初代とZは、番組の基本ルールこそ共通しているものの、旅を進める中心人物が大きく変わった。初代は太川陽介と蛭子能収のコンビ、Zは田中要次と羽田圭介のコンビである。
初代では、旅慣れた太川と独特のマイペースさを持つ蛭子の組み合わせが番組の個性を形づくった。一方、Zでは俳優と小説家という異色の組み合わせを採用。新しい出演者によって、同じルールでも違った緊張感や掛け合いが生まれた。
さらにWでは、赤江珠緒、三船美佳、高城れにの女性3人が旅人となった。シリーズ初の女性3人編成であり、従来の男性コンビを中心とする構成から大きく変化している。
歴代シリーズの比較表
この比較から分かるのは、番組の基本コンセプトを維持しながら、出演者の組み合わせを変えることで新鮮さを生み出してきた点だ。初代は25弾、Zは19弾と、それぞれ異なる期間と成績で歴史を刻んだ。
なお、Wの第1弾は2023年7月22日放送。2025年5月10日には第5弾、同年8月30日には第6弾が放送された。2026年時点でWの終了日を示す公式発表は確認できず、Zとは異なり、シリーズ終了が確定した状態ではない。
出典はテレビ東京の各シリーズ公式番組情報と放送バックナンバー。Wの第6弾については2025年8月29日付のテレビ東京の告知でも確認できる。
【ローカル路線バス乗り継ぎの旅ZとWの比較】受け継がれたルールと変わった部分

ZとWは出演者の構成が異なる一方、番組の根幹にある「路線バスだけで目的地を目指す」というゲーム性を受け継いでいる。
Zの基本ルールは何だったのかテレビ東京の公式番組ページでは、Zの旅のルールとして次の3点が紹介されている。
- 移動手段:原則としてローカル路線バスのみ。高速バス、鉄道、飛行機、船、自転車、ヒッチハイクなどは利用できない。観光目的のタクシーは例外として認められる。
- 情報収集:目的地までのルートは出演者自身が決定する。インターネットによる情報収集は禁止され、地図、時刻表、バス案内所、地元の人から得た情報などを頼りにする。
- 旅の日程:3泊4日で指定されたゴールへの到達を目指す。ルート選択だけでなく、撮影交渉も出演者自身が行う。
この制約があるからこそ、単純な観光番組とは異なる面白さが生まれる。地図上では近く見える場所でも、実際にはバス路線がつながっていない場合がある。加えて、最終便の時刻や宿泊場所の確保によって、予定していたルートを変更せざるを得ないこともある。
出演者は、地元の人に尋ねたり、バス会社の案内を確認したりしながら次の一手を考える。視聴者も同じようにルートを予想できるため、旅の進行そのものがゲームとして成立する。
Wになって何が変わったのかWの最大の特徴は、旅人が女性3人になったことだ。シリーズ名のWには「Woman」の意味が込められている。
2023年7月22日の初回では、赤江珠緒、三船美佳、高城れにが旅に参加。栃木県の日光・中禅寺湖から千葉県の野島埼灯台を目指した。
三船美佳は2016年公開のTHE MOVIEにも出演したバス旅経験者であり、シリーズをまたいで出演している点も興味深い。初代の旅を知る人物が新シリーズに参加したことで、番組の歴史をつなぐ役割も担った。
テレビ東京はWについて、女性ならではの視点で立ち寄る観光スポットや、情報収集力、聞き込み力、3人の団結力を見どころとして紹介している。
2025年の第5弾では髙木菜那、野口啓代、雛形あきこ、第6弾では髙木菜那、中村静香、原幹恵が出演。初回の3人だけに固定された形式ではなく、女性3人による新たな旅の組み合わせが続いている。
したがって、ZとWの違いは単に男性から女性へ出演者が変わったことだけではない。同じバス旅のルールを維持しながら、チーム構成や旅の見せ方を変えている点にある。
【THE MOVIEとは?】テレビ番組から映画へ広がったバス旅の魅力
2016年2月13日公開
- 出演:太川陽介、蛭子能収、三船美佳
- 舞台:台湾
- 内容:路線バスで台湾縦断を目指す3泊4日の旅
「ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE」は、初代シリーズの人気を背景に制作された劇場版だ。2016年2月13日に全国公開され、太川陽介と蛭子能収に三船美佳を加えた3人が台湾を舞台に旅をした。
通常の番組では日本国内の路線バスを乗り継ぐが、映画では舞台を海外へ拡大。台湾を縦断するという企画で、言葉の壁や交通事情、台風21号によるバスの運休など、国内の旅とは違う困難にも直面した。
それでも、路線バスを利用し、3泊4日でゴールを目指すという基本コンセプトは変わらない。太川の計画性と蛭子のマイペースな振る舞い、三船の参加による掛け合いも映画の見どころだった。
この映画はZの作品ではなく、初代の太川・蛭子コンビを中心とした劇場版である。2017年のZ開始より前に公開されており、シリーズの歴史を振り返る際には別作品として整理する必要がある。
テレビ東京の公式作品情報では、2016年8月5日から配信開始となったことや、出演者、台湾縦断という作品内容も紹介されている。
【よくある誤解を整理】Zの終了理由とシリーズの現在に関するFAQ
Q1:ローカル路線バス乗り継ぎの旅Zはいつ終了しましたか?
A1:最終回は2022年8月20日です。第19弾として群馬県の谷川岳から山形県の銀山温泉を目指す旅が放送されました。
Q2:ローカル路線バス乗り継ぎの旅Zが終了した理由は何ですか?
A2:最終第19弾でゴールに失敗し、通算成績が9勝10敗と負け越したためです。最終挑戦には、失敗すれば田中要次と羽田圭介のコンビを解散するという条件が設定されていました。テレビ東京も2023年1月の特番で、全19回の終了と通算成績を振り返っています。
Q3:Zの後継番組はローカル路線バス乗り継ぎの旅Wですか?
A3:はい。2023年7月22日に新シリーズWが始まりました。赤江珠緒、三船美佳、高城れにの女性3人が旅人となり、シリーズ初の女性チームによるバス旅を展開しています。
Q4:初代とZでは旅のルールが違うのですか?
A4:基本的なルールは共通しています。ローカル路線バスを乗り継ぎ、3泊4日で目的地を目指すアポなしの旅です。Zでは田中要次と羽田圭介、初代では太川陽介と蛭子能収が中心となっていました。
Q5:THE MOVIEはZの劇場版ですか?
A5:違います。2016年2月13日公開のTHE MOVIEは、初代の太川陽介・蛭子能収コンビと三船美佳が出演する台湾縦断の劇場版です。Zの放送開始は2017年3月25日なので、時系列上も別の作品です。
ローカル路線バス乗り継ぎの旅Zは、2017年3月25日に始まり、2022年8月20日に最終回を迎えたシリーズだ。田中要次と羽田圭介が2代目の旅人を務め、全19回、通算9勝10敗という結果で5年間の歴史に幕を下ろした。
終了の直接的な理由は、第19弾でのゴール失敗と負け越しである。最終回では、群馬県の谷川岳から山形県の銀山温泉を目指したものの、コンビ存続を懸けた挑戦は成功しなかった。
一方、番組の歴史はそこで途切れていない。初代の太川陽介・蛭子能収コンビから、Zの田中要次・羽田圭介コンビへ。そして2023年には、赤江珠緒・三船美佳・高城れにらが参加するWへと受け継がれた。
2026年にシリーズを振り返る際、特に押さえておきたい要点は次の3つだ。
- 放送期間を区別する:初代は2007年~2017年、Zは2017年~2022年、Wは2023年にスタート。
- 終了理由を正しく理解する:Zは第19弾の失敗による9勝10敗の負け越しが終了の直接的な経緯。
- シリーズ全体の動きを見る:THE MOVIEは初代の劇場版であり、WはZの後に始まった新シリーズ。
バス旅の面白さは、豪華な観光地や予定調和の展開ではなく、限られた交通手段のなかで出演者が知恵を絞り、地元の人々に助けられながらゴールを目指すところにある。Zの19回の挑戦は、その魅力を別の出演者によって引き継いだ重要な時代だった。
初代、Z、Wを放送順に見比べると、出演者が変わっても変わらない番組の本質と、時代に合わせて進化してきた旅のスタイルの両方を楽しめる。
主な情報源:テレビ東京、BSテレビ東京、テレビ愛知の番組公式情報・放送バックナンバー・番組告知。