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発酵調味料とは?種類・仕組み・使い方から選び方と保存の注意点まで徹底解説

朝倉 仁 朝倉 仁 • 更新: • 公開: • 読了約 25 分
目次

発酵調味料とは、麹菌や酵母、乳酸菌などの微生物、あるいは微生物が生み出す酵素の働きを利用して、食材のうま味や甘み、香りを引き出した調味料の総称です。代表的なものには、塩麹、醤油麹、玉ねぎ麹、味噌、醤油、魚醤などがあります。普段から使っている味噌や醤油も、実は日本の食文化を支えてきた発酵調味料です。

発酵調味料の魅力は、単に味を付けるだけではありません。原材料に含まれるでんぷんやたんぱく質が分解されることで、自然な甘みや深いうま味が生まれ、肉や魚を柔らかく仕上げるなど、調理にも役立ちます。一方、塩分の多さや保存方法、手作りする際の衛生管理など、知っておきたい注意点もあります。2026年現在、家庭料理に取り入れやすい麹調味料を中心に、発酵の仕組みから種類、作り方、使い方、選び方まで詳しく解説します。

【基本知識】発酵調味料とは?定義と一般的な調味料との違い

発酵調味料とは

発酵調味料とは、食品に含まれる成分を微生物や酵素の働きによって変化させ、独特の味や香りを生み出した調味料です。料理の分野では、麹を使った調味料から伝統的な醸造調味料まで、幅広い食品をまとめて表現する言葉として使われています。

大切なのは、発酵調味料が特定の原材料や一つの製法だけを指す言葉ではないという点です。例えば、塩麹は米麹を中心に作られますが、魚醤は魚介類と塩を原料とし、素材自身の酵素や微生物の働きを利用して作られます。

発酵調味料と一般的な調味料は何が違う?

一般的な調味料との違いは、味を付けるまでの製造過程にあります。

食塩や砂糖は、主に素材そのものが持つ塩味や甘味を利用する調味料です。それに対して発酵調味料は、発酵や酵素分解によって原材料の成分を変化させ、複数の味わいや香りを生み出します。

ただし、発酵調味料と一般的な調味料は完全に別のカテゴリーではありません。醤油や味噌、酢は日常的な調味料であると同時に、発酵の工程を経て作られる食品です。

つまり、普段使っている調味料のなかにも発酵調味料は数多く含まれています。

発酵と腐敗の違いも知っておきたい

発酵と腐敗は、どちらも微生物の活動によって食品の成分が変化する現象です。農林水産省の解説によると、両者の違いを考えるうえで重要なのは、人にとって有害な変化かどうかという安全性の観点です。

発酵は食品として利用できる望ましい変化ですが、腐敗は食品の安全性を損なう可能性があります。単に酸っぱいにおいがする、色が変わったという理由だけで発酵が正常に進んでいると判断することはできません。

家庭で発酵調味料を作る場合も、衛生的な環境と適切な材料の配合、温度管理が欠かせません。

【仕組みを解説】発酵調味料はどのようにして作られる?麹と微生物の働き

発酵調味料のおいしさを理解するには、麹菌と酵素の働きを知ることが近道です。

日本の伝統的な発酵食品では、米や麦、大豆などに麹菌を繁殖させた「麹」が重要な役割を担っています。独立行政法人酒類総合研究所によると、麹はでんぷんやたんぱく質を分解する酵素を作り、味噌や醤油、清酒などの製造に利用されています。

1.麹菌が酵素を作り出す

麹菌は、蒸した米や麦、大豆などに繁殖する微生物です。麹菌が増殖する過程で、アミラーゼやプロテアーゼなどの酵素が作られます。

それぞれの酵素には異なる働きがあります。

  • アミラーゼ:でんぷんを分解し、糖類を生み出す。自然な甘みにつながる。
  • プロテアーゼ:たんぱく質を分解し、ペプチドやアミノ酸を生み出す。うま味の形成に関わる。
  • その他の酵素:脂質などの成分にも作用し、食品の風味や性質に影響を与える。

このような酵素の働きによって、原材料の味わいが変化していきます。

2.酵母や乳酸菌などが発酵を進める

麹の酵素によって生まれた糖やアミノ酸は、微生物にとっても重要な栄養源です。発酵の過程では、乳酸菌や酵母などが活動し、有機酸やアルコール、香気成分などを生み出します。

これらの成分が組み合わさることで、単なる塩味や甘味だけでは表現できない複雑な風味が形成されます。

3.発酵・熟成によって味わいが深まる

発酵調味料は、仕込んですぐ完成するものばかりではありません。味噌や醤油のように、数か月から長期間かけて熟成させるものもあります。

農林水産省の「にっぽん伝統食図鑑」によると、味噌は製法や種類によって熟成期間が異なり、数日から2年に及ぶものまであります。醤油も麹と食塩水を混ぜた諸味を発酵・熟成させることで、独特の色、味、香りが生まれます。

発酵期間や温度、原材料の配合によって仕上がりが変わるため、同じ種類の調味料でも商品や製造元によって味わいに違いが出るのです。

【種類・代表例】発酵調味料には何がある?麹調味料から味噌・醤油・魚醤まで比較

発酵調味料は、原材料や製造方法によっていくつもの種類に分けられます。家庭で使いやすい麹調味料だけでなく、日本の食文化に根付いた味噌や醤油、地域の伝統的な魚醤も代表的な存在です。

それぞれの特徴を把握すると、料理に合わせた使い分けがしやすくなります。

代表的な発酵調味料の特徴一覧
種類 主な原材料・製法 味わいの特徴 おすすめの使い方
塩麹 米麹・塩・水 まろやかな塩味と自然な甘み 肉や魚の下味、漬物、炒め物
醤油麹 米麹・醤油 濃厚なうま味と甘み 冷奴、刺身、炒め物、漬けだれ
玉ねぎ麹 玉ねぎ・米麹・塩 玉ねぎの甘みとコク スープ、ドレッシング、肉料理
味噌 大豆・麹・塩 深いうま味と発酵由来の香り 味噌汁、煮込み料理、炒め物
醤油 大豆・小麦・麹・食塩水など 塩味、うま味、芳醇な香り 煮物、焼き物、つけ醤油
魚醤 魚介類・塩など 濃厚なうま味と独特の香り 鍋、炒め物、エスニック料理
酢 穀物や果実などを利用した酢酸発酵 酸味とさわやかな香り 酢の物、ドレッシング、マリネ
麹調味料の代表例1:塩麹

塩麹は、米麹と塩、水を混ぜて発酵させた調味料です。麹の酵素によって原材料の成分が分解され、塩味だけではない甘みやうま味が生まれます。

特に肉や魚の下味に適しており、たんぱく質への酵素の作用によって、食材を柔らかく仕上げやすくなります。

農林水産省が紹介するレシピでも、鶏肉の重量に対して約10%の塩麹を使った唐揚げが紹介されています。いつもの塩や醤油による味付けとは違った、まろやかな風味を楽しめます。

麹調味料の代表例2:醤油麹

醤油麹は、米麹に醤油を加えて発酵・熟成させた調味料です。醤油が持つ塩味やうま味に、麹由来の甘みやコクが加わります。

塩麹よりも醤油らしい風味が強く、冷奴や卵かけご飯、野菜炒め、肉料理など幅広い用途に使えます。

醤油をそのまま使うよりも味わいがまろやかになるため、少量でも料理に深みを加えやすいのが特徴です。

麹調味料の代表例3:玉ねぎ麹

玉ねぎ麹は、すりおろした玉ねぎと米麹、塩を組み合わせて発酵させる調味料です。

玉ねぎの甘みと麹のうま味が合わさり、洋風のだしのような使い方ができます。コンソメの代わりにスープに加えたり、ハンバーグの下味に使ったりするのが代表的な活用方法です。

塩麹や醤油麹と比べて玉ねぎの風味がはっきりしているため、洋食や野菜料理との相性に優れています。

伝統的な発酵調味料:味噌と醤油

味噌は、大豆に米麹や麦麹などと塩を加えて発酵・熟成させた調味料です。米味噌、麦味噌、豆味噌などがあり、麹の種類や配合、熟成期間によって味や色が変わります。

醤油は、大豆や小麦などを原料として麹を作り、食塩水と一緒に仕込んで発酵・熟成させる調味料です。農林水産省によると、本醸造方式では麹菌、酵母、乳酸菌などが働き、約6〜8か月の熟成を経て醤油特有の風味が生まれます。

どちらも日本の食卓に欠かせない発酵調味料であり、麹を利用した伝統的な製造技術の代表例です。

魚介類のうま味を生かした魚醤

魚醤は、魚介類を塩とともに漬け込み、熟成させて作る液体調味料です。日本では秋田県のしょっつるや石川県のいしるが知られています。

魚のたんぱく質が分解されることでアミノ酸などのうま味成分が生まれ、独特の濃厚な風味を持つようになります。麹を使わない製法もあるため、発酵調味料のすべてが麹調味料というわけではありません。

農林水産省の資料では、魚醤は魚介類と食塩を使って1年から数年熟成させる液体調味料として紹介されています。少量でも料理の味に深みを与えられるのが特徴です。

【実践レシピ】発酵調味料の作り方!塩麹・醤油麹・玉ねぎ麹を自宅で手作り

発酵調味料は市販品を購入するだけでなく、自宅でも作れます。特に塩麹、醤油麹、玉ねぎ麹は比較的少ない材料で仕込めるため、麹調味料を初めて試す人にも向いています。

ただし、家庭で作る場合は清潔な保存容器を使い、材料の分量や温度、発酵時間を守ることが基本です。

塩麹の基本的な作り方

農林水産省が紹介している乾燥米麹を使った基本レシピは、次のとおりです。

  • 乾燥米麹:200g
  • 塩:60g
  • 60℃の湯:300ml

作り方は次の手順です。

  1. 清潔な保存容器に米麹を入れ、粒をほぐす。
  2. 湯に塩を溶かし、米麹に加えてよく混ぜる。
  3. 容器にふたをして、室温で発酵させる。
  4. 1日1回、清潔なスプーンで全体を混ぜる。
  5. 麹の粒が柔らかくなり、全体になじんだら完成。

完成までの目安は、夏場で約1週間、冬場で10日〜2週間です。季節や室温によって変わるため、日数だけでなく麹の状態も確認します。

完成後は冷蔵庫または冷凍庫で保存します。農林水産省の掲載レシピでは、冷蔵で約半年、冷凍で約1年が保存期間の目安として紹介されています。ただし、家庭での衛生状態や使用環境によって変わるため、保存状態を確認しながら早めに使い切ることが大切です。

醤油麹の基本的な作り方

醤油麹は、米麹と醤油を組み合わせるだけで仕込める手軽な調味料です。

  • 米麹:200g
  • 醤油:250ml程度

基本的な作り方は以下のとおりです。

  1. 清潔な保存容器に米麹を入れ、固まっている部分をほぐす。
  2. 醤油を加えて全体をよく混ぜる。
  3. 直射日光の当たらない場所で発酵させる。
  4. 1日1回、清潔なスプーンなどで混ぜる。
  5. 麹が柔らかくなり、醤油にとろみや甘みが出てきたら完成。

東京ガスのレシピでは、常温発酵の場合、夏は約1週間、冬は10日程度が目安として紹介されています。完成後は冷蔵庫で保存します。

なお、麹の種類や乾燥状態によって醤油の吸収量が異なるため、麹が十分に浸る状態を保つことがポイントです。

玉ねぎ麹の基本的な作り方

玉ねぎ麹は、洋風料理にも使いやすい発酵調味料です。東京ガスのレシピで紹介されている材料の一例は次のとおりです。

  • 玉ねぎ:400g
  • 米麹:140g
  • 塩:50g

作り方は、まず玉ねぎをフードプロセッサーなどで細かくします。続いて、ほぐした米麹と塩を混ぜ、玉ねぎと合わせて保存容器に入れます。

常温で作る場合は、1日1回清潔なスプーンで混ぜながら発酵させます。夏場は4〜5日、冬場は10日程度が目安です。ヨーグルトメーカーなどを利用する場合は、50〜60℃で約8時間加温する方法もあります。

玉ねぎ麹は、完成後にブレンダーなどで滑らかにすると、スープやドレッシングに使いやすくなります。

手作りで失敗しないための衛生管理

発酵調味料を作るときは、発酵を進めることだけでなく、望ましくない微生物の増殖を防ぐことも重要です。

  • 保存容器やスプーンは事前に洗浄し、清潔にする。
  • 材料はレシピに記載された分量を守る。
  • 直射日光や極端な高温を避ける。
  • 発酵中は清潔な道具で混ぜる。
  • 完成後は冷蔵庫に移して保存する。
  • 異常なカビや腐敗を疑う異臭などがあれば使用しない。

特に初心者は、材料の分量や発酵温度が明確に示されたレシピを利用するのがおすすめです。自己流で塩を減らしたり水分量を大きく変更したりすると、保存性や発酵状態に影響する可能性があります。

【料理への活用術】発酵調味料の使い方と料理がおいしくなる理由

発酵調味料は、普段の料理に少量加えるだけでも風味を変えられます。塩麹なら肉や魚の下味、醤油麹なら仕上げの味付け、玉ねぎ麹ならスープや洋風料理というように、種類ごとの特徴を生かすのが基本です。

肉料理:塩麹で柔らかく仕上げる

塩麹は、鶏肉や豚肉などの下味に適しています。麹由来の酵素がたんぱく質に作用し、しっとりとした食感に仕上げやすくなります。

鶏肉を焼く場合は、塩麹を肉になじませて冷蔵庫で置き、その後、焦げないように火加減を調整して焼きます。塩麹自体に塩分があるため、追加の塩や醤油は控えめにすると味がまとまりやすくなります。

魚料理:醤油麹でうま味を引き出す

魚の切り身を醤油麹に漬け込むと、醤油の風味に麹の甘みが加わります。焼き魚や漬け丼、蒸し魚などに活用できます。

ただし、麹や醤油に漬けたからといって、魚介類の食中毒リスクがなくなるわけではありません。適切な冷蔵管理と十分な加熱が必要です。

野菜料理:玉ねぎ麹で自然な甘みをプラス

玉ねぎ麹は、野菜スープやポトフ、ドレッシングなどに使いやすい調味料です。玉ねぎの甘みとうま味が加わるため、複雑な調味料を何種類も組み合わせなくても味を整えやすくなります。

例えば、野菜を煮込んだスープに少量加えるだけでも、コクのある仕上がりになります。

日常の料理で失敗しない使い方

発酵調味料を初めて使うときは、普段の調味料をすべて置き換える必要はありません。

まずは、いつもの味付けに少量加えて、塩味や甘みの変化を確かめる方法がおすすめです。

  • 塩麹:塩の代わりや肉・魚の下味に使う。
  • 醤油麹:醤油を使う料理の仕上げやつけだれに使う。
  • 玉ねぎ麹:コンソメや洋風の味付けを補う目的で使う。
  • 味噌:煮込み料理や炒め物に加えてコクを出す。
  • 魚醤:少量ずつ加え、濃厚なうま味を補う。

発酵調味料は、種類によって塩分や風味の強さが異なります。レシピに書かれた分量をそのまま置き換えるのではなく、味見をしながら調整することが失敗を防ぐコツです。

【メリット・デメリット】発酵調味料を使う利点と注意点を徹底検証

発酵調味料は、料理の味わいや調理のしやすさに役立つ一方、使い方によっては塩分の摂り過ぎや保存上の問題につながることがあります。

メリット1:うま味や甘みを加えられる

発酵調味料の大きな利点は、発酵や酵素分解によって生まれる複雑な風味です。

アミノ酸や糖類、有機酸などが組み合わさることで、塩味や甘味だけでは表現しにくい奥行きが生まれます。味噌や醤油に独特のコクがあるのも、こうした発酵・熟成の働きによるものです。

メリット2:肉や魚の下処理に役立つ

塩麹などの麹調味料は、肉や魚の下味に活用できます。酵素がたんぱく質に作用することで、食材の食感や風味に変化を与えられます。

調理前に味をなじませておけば、焼く、蒸す、揚げるといった料理に幅広く応用できます。

メリット3:調味料の種類を増やしすぎずに済む

発酵調味料は、塩味、甘み、うま味など複数の要素を持つものがあります。

例えば玉ねぎ麹をスープに使えば、玉ねぎの甘みや麹のうま味を一度に加えられます。複数の調味料を組み合わせる手間を減らせる点も魅力です。

デメリット1:塩分が多い商品もある

発酵調味料を使う際に注意したいのが食塩相当量です。

塩麹や醤油麹、味噌、醤油、魚醤には食塩が含まれています。発酵しているからといって塩分が自動的に少なくなるわけではありません。

特に、健康上の理由で塩分摂取量を管理している人は、商品の栄養成分表示を確認し、使用量を調整する必要があります。

デメリット2:独特の香りや味が苦手な人もいる

発酵調味料は、発酵・熟成によって独特の香りが生まれます。味噌や醤油のように日常的に使いやすいものもあれば、魚醤のように香りが強いものもあります。

初めて使う場合は、料理全体に大量に加えるのではなく、少量から試すと失敗を防ぎやすくなります。

デメリット3:保存や衛生管理に気を配る必要がある

特に手作りの発酵調味料は、温度や水分、衛生状態によって仕上がりが変わります。

完成後も常温に放置せず、冷蔵または冷凍で保存するなど、レシピや製品の指示に従うことが重要です。

発酵調味料は健康に良い?誤解しやすいポイント

発酵調味料には、微生物や酵素によって生まれた成分が含まれます。しかし、発酵食品を食べれば必ず健康になる、腸内環境が改善する、免疫力が高まるといった単純な説明はできません。

また、発酵食品であっても、加熱殺菌された商品や加熱調理によって微生物が生きた状態ではなくなるものがあります。発酵調味料の役割は、まず料理の味や香りを豊かにすることです。

健康面を意識する場合も、発酵という言葉だけで判断せず、塩分、原材料、栄養成分、食べる量を総合的に考える必要があります。

【選び方・保存方法】市販の発酵調味料を購入するときのチェックポイント

発酵調味料を選ぶときは、価格やパッケージの印象だけでなく、原材料や製造方法、栄養成分、保存条件を確認することが大切です。

選び方1:原材料と使用する麹の種類を確認する

麹調味料を選ぶ場合は、米麹、麦麹、豆麹など、どの種類の麹が使われているかを確認しましょう。

同じ塩麹でも、原材料の配合によって甘みや塩味、香りが変わります。醤油麹であれば、使用されている醤油の種類も風味を左右する要素です。

選び方2:食塩相当量を比較する

塩分を控えたい場合は、栄養成分表示の食塩相当量を確認します。

同じ種類の調味料でも、メーカーや配合によって塩分は異なります。商品を比較するときは、100g当たりの数値だけでなく、実際に使用する量に換算して考えると判断しやすくなります。

選び方3:添加物やアレルゲンを確認する

商品によっては、甘味料、調味料、保存性を高めるための原材料などが使われています。必要に応じて原材料表示を確認しましょう。

また、醤油麹や味噌には大豆や小麦が使われる場合があり、魚醤には魚介類が含まれます。食物アレルギーがある人は、原材料やアレルゲン表示を必ず確認してください。

原材料が少ない商品が必ずしもすべての人にとって優れているわけではありません。料理の目的や味の好みに合わせて選ぶことが大切です。

選び方4:保存方法と賞味期限を確認する

発酵調味料の保存方法は、商品によって異なります。未開封では常温保存できても、開封後は冷蔵保存が必要な商品があります。

購入したら、パッケージに記載された保存条件を確認しましょう。冷蔵保存が必要な商品を常温で長時間放置すると、品質が変化する可能性があります。

手作り発酵調味料の保存方法

家庭で作った塩麹や醤油麹、玉ねぎ麹は、完成したら冷蔵庫に移すのが基本です。

  • 清潔で乾いたスプーンを使用する。
  • 使用後は容器のふたをしっかり閉める。
  • 冷蔵庫の温度変化が少ない場所で保存する。
  • 長期間使わない場合は、レシピに適した方法で小分け冷凍する。
  • 異常なカビや不自然な異臭がある場合は使用しない。

なお、冷蔵庫に入れれば品質が永久に保たれるわけではありません。手作りの場合は、仕込んだ日を容器に記載し、できるだけ早く使い切る習慣を付けると管理しやすくなります。

どんな人に発酵調味料がおすすめ?

発酵調味料は、次のような人に向いています。

  • いつもの料理に自然なうま味やコクを加えたい人。
  • 肉や魚の下味付けを工夫したい人。
  • 味噌や醤油以外の調味料を試してみたい人。
  • 手作りの調味料や発酵食品に興味がある人。
  • 料理の味付けを簡単にまとめたい人。

一方、塩分摂取量の管理が必要な人、発酵食品特有の香りが苦手な人、手作り調味料の衛生管理が難しい人は、商品の成分を確認したうえで少量から試すか、市販品を選ぶとよいでしょう。

【発酵調味料の基本】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:発酵調味料とは簡単にいうと何ですか?
A1:麹菌や酵母、乳酸菌などの微生物、または微生物が作る酵素の働きを利用して、原材料の味や香りを変化させた調味料です。塩麹、醤油麹、味噌、醤油、魚醤などが代表例です。

Q2:発酵調味料の代表的な種類は何ですか?
A2:塩麹、醤油麹、玉ねぎ麹、味噌、醤油、魚醤、酢などがあります。麹を使うものだけでなく、魚介類を塩漬けにして熟成させる魚醤のような調味料も含まれます。

Q3:発酵調味料と麹調味料は同じものですか?
A3:完全に同じではありません。麹調味料は麹を利用して作る発酵調味料の一種です。魚醤のように麹を使わない発酵調味料もあるため、発酵調味料のほうが広い意味を持ちます。

Q4:発酵調味料を使うと料理がおいしくなるのはなぜですか?
A4:発酵や酵素の働きによって、でんぷんから糖類、たんぱく質からアミノ酸などが生まれるためです。甘みやうま味、香りが複雑に組み合わさり、料理に深みを与えます。

Q5:初心者におすすめの発酵調味料は何ですか?
A5:塩麹がおすすめです。肉や魚の下味、野菜の漬物、炒め物などに使いやすく、比較的少ない材料で手作りできます。醤油麹や玉ねぎ麹も、普段の料理に取り入れやすい種類です。

Q6:発酵調味料は毎日使っても大丈夫ですか?
A6:一般的には、食事全体の栄養バランスを考えながら適量を使うことができます。ただし、塩麹、醤油麹、味噌、醤油、魚醤などは塩分を含むため、毎日大量に使うのは避け、食塩相当量を確認しましょう。

Q7:手作りした発酵調味料はどのくらい保存できますか?
A7:種類や塩分、水分、製造環境によって異なります。農林水産省の塩麹レシピでは冷蔵約半年、冷凍約1年が目安として紹介されていますが、すべての手作り調味料に共通する期間ではありません。使用したレシピの保存条件を優先してください。

Q8:発酵調味料は加熱しても使えますか?
A8:使えます。炒め物、煮物、焼き物、スープなど幅広い料理に利用できます。ただし、加熱によって微生物や酵素の働きが変化することがあるため、生きた菌を摂取することと、発酵調味料の風味を楽しむことは分けて考えましょう。

発酵調味料とは、麹菌や酵母、乳酸菌などの微生物、そして酵素の働きを利用して作られる調味料の総称です。塩麹、醤油麹、玉ねぎ麹といった家庭で使いやすい麹調味料から、味噌、醤油、魚醤などの伝統的な調味料まで、幅広い種類があります。

それぞれの魅力は、単に味を付けるだけでなく、発酵によって生まれる自然な甘みやうま味、香りを料理に加えられることです。肉や魚の下味、野菜料理、スープ、煮込み料理など、用途に合わせて使い分けることで、普段の食事の幅が広がります。

【プロの結論】発酵調味料を選ぶときに大切なのは、「発酵しているから優れている」というイメージだけで判断しないことです。原材料、塩分、味わい、製造方法、保存条件を確認し、自分の料理に合ったものを選ぶ必要があります。

初めて取り入れるなら、まずは塩麹から始め、慣れてきたら醤油麹や玉ねぎ麹へと種類を広げていく方法がおすすめです。発酵の仕組みを理解し、適切な保存と使い方を心がければ、発酵調味料は毎日の料理をより豊かにしてくれる身近な存在になります。

主な参考資料(事実確認用)

- 農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」— 味噌・醤油の製造方法、魚醤の種類と製法。
- 農林水産省「『発酵』の不思議」— 発酵と腐敗の違い。
- 農林水産省「ぱぱっと調理の麹活用術」— 塩麹の材料、作り方、保存方法。
- 独立行政法人酒類総合研究所「製造全般」— 麹と酵素の働き。
- 東京ガス「基本の醤油麹」「基本の玉ねぎ麹」— 家庭での仕込み方と材料の配合。

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朝倉 仁
トレンドリサーチャー 朝倉 仁
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