2026年11月現在、日本のアイスダンス界では、吉田唄菜・森田真沙也組(うたまさ)がトップを走る一方、本田真凜・宇野昌磨組(しょまりん)の競技会デビューによって、新たな代表争いが始まっています。ミラノ・コルティナ五輪の団体戦で銀メダルを獲得したうたまさは、国内でも全日本選手権2連覇を達成。次世代の有力カップルも台頭し、日本のアイスダンスは競争の幅を広げています。
では、2026年以降のアイスダンス日本代表には誰が選ばれるのでしょうか。代表選考を担う日本スケート連盟の基準、全日本フィギュアスケート選手権や予選会の役割、歴代の代表カップル、そして2026年11月1日に行われた東日本選手権の最新結果まで整理します。現時点の勢力図と、12月の全日本選手権で注目すべきポイントを詳しく見ていきます。
【2026年最新】アイスダンス日本代表の中心は吉田唄菜・森田真沙也組

2026年の日本アイスダンスを代表する存在といえば、吉田唄菜・森田真沙也組だ。愛称は「うたまさ」。国内タイトルと国際大会の実績を積み重ね、ミラノ・コルティナ五輪では日本代表として団体戦の銀メダル獲得に貢献した。
ミラノ・コルティナ五輪で団体銀メダル2026年2月に開催されたミラノ・コルティナ冬季五輪で、日本はフィギュアスケート団体戦の総合2位となり、銀メダルを獲得した。
ISU(国際スケート連盟)の公式競技結果によると、日本の総得点は68ポイント。うたまさは団体戦のアイスダンスに出場し、リズムダンスで68.64点、フリーダンスで98.55点を記録した。
それぞれの順位はリズムダンス8位、フリーダンス5位。団体戦ではリズムダンスで3ポイント、フリーダンスで6ポイントを日本チームにもたらしている。
ここで押さえておきたいのは、2026年のうたまさの五輪出場実績は団体戦におけるものだという点だ。五輪の個人種目での順位と、団体戦での貢献度は区別して見る必要がある。
2026-27シーズンの強化選手にも選出日本スケート連盟の2026/2027シーズン強化選手一覧では、吉田唄菜と森田真沙也がアイスダンス強化選手Bに掲載されている。
これは連盟による強化指定の区分であり、世界選手権など個別の国際大会への派遣決定とは異なる。ただし、五輪での実績と国際大会での経験を持つ2人が、今季も日本の有力カップルであることを示す材料だ。
2026年11月2日時点では、2027年世界選手権などの派遣代表はまだ最終決定していない。12月の全日本選手権が、次の代表争いを占う重要な大会になる。
【代表選考の仕組み】日本スケート連盟は何を基準に選ぶ?
アイスダンス日本代表の選考で最も重要なのは、日本スケート連盟が定める国際競技会派遣選手選考基準だ。
2026年7月22日に公表された2026-27シーズンの選考基準では、世界選手権、四大陸選手権、世界ジュニア選手権で、それぞれ異なる選考方法が設定されている。
2027年世界選手権は1枠を争う2026-27シーズンの世界フィギュアスケート選手権における日本のアイスダンス出場枠は1組。選考対象となる条件は、次の3つだ。
- 全日本フィギュアスケート選手権の優勝組、2位の組、3位の組。
- 全日本選手権終了時点でISUワールドスタンディングが日本勢最上位の組。
- 全日本選手権終了時点でISUシーズンベストスコアが日本勢最上位の組。
これらの条件のいずれかを満たしたカップルを対象に、総合的な判断によって派遣選手を決定する。
つまり、全日本選手権で優勝すれば自動的に世界選手権代表が確定するという単純な仕組みではない。国際大会での成績やランキングも評価対象になる。
また、世界選手権の最終選考会である全日本選手権への出場は原則必須。選考候補を決める強化部、フィギュア委員会、理事会、選考委員会による手続きを経て最終決定される。
四大陸選手権は国際競技力を重視2027年四大陸フィギュアスケート選手権のアイスダンス出場枠は3組。世界選手権とは異なり、ペアとアイスダンスについては国際的な競技力を考慮した総合判断が採用されている。
こちらも全日本選手権への出場が必須となる。加えて、国際大会に出場するために必要なCTES(Combined Total Elements Scores)を取得していないカップルについては、必要に応じて取得対象となる大会へ派遣する仕組みも設けられている。
したがって、全日本選手権の順位だけではなく、国際舞台で必要な技術水準に達しているかどうかも見逃せない。
ジュニア日本代表は全日本ジュニア選手権も重要次世代の日本代表を考えるうえでは、全日本フィギュアスケートジュニア選手権も重要な大会だ。
2026-27シーズンの世界ジュニア選手権では、アイスダンスの日本出場枠は1組。日本スケート連盟の選考基準では、国際的な競技力を考慮した総合判断によって選手を決める。
シングルのように全日本ジュニア選手権の優勝者をそのまま選ぶという方式ではない。アイスダンスについては、最終選考会となる全日本ジュニア選手権への参加が必須とされている。
2026年の全日本ジュニア選手権は11月21日から23日まで、茨城県ひたちなか市の山新スイミングアリーナで開催予定だ。ジュニア世代の代表争いを追う場合は、こちらもチェックしたい。
東日本選手権の予選会と全日本選手権は役割が違うもう一つ混同しやすいのが、全日本選手権の予選会と代表選考そのものの違いだ。
2026年10月29日から11月1日に前橋市のALSOKぐんまアイスアリーナで行われた東日本選手権では、全日本選手権アイスダンス予選会も実施された。
この予選会は、12月の全日本選手権に進むための競技会だ。ここでの順位は本戦への進出を判断する材料であり、世界選手権などの日本代表を直接決めるものではない。
したがって、予選会で優勝したうたまさも、4位となったしょまりんも、次の全日本選手権で改めて競技することになる。
第95回全日本フィギュアスケート選手権は、2026年12月24日から27日まで大阪府門真市の東和薬品RACTABドームで開催予定。アイスダンスは26日にリズムダンス、27日にフリーダンスが行われる。
【うたまさの実績】吉田唄菜・森田真沙也はなぜ強い?
代表争いの中心にいるうたまさは、単に国内選手権で優勝しているだけではない。ジュニア時代からの経験を土台に、シニア転向後も着実に国際競技力を高めてきた。
全日本選手権2連覇までの歩み日本スケート連盟の選手プロフィールによると、吉田唄菜・森田真沙也組は2023年の全日本選手権で3位に入った後、2024年、2025年と連続優勝を達成した。
2024-25シーズンには全日本選手権優勝に加え、2025年アジア冬季競技大会で金メダルを獲得。2025年の世界選手権では22位となった。
2025-26シーズンも国際大会で経験を積み、2026年四大陸選手権7位、世界選手権19位を記録。ミラノ・コルティナ五輪団体戦の銀メダルも加わり、国内外で実績を持つカップルへと成長した。
吉田唄菜・森田真沙也組の主な成績- 2022年:森田真沙也・來田奈央組で全日本ジュニア選手権優勝。
- 2023年:吉田唄菜・森田真沙也組で全日本選手権3位。
- 2024年:全日本選手権優勝。
- 2025年:全日本選手権優勝、アジア冬季競技大会金メダル。
- 2026年:ミラノ・コルティナ五輪団体銀メダル、四大陸選手権7位、世界選手権19位。
この経歴から分かるのは、現在の強さが短期間で築かれたものではないということだ。森田は以前、來田奈央とのカップルでジュニアの全日本選手権を制しており、ジュニアからシニアへと競技経験を積み重ねてきた。
2026年11月の予選会でも圧倒的な存在感直近の東日本選手権・全日本選手権アイスダンス予選会では、うたまさがリズムダンス71.43点、フリーダンス104.39点、合計175.82点を記録して優勝した。
特に注目したいのは、両種目で1位を獲得したことだ。フリーダンスでは出場7組の中で唯一の100点台となり、2位の櫛田育良・島田高志郎組に10.29点差をつけた。
ただし、森田は演技の完成度について、まだ十分に満足できる段階ではないという趣旨のコメントを報道各社の取材で示している。吉田もフリーダンスで110点を超えることを目標に掲げ、技術レベルをさらに高めたい姿勢を見せた。
すでに国内トップの成績を持つ2人が、現状に満足せず技術の向上を目指していることは、2026-27シーズンの代表争いを考えるうえで大きなポイントになる。
【新勢力の関係図】しょまりん・いくこう・りかしんの現在地
2026年の日本アイスダンス界を語るうえで欠かせないのが、新しいカップルの相次ぐ参入だ。以前は限られた組が国内タイトルを争う構図だったが、今季は実績あるシングル選手の転向などもあり、競争の様相が変わっている。
2026年11月1日の予選会では、うたまさ以外にも実力あるカップルが上位に並んだ。特に2位と3位の差はわずか0.21点で、国内の勢力図が一段と複雑になっている。
2026年11月1日・アイスダンス予選会の最終順位| 順位 | カップル・メンバー | RD | FD | 合計得点 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | うたまさ 吉田唄菜・森田真沙也 |
71.43 | 104.39 | 175.82 |
| 2位 | いくこう 櫛田育良・島田高志郎 |
65.68 | 99.85 | 165.53 |
| 3位 | りかしん 紀平梨花・西山真瑚 |
65.79 | 99.53 | 165.32 |
| 4位 | しょまりん 本田真凜・宇野昌磨 |
58.68 | 87.02 | 145.70 |
| 5位 | 山下珂歩・永田裕人 | 57.43 | 83.90 | 141.33 |
| 6位 | 深瀬理香子・田村篤彦 | 52.85 | 84.30 | 137.15 |
| 7位 | 矢島榛乃・北村凌大 | 43.73 | 66.11 | 109.84 |
出典:2026年11月1日付の日刊スポーツ、TBS NEWS DIGなどの競技結果報道。得点はリズムダンスとフリーダンスの合計。
しょまりんは公式戦デビューで4位今回の予選会で最も大きな話題を集めたのが、本田真凜・宇野昌磨組だ。2人の愛称は「しょまりん」。2026年5月にアイスダンスへの挑戦を表明し、今回がカップルとしての公式戦デビューとなった。
本田は2016年世界ジュニア選手権の女子シングル優勝者。宇野は平昌、北京と2大会連続で五輪メダルを獲得し、世界選手権でも優勝経験を持つ。シングル競技で高い実績を残した2人が新たな種目に挑戦することから、競技会前から大きな注目を集めていた。
10月31日のリズムダンスでは58.68点で4位。翌11月1日のフリーダンスでも87.02点を記録し、合計145.70点で総合4位となった。
デビュー戦で優勝こそ逃したものの、2種目を最後まで滑り切り、12月の全日本選手権への出場権を獲得した。日刊スポーツも、公式戦初出場で全日本選手権への切符をつかんだことを報じている。
注目したいのは、今回の結果が単なる順位以上の意味を持つことだ。シングルとアイスダンスでは、求められる技術や採点上の評価ポイントが異なる。シングルで培ったスケーティング技術や身体能力を、パートナーとの動きの一体感へどう転換するかが今後の課題になる。
宇野と本田にとって、今回の145.70点は競技会での出発点だ。デビュー戦の順位だけで将来の代表可能性を判断するのは早い。全日本選手権でどこまで技術を修正できるかが、次の評価材料になる。
いくこうとりかしんも代表争いの重要な存在2位に入った櫛田育良・島田高志郎組、通称「いくこう」も見逃せない。合計165.53点を獲得し、うたまさに続く順位で競技を終えた。
3位の紀平梨花・西山真瑚組、通称「りかしん」は165.32点。いくこうとの差はわずか0.21点だった。リズムダンスでは、りかしんが65.79点で2位、いくこうが65.68点で3位と、フリーダンスとは順位が入れ替わっている。
この結果は、アイスダンスでは片方のプログラムだけで勝負が決まらないことを示している。リズムダンスでリードしても、フリーダンスで逆転される可能性がある。
紀平はシングルで世界トップレベルの経験を持ち、西山はジュニア時代からアイスダンスの国際経験を積んできた選手だ。櫛田と島田の組も、それぞれの個性を組み合わせたカップルとして競争に加わっている。
スポーツ報道各社によると、選手たちは新しいカップルの参入を歓迎し、互いに刺激を受けながら競技力を高めようとしている。競争相手が増えることは、個々のカップルにとって厳しさを増す一方、日本全体の競技層を厚くする可能性がある。
【初心者向け】アイスダンスのリズムダンスとフリーダンスの違い
アイスダンスの代表争いを理解するためには、競技そのものの採点方法も知っておきたい。
アイスダンスは、男女のカップルが音楽のリズムや表現に合わせて滑る種目だ。ペア競技と混同されることがあるが、アイスダンスはジャンプやスロージャンプを中心とする競技ではなく、ステップ、ターン、ツイズル、リフトなどの技術と、2人の動きの調和が重視される。
リズムダンス(RD)は決められたテーマと技術が鍵リズムダンスは競技の前半に行われるプログラムで、ISUがシーズンごとに設定するテーマや音楽のリズムに沿って演技する。
2026-27シーズンはワルツを軸に、別のリズムやダンススタイルを組み合わせるテーマが採用されている。選手は指定されたパターンダンスの要素やステップシークエンス、ツイズル、リフトなどをプログラムに組み込まなければならない。
演技時間はシニア・ジュニアともに2分50秒を基本とする。限られた時間内で技術要素を正確に実施し、音楽の特徴を表現する必要がある。
そのため、リズムダンスでは技術要素のレベルだけでなく、指定されたリズムを正確に捉えているか、2人の動きが音楽と合っているかが重要になる。
フリーダンス(FD)は表現力と構成力が試されるフリーダンスは後半のプログラムで、リズムダンスよりも選手自身の表現や振り付けの自由度が高い。
シニアの演技時間は4分を基本とし、選手が選んだ音楽に合わせてステップ、スピン、ツイズル、リフト、振り付け要素などを組み合わせる。
ただし、自由度が高いからといって何をしてもよいわけではない。ISUが定める必須要素を満たしながら、プログラム全体の完成度を高める必要がある。
うたまさが2026年11月の予選会でフリーダンス104.39点を記録したことは、技術面と表現面をまとめる能力の高さを示す材料だ。
採点で注目したい5つのポイント- ツイズル:2人が回転動作をそろえ、安定したスピードと軸を維持できるか。
- ステップシークエンス:エッジワーク、ターンの正確さ、難易度の高い動きを実行できるか。
- リフト:持ち上げる技術だけでなく、姿勢、移行、演技全体とのつながりが評価される。
- GOE:技術要素の出来栄えがどのように評価されるか。
- プログラム構成・表現:音楽との調和、演技の一体感、作品としての完成度が問われる。
特に新しいカップルの場合、個々のスケーティング能力が高くても、2人で滑った際のタイミングや距離感、エッジの使い方を合わせるには時間が必要だ。
しょまりんのようにシングルで実績を持つ選手が転向した場合も、過去のメダルや知名度だけではアイスダンスの競技力を測れない。技術要素のレベルやGOE、ステップの完成度など、実際の採点内容を見ることが大切になる。
【歴代のアイスダンス日本代表】日本を支えてきた名カップルの系譜
日本のアイスダンスは、シングルに比べると国際的な競技人口や競技層の面で課題を抱えてきた歴史がある。それでも、五輪や世界選手権に挑戦してきたカップルが、現在の競技基盤を築いてきた。
日本の歴代五輪アイスダンス代表オリンピックの過去の競技記録をまとめたOlympediaなどによると、日本は1984年のサラエボ大会以降、複数のカップルをアイスダンスに送り出してきた。
- 1984年サラエボ五輪:佐藤紀子・高橋忠之組。17位。
- 1988年カルガリー五輪:田中智子・鈴木弘幸組。18位。
- 1998年長野五輪:河合彩・田中衆史組。23位。
- 2006年トリノ五輪:渡辺心・木戸章之組。15位。
- 2010年バンクーバー五輪:キャシー・リード・クリス・リード組。17位。
- 2014年ソチ五輪:キャシー・リード・クリス・リード組。21位。
- 2018年平昌五輪:村元哉中・クリス・リード組。15位。
- 2022年北京五輪:小松原美里・小松原尊組。22位。
- 2026年ミラノ・コルティナ五輪:吉田唄菜・森田真沙也組。団体戦に出場し、日本の銀メダル獲得に貢献。
この系譜を見ると、クリス・リードがキャシー・リードとのカップル、村元哉中とのカップルという形で日本代表を支えた時期があったことも分かる。
村元哉中・髙橋大輔組が広げた競技への関心日本アイスダンスの歴史を語る際に外せないのが、村元哉中・髙橋大輔組だ。
2019年、日本スケート連盟は男子シングルで2010年バンクーバー五輪銅メダルを獲得した髙橋大輔のアイスダンス転向を発表。村元との新しいカップル結成は、フィギュアスケート界に大きな話題をもたらした。
2人は2022-23シーズンの全日本選手権で優勝。シングルで培った技術や表現力をアイスダンスに生かすという挑戦は、競技の認知度を高めるきっかけにもなった。
その後も小松原美里・小松原尊組などが日本代表として国際大会に出場し、日本のアイスダンスをつないできた。
現在のうたまさや、しょまりんの挑戦も、こうした歴代カップルが築いてきた土台の上にある。日本のアイスダンスは、一組のスターに依存する段階から、複数のカップルが競争する段階へ移りつつある。
【2026年11月以降】日本代表争いで注目すべき大会とポイント
今後の勢力図を判断するうえで、最も重要なのは12月の全日本選手権だ。現時点では、うたまさが実績と直近の成績で優位に立っているものの、他のカップルにも順位を変える機会が残されている。
2026年11月21日〜23日:全日本ジュニア選手権世界ジュニア選手権の日本代表選考につながる大会。ジュニア世代のアイスダンスカップルが、国際大会に向けてどの程度の技術水準に達しているかを確認する機会となる。
2026年12月24日〜27日:全日本選手権シニアの代表争いにおける最重要大会。アイスダンスは12月26日にリズムダンス、27日にフリーダンスが行われる。
注目は、全日本2連覇中のうたまさが3連覇を達成するかどうか。そして、公式戦デビューを終えたしょまりんが、どこまで順位を上げられるかだ。
また、いくこう、りかしんも予選会で高い得点を記録しており、上位争いに加わる可能性がある。
代表争いを見る際に間違えたくない3つの判断基準1. 知名度と競技実績を混同しない。
宇野昌磨や本田真凜のようにシングルで実績のある選手が参入すれば、注目度は高まる。しかし、アイスダンスの日本代表選考では、カップルとしての技術力や競技成績が評価される。
2. 予選会の順位だけで代表を決めつけない。
東日本選手権の順位は、全日本選手権への進出を考えるうえで重要だが、世界選手権の派遣選考とは別の段階にある。全日本選手権とISUのランキング・シーズンベストを合わせて確認する必要がある。
3. RDとFDの両方を見る。
リズムダンスだけが優れていても、フリーダンスで失点すれば総合順位は下がる。逆に、前半で出遅れたカップルが後半で巻き返すこともある。2種目の合計得点と技術要素の内容を確認するのが、実力を見極める近道だ。
【アイスダンス日本代表】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年現在のアイスダンス日本代表は誰ですか?
A1:2026年ミラノ・コルティナ五輪の団体戦に出場したのは、吉田唄菜・森田真沙也組(うたまさ)です。日本の団体銀メダル獲得に貢献しました。2026-27シーズンの2027年世界選手権代表は、12月の全日本選手権などを踏まえて選考されます。
Q2:アイスダンス日本代表は全日本選手権で優勝すれば決まりますか?
A2:必ずしも自動的に決まるわけではありません。2026-27シーズンの世界選手権では、全日本選手権の上位3組、ISUワールドスタンディング最上位組、ISUシーズンベスト最上位組などを対象に総合判断します。原則として全日本選手権への参加も必要です。
Q3:しょまりんは全日本選手権に出場できますか?
A3:出場できます。本田真凜・宇野昌磨組は2026年11月1日の全日本選手権アイスダンス予選会で合計145.70点の4位となり、12月の全日本選手権への出場権を獲得しました。
Q4:リズムダンスとフリーダンスは何が違いますか?
A4:リズムダンスはシーズンごとに定められたテーマや必須要素に沿って演技する前半の種目です。フリーダンスは音楽や振り付けの自由度が高い後半の種目で、必須技術要素を組み込みながら表現力や構成力を競います。
2026年11月現在、日本のアイスダンスをリードしているのは、吉田唄菜・森田真沙也組(うたまさ)だ。ミラノ・コルティナ五輪団体銀メダル、全日本選手権2連覇、2026年の予選会優勝という実績は、代表候補としての大きな強みになっている。
一方、本田真凜・宇野昌磨組(しょまりん)の公式戦デビューによって、国内の競争は新たな局面を迎えた。初戦は4位だったが、全日本選手権への出場を決めたことで、今後の成長を競技結果で確認できる段階に入った。
加えて、櫛田育良・島田高志郎組や紀平梨花・西山真瑚組も上位に迫っている。うたまさだけが突出する構図から、複数の有力カップルが競い合う構図へと変化している点は、今季の大きな特徴だ。
プロの視点から押さえておきたいのは、代表選考を判断する際に、国内順位・国際ランキング・シーズンベスト・技術的な完成度を切り分けて見ることだ。
特に2027年世界選手権のアイスダンス出場枠は日本に1組。全日本選手権での結果が大きな意味を持つ一方、ISUの国際ランキングやシーズンベストも選考対象となる。
また、2026年11月の予選会で4位だったしょまりんを、現時点でうたまさと同等の国際競技力があると評価するのは早い。反対に、デビュー戦の順位だけで将来性を判断するのも適切ではない。次の大会でどの技術要素を改善し、RDとFDの両方で得点を伸ばせるかが評価の分かれ目になる。
12月の全日本選手権は、うたまさの3連覇への挑戦、しょまりんの成長、いくこうやりかしんの巻き返しが交差する大会となる。日本のアイスダンスが2030年フランス・アルプス五輪へ向けてどのような競技層を築くのか。その未来を占う意味でも、2026-27シーズンの代表争いから目が離せない。