2026年11月現在、NHK連続テレビ小説(朝ドラ)の歴代視聴率で圧倒的な記録を残しているのは、1983年放送の『おしん』です。ビデオリサーチの関東地区・世帯視聴率によると、期間平均は52.6%、最高視聴率は62.9%。現在のテレビドラマではなかなか到達できない数字を記録しています。
一方、近年は『おむすび』が期間平均13.1%で歴代最低を記録し、2026年前期の『風、薫る』も13.8%となりました。後期の『ブラッサム』は9月28日にスタートし、11月2日には第5週の週間平均視聴率が発表されています。歴代作品との比較に加え、世帯・個人視聴率、録画、見逃し配信まで考慮すると、朝ドラの視聴実態は数字だけでは捉えきれません。
【歴代ランキング】朝ドラの期間平均視聴率TOP10と最高記録

朝ドラの歴代視聴率を比較する際、まず確認したいのが期間平均視聴率です。
期間平均とは、作品の初回から最終回までの放送を通じた平均値です。特定の1回だけが大きく話題になった場合でも、作品全体の視聴状況を把握できます。
ビデオリサーチが2026年10月15日に更新した歴代データを基準に、関東地区の世帯視聴率を整理しました。
朝ドラ歴代視聴率ランキングTOP10| 順位 | 作品名・放送開始 | 期間平均 | 最高視聴率 |
|---|---|---|---|
| 1位 | おしん(1983年) | 52.6% | 62.9% |
| 2位 | 繭子ひとり(1971年) | 47.4% | 55.2% |
| 3位 | 藍より青く(1972年) | 47.3% | 53.3% |
| 4位 | 鳩子の海(1974年) | 47.2% | 53.3% |
| 5位 | 北の家族(1973年) | 46.1% | 51.8% |
| 6位 | おはなはん(1966年) | 45.8% | 56.4% |
| 6位 | 旅路(1967年) | 45.8% | 56.9% |
| 8位 | あしたこそ(1968年) | 44.9% | 55.5% |
| 9位 | 澪つくし(1985年) | 44.3% | 55.3% |
| 10位 | おていちゃん(1978年) | 43.0% | 50.0% |
| 最低 | おむすび(2024年) | 13.1% | 16.8% |
| 最低水準 | ウェルかめ(2009年) | 13.5% | 20.6% |
| 最低水準 | つばさ(2009年) | 13.8% | 17.7% |
| 最低水準 | 風、薫る(2026年) | 13.8% | 16.9% |
| 近年 | あんぱん(2025年) | 16.1% | 18.1% |
| 近年 | ばけばけ(2025年) | 15.2% | 16.5% |
※すべて関東地区の世帯視聴率。最高視聴率は各作品の放送回単位の番組平均。2026年後期『ブラッサム』は放送中のため期間平均の対象外です。
出典:ビデオリサーチ「2026最新版 朝ドラ 歴代の視聴率一覧」。近年の放送終了作品についても同資料を参照。
1位『おしん』が52.6%を記録した理由1983年4月に放送が始まった第31作『おしん』は、朝ドラの歴史を語るうえで欠かせない作品です。
主演は小林綾子、田中裕子、乙羽信子。主人公の幼少期から晩年までを複数の俳優が演じ、戦前から戦後にかけて苦難を乗り越えて生きる女性の半生を描きました。
期間平均52.6%という数字は、2位の『繭子ひとり』の47.4%を5.2ポイント上回ります。
加えて、作品最高視聴率は62.9%。1回の放送で6割を超える世帯が視聴したという、歴代でも突出した記録です。
ビデオリサーチによれば、『おしん』は国内だけでなく世界70以上の国と地域でも放送されました。日本の朝ドラという枠を超え、海外でも知られる作品となった背景には、時代や国境を越えて共感される主人公の人生がありました。
朝ドラ最高視聴率ランキングにも『おしん』が君臨期間平均とは別に、各作品の最高視聴率だけを比較しても『おしん』がトップです。
最高視聴率の上位には次の作品が並びます。
- 1位:おしん 62.9%
- 2位:旅路 56.9%
- 3位:おはなはん 56.4%
- 4位:あしたこそ 55.5%
- 5位:澪つくし 55.3%
- 6位:繭子ひとり 55.2%
注目したいのは、『旅路』『おはなはん』『あしたこそ』など、1960年代の作品も上位に入っていることです。
朝ドラが家庭の朝の習慣として定着していった時代には、現在とは比較にならないほど高いリアルタイム視聴率が記録されていました。
【2026年最新】風、薫るとブラッサムの視聴率を比較
2026年の朝ドラ視聴率を考えるうえで注目されるのが、前期『風、薫る』と後期『ブラッサム』です。
『風、薫る』の期間平均は13.8%2026年度前期の第114作『風、薫る』は、見上愛と上坂樹里のダブル主演による作品です。
明治時代に西洋式の看護学を学び、正規の訓練を受けた看護師として活躍した大関和と鈴木雅をモチーフに、2人の女性の成長を描きました。
2026年9月25日の最終回まで全130回が放送され、ビデオリサーチの関東地区データでは次の結果となりました。
- 初回世帯視聴率:14.9%
- 期間平均世帯視聴率:13.8%
- 最高世帯視聴率:16.9%
- 期間平均個人視聴率:7.6%
- 最終回世帯視聴率:14.5%
期間平均13.8%は、前作『ばけばけ』の15.2%を1.4ポイント下回る数字です。
歴代最低の『おむすび』13.1%には届かなかったものの、2009年前期『つばさ』と並ぶ低水準となりました。
ただし、ここで注目したいのは、リアルタイム以外の視聴状況です。
NHKが発表した『風、薫る』の視聴データでは、関東地区の世帯総合視聴率は17.8%。リアルタイム13.8%に対し、タイムシフト視聴率は4.9%でした。
加えて、NHK ONEでの全130回の平均再生回数は57.6万回です。放送を見逃した人や、自分の時間に合わせて視聴する人の存在が数字に表れています。
『ブラッサム』の初回視聴率は15.5%2026年度後期の第115作『ブラッサム』は、石橋静河が主演を務める作品です。
2026年9月28日に放送がスタートしました。
作家・宇野千代をモデルとし、明治、大正、昭和を生き抜き、自由を求め続けた女性・葉野珠の人生を描いています。
MANTANWEBなどの報道によると、初回の視聴率は以下のとおりです。
- 世帯視聴率:15.5%
- 個人視聴率:8.6%
前作『風、薫る』の初回14.9%、個人8.3%をそれぞれ上回りました。
初週(9月28日~10月2日)の平均は世帯14.6%、個人8.1%でした。
11月2日発表の最新視聴率2026年11月2日午前にMANTANWEBが報じた第5週の結果は次のとおりです。
- 対象期間:10月26日~10月30日
- 世帯週間平均:14.3%
- 個人週間平均:8.0%
第2週の世帯13.8%、第3週の13.9%、第4週の14.2%を経て、第5週は14.3%となりました。
初週の14.6%には届いていないものの、第2週以降は緩やかに上向いています。
ここで大切なのは、14.3%は第5週の週間平均であって、作品全体の期間平均ではないという点です。
放送中の作品は、全話が終了してから期間平均を確定する必要があります。初回視聴率だけで歴代ランキングの順位を決めることはできません。
【年代別視聴率推移】朝ドラはいつから数字が下がったのか
朝ドラの歴代視聴率を年代別に見ると、1960年代から1980年代にかけての高視聴率時代と、1990年代以降の変化がはっきり表れます。
1960~1980年代:40%台が並ぶ黄金期1960年代後半には『おはなはん』『旅路』『あしたこそ』などが人気を集めました。
1970年代には『繭子ひとり』『藍より青く』『北の家族』『鳩子の海』など、期間平均40%を超える作品が続きます。
1980年代も『おしん』『澪つくし』『はね駒』などが高い数字を記録しました。
当時は家庭で同じテレビを囲む視聴スタイルが一般的であり、朝の決まった時間に番組を見る習慣が定着していたことも、数字を支える背景でした。
1990年代:視聴率が30%台へ1990年代に入ると、歴代作品の期間平均は徐々に低下します。
それでも『ひらり』『ええにょぼ』『あぐり』『すずらん』など、個性的な主人公を描いた作品が登場しました。
特に1992年放送の『ひらり』は期間平均36.9%、最高42.9%を記録しています。
数字の低下が始まったからといって、作品の話題性や社会的な存在感まで失われたわけではありません。
2000年代:10%台の作品が増加2000年代前半には『ちゅらさん』『さくら』『こころ』などが20%前後の期間平均を記録しました。
一方、2004年の『天花』は16.2%、2007年の『ちりとてちん』は15.9%、2009年の『ウェルかめ』は13.5%となっています。
2000年代は、朝ドラのリアルタイム視聴率が以前の水準から大きく変わった時期です。
2010年代:20%台への回復も2010年代には『あまちゃん』『ごちそうさん』『花子とアン』『あさが来た』など、期間平均20%を超える作品が複数登場しました。
特に『あさが来た』は23.5%、『花子とアン』は22.6%を記録しています。
すべての作品が高視聴率だったわけではありませんが、朝ドラのブランド力を改めて示した時期でした。
2020年代:15~17%台が中心に2020年代は『エール』が20.1%を記録した一方、『おちょやん』『おかえりモネ』『カムカムエヴリバディ』『らんまん』『ブギウギ』などは15~17%台が中心です。
2024年後期の『おむすび』は13.1%、2026年前期の『風、薫る』は13.8%となりました。
過去の数字と比べれば低下傾向は明確ですが、テレビの視聴方法そのものが変化している点も見逃せません。
【数字の正しい見方】世帯視聴率・個人視聴率・最高視聴率の違い
朝ドラのランキングを見るときには、数字の定義を理解しておく必要があります。
世帯視聴率と個人視聴率は別の指標ビデオリサーチが説明する2つの指標には、次の違いがあります。
世帯視聴率
テレビを所有している調査対象世帯のうち、どの程度の世帯で番組が視聴されたかを示す割合です。
例えば世帯視聴率15%なら、調査対象となるテレビ所有世帯の15%が視聴したという意味です。
個人視聴率
調査対象世帯にいる4歳以上の個人のうち、どの程度の人が視聴したかを示します。
家族のうち1人だけが見ている場合と、家族全員が見ている場合では、世帯視聴率と個人視聴率の捉え方が変わります。
現在は個人視聴率も重視されており、視聴者の性別や年齢などを分析する際にも活用されています。
期間平均と最高視聴率を混同しないこの2つもよく混同されるポイントです。
- 期間平均:作品の全放送回を通じた平均
- 最高視聴率:作品の中で最も高かった放送回の番組平均
例えば『おしん』の52.6%は全体の期間平均、62.9%は最も高かった放送回の平均です。
62.9%は番組中の一瞬だけを切り取った瞬間最高視聴率ではありません。
ビデオリサーチは、こうした指標を明確に区別しています。
リアルタイム視聴率と配信視聴の違い視聴率の比較では、リアルタイム視聴とタイムシフト視聴の違いも重要です。
リアルタイム視聴率は、放送と同時にテレビで見ている世帯・個人の割合です。
タイムシフト視聴率は、放送から7日以内に録画などで視聴した割合を示します。
総合視聴率は、リアルタイムとタイムシフトの重複を除いて合算した指標です。
したがって、録画視聴を含まない通常の視聴率だけで、番組を実際に楽しんだ人の総数を判断することはできません。
【朝ドラ視聴率が低下した理由】テレビ離れだけでは説明できない
朝ドラの視聴率低下には、複数の構造的な要因があります。
1. 放送時間が8時15分から8時に変わった2010年の『ゲゲゲの女房』から、NHK総合の放送開始時間は午前8時に変更されました。
それ以前は午前8時15分開始でした。
48年ぶりの放送時間変更であり、視聴者の生活リズムにも影響する編成上の転換でした。
現在の朝ドラと1960~80年代の朝ドラを比較するときには、放送時間が異なることも考慮する必要があります。
2. テレビ以外の視聴方法が増えた録画機器やインターネット配信の普及によって、視聴者は放送時間にテレビの前にいる必要がなくなりました。
朝の通勤・通学時間にリアルタイムで視聴できなくても、後から作品を楽しめます。
2026年10月1日には、NHKの公式番組配信アプリの名称が「NHKプラス」から「NHK ONE」に統一されました。
総合テレビやEテレの同時配信に加え、放送後7日間の見逃し配信も提供されています。
3. 朝ドラの放送編成そのものも変化した2020年前期の『エール』から、朝ドラの本編は月曜日から金曜日までの放送となり、土曜日はその週の振り返りを中心とする形式に変更されました。
このため、歴代作品を比較する際には放送曜日や集計対象にも注意が必要です。
ビデオリサーチの歴代一覧では、第102作『エール』以降は月~金曜日の本編が対象で、土曜日の放送は含まれていません。
4. 視聴率の低下と作品の評価は同じではない例えば『おむすび』は期間平均13.1%という歴代最低記録でした。
しかし、この数字だけで作品のテーマや出演者の演技、視聴者に与えた影響まで評価することはできません。
『風、薫る』でも、リアルタイム世帯視聴率13.8%に対して総合視聴率は17.8%でした。
さらにNHK ONEでの平均再生回数は57.6万回です。
リアルタイム視聴率だけでは捉えられない視聴行動が存在しています。
視聴率は作品の評価を決める絶対的な点数ではなく、特定の条件下での視聴状況を示すデータです。
【プロの結論】朝ドラの歴代視聴率を比較するときの3つの判断基準
朝ドラの視聴率を正しく読み解くには、次の3つを意識することが大切です。
第一に、同じ条件の数字を比較すること。
関東地区と関西地区では視聴率が異なります。世帯と個人、リアルタイムと総合視聴率も別の指標です。ランキングを見る際には、まず集計条件を確認しましょう。
第二に、期間平均を重視すること。
初回視聴率は作品への期待感を反映しやすく、最高視聴率は特定の回への関心を示します。作品全体の視聴状況を知りたいなら、期間平均が最も分かりやすい比較基準です。
第三に、配信や録画の数字も参考にすること。
2026年の『風、薫る』が示したように、リアルタイム視聴率と総合視聴率には差があります。さらに配信の再生回数も別に存在します。
ただし、再生回数はユニーク視聴者数と同じではありません。複数回の再生を含む指標と、視聴した人の数を混同しないことも重要です。
【朝ドラ歴代視聴率】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:朝ドラで歴代視聴率1位の作品は何ですか?
A1:1983年放送の『おしん』です。ビデオリサーチ調べの関東地区・世帯視聴率で、期間平均52.6%、最高62.9%を記録しています。
Q2:朝ドラで歴代最低の期間平均視聴率を記録した作品は何ですか?
A2:2024年後期の『おむすび』です。橋本環奈主演の同作は、全125回の期間平均世帯視聴率が13.1%でした。2009年後期の『ウェルかめ』の13.5%を下回っています。
Q3:2026年の『風、薫る』の期間平均視聴率は何%ですか?
A3:関東地区の世帯視聴率で13.8%です。最高視聴率は16.9%、期間平均個人視聴率は7.6%でした。
Q4:2026年後期『ブラッサム』の初回視聴率は?
A4:2026年9月28日放送の初回は、世帯15.5%、個人8.6%でした。11月2日発表の第5週の週間平均は世帯14.3%、個人8.0%です。放送中のため、期間平均はまだ確定していません。
Q5:朝ドラの歴代視聴率は関東地区と関西地区で違いますか?
A5:異なります。視聴率は地域ごとに調査されるため、同じ作品でも関東と関西では異なる数字になります。歴代ランキングを比較するときは、関東地区など集計地域を統一してください。
Q6:昔の朝ドラと現在の朝ドラを単純比較できますか?
A6:数字の順位自体は比較できますが、視聴環境まで同じではありません。放送開始時間、放送曜日、録画や配信の普及、視聴率の集計方法などが異なるため、時代背景を踏まえて判断する必要があります。
朝ドラの歴代視聴率を振り返ると、1983年の『おしん』が期間平均52.6%、最高62.9%という圧倒的な記録を残しています。
一方、2024年後期の『おむすび』は13.1%で歴代最低。2026年前期の『風、薫る』も13.8%となり、近年のリアルタイム視聴率が以前の水準から変化していることが分かります。
2026年後期の『ブラッサム』は初回15.5%でスタートし、11月2日時点の第5週平均は14.3%でした。今後の推移と最終的な期間平均にも注目が集まります。
朝ドラの歴代ランキングを楽しむなら、単純な順位だけでなく、世帯視聴率と個人視聴率、リアルタイムと配信、放送当時の生活環境まで合わせて見ることが大切です。
『おしん』が残した記録は今なお特別ですが、現在の朝ドラには現在の視聴スタイルに応じた楽しみ方があります。これからの作品も、テレビ視聴率と配信データの両面から追うことで、朝ドラという長寿シリーズの変化をより深く理解できるはずです。
主な情報源
- ビデオリサーチ「2026最新版 朝ドラ 歴代の視聴率一覧」(2026年10月15日更新)
- ビデオリサーチ「視聴率の種類」「個人視聴率と世帯視聴率」
- 日刊スポーツ「風、薫る」期間平均視聴率報道(2026年9月28日)
- MANTANWEB「ブラッサム」初回・週間視聴率報道(2026年9月29日、11月2日)
- NHK発表「風、薫る」の視聴人数・総合視聴率・NHK ONE再生データ(2026年10月)
- NHK「NHK ONE」アプリ名称変更発表(2026年10月1日)