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【年寄名跡の仕組み】親方になれる条件と105の名跡の秘密

小野寺 翔 小野寺 翔 • 更新: • 公開: • 読了約 9 分
目次

親方の名前が現役時代と異なるのは、単なる改名ではない。相撲界には「年寄名跡」という制度があり、引退した力士が協会に残って指導や運営に携わるための仕組みとして機能している。

年寄名跡は全部で105ある

日本相撲協会が管理する年寄名跡は105。2026年10月時点では、そのうち103の名跡が使用され、峰崎と出来山が空いている。

年寄名跡の数は、1927年に現在と同じ105となった。長い歴史のなかで継承されてきた伝統的な制度だ。

親方になるには名跡の襲名が必要

力士が引退したからといって、自動的に親方になれるわけではない。

日本相撲協会の定款第47条では、年寄名跡を協会が管理し、年寄資格審査委員会の審査結果に基づいて理事会が襲名を決定すると定めている。

また、名跡の継承や推薦に際して金銭などを授受することも禁止されている。いわゆる「親方株」という呼び方から自由に売買できる権利を想像する人もいるが、制度上は協会の管理下にある名跡だ。

親方になるためには、所定の資格基準を満たすことも必要になる。代表的な基準としては、横綱・大関経験、三役在位、幕内通算在位、関取通算在位など、現役時代の実績が設けられている。

ただし、部屋を継承する場合などには特例もあるため、単純に最高位だけで判断できる制度ではない。

名跡の継承と部屋の継承は別の問題

ここで押さえておきたいのが、親方の名跡を継ぐことと、相撲部屋を継ぐことは必ずしも同じではないという点だ。

2021年12月には、元稀勢の里の荒磯親方が二所ノ関を襲名することが協会から承認された。一方、当時の二所ノ関部屋は放駒親方(元玉乃島)が継承し、放駒部屋となった。

つまり、名跡と部屋の継承は、それぞれ別の手続きとして進められる場合がある。

この仕組みを理解しておくと、親方の名前が変わったニュースや部屋の師匠交代を正しく読み取れる。

【役職・所属部屋を解説】理事から部屋付き親方までの違い

相撲親方一覧写真

親方は全員が同じ仕事をしているわけではない。

協会の運営に携わる役員もいれば、相撲部屋で弟子の育成を中心に担当する親方もいる。テレビ中継で見かける親方の立場を知るには、協会内の職階と所属部屋の両方を確認する必要がある。

日本相撲協会の主な役職

2026年10月16日現在の公式職務分掌に基づく主な区分は次のとおり。

- 理事長: 日本相撲協会全体を統括する最高責任者。
- 理事: 協会の各部門を担当し、組織運営に携わる。
- 副理事: 各部門の副部長などを担当する。
- 役員待遇: 協会運営に関わる上位の職階。
- 委員: 審判部や指導普及部などの業務を担当する。
- 主任: 協会の各部署で担当業務に従事する。
- 委員待遇年寄・年寄: 協会の業務や指導などを担当する。
- 参与: 定年後の再雇用制度などによって協会に残る親方。

なお、委員待遇年寄は独立した区分として掲載されている。参与は通常の役員とは異なる立場で、65歳の定年後、再雇用によって70歳まで在籍する制度がある。

師匠と部屋付き親方は何が違う?

親方の所属部屋を見ると、同じ部屋に複数の年寄が在籍していることがある。

これは、相撲部屋に師匠と部屋付き親方がいるためだ。

師匠(部屋持ち親方)

相撲部屋の責任者として、弟子の育成や稽古の指導、部屋の運営を担う。部屋の看板となる存在であり、所属力士の成長にも大きな影響を与える。

部屋付き親方

師匠のもとで力士の指導や協会業務を担当する。現役時代に横綱や大関だった親方も多く、経験を生かした技術指導や後進の育成に携わっている。

2026年10月末の集計では、45人が部屋の師匠、58人が部屋付き親方だ。

所属部屋から親方の関係性を読み解く

例えば、八角部屋には八角親方だけでなく、元高見盛の東関親方、元隠岐の海の君ヶ濱親方、元北勝富士の大山親方などが所属している。

九重部屋では、九重親方(元千代大海)が師匠を務め、元北勝力の谷川親方や元千代の国の佐ノ山親方などが在籍している。

こうした所属関係を知ると、親方同士の指導体制や、現役時代から続く部屋のつながりも理解しやすくなる。

【写真で間違えない】親方の顔と名前を見分けるポイント

相撲中継では、親方が解説者として出演したり、土俵下で審判を担当したりする。現役時代の印象が強い人ほど、現在の年寄名と顔が結び付かないこともある。

顔写真と名前を照合する際には、次の3つの視点が役立つ。

1. 現役時代の四股名を手掛かりにする

最も簡単なのは、元力士としての四股名から調べる方法だ。

例えば、次のように検索すると人物を特定しやすい。

- 元北勝海なら八角親方
- 元千代大海なら九重親方
- 元稀勢の里なら二所ノ関親方
- 元琴ノ若なら佐渡ヶ嶽親方
- 元照ノ富士なら伊勢ヶ濱親方
- 元鶴竜なら音羽山親方

現役時代の知名度が高い親方は、引退後も以前の四股名で紹介される機会がある。

2. 顔写真だけでなく年寄プロフィールも見る

顔写真は人物を見分ける手掛かりになるが、名前の表記が変わっている場合はプロフィールまで確認したい。

日本相撲協会の公式プロフィールには、現役時代の四股名と年寄名の履歴が掲載されている。

特に、同じ名跡を別の親方が襲名した場合や、部屋の継承によって師匠が交代した場合には、古い写真と現在の名簿を混同しないことが大切だ。

3. 役職と所属部屋をセットで覚える

顔と名前を覚えるには、役職と所属部屋も一緒に整理するとよい。

例えば、八角親方なら理事長・八角部屋、九重親方なら役員待遇・九重部屋というように、複数の情報を組み合わせる。

写真だけを記憶するより、協会での立場や部屋の関係まで把握するほうが、ニュースや中継を見たときにも人物を判別しやすくなる。

【よくある質問】相撲親方一覧写真に関するFAQ

Q1:2026年現在、相撲の親方は全部で何人いますか?

A1:2026年10月31日時点の集計では103人です。年寄名跡は全部で105あり、峰崎と出来山の2つが空いています。人数は引退や襲名、定年などによって変動します。

Q2:相撲親方の顔写真はどこで確認できますか?

A2:日本相撲協会公式サイトの「協会員のご紹介」にある「年寄一覧」で確認できます。写真とともに年寄名、本名、役職、所属部屋、引退時の四股名が掲載されています。個別プロフィールでは経歴も確認できます。

Q3:八角親方は現役時代に誰だった人ですか?

A3:八角親方は第61代横綱・北勝海です。現在は日本相撲協会の理事長を務めています。

Q4:九重親方は千代の富士ですか、それとも千代大海ですか?

A4:2026年現在の九重親方は、元大関・千代大海です。元横綱・千代の富士は先代の九重親方であり、別の人物です。2016年に千代大海が九重部屋を継承しています。

Q5:二所ノ関親方と佐渡ヶ嶽親方は現役時代に誰だった人ですか?

A5:二所ノ関親方は元第72代横綱・稀勢の里、佐渡ヶ嶽親方は元関脇・琴ノ若です。どちらも現在は相撲部屋の師匠を務めています。

Q6:親方の名前は引退後に必ず変わるのですか?

A6:必ずしも同じタイミングで変わるわけではありません。年寄名跡の襲名や継承によって名前が変わる場合があり、横綱の特例などもあります。個別の年寄プロフィールにある年寄名履歴を見ると、過去の名前を確認できます。

2026年の相撲親方一覧を調べるなら、日本相撲協会の公式年寄一覧が基本資料となる。2026年10月末の集計では103人が在籍し、45人が部屋の師匠、58人が部屋付き親方として活動している。

特に覚えておきたいのは、八角親方(元北勝海)、九重親方(元千代大海)、二所ノ関親方(元稀勢の里)、佐渡ヶ嶽親方(元琴ノ若)の4人だ。それぞれ協会の役職や部屋の運営に関わっており、現在の大相撲を支える存在となっている。

親方の名前を調べるときは、顔写真だけでなく、年寄名・本名・現役時代の四股名・所属部屋を照合することが大切だ。加えて、名跡の継承や部屋の師匠交代という背景まで知れば、親方の経歴をより深く理解できる。

引退した元力士が親方としてどのような役割を担い、次の世代へ何を伝えていくのか。現役時代の活躍と現在の姿を重ね合わせることも、大相撲観戦の大きな楽しみの一つだ。

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小野寺 翔
トレンドリサーチャー 小野寺 翔
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アニメ・漫画の制作発表を担当。制作会社・出版社の公式告知と原作者コメントを確認してから記事化します。

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