日本卓球協会は2026年2月25日、ロンドン大会に出場する女子日本代表5選手を発表しました。張本美和を中心に、国際経験豊富な早田ひな、カット主戦型の橋本帆乃香、長﨑美柚、若手の面手凛を組み合わせた布陣です。
代表選考には世界ランキング、全日本選手権、国内選考会、強化本部推薦などが反映されました。
日本代表5選手と選考理由1.
所属:木下グループ|2026年2月23日時点の世界ランキング:6位
世界ランキング最上位者枠と全日本卓球選手権一般の部シングルス優勝者として選出。日本女子のエースとして、今大会でも中国のトップ選手との対戦を任されました。
決勝では王曼昱を3対2で破り、過去の対戦成績を覆す大きな勝利を挙げています。
2.
所属:日本生命|世界ランキング:10位
2025年アジア選手権出場者の中から強化本部推薦で選出されました。国際大会での経験と攻撃力を備えた日本の主力選手です。
準決勝ではドイツのサビーネ・ウィンターに3対2で勝利。決勝では中国の孫穎莎、王曼昱と対戦しました。
3.
所属:デンソー|世界ランキング:11位
強化本部推薦で選出された選手です。最大の特徴は、守備力を生かしたカット主戦型のプレースタイル。相手に攻撃を続けさせながら、回転やコースを変えてミスを誘う戦い方を得意としています。
世界卓球2026は初出場。決勝では中国の蒯曼を3対1で破り、日本が優勝に王手をかける重要な役割を果たしました。
4.
所属:木下グループ|世界ランキング:16位
強化本部推薦で選ばれた代表選手です。ステージ1Aのイングランド戦では出場し、ジャスミン・ウォンに3対0で勝利。チームの予選突破に貢献しました。
5.
所属:日本生命|世界ランキング:118位
国内選考会で優勝し、代表入りを果たしました。フランス戦とクロアチア戦に出場し、クロアチア戦ではアンドレア・パブロビッチを3対0で下しています。
5人それぞれに異なる強みがあり、相手国や試合の状況に応じて選手を起用できる構成でした。なお、世界ランキングは日本卓球協会が掲載した2026年2月23日発表分です。
出典:日本卓球協会「2026年世界卓球選手権ロンドン大会の男女日本代表選手決定」「大会参加選手・スタッフ」。
【日本対中国の決勝を徹底分析】張本美和・早田ひな・橋本帆乃香の戦績

2026年5月10日の決勝で最も注目されたのは、日本の張本美和と早田ひなを2点起用し、橋本帆乃香を3番に配置したオーダーです。
中国も孫穎莎と王曼昱を2点起用。3番には蒯曼を配置し、双方とも主力選手の勝利を最大限に生かす布陣を組みました。
決勝5試合の対戦結果以下は日本卓球協会の公式記録に基づく、全5試合の詳細です。
女子団体決勝・2026年5月10日
日本2
対3
中国
第1試合
張本美和 3-2 王曼昱
11-4、11-9、6-11、4-11、11-4
張本が王曼昱に初勝利。日本が先制。
第2試合
早田ひな 0-3 孫穎莎
7-11、7-11、8-11
孫穎莎がストレートで勝ち、中国が同点に追いつく。
第3試合
橋本帆乃香 3-1 蒯曼
11-6、5-11、11-6、11-8
橋本がカットと攻撃を使い分けて勝利。日本が2勝1敗とリード。
第4試合
張本美和 0-3 孫穎莎
2-11、4-11、6-11
孫穎莎が圧倒的な攻撃力で勝利。チームスコアは2対2。
第5試合
早田ひな 0-3 王曼昱
7-11、7-11、5-11
王曼昱が勝利し、中国の優勝が決定。
出典:日本卓球協会公式試合記録、卓球レポート。
張本美和の決勝戦績:王曼昱に歴史的な初勝利張本美和の決勝での成績は1勝1敗です。
第1試合では中国の王曼昱と対戦。第1、第2ゲームを連取し、その後2ゲームを取り返されましたが、最終第5ゲームを11対4で奪い、3対2で勝利しました。
この勝利は大きな意味を持ちます。卓球レポートによると、張本は王曼昱に対して過去11連敗しており、今回が初勝利でした。
勝因の一つは、王曼昱の得意な長いラリーに付き合いすぎず、台上技術やバックハンドのコースを使い分けたことです。相手の強打に正面から対抗するだけでなく、試合のリズムを変える戦術が機能しました。
しかし、第4試合では孫穎莎と対戦し、0対3で敗戦。相手の強烈な両ハンド攻撃に押し込まれ、思うように主導権を握れませんでした。
早田ひなの決勝戦績:中国の2大エースに連敗早田ひなの決勝成績は0勝2敗です。
第2試合では孫穎莎、第5試合では王曼昱と対戦しました。どちらもストレート負けとなり、個人戦で中国のトップ選手2人を相手に勝利を挙げることはできませんでした。
特に孫穎莎との対戦は厳しい内容でした。卓球レポートの試合分析では、孫穎莎は決勝前の時点で早田に対して18戦負けなし。サービスからのバックハンド攻撃と、左右への素早い対応で早田の攻撃を封じました。
最終第5試合の王曼昱戦でも、早田はサービス位置やツッツキの変化を使って突破口を探りましたが、王曼昱の安定した両ハンド攻撃を崩せませんでした。
ただし、準決勝ではドイツのウィンターに3対2で勝利しており、決勝の2敗だけで大会全体の貢献を評価するのは適切ではありません。
橋本帆乃香の世界卓球:初出場で中国選手を撃破橋本帆乃香は今回が世界卓球初出場でした。決勝では中国の蒯曼を3対1で破り、日本にとって非常に重要な2勝目を挙げました。
橋本の強みは、カットによる粘りだけではありません。相手のドライブの回転やコースに対応し、攻撃に転じるタイミングを作れる点です。
決勝では第2ゲームを落としたものの、第3ゲーム以降は蒯曼の攻撃をミドル中心に拾い、相手の動きを制限。必要な場面では自ら攻撃を仕掛け、第3、第4ゲームを連取しました。
この勝利によって、日本は2勝1敗となり、あと1勝で世界一というところまで迫りました。初出場の選手が世界選手権の決勝で結果を残した点も、今大会の大きな収穫です。
出典:卓球レポート「世界卓球2026ロンドン 大会最終日 女子団体決勝」。
【日本女子団体が準優勝に終わった理由】中国との差はどこにあったのか
今回の日本の敗因を一言で表すなら、先に王手をかけながら、中国のエース2人を最後まで抑えきれなかったことです。
ただし、日本の戦いが一方的に劣っていたわけではありません。第1試合と第3試合で勝利し、チームスコア2対1とリードした事実は、日本の選手層と戦術が中国に十分通用していたことを示しています。
理由1:中国の孫穎莎と王曼昱が終盤に力を発揮中国の最大の強みは、世界トップクラスの2人を同時に2点起用できることです。
孫穎莎は早田ひなと張本美和の両方に勝利。王曼昱も早田を破り、決勝で中国の3勝を支えました。
特に孫穎莎は、第4試合の張本戦で3ゲーム合計12点しか許さない圧倒的な内容でした。張本が第1試合で王曼昱を倒した直後だっただけに、孫穎莎の勝利はチームの流れを引き戻す大きな意味を持ちました。
理由2:張本美和の勝利をチーム優勝につなげられなかった張本は長年勝てなかった王曼昱を破り、日本に貴重な1勝をもたらしました。しかし、続く孫穎莎との試合では相手の攻撃を止められませんでした。
中国は王曼昱だけでなく孫穎莎もエースとして起用できるため、1人の強豪を攻略しても次の試合で別のトップ選手が立ちはだかります。
張本が王曼昱に勝ったことは日本にとって明るい材料ですが、その勝利だけでは中国の選手層を突破できなかったのです。
理由3:早田ひなが2人のエースを攻略できなかった日本は早田を2点起用しましたが、決勝では孫穎莎と王曼昱に連敗しました。
団体戦では、主力選手が2試合に出場することが一般的です。そのため、相手のエースとの相性や試合中の修正力が、チーム全体の勝敗に直結します。
早田は準決勝でドイツを破る活躍を見せていましたが、中国の2大エースとの決勝では攻撃の組み立てを十分に機能させられませんでした。
理由4:橋本帆乃香の勝利を生かす追加の1勝が必要だった橋本は蒯曼を攻略し、日本が優勝に王手をかける立役者となりました。しかし、団体戦は3勝が必要です。張本と早田のどちらかが、残りの2試合で勝利を加える必要がありました。
結果的に中国が後半の2試合を連取。橋本の勝利を優勝につなげることはできませんでした。
【プロの結論】日本に必要なのは中国のエース2人に対する勝ち筋ロンドン大会の結果から見えてくるのは、日本に中国を倒す力がないということではありません。実際に張本は王曼昱を破り、橋本も蒯曼に勝利しています。
課題は、複数のトップ選手が並ぶ中国に対して、3勝をどう組み立てるかです。
具体的には、次の3点が今後の強化課題になります。
- エース対決の複数パターンを準備すること: 孫穎莎と王曼昱の両方に対応できる戦術の幅を広げる。
- 2点起用される選手の勝率を上げること: 2試合出場する主力が、どちらか一方だけでなく複数の相手に勝てる力を磨く。
- 相手のプレースタイルに応じた選手起用を強化すること: 橋本のような特殊な戦型も含め、対戦相手との相性を生かす。
今回の準優勝は、次の世界選手権で中国を倒すために必要な課題を具体的に示した結果でもあります。
出典:卓球レポートの決勝戦術分析、日本卓球協会の公式記録。
【コルビヨンカップ歴代優勝国】中国と日本の女子団体の歴史
世界卓球の女子団体優勝国には、コルビヨンカップが授与されます。このトロフィーは、フランス卓球協会の元会長マルセル・コルビヨン氏が1933年に寄贈したものです。
女子団体競技は1934年の世界選手権から正式に設けられ、コルビヨンカップは女子団体の世界一を象徴する賞として受け継がれています。
歴代優勝国の主な記録- 中国:24回(2026年大会終了時点)
- 日本:8回
- ルーマニア:5回
- チェコスロバキア:3回
- イングランド:2回
- ドイツ:2回
- アメリカ:2回
- 韓国、統一韓国、シンガポール、ソ連も優勝経験あり。
ITTFの歴史資料によると、日本は1952年に初優勝し、1950年代から1970年代にかけて合計8回の優勝を達成しました。中国は1965年に初優勝して以降、女子団体の中心的な存在となっています。
中国の7連覇はどれほどすごい記録なのか中国は2012年から2026年まで、世界選手権の女子団体で7大会連続優勝を達成しました。2020年大会が開催されなかったこともあり、連覇は大会の開催回数を基準に数えられています。
2024年の釜山大会終了時点で、中国の優勝回数は23回でした。2026年ロンドン大会で日本を3対2で破ったことで、通算24回目のタイトルに到達しています。
一方、日本も歴代優勝8回を誇る伝統的な強豪国です。現在は中国が大きくリードしていますが、ロンドン大会のように決勝で2対3まで迫る実力を示している点は、今後の国際大会を占ううえで見逃せません。
出典:ITTF「The Swaythling and Corbillon Cups」「The World Championships Trophies - A Retrospective」、ギネス世界記録。
【卓球世界選手権女子】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:世界卓球2026女子団体の優勝国はどこですか?
A1:中国です。2026年5月10日の決勝で日本を3対2で破り、7大会連続、通算24回目の女子団体世界タイトルを獲得しました。
Q2:日本女子代表は決勝で何対何で敗れましたか?
A2:日本は中国に2対3で敗れ、準優勝となりました。張本美和が王曼昱に、橋本帆乃香が蒯曼に勝利しましたが、孫穎莎と王曼昱が後半の試合を制しました。
Q3:2026年の卓球女子日本代表メンバーは誰ですか?
A3:張本美和、早田ひな、橋本帆乃香、長﨑美柚、面手凛の5選手です。日本卓球協会が2026年2月25日に代表選手を発表しました。
Q4:張本美和は決勝で王曼昱に勝ったのですか?
A4:はい。第1試合で3対2の勝利を収めました。過去11連敗していた王曼昱から初めて勝利した歴史的な試合でした。ただし、第4試合の孫穎莎戦では0対3で敗れています。
Q5:橋本帆乃香は世界卓球2026でどんな活躍をしましたか?
A5:世界卓球初出場ながら、決勝で中国の蒯曼を3対1で撃破しました。カット主戦型の特徴を生かし、日本が優勝に王手をかける2勝目を挙げました。
Q6:女子団体の優勝トロフィーは何と呼ばれていますか?
A6:コルビヨンカップです。1933年にマルセル・コルビヨン氏から寄贈され、女子団体の世界選手権優勝チームに授与されるトロフィーです。
2026年ロンドン大会の女子団体は、日本が中国に2対3で敗れ、銀メダルという結果に終わりました。しかし、決勝では張本美和が王曼昱を破り、橋本帆乃香も蒯曼に勝利。日本が世界一にあと1勝まで迫ったことは大きな成果です。
特に注目したいのは、張本美和が長年勝てなかった王曼昱を初めて破ったこと、そして世界卓球初出場の橋本帆乃香が決勝で勝利したことです。日本女子卓球の新しい可能性を感じさせる試合でした。
一方、中国は孫穎莎と王曼昱の2人が後半の試合を制し、7連覇を達成しました。日本が次に世界一を目指すには、特定の選手に勝つだけでなく、中国の複数のトップ選手に対して安定して勝利を積み重ねる力が大切です。
準優勝という結果だけを見るのではなく、決勝の5試合を個別に分析することで、日本の成長と今後の課題が見えてきます。2026年ロンドン大会は、次の世界一への挑戦につながる重要な大会となりました。