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【懸賞金の歴史】昭和30年に現在につながる賞金制度が誕生

藤森 綾 藤森 綾 • 更新: • 公開: • 読了約 8 分
目次

大相撲の懸賞は、昭和30年に突然生まれた制度ではありません。その起源は古く、平安時代の宮廷行事にまでさかのぼります。

日本相撲協会の公式解説によると、懸賞の歴史には、時代ごとに異なる賞品や贈り物の文化が関係しています。

平安時代から昭和30年までの変遷

平安時代:米や布地が勝者に贈られた

宮中で行われた相撲節会では、勝った力士に米や麻・絹などの織物が贈られていました。現在のような現金ではなく、生活に役立つ品物が賞品だったのです。

武家時代:弓・矢・刀などが懸賞に

武家社会では、武士にとって価値の高い弓や矢などが懸賞として用いられました。

現在も千秋楽の最後の三番に関連して行われる「弓・弦・矢」の儀式には、当時の懸賞文化の名残があります。

江戸時代:纏頭(はな)と呼ばれる祝儀

江戸時代には、力士への祝儀として「纏頭(はな)」が盛んになりました。現在の懸賞金につながる、力士を金品で称える文化が広がった時代です。

明治42年(1909年):投げ纏頭が禁止

観客が土俵に向かって金品を投げる投げ纏頭が禁止されました。

昭和30年(1955年):現在の懸賞金制度の原型が成立

懸賞を一律1万円、または1万円以上の商品とする基準が定められ、現物支給から賞金形式への移行が進みました。

これが現在の懸賞制度につながっています。

2019年と2025年にも大きな変更

現代の懸賞制度も、時代に合わせて変化しています。

- 2019年9月場所:懸賞1本の金額を7万円に改定。
- 2025年5月場所:土俵上で渡す現金を3万円から1万円に変更。
- 2026年:1本7万円、勝ち力士の獲得分6万円という基本額を維持。

2019年の改定は日本相撲協会の公式案内に記載されており、2025年の変更は現金管理の安全性や事務負担への配慮によるものです。

伝統的な懸賞文化を残しながら、金額の配分や支給方法は現代の経済環境に合わせて調整されています。

【税金と納税充当金】懸賞金6万円はそのまま自由に使えるのか

懸賞金大相撲

懸賞金を考えるうえで、もう一つ理解しておきたいのが税金です。

懸賞金は力士の収入ですが、獲得した6万円がそのまま税引き後の純利益になるわけではありません。

懸賞金は原則として事業所得

国税庁の所得税に関する通達では、一般的な懸賞の賞金は、業務に関して受けるものを除き、一時所得の例として挙げられています。

一方、プロとして競技活動を行う力士がスポンサーから受け取る懸賞金は、税理士による2026年の解説でも事業所得として整理されています。

つまり、一般の懸賞応募で当選した賞金と、プロ力士が本場所で獲得する懸賞金は、税務上の扱いが異なるのです。

納税充当金とは何か

納税充当金とは、将来の税金の支払いに備えて、力士の獲得金額の一部を積み立てておく仕組みです。

日本相撲協会の2023年の公式解説では、懸賞1本7万円について、次の配分が説明されていました。

- 協会の事務経費:1万円
- 納税充当金:3万円
- 土俵上で受け取る現金:3万円

その後、2025年5月から現金が1万円に変更され、別口座への振込が5万円になりました。

したがって、2026年現在は、勝ち力士の獲得分6万円のうち、1万円を土俵上で受け取り、5万円を本人名義の別口座に振り込む方式です。

ここで注意したいのは、口座に振り込まれた5万円が、その時点で税金の支払いを完了した金額ではないことです。

納税充当金や積立金は、納税資金などを確保するための仕組みであり、実際の税額は所得や必要経費などを踏まえて計算されます。

大の里の4,188万円にも税金が関係する

2026年9月場所の大の里の獲得額4,188万円を例にすると、内訳は次のようになります。

- 懸賞獲得本数:698本
- 力士の獲得分:4,188万円
- 土俵上の現金分:698万円
- 別口座への振込分:3,490万円

これは698本すべてに勝ち、1本につき6万円を獲得した場合の配分計算です。

実際の税金は、ほかの所得や必要経費、各種控除などによって変わります。したがって、4,188万円をそのまま最終的な手取り収入と考えることはできません。

懸賞金の金額が大きい力士ほど、納税に向けた資金管理も重要になります。

【懸賞金大相撲】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:大相撲の懸賞金は1本いくらですか?

A1:2026年現在、1本70,000円(税込)です。日本相撲協会が1万円を事務手数料として受け取り、残る6万円が勝ち力士の獲得分になります。

Q2:懸賞金を獲得した力士は現金をいくら受け取れますか?

A2:2025年5月から、土俵上で受け取る現金は1本1万円です。残る5万円は本人名義の別口座に振り込まれます。合計の獲得額は6万円です。

Q3:企業が大相撲に懸賞を出すにはいくら必要ですか?

A3:1本7万円で、1場所15本以上が基本条件です。15日間に1本ずつ申し込む場合、最低費用は105万円(税込)となります。

Q4:懸賞金は勝った力士が全額もらえるのですか?

A4:企業が支払う7万円の全額ではありません。協会の手数料1万円を除いた6万円が勝ち力士の獲得分です。加えて、その金額から個人の税負担を考慮する必要があります。

Q5:2026年に最も多く懸賞金を獲得した力士は誰ですか?

A5:2026年9月場所の千秋楽時点では、大の里が698本、4,188万円で1位でした。安青錦が365本、2,190万円で続いています。

2026年11月現在、大相撲の懸賞金は1本7万円。勝ち力士の獲得分は6万円で、土俵上の現金1万円と本人名義の別口座への振込5万円に分かれています。

企業が懸賞を出す場合は、1場所15本・105万円が基本的な申し込み条件です。企業名は取組表や場内放送で紹介され、懸賞旗も土俵上に掲出されます。

2026年9月場所では大の里が698本、4,188万円を獲得し、懸賞金の歴史に新たな記録を刻みました。141社が申し込んだ同場所の懸賞掲出数も3,688本に達しています。

【プロの結論】

大相撲の懸賞金を正しく理解するには、次の3つを混同しないことが大切です。

1. 企業が支払う金額: 1本7万円。
2. 力士が獲得する金額: 1本6万円。
3. 土俵上で受け取る現金: 1本1万円。残る5万円は別口座への振込。

この違いを押さえれば、懸賞袋の厚みや獲得ランキングの数字の意味も、より正確に理解できます。

大相撲の懸賞は、力士への報酬であると同時に、企業による応援、地域とのつながり、伝統文化を支える仕組みでもあります。今後も懸賞本数や企業の参加状況、支給制度の変化に注目することで、土俵上の勝負とは違った角度から大相撲を楽しめるはずです。

主な参照資料:日本相撲協会「懸賞について」「大相撲クイズ」「大相撲懸賞手続のご案内」、日刊スポーツの2025年・2026年懸賞金関連報道、国税庁の所得税関連資料、税理士ドットコムの2026年税務解説。

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コンテンツディレクター 藤森 綾
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