紅白歌合戦の視聴率には、関東地区と関西地区で違いがあります。第76回(2025年)のビデオリサーチ公表値を見ると、第1部は関西が関東を上回り、第2部では関東が関西を上回りました。
2025年の関東・関西比較| 指標 | 第1部・関東 | 第1部・関西 | 第2部・関東 | 第2部・関西 |
|---|---|---|---|---|
| 世帯視聴率 | 30.8% | 31.5% | 35.2% | 34.4% |
| 個人視聴率 | 23.2% | 23.5% | 26.4% | 26.0% |
世帯視聴率では、第1部は関西が関東より0.7ポイント高く、第2部は関東が0.8ポイント高い結果でした。個人視聴率でも同様に、第1部は関西、第2部は関東が上回っています。
つまり、関東と関西のどちらが常に高いという単純な関係ではありません。放送時間帯によって順位が入れ替わっています。
2024年と比較すると関西の上昇幅が大きい2024年の関西地区は、第1部27.6%、第2部33.1%でした。2025年は第1部31.5%、第2部34.4%となり、それぞれ3.9ポイント、1.3ポイント上昇しています。
一方、関東地区の上昇幅は第1部1.8ポイント、第2部2.5ポイントでした。地域によって改善幅に違いがある点も、第76回の特徴です。
ただし、地域別視聴率はそれぞれの地区の調査対象に基づく推計値です。数字の違いだけから、関西の音楽嗜好や関東の視聴習慣を断定することはできません。
【歴代視聴率ランキング】紅白歌合戦の最高記録と過去最低記録

紅白歌合戦の歴代視聴率を振り返ると、現在とは比較にならないほど高い数字を記録した時代がありました。特に1960年代から1980年代前半にかけては、世帯視聴率70%台が珍しくありませんでした。
歴代最高視聴率は1963年の81.4%紅白歌合戦の歴代最高視聴率として知られているのが、1963年12月31日に放送された第14回の81.4%です。
歴代上位には、1972年の80.6%、1962年の80.4%も並びます。いずれも80%を超える数字で、当時の紅白が国民的な年末行事として圧倒的な存在感を持っていたことを示しています。
歴代最高視聴率の上位記録(関東地区・世帯)
| 順位 | 放送年 | 視聴率 |
|---|---|---|
| 1位 | 1963年 | 81.4% |
| 2位 | 1972年 | 80.6% |
| 3位 | 1962年 | 80.4% |
当時は現在ほどテレビの視聴環境が多様化しておらず、年末の娯楽としてテレビが果たす役割も大きく異なっていました。家族で同じ番組を見る習慣も、視聴率を支える社会的背景の一つでした。
そのため、1963年の81.4%と2025年の35.2%を単純に並べ、紅白の人気が半減したと判断するのは適切ではありません。テレビの普及状況、世帯構成、娯楽の選択肢、調査方法など、比較する時代の条件が異なるからです。
2部制導入後の最低記録は2023年の31.9%近年の視聴率を語るうえで外せないのが、2023年の第74回です。
同年の第2部は31.9%となり、1989年に2部制へ移行して以降の歴代最低記録を更新しました。第1部も29.0%となり、初めて30%を下回りました。
2024年の第75回は、第1部が29.0%で前年と同じ数字、第2部が32.7%でした。第2部は前年の最低記録を上回りましたが、歴代ワースト2位の水準でした。
2025年の第76回は、第2部35.2%まで回復しています。2023年の最低記録と比較すると3.3ポイントの改善です。
ここで注意したいのは、「歴代最低」という表現には比較対象の区分が必要なことです。第2部の31.9%は2部制移行後の最低記録であり、歴史上すべての放送形態を同じ条件で比較した数字ではありません。また、第1部の29.0%は2023年と2024年の両方で記録されています。
【なぜ上昇した?】2025年の紅白歌合戦で視聴率が回復した理由
2025年の紅白歌合戦は、前年から世帯・個人の両方で視聴率を伸ばしました。その背景には、番組の記念性、出演者の幅広さ、世代を超えて楽しめる企画がありました。
ただし、視聴率の数字だけで個々の出演者や企画が何ポイント押し上げたかを算出することはできません。ここでは、実際の番組内容と視聴率の変化を照らし合わせます。
1.放送100年という特別な節目第76回のテーマは「つなぐ、つながる、大みそか。」でした。2025年は日本の放送100年に当たり、紅白自体にも節目の年という意味合いがありました。
オープニングでは、出演者らが「上を向いて歩こう」などをメドレーで披露。音楽を通して過去から現在、そして次の世代へつなぐ構成が採用されました。
単に最新のヒット曲を並べるのではなく、長年親しまれてきた楽曲やアーティストも番組に組み込んだ点が特徴です。
2.若い世代に支持されるアーティストの出演第76回では、CANDY TUNE、FRUITS ZIPPER、&TEAM、M!LK、HANAなど、新しい世代から支持を集めるアーティストが登場しました。
また、SixTONES、King & Prince、Number_i、BE:FIRST、乃木坂46など、異なる音楽ジャンルやファン層を持つグループも出演しています。
こうした出演者の構成は、従来の紅白ファンだけでなく、普段は特定のアーティストを中心に音楽を楽しむ視聴者にも番組を見るきっかけを提供したと考えられます。
3.往年の人気アーティストによる特別企画若い世代の出演者だけでなく、幅広い年代に知られるアーティストが登場したことも特徴でした。
福山雅治とB'zの稲葉浩志による特別企画のほか、堺正章、久保田利伸、郷ひろみ、MISIA、玉置浩二、松任谷由実、矢沢永吉などが番組を彩りました。
特に、長年の紅白ファンにとって馴染み深いアーティストと、現在の音楽シーンを代表する出演者が同じ番組に並んだことは、世代横断型の編成として注目されます。
4.Mrs. GREEN APPLEと松田聖子が終盤を飾った第2部では、Mrs. GREEN APPLEをはじめとする人気アーティストが登場しました。加えて、最後には松田聖子が「青い珊瑚礁」を披露して番組を締めくくりました。
日本レコード大賞で3連覇を達成したMrs. GREEN APPLEと、長年にわたって親しまれてきた松田聖子という組み合わせは、現在の音楽シーンと昭和・平成の音楽文化をつなぐ象徴的な演出でした。
第2部が第1部を上回る35.2%を記録したことからも、番組終盤まで高い視聴関心が維持されたことがうかがえます。ただし、個別の出演場面が平均視聴率を直接押し上げたと断定するには、毎分視聴率などの追加データが必要です。
番組内容と出演者の構成については、日刊スポーツやテレビ朝日などの放送後報道でも紹介されています。
【数字の見方を解説】ビデオリサーチの調査方法とよくある誤解
紅白歌合戦の視聴率を正しく理解するには、数字がどのような調査によって算出されているかを知る必要があります。
ビデオリサーチは全国32地区で調査ビデオリサーチは、関東・関西を含む全国32地区で視聴率調査を実施しています。2024年に公開された同社の解説によると、調査対象世帯数は関東地区が2,700世帯、関西地区が1,200世帯です。
調査は、統計学に基づいて抽出した世帯を対象に行う標本調査です。日本全国のテレビ視聴者全員にアンケートを取っているわけではありません。
そのため、公表された視聴率は対象地域の視聴状況を推計した数値であり、調査には統計上の標本誤差が伴います。
リアルタイム視聴率とタイムシフト視聴率は別物テレビの視聴率には、放送と同時に視聴するリアルタイム視聴率のほか、録画による視聴を集計するタイムシフト視聴率、両者を組み合わせた総合視聴率があります。
2025年の第76回について、ビデオリサーチの総合視聴率ランキングでは、第2部の個人総合視聴率は28.0%、世帯総合視聴率は37.3%でした。リアルタイム視聴率の26.4%、35.2%とは異なる数字です。
この違いは、録画して後から視聴した人も含めるかどうかによるものです。総合視聴率はリアルタイム視聴とタイムシフト視聴のいずれかで視聴した割合を示し、同じ視聴を重複して数えません。
なお、これらはテレビ視聴に関する指標です。インターネット配信の再生回数や視聴者数と直接合算して、紅白全体の視聴人数とすることはできません。
紅白の視聴率を判断するときの3つの基準ネット上で紅白の視聴率を比較するときは、次の3点を確認すると数字の誤解を防げます。
- 世帯か個人か: 35.2%という数字が世帯視聴率なのか、個人視聴率なのかを確認する。
- 第1部か第2部か: 放送時間が異なるため、同じ部同士で比較する。
- リアルタイムか総合か: 録画視聴を含む数字と、放送中の視聴率を混同しない。
また、関東地区の数字を全国平均として紹介する記事にも注意が必要です。ビデオリサーチの公表資料では、関東・関西をはじめ地域別にデータが掲載されています。
【よくある質問】NHK紅白歌合戦の視聴率に関するFAQ
Q1:2026年最新のNHK紅白歌合戦の視聴率は何%ですか?
A1:2026年11月2日現在、最新の放送実績は2025年12月31日に放送された第76回です。関東地区の世帯視聴率は第1部30.8%、第2部35.2%でした。2026年放送分の視聴率は、放送前のためまだありません。
Q2:2025年の紅白歌合戦は前年より視聴率が上がりましたか?
A2:上がりました。第1部は2024年の29.0%から30.8%へ1.8ポイント上昇、第2部は32.7%から35.2%へ2.5ポイント上昇しています。
Q3:紅白歌合戦の歴代最高視聴率は何%ですか?
A3:1963年の第14回に記録した81.4%です。1972年の80.6%、1962年の80.4%が続きます。いずれも関東地区の世帯視聴率です。
Q4:紅白歌合戦の過去最低視聴率は何%ですか?
A4:1989年の2部制導入後、第2部の最低記録は2023年の31.9%です。第1部は2023年と2024年に29.0%を記録しています。
Q5:2025年の紅白歌合戦は関東と関西のどちらが高かったですか?
A5:第1部は関西の31.5%が関東の30.8%を上回りました。一方、第2部は関東35.2%、関西34.4%で、関東が上回っています。世帯視聴率の比較です。
Q6:世帯視聴率と個人視聴率は何が違いますか?
A6:世帯視聴率はテレビを見ていた世帯の割合、個人視聴率は調査対象の4歳以上の人のうち視聴していた人の割合です。2025年の第2部は世帯35.2%、個人26.4%でした。
2026年最新の確定実績となる第76回NHK紅白歌合戦は、第1部30.8%、第2部35.2%という関東地区の世帯視聴率を記録しました。前年の第75回と比べて、第1部・第2部ともに上昇しています。
個人視聴率も第1部23.2%、第2部26.4%と改善しており、2025年は世帯・個人の両面で回復が確認された年でした。年間高個人視聴率番組ランキングでも紅白が1位・2位を占めています。
一方、歴代最高の81.4%を記録した1963年と比べると、テレビを取り巻く環境は大きく変わりました。動画配信やSNSなど、音楽に接する手段が増えた現在、テレビのリアルタイム視聴率だけで番組の人気をすべて評価することはできません。
2025年の回復を支えた背景としては、放送100年という記念性、若年層に支持されるアーティストと長年の人気歌手を組み合わせた出演者構成、終盤の特別企画などが挙げられます。ただし、今後も同じ水準を維持できるかは、次回以降の実績を見なければ分かりません。
紅白歌合戦の視聴率を追う際は、単に35%を超えたかどうかだけでなく、世帯・個人、関東・関西、第1部・第2部、そして録画を含む総合視聴率まで比較することが大切です。複数の指標を組み合わせることで、年末の国民的音楽番組がどのように変化しているのかを、より正確に読み取れます。