2026年、長年にわたって日本の語学教育や学校教育、教養番組を支えてきたNHKラジオ第2放送が、95年の歴史に幕を下ろした。放送終了日は2026年3月29日深夜。翌30日からは、従来のラジオ第1放送とFM放送を中心とした「NHK AM」「NHK FM」の2波体制に移行している。
今回の再編で気になるのは、ラジオ第2で親しまれてきた語学講座やNHK高校講座がどうなったのかという点だ。番組そのものが終了したわけではなく、多くはNHK FMなどに移行している。一方、「株式市況」など歴史ある番組には終了したものもある。再編の背景から具体的な移行先、2026年度の放送時間、スマートフォンでの聴き方まで、現在の状況を整理する。
【放送終了の真相】NHKラジオ第2はいつ終わった?2026年3月29日深夜の正確な時刻

NHKラジオ第2放送は、2026年3月29日深夜をもって終了した。
ただし、日付の表現には注意が必要だ。NHKが案内していた「3月29日深夜」は、暦の上では3月30日(月)の午前0時05分に当たる。
最後は、再編を案内する番組「らじるの時間 NHKラジオ 音声波再編」が放送され、午前0時05分に通常の放送を終了した。
つまり、3月29日の23時59分に突然放送が止まったわけではない。
3月30日以降はNHK AM・NHK FMの2波体制今回の再編では、NHKの国内向けラジオ放送が従来の3波から2波へ集約された。
新体制の名称と役割は次のとおり。
- NHK AM: 旧ラジオ第1放送を引き継ぐ。ニュース、災害情報、生活情報などを中心に編成。
- NHK FM: 従来のFM放送を引き継ぐ。音楽、芸能、語学講座、高校講座などの学習番組を中心に編成。
ここで重要なのは、NHK AMとNHK FMは、単に名称だけを変更したものではなく、それぞれの役割を明確にした新しい編成方針を採用していることだ。
NHK AMは「暮らしと、ご一緒に」、NHK FMは「毎日の生活に、彩りを」という方向性を掲げ、ニュース・生活情報と音楽・教育の機能を整理している。
周波数はどうなった?ラジオの買い替えは必要?今回の再編では、NHK AMは旧ラジオ第1放送と同じ周波数、NHK FMは従来のFM放送と同じ周波数を使用している。
したがって、従来のラジオ第1やNHK FMを聴いていた人は、基本的に受信周波数を変更する必要がない。
一方、旧ラジオ第2放送の周波数では、これまでと同じ番組を通常放送として聴くことはできなくなった。
なお、通常放送の終了と送信設備の完全な停波は、厳密には別の段階である。一部の周波数では3月30日から31日にかけて終了告知放送が行われたため、午前0時05分に全国の送信設備が一斉に完全停止したという理解は正確ではない。
【終了理由を徹底分析】なぜNHKはラジオ第2放送を廃止したのか
95年も続いた放送波をなくす判断には、NHKの経営方針と放送を取り巻く環境の変化が関係している。
最大の要点は、ラジオ第2で担ってきた教育・教養番組をすべて切り捨てるのではなく、AMとFMに分散して、放送設備や運営体制を効率化することにある。
理由1:3波体制から2波体制への経営合理化NHKは2021年度から2023年度までの経営計画で、ラジオの3波体制を見直す方針を示していた。
当時の国内向けラジオ放送は、次の構成だった。
- ラジオ第1放送(AM)
- ラジオ第2放送(AM)
- NHK FM
この3波をAM1波、FM1波の合計2波に整理することで、限られた経営資源をより効率的に運用する構想だった。
その後、計画の具体化と再検討を経て、2025年1月の経営委員会で2026年3月末の再編方針が決定された。
2025年11月28日には、総務省がNHKのラジオ第2放送局の廃止を認可。制度面でも終了に向けた手続きが進んだ。
理由2:ラジオを取り巻く聴取環境の変化もう一つの背景は、インターネットによるラジオ聴取の普及だ。
かつては、決まった時間にラジオ受信機の前に座り、番組を聴くことが一般的だった。
しかし現在は、スマートフォンやパソコンを使い、場所や時間に縛られずに音声コンテンツを楽しめる。
特に語学講座は、繰り返し聴いて学習する需要が大きい。放送時間に合わせるだけでなく、聴き逃し配信を活用することで、学習の自由度を高められる。
NHKは、こうした聴取スタイルの変化を踏まえ、放送とインターネット配信を組み合わせる方向へ進んだ。
理由3:番組制作や放送設備への資源集中3波体制を2波に整理する目的は、単純な番組削減だけではない。
NHKが掲げてきた経営改革では、限られた資源をNHKならではの高品質なコンテンツの取材・制作に集中させる考え方が示されている。
放送設備の維持、番組制作、送信体制などを見直し、効率的な運営につなげる狙いがある。
2025年3月の衆議院総務委員会でも、NHK側は、再編後の教育番組について原則として新しいNHK FMで放送する方針を説明していた。
ここから分かるのは、ラジオ第2の終了は教育放送そのものの否定ではなく、放送の届け方を再構築する経営判断だったということだ。
【95年の歴史と番組移行先】ラジオ第2から何が変わった?重要な関係を一覧表で整理
NHKラジオ第2放送の歴史は1931年に始まった。
開局当初は東京、大阪、名古屋など限られた地域から始まり、戦時中の休止期間などを経ながら、戦後に全国へ放送網が拡大していった。
教育番組や語学講座を中心とする編成は、ラジオ第2の大きな特徴だった。
その役割は2026年度から、NHK AMとNHK FMに引き継がれている。
ラジオ第2放送の歴史と2026年再編の年表| 時期 | 出来事 | 主な意味・移行先 |
|---|---|---|
| 1931年4月6日 | ラジオ第2放送開始 | 教育・教養放送の基盤が誕生 |
| 2021年1月 | NHK経営計画で3波見直しを提示 | AM2波・FM1波から2波体制への整理を検討 |
| 2025年1月 | 再編方針を経営委員会で決定 | 2026年3月末の第2放送終了を正式決定 |
| 2025年11月28日 | 総務省が廃止を認可 | 放送局廃止の制度上の手続きが進展 |
| 2026年3月29日深夜 | ラジオ第2の通常放送終了 | 95年の歴史に幕 |
| 2026年3月30日 | NHK AM・NHK FMの2波体制開始 | 番組の移行・新編成を実施 |
番組がどこへ移ったのかを理解するには、放送波ごとの役割を把握すると分かりやすい。
| 対象・番組 | 2026年度の扱い | 移行先・現状 |
|---|---|---|
| 旧ラジオ第1 | 継続・名称変更 | NHK AM |
| 旧NHK FM | 継続・名称変更 | NHK FM |
| 語学講座 | 多くが移行 | NHK FM |
| NHK高校講座 | 教育放送を継続 | NHK FM |
| 教養番組 | 番組ごとに整理 | NHK AM・NHK FM |
| 株式市況 | 終了 | 移行なし |
| アナウンサー百年百話 | 終了 | 移行なし |
特に注意したいのは、ラジオ第2の番組がすべてNHK FMに移ったわけではないことだ。
教養番組などにはNHK AMに引き継がれたものもあり、一部は終了している。
また、2026年3月27日には、1925年から続いていた「株式市況」も最終回を迎えた。これはラジオ第2の開局よりも古い歴史を持つ番組であり、放送局の95年とは別の意味でも大きな節目となった。
【語学講座・高校講座はどうなった?】2026年度のFM移行と放送時間
ラジオ第2の終了によって、特に影響を受けたのが語学学習者や高校生だ。
従来のラジオ第2は、英語、中国語、ハングル、ドイツ語、フランス語などを学ぶための重要な放送媒体だった。
2026年度からは、こうした学習番組の多くがNHK FMに移行している。
NHK語学講座はFMで継続代表的な番組の放送例を見てみよう。
ラジオ英会話
2026年度はNHK FMで放送されている。
- 本放送:月曜日~金曜日、午前6時45分~7時
- 再放送:火曜日~土曜日、午前0時30分~0時45分
朝の時間帯に学習できるほか、深夜の再放送も利用できる。
まいにち中国語
こちらもNHK FMに移行した。
- 放送日:月曜日~金曜日
- 放送時間:午前1時15分~1時30分
2026年度下半期には、2025年度上半期の講座を再放送する編成も行われている。
そのほか、英語や中国語以外の語学講座についても、2026年度の番組表で放送波と時間帯を確認することが大切だ。
なお、すべての語学講座がそのまま継続したわけではない。2026年3月29日にはアラビア語講座も最終回を迎えたと報じられている。
NHK高校講座はFMの深夜・未明帯へ高校生にとって重要なのが、NHK高校講座の移行だ。
NHK高校講座は、学校の授業内容を補完したり、自宅で教科の理解を深めたりできる教育番組として親しまれてきた。
2026年度はFMでも放送されており、NHKエデュケーショナルが案内する放送時間は次のとおり。
- 放送波:NHK FM
- 放送曜日:火曜日~日曜日
- 放送時間:午前3時~4時
具体的な科目や番組の放送枠は曜日によって異なる。
2026年度の年間放送計画では、例えば「論理・表現I」は水曜日の午前3時40分~4時、「保健体育」は木曜日の午前3時40分~4時などの枠が示されている。
高校講座を以前のように日中の時間帯で聴けると思っていると、放送時間の変更に戸惑う可能性がある。
録音予約をしている人や、決まった時間に学習する習慣がある人は、年度替わりの番組表を確認しておきたい。
FM移行で学習環境はどう変わった?FMへの移行には、メリットと注意点の両方がある。
メリットは、語学や教育番組を音楽・教養番組と同じ放送波に集約し、インターネット配信も組み合わせて利用できることだ。
一方、注意したいのは放送時間の変更である。
以前のラジオ第2で昼間や夕方に聴いていた番組が、深夜・早朝に移っている場合がある。
特に高校講座や一部の語学講座は、リアルタイムで聴くよりも、聴き逃し配信を利用した方が生活リズムに合わせやすい人もいる。
【2026年最新】NHKラジオの現在の聴き方!NHK ONE らじるらじるとは
ラジオ第2が終了しても、NHKのラジオ番組を聴く方法がなくなったわけではない。
現在は、ラジオ受信機とインターネット配信の両方を利用できる。
1.ラジオ受信機で聴く従来型のラジオを持っている場合は、NHK AMまたはNHK FMに合わせればよい。
- ニュースや生活情報を聴く:NHK AM
- 語学講座や高校講座を聴く:NHK FM
- 音楽や芸能番組を楽しむ:NHK FM
周波数は地域によって異なるため、受信する地域のNHK放送局が公表している周波数一覧を確認しよう。
2.NHK ONE らじるらじるを利用する2026年3月30日から、従来の「らじるらじる」は「NHK ONE らじるらじる」という名称になった。
ここで押さえておきたいのは、名称変更に伴って基本的なサービス内容が変わったわけではないという点だ。
従来のらじるらじるを利用していた人も、引き続きラジオ番組を楽しめる。
また、再編時の案内では、NHK ONEへのログインも必要ないとされていた。
主な機能は次のとおり。
- NHK AMの同時配信
- NHK FMの同時配信
- 対象番組の聴き逃し配信
- スマートフォンやパソコンからの聴取
- 外出先での番組視聴
語学学習者や高校生にとって、特に便利なのが聴き逃し配信だ。
NHK ONE らじるらじるでは、対象番組について放送後1週間の聴き逃し配信が提供されている。
例えば、朝のラジオ英会話を聴き逃した場合でも、配信対象期間内であれば後から学習できる。
ただし、すべての番組が必ず同じ条件で配信されるわけではない。権利関係などによって配信対象外となる場合もあるため、番組ごとの配信情報を確認したい。
【誤解を解消】NHKラジオ第2の終了で間違えやすい4つのポイント
今回の再編は、放送波の名称や役割、番組の放送時間が同時に変わったため、情報が混同されやすい。
特に注意したいのは以下の4点だ。
誤解1:NHKのAMラジオ放送が全部なくなった?これは間違いだ。
終了したのは旧ラジオ第2放送であり、旧ラジオ第1放送はNHK AMとして継続している。
誤解2:ラジオ第2の番組は全部終了した?これも正確ではない。
語学講座や高校講座など、多くの番組はNHK FMを中心に移行した。
教養番組などにはNHK AMへ移ったものもある。
ただし、株式市況やアナウンサー百年百話など、終了した番組も存在する。
誤解3:2026年3月30日からラジオの周波数が全部変わった?NHK AMとNHK FMの周波数は、それぞれ旧ラジオ第1と従来のFM放送から変更されていない。
ただし、旧ラジオ第2の放送波は終了しているため、以前の第2放送の周波数に合わせても、従来の番組を聴くことはできない。
誤解4:NHK ONEのアカウントがないとラジオを聴けない?再編に伴う「NHK ONE らじるらじる」の名称変更では、NHK ONEへのログインは必要ないと案内されている。
以前からの利用者が、名称変更だけを理由に新たなアカウント登録をしなければならないわけではない。
【プロの結論】放送波の終了と教育コンテンツの終了は別問題今回の再編で見落としてはいけないのは、放送局の数と番組の価値を混同しないことだ。
ラジオ第2は、語学教育や学校教育、教養番組を長年支えてきた。しかし、その放送波がなくなったからといって、NHKの教育放送そのものがなくなったわけではない。
むしろ、NHK AMとNHK FMの役割分担を明確にし、デジタル配信も組み合わせることで、放送サービス全体を再構築する方向へ進んでいる。
一方で、番組が移行したとしても、以前と同じ曜日・時間に聴けるとは限らない。
読者が今後確認すべき要点は、次の3つだ。
1. 番組の存続状況: 以前の番組が継続しているか、終了したか。
2. 新しい放送波: NHK AMとNHK FMのどちらに移行したか。
3. 放送・配信時間: 本放送、再放送、聴き逃し配信のどれを利用するか。
この3点を確認すれば、再編後も必要な番組を見失わずに利用できる。
【NHK第2ラジオ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:NHKラジオ第2放送はいつ終了しましたか?
2026年3月29日深夜です。暦の上では2026年3月30日午前0時05分に通常放送を終了しました。1931年の放送開始から約95年の歴史に幕を下ろしました。
Q2:NHKラジオ第2放送が終了した理由は何ですか?
NHKの経営合理化と放送体制の効率化、インターネットを含む聴取環境の変化などが背景です。3波体制をAMとFMの2波に再編し、限られた経営資源を効率的に活用する狙いがあります。
Q3:ラジオ第2で放送していた語学講座はどこへ移りましたか?
多くの語学講座はNHK FMへ移行しました。例えば、2026年度のラジオ英会話は平日午前6時45分から、まいにち中国語は平日午前1時15分から放送されています。
Q4:NHK高校講座は2026年度も聴けますか?
聴けます。NHK高校講座は2026年度もFMで放送されています。NHKエデュケーショナルの案内では、火曜日から日曜日の午前3時~4時が放送時間です。科目ごとの時間は番組表で確認してください。
Q5:NHK AMとNHK FMの周波数は変わりましたか?
変更されていません。NHK AMは旧ラジオ第1、NHK FMは従来のFM放送と同じ周波数を使用しています。地域によって受信周波数は異なります。
Q6:NHK ONE らじるらじるで聴き逃し配信を利用できますか?
利用できます。対象番組は放送後1週間の聴き逃し配信に対応しています。スマートフォンやパソコンから利用でき、番組ごとに配信対象を確認できます。
NHKラジオ第2放送は、2026年3月29日深夜、正確には翌30日午前0時05分に通常放送を終了した。1931年から続いた約95年の歴史は、大きな転換点を迎えた。
しかし、今回の再編はNHKラジオ全体の終了ではない。
翌30日からはNHK AM・NHK FMの2波体制となり、ニュースや生活情報はNHK AM、語学講座や高校講座などの学習番組は主にNHK FMへと役割を整理している。
また、NHK ONE らじるらじるを利用すれば、同時配信や対象番組の聴き逃し配信も利用できる。
これから語学学習や高校講座を続ける人にとって大切なのは、旧ラジオ第2の周波数にこだわることではなく、番組の新しい放送波と時間帯を把握することだ。
95年続いた放送波は終了したが、ラジオを通じて学ぶ機会まで失われたわけではない。 NHKの2波体制とデジタル配信を上手に使い分けることが、2026年度以降の新しいラジオとの付き合い方になる。
主な参照資料: NHKのラジオ再編に関する公式案内、NHKの経営計画、国会会議録、NHK出版の2026年度番組放送情報、NHKエデュケーショナルの番組情報、2026年3月の放送終了報道。