽文化への貢献 |
| 特別賞 | 社会的に注目された人物や作品など |
企画賞・功労賞・特別賞などは、該当する場合に選ばれる賞である。また、特別アルバム賞や特別国際音楽賞など、その年の状況に応じた賞も設けられている。
【歴史と経緯】1959年から2025年までの歴代受賞曲の変遷
第1回は1959年12月27日日本レコード大賞の歴史が始まったのは、1959年(昭和34年)である。
第1回の開催日は12月27日。記念すべき大賞受賞曲は、水原弘の「黒い花びら」だった。
日本作曲家協会の公式記録によると、構想のきっかけとなったのは、前年に初代会長の古賀政男らがアメリカのグラミー賞を視察したことだった。
帰国後、日本にも音楽作品を顕彰する大きな賞を設けようという構想が生まれ、日本レコード大賞の制定につながった。
当時は戦後のレコード産業が発展していく時代。レコードの普及とともに歌謡曲やポップスが広がり、音楽業界の存在感も高まっていた。
第1回の「黒い花びら」は、作詞を永六輔、作曲・編曲を中村八大が担当。水原弘の個性的な歌唱とともに、当時の新しいポップス歌謡を象徴する作品となった。
年代別に見る歴代受賞曲と制度の転換点日本レコード大賞の受賞曲を時代ごとに振り返ると、音楽シーンの変化が見えてくる。
| 年代・回 | 大賞受賞曲・歌手 | 歴史的なポイント |
|---|---|---|
| 1959年第1回 | 黒い花びら/水原弘 | 日本レコード大賞がスタート |
| 1965年第7回 | 柔/美空ひばり | 歌謡曲の代表的な受賞作 |
| 1971年第13回 | また逢う日まで/尾崎紀世彦 | ポップスの存在感が拡大 |
| 1974年第16回 | 襟裳岬/森進一 | 童謡賞廃止、ヤングアイドル賞導入 |
| 1981年第23回 | ルビーの指環/寺尾聰 | ニューミュージック・ポップスの時代 |
| 1990〜1992年 | 恋唄綴り・おどるポンポコリン、北の大地・愛は勝つ、白い海峡・君がいるだけで | 演歌・歌謡曲とポップス・ロックの2部門制 |
| 1994年第36回 | innocent world/Mr.Children | ロック・バンドの存在感 |
| 2001〜2003年 | Dearest・Voyage・No way to say/浜崎あゆみ | 3年連続受賞 |
| 2008〜2010年 | Ti Amo・Someday・I Wish For You/EXILE | 3年連続受賞 |
| 2019〜2022年 | パプリカ/Foorin、炎/LiSA、CITRUS/Da-iCE、Habit/SEKAI NO OWARI | アニメ・映画関連曲や多様なポップス |
| 2023〜2025年 | ケセラセラ・ライラック・ダーリン/Mrs. GREEN APPLE | 3年連続受賞 |
特に1990年から1992年は、歌謡曲・演歌部門とポップス・ロック部門のそれぞれに大賞が設けられていた。
例えば1990年には、堀内孝雄の「恋唄綴り」とB.B.クィーンズの「おどるポンポコリン」がそれぞれ大賞を受賞している。
これは、音楽ジャンルの多様化に対応するための制度変更の一例だ。
近年の受賞曲はどのように変わった?2000年代以降は、従来の歌謡曲・演歌だけでなく、J-POP、ダンスミュージック、アイドルグループ、ロックバンドなど、幅広いジャンルの作品が大賞に選ばれてきた。
2011年と2012年はAKB48、2014年と2015年は三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEが受賞。
2017年と2018年には乃木坂46が2年連続で大賞を獲得した。
2019年のFoorin「パプリカ」、2020年のLiSA「炎」は、子どもから大人まで幅広い層に浸透した楽曲として記憶されている。
2021年はDa-iCE「CITRUS」、2022年はSEKAI NO OWARI「Habit」が受賞した。
そして2023年から2025年にかけては、Mrs. GREEN APPLEが3年連続で大賞を獲得している。
| 年 | 大賞受賞曲 | アーティスト |
|---|---|---|
| 2023年 | ケセラセラ | Mrs. GREEN APPLE |
| 2024年 | ライラック | Mrs. GREEN APPLE |
| 2025年 | ダーリン | Mrs. GREEN APPLE |
このように、受賞曲の変遷は日本の音楽市場の変化を映し出している。
ただし、ジャンルが変わったからといって審査基準そのものが毎年大きく変わるわけではない。公式の基本基準である芸術性、独創性、企画性、大衆の支持は現在も重視されている。
【童謡賞の廃止理由】1973年で終了し、1974年にヤングアイドル賞が登場
日本レコード大賞の歴史を調べると、現在では見かけない賞として「童謡賞」が登場する。
これは第1回の1959年から第15回の1973年まで設けられていた賞で、子ども向けの童謡やアニメソングなどを対象としていた。
童謡賞はなぜ設けられていたのか日本レコード大賞が始まった1950年代末から1960年代にかけては、子ども向けの歌もレコード文化の重要な一部だった。
テレビ番組やアニメの普及によって、子どもたちが口ずさむ歌も次々に生まれていた。
そのため、一般の歌謡曲とは別に、子ども向けの楽曲を顕彰する部門が設けられていたのである。
第1回の童謡賞は「やさしい和尚さん」。その後も子ども向けの作品が選ばれている。
1972年には「ピンポンパン体操」が受賞しており、当時の子ども向けテレビ番組と音楽文化の結びつきがうかがえる。
1974年に童謡賞が廃止された理由童謡賞は1973年の第15回を最後に終了した。
日本作曲家協会の第16回公式記録によると、1974年には童謡を取り巻く状況を考慮し、童謡賞を廃止することになった。
その際、従来の童謡賞に代わる形で、大衆賞の中にヤングアイドル賞が設けられた。
この背景には、子ども向けの音楽の位置づけが変化していたことも関係している。
立教大学の井手口彰典による童謡文化の研究では、1960年代末ごろから童謡が新しい創作音楽というより、懐かしい文化として受け止められる傾向が強まったことが論じられている。
また、1970年代には新しく作られた子ども向けの歌が、必ずしも童謡と呼ばれなくなっていったという変化も指摘されている。
つまり、子ども向け音楽そのものがなくなったというより、音楽のジャンルや受け止め方が変わっていったことが背景にあったと考えられる。
なお、ザ・テンプターズの「おかあさん」がヒットした際にも、童謡賞の対象に含めるべきかという議論があったとされる。こうした事例からも、童謡と一般の流行歌の境界が必ずしも明確ではなかったことが分かる。
1974年のヤングアイドル賞は誰が受賞した?1974年の第16回でヤングアイドル賞を受賞したのは、フィンガー5である。
受賞曲は「恋のアメリカンフットボール」。
当時の若者から高い支持を受けていたフィンガー5は、まさに新しい時代のアイドル文化を象徴する存在だった。
同じ1974年の日本レコード大賞では、森進一の「襟裳岬」が大賞を受賞している。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催年 | 1974年 |
| 開催回 | 第16回 |
| 大賞 | 襟裳岬/森進一 |
| 廃止された賞 | 童謡賞 |
| 新設された賞 | ヤングアイドル賞 |
| ヤングアイドル賞受賞者 | フィンガー5 |
| 受賞曲 | 恋のアメリカンフットボール |
ただし、ヤングアイドル賞も長く続いたわけではない。翌1975年の公式受賞記録には同賞が見当たらず、定着することなく姿を消した。
この制度変更は、レコード大賞が固定的な賞の体系ではなく、その時代の音楽文化に合わせて賞の構成を見直してきたことを示している。
【TBSとの関係】「輝く!日本レコード大賞」の放送体制と役割
日本レコード大賞をテレビで見る際の番組名は「輝く!日本レコード大賞」である。
年末の恒例番組として広く知られているため、TBSが主催者だと認識している人も少なくない。
しかし、制度上の役割は整理して理解する必要がある。
TBSは番組制作・放送を担う日本作曲家協会の公式案内では、TBSとの共催によって日本レコード大賞を開催すると説明されている。
一方、2025年の第67回の個別開催記録では、主催が日本作曲家協会、後援がTBSと表記されている。
TBSは番組の制作・放送を担い、審査会や開催準備にも協力している。
2024年の第66回については、日本作曲家協会の公式記録にも、TBS系列で生放送されたことが記載されている。
つまり、TBSは単なる中継局ではなく、年末の大型音楽番組を成立させる重要な役割を持つ。
ただし、番組を制作・放送する立場と、音楽賞の審査を担当する立場は区別しなければならない。
2025年の第67回は新国立劇場から生放送2025年12月30日に開催された第67回は、東京・初台の新国立劇場中劇場で実施された。
総合司会は安住紳一郎アナウンサーと川口春奈、江藤愛アナウンサーが務めた。
番組では、新人賞受賞者のパフォーマンスや優秀作品賞の受賞者による歌唱が披露され、最終的に21時50分ごろに大賞が発表された。
受賞結果は次のとおりである。
- 日本レコード大賞:Mrs. GREEN APPLE「ダーリン」
- 最優秀新人賞:HANA
- 最優秀歌唱賞:山内惠介
このように、番組の中で各賞の発表や受賞者の歌唱が行われる構成になっている。
日本レコード大賞は2026年もTBSで放送予定日本作曲家協会が公表している2026年度事業計画書では、第68回の最終審査会と放映について、次の予定が示されている。
- 開催予定日:2026年12月30日(水)
- 放送予定時刻:17時30分から
- 会場:新国立劇場・中劇場
- 主催:公益社団法人日本作曲家協会
- 放送・開催協力:TBS
事業計画書では、TBSとの実行委員会を4〜5月に、審査会を9月に開始する予定としている。
2026年11月2日時点では、第68回の大賞受賞曲はまだ決定していない。
【2026年最新】日本レコード大賞を見るときに知っておきたい3つのポイント
1. 日本レコード大賞は売上ランキングそのものではないよくある誤解の一つが、CDの売上や配信再生数が最も多い曲が必ず大賞になるという考え方だ。
実際の公式基準は、芸術性、独創性、企画性、大衆の支持、年度を代表する作品であるかどうかを総合的に評価するものとなっている。
そのため、ヒットチャートの順位と大賞の結果が必ず一致するわけではない。
音楽の人気を測るランキングと、音楽作品を顕彰する賞は、そもそも目的が異なる。
2. 歌手だけでなく作詞家・作曲家・編曲家も評価される日本レコード大賞は、歌手の人気だけを評価する賞ではない。
作曲賞、作詩賞、編曲賞が設けられていることからも分かるように、作品を生み出すクリエイターの仕事も重要な評価対象である。
2025年の大賞「ダーリン」では、大森元貴が作曲・作詩を担当し、伊藤賢と大森元貴が編曲を担当した。
作品の完成度を歌唱者だけに帰属させず、制作に携わった人々の功績にも目を向けることが、日本レコード大賞の特徴といえる。
3. 2026年の結果を見るなら選考対象と受賞結果を区別する第68回を楽しむ際には、優秀作品賞と日本レコード大賞を混同しないことも大切だ。
優秀作品賞は大賞の審査対象となる作品を選ぶ賞であり、その受賞がそのまま大賞受賞を意味するわけではない。
また、新人賞と最優秀新人賞にも同様の違いがある。
各賞の発表段階と、12月30日の最終審査結果を分けて確認すると、番組の展開をより正確に理解できる。
【プロの結論】レコ大は人気投票ではなく、時代を記録する音楽賞日本レコード大賞の本質は、その年に話題になった曲を一つ選ぶことだけではない。
作品の芸術性や独創性、歌唱の魅力、世間からの支持などを通じて、日本の音楽文化を記録することにある。
だからこそ、1959年の水原弘「黒い花びら」から、1970年代の歌謡曲、1980年代のアイドル・ポップス、1990年代以降のロックやJ-POP、そして2020年代の配信時代のヒット曲まで、受賞曲にはそれぞれの時代の特徴が表れている。
読者が選考結果を判断するときは、次の3点を意識するとよい。
- 大賞候補となった優秀作品賞の顔ぶれを確認する。
- 売上や話題性だけでなく、公式の審査基準と作品の特徴を照らし合わせる。
- 主催者、審査委員会、テレビ局の役割を区別する。
この3つを押さえれば、受賞結果への納得度だけでなく、音楽賞そのものの意義も理解しやすくなる。
日本レコード大賞に関するよくある質問(FAQ)
Q1:日本レコード大賞は誰が決めるのですか?
日本レコード大賞は、公益社団法人日本作曲家協会が主催し、新聞記者やJNN系列放送局の代表、音楽評論家などで構成される審査委員会が選考します。2025年の第67回では、審査委員は合計21名と紹介されました。
Q2:日本レコード大賞の選考基準は何ですか?
作曲・作詞・編曲を通じた芸術性、独創性、企画性、優れた歌唱、大衆からの支持、その年度を代表する作品であるかどうかが基準です。大賞の審査対象は優秀作品賞に選ばれた作品です。
Q3:日本レコード大賞の主催者はTBSですか?
主催者は公益社団法人日本作曲家協会です。TBSは番組制作・放送や開催の協力を担っています。番組名は「輝く!日本レコード大賞」です。
Q4:童謡賞はなぜ廃止されたのですか?
童謡賞は1959年から1973年まで設けられていました。1974年には童謡を取り巻く状況を考慮して廃止され、大衆賞の中にヤングアイドル賞が設けられました。子ども向け音楽のジャンルや社会的な受け止め方の変化も、当時の背景として考えられます。
Q5:1974年のヤングアイドル賞は誰が受賞しましたか?
フィンガー5が「恋のアメリカンフットボール」で受賞しました。ヤングアイドル賞はその後定着せず、翌年の公式受賞記録には登場しません。
Q6:2025年の日本レコード大賞は誰が受賞しましたか?
第67回の大賞は、Mrs. GREEN APPLEの「ダーリン」です。2023年の「ケセラセラ」、2024年の「ライラック」に続く3年連続の受賞となりました。
Q7:2026年の日本レコード大賞はいつ開催されますか?
第68回は2026年12月30日(水)17時30分から開催・放送予定です。会場は新国立劇場・中劇場とされています。2026年11月2日時点では、大賞受賞曲はまだ決まっていません。
日本レコード大賞は、1959年に始まった日本を代表する音楽賞の一つである。
主催者は公益社団法人日本作曲家協会。新聞記者や音楽評論家、JNN系列局の代表などが参加する審査委員会が作品を選考し、TBSが「輝く!日本レコード大賞」として番組を制作・放送する。
その選考基準は、単純な売上順位ではなく、芸術性・独創性・企画性・大衆の支持などを組み合わせたものだ。
また、童謡賞の廃止やヤングアイドル賞の導入、1990年代の部門分けなど、歴史をたどると時代に合わせた制度の変化も見えてくる。
2025年の第67回ではMrs. GREEN APPLEが「ダーリン」で3連覇を達成した。そして2026年は第68回を迎える。
誰が主催し、誰が審査し、何を基準に選ぶのか。その仕組みを理解することで、年末の受賞発表は単なる順位発表ではなく、日本の音楽文化の一年を振り返る機会として、さらに興味深いものになる。
主な確認資料: 日本作曲家協会の公式実施要項・歴代受賞記録・第67回開催報告、TBSの番組情報、2026年度事業計画書、童謡文化に関する学術研究。