「夏の友」は、岐阜県の小学生にとって夏休みの風物詩ともいえる、独自の夏休みガイドブックです。国語や算数の問題を解く一般的な夏休み教材とは異なり、岐阜県の自然や歴史、伝統文化、読書、工作、地域行事など、子どもたちが夏休みにさまざまな経験をするための情報が詰まっています。
その歴史は戦後にさかのぼり、2026年度(令和8年度)も岐阜県校長会館を中心に編集・発行が続いています。実は、現在の「夏の友」は単なる宿題帳ではありません。子どもが自分で夏休みの目標を立て、家族や地域と関わりながら学びを深めるための教材として位置付けられています。
一方、「夏の友」という名称は全国共通ではありません。地域によって冊子の有無や内容、宿題としての扱いが異なるため、岐阜県出身者と県外出身者の間で思い出が食い違うこともあります。
【基本情報】夏の友とはどんな冊子?夏休みの宿題との違いを解説

「夏の友」は、岐阜県の小学生を対象に編集・発行されている夏休み用の冊子です。正式な位置付けは、夏休みの生活や学習を支援するガイドブック。一般的な問題集とは編集の目的が異なります。
発行を担っているのは、岐阜県小中学校長会と関係する一般財団法人岐阜県校長会館です。編集には県内の現職教員が携わり、子どもたちが地域の自然や文化に触れ、読書や工作、調べ学習などに取り組めるよう構成されています。
夏の友は宿題ではなく夏休みのガイドブック最も大きな特徴は、冊子そのものを宿題として一律に完成させることを目的としていない点です。
岐阜県校長会館が公開している2026年度版の学級担任向け手引きでも、「夏の友」は宿題ではなく、夏休みのガイドブックであると説明されています。
そのため、一般的な夏休みのドリルとは役割が違います。国語や算数の復習問題も収録されていますが、中心となるのは、子どもたちが興味を持ったテーマを見つけ、夏休みの過ごし方を自分で考えるための情報です。
具体的には、次のような目的があります。
- 夏休み中の生活リズムや健康管理を意識する。
- 家庭での仕事や手伝いに継続して取り組む。
- 読書を通じて知識や興味の幅を広げる。
- 岐阜県の自然、歴史、産業、文化について知る。
- 工作や自由研究につながる体験をする。
- 夏休みの経験を記録し、自分の成長を振り返る。
「夏の友」と、一般的な夏休みの宿題や教材は、名前が似ていても目的が異なります。
| 比較項目 | 岐阜県の夏の友 | 一般的な夏休み教材 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 夏休みの生活と体験を充実させる | 学習内容の復習・定着 |
| 内容 | 読み物、地域紹介、体験、工作、問題 | 国語・算数などの問題演習 |
| 地域性 | 岐阜県の自然・歴史・文化を重視 | 全国向けの内容が中心 |
| 取り組み方 | 興味のあるテーマを選んで活用 | 指定されたページを解く形式が多い |
| 家族との関わり | 親子での読書や体験を推奨 | 答え合わせや学習管理が中心 |
| 位置付け | 夏休みのガイドブック | 学習教材・宿題 |
もちろん、学校が「夏の友」の特定のページに取り組むよう指示することはあります。したがって、宿題としての扱いは学校の指導方法によっても変わります。
大切なのは、冊子の本来の編集目的と、各学校が設定する夏休みの課題を区別することです。
【歴史を検証】夏の友は1948年から?1949年の「夏の子」から始まった歴史
「夏の友」の歴史を調べると、1948年という数字を目にすることがあります。しかし、発行の経緯を詳しく報じた2022年7月25日付の岐阜新聞の記事では、戦後の1949年に岐阜県教職員組合が発行した「夏の子」が始まりとされています。
その後、1953年に名称が「夏の友」となり、1964年には発行主体が県小中学校長会へ移りました。現在は岐阜県校長会館が発行を担っています。
つまり、1948年から現在の名称で発行されていたと単純に説明するよりも、1949年の前身冊子と1953年の改称を区別することが、歴史を理解するうえで正確です。
戦後の教育現場から生まれた冊子終戦直後の教育現場では、子どもたちが夏休みをどのように過ごすかが教育上の課題の一つでした。
当時の「夏の子」は、現在のような読み物中心のガイドブックではなく、学習や作文などの課題に重点を置いた冊子だったと岐阜新聞は伝えています。
その後、編集に携わる教師たちが、夏休みに子どもたちにどのような経験をしてほしいかを考え、内容を少しずつ変えていきました。
夏の友の主な歴史と転換点| 年代 | 出来事 | 意味・背景 |
|---|---|---|
| 1949年 | 「夏の子」を発行 | 岐阜県教職員組合による前身冊子 |
| 1953年 | 「夏の友」に改称 | 現在につながる名称になる |
| 1964年 | 発行主体が県小中学校長会へ移行 | 教育現場を中心とする編集体制へ |
| 1974年 | 健康・研究・遊びなどの領域別に大幅改訂 | 学習中心から幅広い内容へ |
| 1977年 | 編集委員会も領域別の体制へ | 子どもの興味や関心を重視 |
| 2022年 | 岐阜新聞が発行の歴史と実態を報道 | 70年以上続く地域独自教材として紹介 |
| 2026年度 | 令和8年度版の手引き・内容表を公開 | 現在も教師による編集と改訂が継続 |
この変化で特に重要なのが1974年と1977年です。
1974年には、健康や研究、遊びなどのテーマを取り入れた領域別の構成へと改訂されました。さらに1977年には、編集委員会自体も領域別に編成され、各分野を担当する教師が専門的に内容を考える体制が整えられました。
岐阜新聞によると、現在の編集委員会には県内の校長、教頭、教諭など約50人が関わっています。2026年度版の学級担任向け手引きでも、50人以上の教師が執筆・編集に携わったことが説明されています。
長く続いている理由は、単に昔からある教材だからではありません。毎年の教育課題や子どもたちの興味に合わせて、現場の教師が内容を更新してきたことが継続を支えています。
【2026年度版を解説】夏の友の内容は?読み物・体験学習・工作の実例
2026年度(令和8年度)の「夏の友」は、小学校1年生から6年生までを対象に、学年ごとに内容が編集されています。
岐阜県小中学校長会の公式サイトでは、2026年5月から6月にかけて、学級担任向け手引き、保護者向け手引き、紹介図書、内容表、夏休みの計画表の使い方などが公開されました。
2026年度版の内容表を見ると、単純な問題集ではないことがよく分かります。低学年では身近な自然や生活体験、中学年では地域探検や伝統文化、高学年では環境問題や歴史、調査・研究など、学年に応じてテーマが広がっています。
1.読み物・読書コーナー「夏の友」には、夏休みの読書生活を充実させるためのコーナーがあります。
2026年度版の公式手引きによれば、物語や童話だけでなく、知識を広げるための本や県内の図書館も紹介されています。岐阜県の教師が執筆した創作童話や昔話も掲載対象です。
学年によって扱う題材は異なります。例えば、2026年度の内容表には次のような作品・テーマが掲載されています。
- 1年生:「きつね こうやく」
- 2年生:「トカゲのパープル」
- 3年生:「赤いリング」
- 4年生:「平和のかね」
- 5年生:「キツネ森の夏」
- 6年生:「花火」
また、読んだ本を記録する欄も用意されています。読書感想文を書くためだけではなく、夏休み中にどんな本と出会ったかを振り返ることにも役立ちます。
2.岐阜県の自然・歴史・伝統文化を知る「夏の友」を特徴付けているのが、岐阜県の地域情報を盛り込んだ「ふるさと読み物」や地域紹介のページです。
2026年度版には、学年に応じて、岐阜県内の自然、産業、歴史、伝統行事などを題材にした内容が掲載されています。
具体的なテーマを挙げると、次のとおりです。
- 1年生:化石探しができる瑞浪市、養老鉄道、岐阜県の魚
- 2年生:土岐市の美濃焼、長良川鉄道、関ケ原鍾乳洞
- 3年生:竹鼻まつり、中山道太田宿、地域を支える施設
- 4年生:岐阜県の伝統的工芸品、木曽川トンボ天国
- 5年生:岐阜県の自然災害、馬籠宿、自然環境
- 6年生:川の道、関ケ原古戦場、飛水峡の甌穴群
こうした題材の狙いは、教科書で学んだ知識を実際の地域と結び付けることです。
例えば、鉄道について読んだ子どもが家族と一緒に実際の路線に乗ってみたり、伝統行事について調べた子どもが地域のお祭りに参加したりすることで、読み物が実体験につながります。
3.体験学習・工作・自由研究につながる内容2026年度版では「宝物づくりなんでも情報室」が設けられています。
ここでは、子どもたちが自分でテーマを決め、実際に体験したり、ものを作ったり、調べたりする活動を支援しています。
学年別の内容表には、次のような具体例があります。
| 学年 | 工作・体験・調査の例 |
|---|---|
| 1年生 | 石ころアート、朝顔の観察、白玉だんご作り |
| 2年生 | 動物園を題材にした工作、バスや電車の利用、サラダ作り |
| 3年生 | 川原での自然体験、身近な物の性質調べ、豆腐の原料調査 |
| 4年生 | 自然素材を使った工作、レモン電池、岐阜県の名物調べ |
| 5年生 | ペットボトル工作、もやしの栽培、食品の産地調べ |
| 6年生 | 顕微鏡を使った観察、歴史探検、暑さをしのぐ工夫の調査 |
注目したいのは、完成した作品だけでなく、調べ方やまとめ方も紹介していることです。
前年度の児童が作った作品も参考例として掲載されており、初めて自由研究に取り組む子どもでも、テーマの選び方や完成までの進め方をイメージしやすくなっています。
4.国語・算数の復習問題「夏の友」は読み物が中心ですが、国語と算数の学習コーナーもあります。
公式の2026年度版手引きでは、夏休みまでに学習した内容のうち、特に理解しておきたい事項を確認するための問題が掲載されていると説明されています。
ただし、一般的なドリルのように大量の反復問題を解く構成ではありません。繰り返し練習や個別の補充学習については、学校や学級でドリル・プリントなどを活用することが想定されています。
なお、3~6年生の算数は、大日本図書と東京書籍の2社の教科書で学ぶ内容に合わせて編集されています。そのため、学校によってはまだ授業で習っていない単元が含まれることがあります。公式手引きでも、未習の内容は学習してから取り組むよう案内されています。
【関係者・役割を整理】夏の友と岐阜県校長会館の関係は?
「夏の友」は、一般的な教材メーカーが全国向けに販売する問題集とは異なり、岐阜県の教育関係者が地域の子どもたちのために作り続けている出版物です。
そのため、歴史を理解するには、冊子そのものだけでなく、編集に携わる団体や関係者の役割も押さえておく必要があります。
夏の友を支える主な組織・教材| エンティティ | 関係・役割 | 現在の位置付け |
|---|---|---|
| 夏の子 | 夏の友の前身 | 1949年に発行 |
| 夏の友 | 岐阜県の小学生向け教材 | 1953年に改称、現在も発行 |
| 岐阜県教職員組合 | 前身冊子の発行に関与 | 戦後の発行の起点 |
| 岐阜県小中学校長会 | 1964年に発行を引き継いだ団体 | 教育現場との連携を担う |
| 岐阜県校長会館 | 現在の出版・編集事業の中心 | 2026年度版の公式資料を公開 |
| 編集委員会 | 県内の校長・教頭・教諭など | 教材の執筆・改訂を担当 |
| 夏の生活 | 中学生向けの夏休み教材 | 夏の友とは別の出版物 |
ここで誤解しやすいのが、岐阜県校長会館という名称です。
岐阜県校長会館は、現在の「夏の友」の出版事業を担う組織で、岐阜県小中学校長会の活動とも関係しています。公式サイトでは、出版物の一覧や活用手引き、児童生徒向けのコンクール情報などが公開されています。
また、夏の友の編集は外部の制作会社だけで完結するものではありません。現職の教師たちが領域ごとに内容を担当し、子どもたちの作品や地域の情報を取り入れながら改訂しています。
この編集体制が、岐阜県ならではの地域性を保つ大きな要因です。
【地域差の真相】夏の友は岐阜県だけ?全国の夏休み教材との違い
「夏の友」をめぐってよくある疑問が、「自分の地域では配られなかったのに、岐阜県では当たり前だったのはなぜか」というものです。
その理由は、夏休み用の冊子が全国共通の教材ではないからです。
夏休み教材には地域ごとの違いがある2018年7月にJタウンネットが岐阜県校長会館へ取材した記事では、岐阜県の「夏の友」は全国共通の副教材ではなく、岐阜県独自のガイドブックであると紹介されています。
同記事では、地域によって冊子の名称や内容が異なることも取り上げられています。
例えば、次のような種類があります。
| 冊子・教材のタイプ | 主な内容 |
|---|---|
| 夏の友・夏休みの友 | 読み物、学習、生活情報など |
| 夏休み帳 | 日記、生活記録、計画表など |
| 夏ワーク | 学習問題や日記など |
| 教材メーカーの問題集 | 国語・算数などの復習問題 |
| 生活記録型の冊子 | 生活習慣や毎日の記録 |
同じ「夏休みの友」という名称でも、岐阜県の冊子と他地域の教材が同じ内容とは限りません。
特に、岐阜県の「夏の友」は読み物や地域体験の情報を重視している点で特徴的です。地域によっては、教材メーカーが販売するドリル形式の冊子が中心になる場合もあります。
なぜ岐阜県では現在も続いているのか全国各地で発行されていた類似の冊子は、1960年代半ばごろから民間出版社の教材などに置き換わり、徐々に姿を消していったと岐阜新聞は報じています。
その中で岐阜県の「夏の友」が続いている背景には、地域の教師が編集に参加する仕組みがあります。
民間の問題集では、全国の学校で使いやすいように共通の学習内容を扱うことが中心になります。一方、岐阜県の「夏の友」では、県内の伝統行事や地域施設、自然環境などを具体的に紹介できます。
地域の教師が題材を選ぶことで、教科書だけでは触れにくい郷土の情報を子どもたちに届けられるわけです。
夏の友は全員が購入・使用するのかここも誤解されやすいポイントです。
岐阜新聞の2022年7月の記事によると、当時は県内公立小学校の児童の購入率が88%で、学校単位の採用率は100%でした。
ただし、購入方法は学校全体、学年単位、希望者のみなど、各学校の判断によって異なっていたと報じられています。
また、2020年には新型コロナウイルス感染症の影響による夏休み短縮などから、希望者のみの購入とする学校が増えたという経緯もあります。
この数字は2022年当時の報道データです。2026年度の購入率や全県の採用率を示す最新統計として扱うことはできません。
2026年度も公式の手引きや内容表が公開され、教材の編集・出版が続いていることは確認できますが、最新の購入率については別途公表資料が必要です。
【現在の実態】2026年度・令和8年度の公式資料と中学生向け「夏の生活」
2026年11月現在、岐阜県小中学校長会の公式サイトでは、令和8年度の「夏の友」と「夏の生活」に関する資料が公開されています。
特に注目したいのは、子ども向けの冊子だけでなく、先生や保護者が活用するための手引きも整備されていることです。
2026年度版「夏の友」の基本仕様岐阜県校長会館が公開している令和8年度の小学校用出版物一覧では、夏の友について次の仕様が掲載されています。
| 項目 | 2026年度の公式情報 |
|---|---|
| 対象 | 小学校1~6年生 |
| 判型 | B5判 |
| 本誌 | 88~92ページ |
| 解答 | B5判・4ページ |
| 付録 | 計画表など |
| 頒価 | 500円(税込) |
| 見本送付 | 5月中旬 |
| 注文分の送付 | 7月上旬 |
学年によってページ数が異なり、各学年の発達段階に応じて題材が調整されています。
編集方針には、学習指導要領への配慮、親子での豊かな生活体験、主体的な活用、研究や作品作りに役立つ作品例などが盛り込まれています。
保護者向けの手引きも2026年版が公開2026年6月24日には、岐阜県小中学校長会の公式サイトで保護者向けの「夏の友の手引き」が掲載されました。
手引きでは、保護者に対して、冊子が届いたら子どもと一緒に目を通し、夏休みの計画を立てるよう案内しています。
具体的には、次のような使い方が推奨されています。
- 目次を確認し、読みたいページや体験したい内容を決める。
- 付録の「夏休みのくらし」を使って目標や計画を立てる。
- 家族で読書や体験学習を楽しむ。
- 工作や調べ学習の成果を写真や感想とともに記録する。
- 夏休みの終わりに、できたことや楽しかったことを振り返る。
興味深いのは、毎日すべての記録を完璧に書くことだけを重視していない点です。計画表の使い方についても、毎日書くことが難しい子どもには、週単位で振り返る、写真を貼る、絵日記にするなど、その子に合った方法を検討するよう示されています。
つまり、計画表は単なる提出用の記録ではなく、自分の生活を振り返るための道具として考えられています。
中学生向けは「夏の友」ではなく「夏の生活」もう一つ注意したいのが、中学生向けの教材です。
岐阜県では、小学生向けの「夏の友」とは別に、中学生向けの「夏の生活」が発行されています。
2026年度の中学校用出版物一覧によると、「夏の生活」はB5判120ページで、解答は24ページ、頒価は550円(税込)です。
小学生向けの「夏の友」が読み物や地域体験を幅広く紹介するガイドブックであるのに対し、中学校向けの「夏の生活」は、教科学習の内容も取り入れた夏休み教材として位置付けられています。
加えて、2026年7月10日には、岐阜県小中学校長会が中学1年生・2年生向けの「夏の生活」確認テスト問題を学校向けに公開しています。ダウンロードには学年ごとのパスワードが必要とされています。
したがって、検索時には小学生向けの「夏の友」と中学生向けの「夏の生活」を混同しないことが大切です。
【保護者・児童向け】夏の友を上手に活用する方法と向いている家庭
「夏の友」は、使い方によって夏休みの過ごし方を大きく広げられる教材です。ただし、すべてのページを同じように扱う必要はありません。
公式手引きの内容を踏まえると、次のような使い方が効果的です。
1.最初に親子で目次を確認する冊子が配布されたら、まず子どもと一緒に目次を見て、興味のあるテーマを探します。
読み物、工作、地域の施設紹介、自然観察など、本人が面白そうだと思う内容を見つけることが最初の一歩です。
親が最初から取り組む内容を決めるよりも、子ども自身が選ぶ時間をつくることが、主体的な学びにつながります。
2.計画表を使って無理のない予定を立てる2026年度版の付録には「夏休みのくらし」という計画表があります。
夏休み中の目標を決め、日々の生活や取り組みを振り返るためのものです。
例えば、次のような目標が考えられます。
- 毎日少しずつ読書をする。
- 家の手伝いを一つ継続する。
- 地域の施設に一か所以上行ってみる。
- 工作や自由研究に一つ取り組む。
- 規則正しい生活を心掛ける。
予定を詰め込みすぎず、家族で実現できる内容にすることがポイントです。
3.体験を記録して夏休みの宝物にする夏の友では、体験したことや調べたことを「宝物」として残す考え方が重視されています。
例えば、家族で岐阜県内の博物館を訪れた場合、見学した場所の名前だけを書くのではなく、印象に残った展示や初めて知ったことを記録します。
工作なら、完成した作品の写真だけでなく、材料や作り方、工夫した部分も記録すると、後から振り返りやすくなります。
公式手引きでも、写真や感想を添えて記録することが勧められています。
4.家庭で答え合わせをサポートする国語や算数の問題については、答え合わせも大切です。
特に低学年・中学年では、保護者が一緒に確認することが手引きで推奨されています。
間違えた問題を責めるのではなく、どこでつまずいたのかを一緒に考え、必要なら教科書や辞典を使って確認することが望ましいでしょう。
夏の友が向いている子ども・家庭次のような子どもや家庭では、夏の友の特徴を生かしやすいと考えられます。
- 地域の自然や歴史に興味がある子ども
- 工作や自由研究に挑戦してみたい子ども
- 読書の幅を広げたい子ども
- 家族で外出や体験学習を楽しみたい家庭
- 夏休みの生活リズムを整えたい家庭
反対に、問題演習を大量にこなしたい場合や、特定教科の苦手分野を集中的に復習したい場合には、「夏の友」だけでは十分とは限りません。
その場合は、学校から指定された宿題や別のドリル教材を組み合わせるとよいでしょう。
夏の友の価値は、ページをすべて埋めることだけにあるのではありません。子どもが興味を持ったことを実際の体験につなげられる点にあります。
【よくある質問】夏の友に関するFAQ
Q1:夏の友は1948年から発行されているのですか?
A1:1948年からと紹介する過去の記事もありますが、岐阜新聞の2022年の記事では、1949年に発行された「夏の子」が前身とされています。1953年に「夏の友」へ改称され、1964年に発行主体が県小中学校長会へ移りました。
Q2:夏の友は夏休みの宿題ではないのですか?
A2:本来は宿題というより、夏休みの生活や学習、体験を支えるガイドブックです。ただし、学校によって特定のページへの取り組みを課題にする場合があります。
Q3:夏の友にはどんな内容が掲載されていますか?
A3:読書や童話、岐阜県の自然・歴史・伝統行事、工作、自由研究、体験学習、国語・算数の確認問題などです。学年によって掲載テーマが異なります。
Q4:夏の友は岐阜県以外でも配られていますか?
A4:今回紹介した「夏の友」は岐阜県独自の教材です。他の地域にも「夏休みの友」「夏休み帳」などの冊子はありますが、名称や編集内容、配布方法は地域や学校によって異なります。
Q5:2026年度版の夏の友は何ページで、価格はいくらですか?
A5:岐阜県校長会館の令和8年度小学校用出版物一覧によると、B5判88~92ページで、解答4ページと付録・計画表が付属します。頒価は500円(税込)です。
Q6:中学生にも夏の友はありますか?
A6:中学生向けには、別の教材「夏の生活」があります。2026年度版はB5判120ページ、解答24ページで、頒価550円(税込)です。
Q7:夏の友の公式な手引きはどこで確認できますか?
A7:岐阜県小中学校長会の公式サイトに、令和8年度の学級担任用手引き、保護者用手引き、紹介図書、内容表、「夏休みのくらし」の使い方などが掲載されています。
「夏の友」は、岐阜県の子どもたちに向けて70年以上にわたり発行されてきた、全国的にも珍しい地域独自の夏休みガイドブックです。
その起源は1949年の「夏の子」にあり、1953年に現在の名称へと変わりました。学習や作文中心だった内容は、時代とともに読み物、地域文化、自然体験、工作、調べ学習などへと広がっています。
2026年度(令和8年度)版でも、岐阜県校長会館が公式資料を公開し、50人以上の教師が編集に参加する体制が続いています。
特に注目したいのは、岐阜県の伝統行事や自然、歴史を子どもたち自身の体験につなげようとしている点です。教科書の知識を覚えるだけでなく、自分の暮らす地域を知り、家族と出掛け、調べ、作り、振り返る。その一連の経験が教材の中心にあります。
また、夏休みの宿題と混同されがちですが、夏の友の本来の役割は、課題をこなすことではなく、夏休みをより豊かに過ごすための道しるべになることです。
地域によって教材の名称や内容が違うため、岐阜県外の人にとっては馴染みがない可能性があります。しかし、地域の教育関係者が子どもたちのために独自教材を作り続けているという点に、夏の友の大きな価値があります。
2026年度版を手に取る機会があれば、問題のページだけでなく、読み物や地域紹介、宝物づくりのページにも目を向けてみてください。そこには、夏休みの宿題という枠を超えた、岐阜県ならではの教育文化が詰まっています。