2026年の第102回箱根駅伝で、最も大きな注目を集めた区間の一つが、往路最終区間の5区「山上り」だ。小田原中継所から箱根町・芦ノ湖までの20.8キロを走るこの区間では、青山学院大学の黒田朝日が1時間7分16秒を記録。従来の区間記録を1分55秒も更新する驚異的な走りを披露した。2026年11月現在、この記録が5区の歴代最高記録となっている。
箱根駅伝5区は、単純な長距離走とは異なる難しさを持つ。箱根湯本駅付近から本格化する急な上り坂、標高約874メートルの国道1号最高地点、そして終盤に待ち受ける下り坂。地形の変化に対応する走力とペース配分が、選手の順位だけでなく往路全体の勝敗にも大きく影響する。2026年の最新結果、全選手の区間順位、歴代記録、コースの特徴を詳しく整理する。
【2026年最新結果】第102回箱根駅伝5区は黒田朝日が区間新記録!

2026年1月2日に行われた第102回箱根駅伝の5区では、青山学院大学の4年生・黒田朝日が圧巻の走りを見せた。
記録は1時間7分16秒。2025年の第101回大会で同じ青山学院大学の若林宏樹が樹立した1時間9分11秒を、1分55秒も短縮する区間新記録だった。
注目すべきなのは、黒田が単に速いタイムを出しただけではないという点だ。
5区へのタスキリレー時点で、青山学院大学はトップから3分24秒差の5位。往路優勝を狙うには厳しい位置からのスタートだった。
しかし、黒田は山上りで次々と前を走る選手を追い抜き、最終的にはトップで芦ノ湖のゴールに到達。青山学院大学を往路優勝へと導いた。
日刊スポーツは2026年1月2日のレース報道で、この走りを新たな「山の神」の誕生として取り上げた。
2026年の5区区間記録| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 大会 | 第102回箱根駅伝 |
| 開催日 | 2026年1月2日 |
| 区間 | 往路5区 |
| 距離 | 20.8キロ |
| 選手 | 黒田朝日 |
| 大学 | 青山学院大学 |
| 学年 | 4年 |
| 区間タイム | 1時間7分16秒 |
| 区間順位 | 1位 |
| 従来記録との差 | 1分55秒更新 |
| チーム順位 | 5区終了時点で1位 |
2026年の青山学院大学は、黒田の快走によって往路を5時間18分08秒で制した。さらに復路でも安定した走りを見せ、総合10時間37分34秒の大会新記録で優勝している。
5区の逆転劇が、チーム全体の勢いを生み出した大会だった。
【第102回箱根駅伝】5区の区間順位・全選手のタイム一覧
第102回大会の5区では、20大学と関東学生連合の選手が箱根の山に挑んだ。
東京箱根間往復大学駅伝競走の公式記録によると、区間2位は城西大学の斎藤将也、3位は早稲田大学の工藤慎作だった。
ここでは区間順位と5区終了時点のチーム総合順位を整理する。
2026年5区の全区間順位| 区間順位 | 大学 | 選手 | 区間タイム | 5区終了時総合順位 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 青山学院大学 | 黒田朝日 | 1:07:16 | 1位 |
| 2位 | 城西大学 | 斎藤将也 | 1:09:28 | 7位 |
| 3位 | 早稲田大学 | 工藤慎作 | 1:09:46 | 4位 |
| 4位 | 國學院大學 | 高石樹 | 1:10:05 | 2位 |
| 5位 | 順天堂大学 | 小林侑世 | 1:10:31 | 3位 |
| 6位 | 創価大学 | 野沢悠真 | 1:11:31 | 8位 |
| 7位 | 駒澤大学 | 安原海晴 | 1:11:38 | 6位 |
| 8位 | 帝京大学 | 浅川侑大 | 1:11:51 | 9位 |
| 9位 | 日本大学 | 鈴木孔士 | 1:11:59 | 10位 |
| 10位 | 山梨学院大学 | 弓削征慶 | 1:12:00 | 17位 |
| 11位 | 中央大学 | 柴田大地 | 1:12:16 | 5位 |
| 12位 | 中央学院大学 | 米田昂太 | 1:12:29 | 11位 |
| 13位 | 東海大学 | 永本脩 | 1:12:39 | 12位 |
| 14位 | 大東文化大学 | 上田翔大 | 1:13:29 | 19位 |
| 15位 | 東洋大学 | 宮崎優 | 1:13:38 | 14位 |
| 16位 | 神奈川大学 | 三原涼雅 | 1:14:22 | 13位 |
| 17位 | 立教大学 | 木島陸 | 1:14:30 | 20位 |
| 18位 | 日本体育大学 | 浦上和樹 | 1:14:38 | 15位 |
| 19位 | 東京農業大学 | 小島岳斗 | 1:15:12 | 18位 |
| 20位 | 東京国際大学 | 荒谷俊輔 | 1:16:10 | 16位 |
| 参考 | 関東学生連合 | 高橋歩夢 | 1:16:39 | 参考 |
※タイムは公式記録に基づく。総合順位は5区終了時点。
区間順位とチーム順位は同じではないこの一覧で見逃せないのが、個人の区間順位と大学の総合順位の違いだ。
例えば、順天堂大学の小林侑世は区間5位だったが、5区終了時点のチーム順位は3位。対して、城西大学の斎藤将也は区間2位という好成績を残したものの、チーム順位は7位だった。
これは、5区の選手がどれほど速く走っても、それ以前の4区間で生じた時間差をすべて解消できるとは限らないためだ。
一方、黒田朝日のように区間新記録を出してチームをトップまで押し上げる選手もいる。
5区の面白さは、個人の記録と大学同士の総合的な順位争いが同時に展開される点にある。
【コースマップ解説】小田原中継所から箱根町まで20.8キロの山上り
箱根駅伝5区は、小田原中継所から箱根町の芦ノ湖にある往路ゴールまでを走る20.8キロの区間だ。
スタート地点は神奈川県小田原市風祭の鈴廣前。そこから国道1号線を進み、箱根湯本駅付近を通過して山道へ入っていく。
日本テレビの箱根駅伝公式コース紹介では、5区を「最大の難所 山上り」と位置付けている。
5区のコースを距離別に解説1. 小田原中継所から箱根湯本駅付近
序盤は比較的緩やかな上り坂が続く。
一見すると走りやすそうに見える区間だが、選手はここから長時間にわたって標高を上げ続けることになる。
序盤で無理にペースを上げると、後半の急勾配で失速する可能性があるため、体力を温存しながら走ることが求められる。
2. 箱根湯本駅付近から本格的な山上り
5区を象徴する区間だ。
箱根湯本駅付近から先は、道路が曲がりくねりながら標高を上げていく。直線的な平地とは異なり、カーブの連続や勾配の変化への対応が必要になる。
一定のリズムを保つことが難しく、脚力だけでなく、上り坂に適したフォームやペース管理が問われる。
3. 16.2キロ付近の国道1号最高地点
5区の大きな目印となるのが、標高約874メートルの国道1号最高地点だ。
ここまで長く続いた上り坂を走り切ると、コースは下り基調へと変わる。
ただし、最高地点を通過したからといって勝負が終わるわけではない。ここからは下り坂に対応する別の走力が求められる。
4. 19キロ過ぎから芦ノ湖のゴールへ
最高地点を越えた後は、箱根神社の大鳥居付近を経て、芦ノ湖の往路ゴールへ向かう。
上りで蓄積した疲労が残る中、下り坂でスピードを維持する必要がある。
終盤に余力を残せるかどうかが、最終的な区間タイムを左右する。
箱根駅伝5区のコースマップで確認したいポイントコースを地図で見る場合は、次の4地点を順番に確認すると全体像がつかみやすい。
- 小田原中継所(鈴廣前)
- 箱根湯本駅付近
- 国道1号最高地点(標高約874メートル)
- 箱根神社大鳥居から芦ノ湖ゴール
特に、16.2キロ付近の最高地点を境に、上りから下りへと走り方が変わる点が重要だ。
距離だけを見ると20.8キロの一般的な長距離区間に思えるが、高低差と路面の変化を重ねて見ると、5区が特殊な区間であることが分かる。
【歴代記録比較】黒田朝日は若林宏樹を超えて5区の歴代最高記録へ
2026年の黒田朝日の記録が特別なのは、従来の区間記録を大幅に更新したことだけではない。
現在の5区コースにおける歴代上位の記録を比較すると、青山学院大学の選手が上位を占めていることも分かる。
2017年以降の5区歴代最高記録| 順位 | 大会 | 選手 | 大学 | タイム |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 第102回・2026年 | 黒田朝日 | 青山学院大学 | 1:07:16 |
| 2位 | 第101回・2025年 | 若林宏樹 | 青山学院大学 | 1:09:11 |
| 3位 | 第100回・2024年 | 山本唯翔 | 城西大学 | 1:09:14 |
| 4位 | 第102回・2026年 | 斎藤将也 | 城西大学 | 1:09:28 |
| 5位 | 第101回・2025年 | 工藤慎作 | 早稲田大学 | 1:09:31 |
2026年の黒田は、2位の若林宏樹との差を1分55秒まで広げた。
20.8キロという距離で1分55秒の差を生み出すことは、非常に大きな意味を持つ。
平均ペースに換算すると、黒田は1キロ当たり約3分14秒で走り切った計算になる。標高差の大きい山上り区間で、このペースを維持したことが記録の価値を際立たせている。
今井正人・柏原竜二・神野大地との比較に注意箱根駅伝の歴代5区を語る際には、いわゆる「山の神」と呼ばれた選手たちも欠かせない。
代表的な選手は次の3人だ。
- 今井正人: 順天堂大学で2005~2007年に活躍した山上りの名選手。
- 柏原竜二: 東洋大学で2009~2012年に5区の区間賞を獲得した選手。
- 神野大地: 青山学院大学で2015年に5区区間賞を獲得し、2016年も区間2位となった選手。
これらの選手は箱根駅伝の歴史を語るうえで重要な存在だが、黒田朝日と単純にタイムを比較することはできない。
その理由は、2017年の第93回大会から5区の距離とコースが変更されたためだ。
2017年に5区が短縮された理由2016年、関東学生陸上競技連盟は第93回大会から4区と5区の距離を変更することを決定した。
変更前後の距離は次の通り。
| 項目 | 変更前 | 変更後 |
|---|---|---|
| 5区の距離 | 23.2キロ | 20.8キロ |
| 4区の距離 | 18.5キロ | 20.9キロ |
| 小田原中継所 | 小田原市本町 | 小田原市風祭・鈴廣前 |
背景には、5区の選手にかかる身体的負担の大きさがあった。
長い山上りによって低体温や低血糖に陥る選手が発生していたことに加え、5区の結果が往路や総合成績に与える影響が大きすぎるという問題も議論されていた。
そこで5区を短縮し、4区を延長することで、レース全体のバランスを見直したのである。
つまり、黒田朝日の1時間7分16秒と、今井正人や柏原竜二らが走った時代の記録は、異なる条件のもとで生まれたものだ。
歴代最高記録を正しく評価するには、同じ距離・同じコース条件で比較する必要がある。
【専門分析】なぜ箱根駅伝5区は「山上り」と呼ばれるのか?
5区が特殊な区間とされる理由は、単に標高の高い場所を走るからではない。
上り坂が長く続くこと、道路が曲がりくねっていること、標高の変化によって走行環境が変わること、そして終盤に下り坂が待っていることが重なっている。
理由1:長時間続く上り坂が脚力を消耗させる平地の長距離走では、一定の歩幅とリズムを維持しやすい。
しかし、5区では勾配が変化するため、平地と同じ走り方を続けることが難しい。
上り坂では身体を前方へ運ぶための推進力が必要となり、脚の筋肉に継続的な負荷がかかる。
特に序盤から無理にペースを上げると、後半の急勾配で体力を消耗する原因になる。
理由2:曲がりくねった道路がリズムを崩す箱根湯本駅付近から続く山道は、直線的な道路とは違い、カーブが連続する。
道路の形状に合わせて走行ラインを調整しなければならず、一定のリズムを維持しにくい。
上り坂の勾配だけでなく、道路の曲線や走行環境に対応する能力も求められる。
理由3:最高地点を越えた後の下り坂も難所5区の特徴として意外に見落とされやすいのが、終盤の下り坂だ。
国道1号最高地点を通過すると、芦ノ湖に向かって下り基調になる。
上りで疲労した脚を使ってスピードを出す必要があり、単純に下りだから楽というわけではない。
ここで無理にスピードを上げれば、フォームが乱れたり、終盤に失速したりする可能性もある。
5区に向いている選手の特徴5区で力を発揮する選手には、次のような能力が求められる。
- 長時間の上り坂に耐えられる持久力
- 勾配の変化に対応できる脚力
- 上り坂で無駄なエネルギーを使わない走行フォーム
- 下り坂でも安定したスピードを維持する能力
- 状況に応じてペースを調整できる判断力
平地での10000メートルやハーフマラソンの記録だけでは、5区の適性を完全には判断できない。
そのため各大学にとって、5区の選手選びは往路戦略を左右する重要な判断となる。
2026年の黒田朝日の走りは、こうした能力が高い水準で組み合わさった結果として評価できる。
【タイム速報の確認方法】読売新聞・スポーツ報知・公式記録の違い
箱根駅伝5区のタイム速報を確認するときは、速報性を重視する媒体と、確定記録を確認する媒体を使い分けると分かりやすい。
2026年11月現在、第102回大会はすでに終了しているため、当日のリアルタイム速報ではなく、確定した大会記録を確認する段階だ。
主な情報源と確認できる内容東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト
最も基本となるのが大会公式サイトだ。
第102回大会の5区について、全選手の区間順位、大学名、選手名、区間タイム、総合順位が掲載されている。
歴代記録やコース紹介も確認できるため、数字の正確性を重視する読者に適している。
日本テレビ・箱根駅伝番組公式サイト
日本テレビの大会記録ページでは、第102回大会までの区間記録が整理されている。
2026年の5区記録として、黒田朝日の1時間7分16秒が掲載されている。
読売新聞の2026年区間記録特集
読売新聞の箱根駅伝特集では、小田原から箱根町までの5区20.8キロの区間記録を確認できる。
大会の結果を振り返る際や、各区間の記録を調べる際に役立つ情報源だ。
スポーツ報知の5区速報
スポーツ報知の第102回大会5区タイム速報ページでは、選手ごとの区間タイムや順位、大学の総合順位などを確認できる。
特に複数の大学の順位変動を比較したい読者にとって便利な情報だ。
速報を見るときに間違えやすい3つのポイント1. 区間順位と総合順位を混同しない。 個人の走行タイムによる順位と、チーム全体の順位は別の数字だ。
2. 通過順位と最終順位を区別する。 5区終了時点の順位は、復路終了後の総合順位とは異なる。
3. 歴代記録はコース変更を確認する。 2017年以前の記録を現在の20.8キロの記録と単純比較しない。
特に2026年の結果を調べる場合は、区間賞の黒田朝日だけでなく、各大学が5区終了時点でどの位置につけたのかを見ると、往路の展開をより深く理解できる。
【箱根駅伝5区に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:2026年の箱根駅伝5区で区間賞を獲得した選手は誰?
A1:青山学院大学の黒田朝日だ。第102回大会の2026年1月2日に1時間7分16秒を記録し、従来の区間記録を1分55秒更新した。
Q2:箱根駅伝5区の距離は何キロ?
A2:現在の5区は20.8キロだ。小田原中継所から箱根町の芦ノ湖にある往路ゴールまでを走る。2017年の第93回大会から現在の距離に変更された。
Q3:箱根駅伝5区の歴代最高記録は?
A3:2026年11月現在、青山学院大学の黒田朝日が第102回大会で記録した1時間7分16秒だ。従来の記録は2025年の若林宏樹による1時間9分11秒だった。
Q4:箱根駅伝5区はなぜ山上りと呼ばれる?
A4:小田原から箱根の山を上り、標高約874メートルの国道1号最高地点を目指すためだ。ただし、16.2キロ付近の最高地点を越えると下り基調に変わり、終盤の走力も重要になる。
Q5:今井正人や柏原竜二の記録と黒田朝日の記録は比較できる?
A5:単純比較はできない。2017年の第93回大会から5区の距離が23.2キロから20.8キロに短縮され、中継所も変更されたためだ。現在の歴代記録は、基本的に同じコース条件となる第93回大会以降で比較する必要がある。
2026年の第102回箱根駅伝5区では、青山学院大学の黒田朝日が1時間7分16秒という驚異的な区間新記録を樹立した。
従来の記録を1分55秒更新し、トップから3分24秒差でタスキを受け取った状況からチームを往路優勝へ導いた走りは、2026年大会を象徴する出来事となった。
5区の魅力は、20.8キロという距離だけでは理解できない。
小田原中継所から箱根湯本駅付近を通り、標高約874メートルの最高地点まで上る前半。そして、最高地点を越えて芦ノ湖へ向かう後半。上りと下りの両方に対応しなければならない特殊なコースが、毎年さまざまなドラマを生み出している。
歴代記録を比較するときには、2017年のコース変更にも注意したい。今井正人、柏原竜二、神野大地らが築いた山上りの歴史と、黒田朝日が更新した現行コースの記録は、それぞれ異なる時代の偉業として評価する必要がある。
今後の箱根駅伝でも、5区の選手選考や山上りへの対応は、往路の順位争いを左右する大きなポイントになる。
2026年の5区を振り返るなら、黒田朝日の1時間7分16秒だけでなく、20.8キロの地形、歴代の山の神との違い、そして上りから下りへ変わるコース構造まで押さえておきたい。
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