日経新春杯は、JRAが京都競馬場を中心に施行する4歳以上のハンデキャップ重賞です。競走の前身は1954年に創設された「日本経済新春杯」。1979年に現在の名称へ変更されました。
創設当初から京都芝2400mを舞台としていましたが、競走条件や距離には変遷があります。1981年に別定重量へ変更され、1987年には芝2200mへ短縮。1994年に再びハンデキャップ競走となり、1995年には芝2400mへ戻されました。
現在の基本条件は次のとおりです。
- 格付け:GII
- 出走条件:4歳以上
- 負担重量:ハンデキャップ
- 基本コース:京都競馬場・芝2400m(外回り)
- 開催時期:1月中旬
JRAの競走解説でも、日経新春杯は古馬の中長距離路線を占う重要な重賞として位置付けられています。ロードデルレイやブローザホーンのように、このレースで重賞初制覇を果たし、その後の大舞台で活躍した馬もいます。
【2017~2026年】日経新春杯の過去10年の結果と歴代優勝馬

2026年の開催終了時点で、直近10回にあたる2017~2026年の優勝馬を振り返ります。
優勝馬・騎手・開催条件・人気・三連単配当の一覧
出典:JRA各年の競走成績、競馬データベースの過去結果・払戻情報。人気は単勝人気。配当は100円あたり。
10年間の優勝馬から見える3つの特徴1.1番人気の優勝が5回
2017年のミッキーロケット、2018年のパフォーマプロミス、2019年のグローリーヴェイズ、2024年のブローザホーン、2026年のゲルチュタールが1番人気で勝利しました。
上位人気馬の信頼度は決して低くありません。
2.4歳馬と5歳馬が中心
2017~2026年の優勝馬を年齢で分類すると、4歳馬が5頭、5歳馬が3頭、6歳馬が2頭です。
7歳以上の優勝馬はなく、成長力や中長距離での充実度が結果に結び付いていることがうかがえます。
3.2021年は大波乱、2026年は人気馬と伏兵の組み合わせ
2021年は7番人気のショウリュウイクゾが優勝し、13番人気のミスマンマミーアが2着。三連単は96万円を超えました。
一方、2026年は1番人気のゲルチュタールが勝ちながら、2着には11番人気のファミリータイムが入り、三連単50,950円となっています。
つまり、勝ち馬の傾向と2、3着の傾向は分けて考える必要があります。
【データで検証】日経新春杯の人気・年齢・枠順・脚質・斤量別成績
ここでは、2026年開催前にJRAが公表した2016~2025年の公式分析と、2017~2026年の結果を再集計したデータを使い分けます。
この区分は重要です。10年の対象期間が異なる統計を、同一の集計結果として扱うと誤解につながります。
人気別成績:1~4番人気が中心JRAが公表した過去10年(2016~2025年)の単勝人気別成績は次のとおりです。
- 1番人気:4勝、2着2回、3着0回。勝率40.0%、連対率60.0%
- 2番人気:3勝、2着1回、3着0回。勝率30.0%
- 3番人気:1勝、2着1回、3着2回
- 4番人気:1勝、2着2回、3着4回
- 5番人気:勝利なし、2着2回
- 6~10番人気:1勝、2着1回、3着3回
- 11番人気以下:勝利なし、2着1回、3着1回
注目したいのは、3着以内の30頭中21頭が4番人気以内だったことです。
ハンデキャップ競走というと人気薄の台頭を想像しがちですが、実際には上位人気馬が馬券圏内の多くを占めています。
2026年のゲルチュタールも、1番人気の支持に応えて優勝しました。
年齢別成績:4歳馬が最も有力JRAの2016~2025年の公式集計では、年齢別成績に明確な差が出ています。
- 4歳馬:5-5-2-21、連対率30.3%、3着内率36.4%
- 5歳馬:3-2-5-21、連対率16.1%、3着内率32.3%
- 6歳馬:2-3-3-34、連対率11.9%、3着内率19.0%
- 7歳以上:0-0-0-38、3着内率0%
特に4歳馬の連対率30.3%は見逃せません。
日経新春杯は、秋の菊花賞などで経験を積んだ4歳馬が、古馬との初期の力関係を示す舞台にもなります。
2026年の勝ち馬ゲルチュタールも4歳馬でした。2着ファミリータイムは5歳、3着リビアングラスは6歳です。若い世代が中心という傾向は、直近の結果にも表れています。
枠順別成績:外枠はやや慎重に評価2017~2026年の145頭を枠順で
- 1~3枠:46頭、連対7頭、連対率15.2%
- 4~6枠:59頭、連対10頭、連対率16.9%
- 7~8枠:40頭、連対3頭、連対率7.5%
内枠と中枠の成績は大きく変わりませんが、7~8枠は連対率が低くなっています。
ただし、京都と中京ではコース形態が違います。外枠という理由だけで機械的に消すのではなく、出走頭数、先行馬の配置、スタート後の位置取りを合わせて判断することが大切です。
脚質別成績:重要なのは4コーナーの位置脚質については、一般的な逃げ・先行・差し・追込という分類だけでなく、4コーナー通過時の位置から検証すると興味深い結果が出ています。
2017~2026年の集計では、以下のとおりです。
- 前方:43頭中4勝、連対7頭、連対率16.3%
- 中団:44頭中6勝、連対10頭、連対率22.7%
- 後方:58頭中0勝、連対3頭、連対率5.2%
特に注目すべきなのは、中団に位置していた馬の成績です。
先頭を奪って逃げ切る競馬だけでなく、道中で脚を温存し、勝負どころで前との差を詰められる馬が結果につながっています。
一方、後方からの追い込みは苦戦傾向です。過去10年で4コーナー後方にいた58頭から優勝馬は出ていません。
もっとも、これはレース終了後の位置取りを使った分析です。予想段階では、各馬の過去の通過順位や騎手の戦術を参考に、どの位置を確保できるかを考える必要があります。
斤量別成績:軽ハンデだけで判断するのは危険日経新春杯はハンデキャップ競走のため、負担重量も予想の重要な材料になります。
しかし、直近10年の集計では、軽ハンデ馬が圧倒的に有利という結果にはなっていません。
- 55.0kg以下:88頭、連対12頭、連対率13.6%
- 55.5~57.0kg:39頭、連対6頭、連対率15.4%
- 57.5kg以上:18頭、連対2頭、連対率11.1%
55.0kg以下と55.5kg以上を比較しても、連対率は13.6%対14.0%です。
軽い斤量は確かに魅力ですが、馬の能力、重賞実績、コース適性を無視してまで評価する材料にはなりません。
2025年のロードデルレイは57.5kgを背負って優勝し、2023年のヴェルトライゼンデは59.0kgで勝利しました。
この2例だけでも、重い斤量を理由に実力馬を過小評価する危険性が分かります。
【コース徹底比較】京都芝2400mと中京芝2200mの違い
日経新春杯の過去データを読む際、特に注意したいのが開催競馬場です。
過去10回のうち、京都開催は6回、中京開催は4回。距離も2400mと2200mで異なります。
この違いを理解せず、単純に10年間の数字をまとめてしまうと、予想の判断を誤る可能性があります。
京都競馬場・芝2400mの特徴京都芝2400mは外回りコースを使用します。
JRAのコース解説によると、スタート地点は4コーナー奥の引き込み線。スタンド前の直線を走って1コーナーへ向かい、長いバックストレッチを経て、3~4コーナーの外回りコースへ進みます。
特徴は、3コーナー付近にある高低差3.9mの起伏と、403.7mのゴール前直線です。
3コーナーからの下りを利用して加速し、直線で末脚を発揮する展開になりやすいコースです。
そのため、折り合いを付けて長く脚を使える馬や、勝負どころで好位から動ける馬に注目したいところです。
中京競馬場・芝2200mの特徴中京芝2200mは、京都芝2400mとは異なる競馬場・距離で行われます。
2021~2023年は京都競馬場の整備工事に伴う代替開催で中京を使用。2025年も阪神競馬場のリフレッシュ工事に伴う開催日程の変更により、中京芝2200mで行われました。
その結果、直近10回のうち4回が中京開催となっています。
京都の外回り2400mと比べて距離が200m短く、コース形態も異なるため、同じ馬でも求められる適性が変わります。
京都と中京のデータを比較2017~2026年の集計では、次の違いが見られます。
- 京都開催:1番人気が6回中5勝
- 中京開催:1番人気は4回中0勝
- 7番人気以下の連対率:京都2.1%、中京7.9%
- 4コーナー前方・中団の連対率:京都22.4%、中京15.8%
- 4コーナー後方の連対率:京都2.9%、中京8.3%
三連単配当の中央値も、京都25,235円に対し、中京70,415円となっています。
ただし、京都6回、中京4回という集計では母数が十分とはいえません。
「京都なら必ず堅い」「中京なら必ず荒れる」と決め付けるのではなく、開催場ごとに予想の前提を調整するための参考データとして活用するのが適切です。
【2026年最新結果】ゲルチュタール優勝とロードデルレイの2025年を検証
2026年はゲルチュタールが1番人気に応える2026年1月18日、京都競馬場で開催された第73回日経新春杯。
優勝したのは、坂井瑠星騎手が騎乗した4歳馬ゲルチュタールでした。
JRA公式競走成績は以下のとおりです。
- 開催日:2026年1月18日
- 競馬場:京都
- 距離:芝2400m
- 馬場状態:良
- 優勝馬:ゲルチュタール
- 騎手:坂井瑠星
- 斤量:56.0kg
- 単勝人気:1番人気
- 勝ちタイム:2分25秒7
- 推定上がり:34.3秒
ゲルチュタールは4コーナーまで2番手を追走。直線でもしっかりと脚を伸ばし、最後まで勝負を演じました。
2着は11番人気のファミリータイム、3着は9番人気のリビアングラス。
特にファミリータイムの好走は印象的です。4コーナーまで先頭を守り、55.0kgの斤量を生かして粘り込みました。
ゲルチュタールが能力と位置取りを生かして勝利する一方、伏兵2頭が上位に入り、三連単50,950円という結果になりました。
ゲルチュタールの勝利から読み取れること2026年の結果は、過去10年のデータと照らし合わせても興味深いものです。
第一に、4歳馬の優位性です。JRAの年齢別成績でも4歳馬は最も高い連対率を記録しており、ゲルチュタールはその傾向に沿った優勝馬でした。
第二に、好位で競馬を進められた点です。後方から一気に追い込むのではなく、4コーナー2番手という位置を確保していたことが勝利につながりました。
第三に、1番人気の信頼度です。京都開催では1番人気の優勝が多く、今回も人気に見合った走りを見せました。
ただし、2着と3着には人気薄が入っています。軸馬の評価と相手選びは別々に考える必要があります。
2025年はロードデルレイが中京で重賞初制覇2025年1月19日の第72回日経新春杯では、ロードデルレイが優勝しました。
西村淳也騎手とのコンビで、4番人気、57.5kgという条件を克服。中京芝2200mを2分09秒8で走り切りました。
2着は3番人気のショウナンラプンタ、3着は7番人気のマイネルエンペラーでした。
三連単は44,500円です。
JRAの公式データ分析によると、ロードデルレイはこのレースで重賞初制覇を果たし、次走の大阪杯でも2着に好走しています。
2024年のブローザホーンも日経新春杯で重賞初制覇を果たした後、同年の宝塚記念を制しました。
このように、日経新春杯は単なる年明けのハンデ重賞ではありません。中長距離路線の次なる主役を見極めるうえでも意味のある一戦です。
【馬券予想に活用】過去10年の配当と前走ローテーション
過去10年の三連単配当から分かること日経新春杯はハンデ戦という性質上、波乱の可能性を秘めています。
2017~2026年の三連単配当を振り返ると、最も低かったのは2017年の5,040円、最も高かったのは2021年の961,790円でした。
2020年も110,680円、2023年も96,330円と高額配当になっています。
一方、2019年は10,530円、2024年は13,230円でした。
ここから分かるのは、毎年大波乱になるわけではないということです。
特に2021年は7番人気のショウリュウイクゾが勝ち、13番人気のミスマンマミーアが2着に入ったことで配当が大きく跳ね上がりました。
2026年も11番人気のファミリータイムが2着に入っています。
日経新春杯では、勝ち馬の人気だけでなく、2着・3着にどのような伏兵が入るかが配当を左右します。
前走ローテーション:菊花賞組に注目過去10年の連対馬20頭について前走を調べると、主なローテーションは次のように分類できます。
- 条件戦(3勝クラスなど):6頭
- 菊花賞(GI):5頭
- 中日新聞杯(GIII):3頭
- その他のGI・重賞:6頭
特に注目したいのは菊花賞組です。
2017年のミッキーロケット、2019年のグローリーヴェイズに加え、2024年のサヴォーナ、2025年のショウナンラプンタ、2026年のゲルチュタールが菊花賞から日経新春杯へと進み、連対しています。
そのうち2024年以降の3頭は、菊花賞で4~5着だった馬です。
秋のGIで一定の実績を残した4歳馬が、年明けの古馬重賞で力を発揮するローテーションは、今後も注目したいパターンです。
また、ロードデルレイは2025年に中日新聞杯2着から参戦して優勝。2026年のファミリータイムも中日新聞杯を経て2着に入りました。
前走の着順だけでなく、レースの格、相手関係、距離適性を総合的に評価が必要です。
予想で重視したい5つの判断基準過去10年の傾向を実際の予想に落とし込むなら、次の順序で検討すると整理しやすくなります。
1. 年齢と実績: まず4歳・5歳馬を中心に、重賞やGIでの実績を確認する。
2. 人気と能力: 上位人気を基本にしながら、人気と実力が釣り合っているかを検証する。
3. コース適性: 京都芝2400mと中京芝2200mの実績を分けて見る。
4. 位置取り: 好位から中団で安定して走れるか、過去の通過順位を確認する。
5. 斤量と前走: 負担重量だけで評価せず、前走のレベルや内容と合わせて判断する。
反対に、単純に軽ハンデだから、内枠だから、あるいは大穴だからという理由だけで評価する方法はおすすめできません。
【日経新春杯の過去】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:日経新春杯の過去10年で最も荒れた年はいつですか?
2021年です。7番人気のショウリュウイクゾが優勝し、13番人気のミスマンマミーアが2着に入り、三連単961,790円を記録しました。
Q2:日経新春杯で最も好成績を残している年齢は何歳ですか?
JRAの2016~2025年の公式集計では4歳馬です。連対率30.3%、3着内率36.4%で、5歳馬や6歳馬を上回っています。
Q3:日経新春杯は1番人気を信頼できますか?
比較的信頼できる傾向があります。JRAの過去10年の分析では1番人気の勝率40.0%、連対率60.0%でした。2026年も1番人気のゲルチュタールが優勝しています。
Q4:京都芝2400mと中京芝2200mではどちらを重視すべきですか?
次回の開催条件に合うコース実績を優先してください。京都開催なら外回り2400m、中京開催なら2200mへの適性を中心に判断するのが基本です。
Q5:日経新春杯では軽ハンデの馬が有利ですか?
過去10年の集計では、55.0kg以下の馬の連対率は13.6%、55.5kg以上は14.0%でした。軽ハンデだけを理由に有利と判断するのは難しい結果です。
Q6:2026年の日経新春杯の優勝馬は誰ですか?
ゲルチュタールです。2026年1月18日に京都競馬場で行われた第73回日経新春杯で、坂井瑠星騎手を背に2分25秒7で優勝しました。
日経新春杯の過去10年を振り返ると、好走馬にはいくつかの共通点が見えてきます。
最初に、年齢では4歳馬が優勢です。人気面でも上位馬が中心となっており、特に京都開催では1番人気の信頼度が高い結果となっています。
脚質では、後方一辺倒よりも、好位から中団で競馬を進められる馬が有力です。一方、斤量については軽い馬が必ずしも有利とは限らず、実績や能力を含めた総合評価が必要です。
加えて、予想の精度を高めるうえで見逃せないのが開催コースです。京都芝2400mと中京芝2200mでは求められる適性が異なるため、過去の結果を一括りにして判断するのは避けたいところです。
2025年のロードデルレイは57.5kgを背負って勝利し、2026年のゲルチュタールは4歳・56.0kgで1番人気の期待に応えました。異なる条件でも、実力とコース適性を備えた馬が結果を残しています。
プロの視点から重視したいのは、次の3点です。
- 4歳・5歳を中心に、前走で高いレベルの相手と戦った馬を探す。
- 開催競馬場に合わせて、位置取りとコース適性を評価する。
- 人気や斤量だけで決めず、勝ち切る能力と相手に残る可能性を分けて考える。
日経新春杯は、ハンデ戦ならではの伏兵の台頭と、実力馬の安定した走りが共存するレースです。
2026年のゲルチュタールの優勝も、若い世代の成長力と好位で運ぶ競馬の重要性を示しました。
次回の予想でも、過去の数字をそのまま当てはめるのではなく、出走馬の能力、前走、開催コース、ハンデを一つずつ照らし合わせることが、納得できる判断につながります。馬券は過去の傾向だけで的中が保証されるものではないため、無理のない範囲で楽しむことも大切です。