エイジェック硬式野球部は、株式会社エイジェックグループが運営する社会人硬式野球チームです。2018年に創部され、栃木県を活動拠点として全国大会への出場を目指してきました。
創部当初から全国の強豪と肩を並べていたわけではありません。日本野球連盟(JABA)が2026年5月19日に掲載した特集記事では、チームの成長過程について、次のような実績が紹介されています。
- 2018年:チーム創部
- 2021年:都市対抗野球大会に初出場
- 2023年:社会人野球日本選手権大会に出場
- 2024年:都市対抗野球大会に出場し、本大会初勝利
- 2026年:第97回都市対抗野球大会で初のベスト4
2024年には都市対抗野球で歴史的な初勝利を挙げ、2026年には準決勝まで進出しました。全国大会での経験を着実に積み重ねていることが分かります。
2026年は北関東第1代表として本大会へ2026年4月に開催された栃木県予選では、エイジェックが全足利クラブを6対3で破り、6年連続7度目の優勝を達成しました。
続く北関東大会では、日本製鉄鹿島との第1代表決定戦を4対3で制しています。延長10回タイブレークにもつれ込む接戦を勝ち抜き、北関東第1代表として都市対抗本大会への出場を決めました。
この勝利は単なる予選突破ではありません。全国大会で上位を狙うチームとして、接戦をものにする力を示した重要な試合でした。
【山中繁監督の新体制】京橋幸多郎主将とチーム改革の中身

2026年1月1日付で監督就任
- 出身:大阪府枚方市
- 出身校:興國高校・同志社大学
- 前所属:トヨタ自動車
- 主な指導実績:社会人野球日本選手権2連覇
2026年シーズンの最大の変化は、山中繁監督の就任です。
山中氏はトヨタ自動車で現役選手として活動した後、同社野球部のヘッドコーチを2004~2005年、監督を2006~2008年に務めました。
指導者として特に注目されるのが、社会人野球日本選手権での実績です。
- 第78回都市対抗野球大会:ベスト8
- 第34回社会人野球日本選手権大会:優勝
- 第35回社会人野球日本選手権大会:優勝
日本選手権2連覇を経験した指導者が、創部9年目の若いチームに加わったことは、大きな転換点でした。2025年12月2日に就任が発表され、2026年1月から正式に指揮を執っています。
山中監督が重視する「基本の徹底」と主体変容山中監督の指導で注目したいのは、目先の勝利だけを追わないチームづくりです。
JABAの2026年5月の特集記事によると、就任直後に山中監督が課題として捉えたのは、選手の体力や力強さでした。
そこで、1月の練習では実戦形式を抑え、走り込み、体幹強化、素振りなどの基礎トレーニングを優先。強い球に振り負けない身体づくりに取り組みました。
また、変化球への対応や状況判断など、若いチームが抱えていた課題にも目を向けています。
指導理念の中心にあるのは「主体変容」です。
過去と性格は変えられなくても、意識と未来は変えられる。
選手自身が自分の課題を理解し、意識と行動を変えることを重視する考え方です。
技術指導をコーチ陣に任せ、監督自身は意識改革や組織づくりに重点を置く役割分担も特徴的です。山足達也コーチらの経験を取り入れ、チーム全体で選手を育てる体制を整えています。
京橋幸多郎が主将として掲げた「一心」背番号2・外野手
- 出身高校:星稜高校
- 出身大学:白鷗大学
- 2026年シーズン主将
2026年1月27日に発表された新体制では、京橋幸多郎が主将に就任しました。
新チームのスローガンは、「一心 こころをひとつに」です。
京橋主将は、選手個々の能力が高まる一方で、チームとして全員の気持ちを一つにすることが課題だったと説明しています。
選手とスタッフだけでなく、社員や地域住民、応援する人々も含めて同じ方向を向くチームを目指すという考え方です。
なお、都市対抗本大会では京橋主将がけがのため、髙岡佳将が主将代行を務めました。栃木県の大会結果報告でも髙岡は主将代行として紹介されています。京橋が主将でなくなったという意味ではなく、大会期間中の役割変更です。
【2026年最新メンバー・選手名鑑】注目選手と背番号を一覧紹介
エイジェック硬式野球部の選手を調べる際に確認したいのが、公式サイトのメンバー紹介です。
2026年11月2日現在の公式メンバー情報では、監督・コーチのほか、投手、捕手、内野手、外野手が登録されています。
投手一覧| 背番号 | 選手名 |
|---|---|
| 11 | 神山陽登 |
| 13 | 加藤慶大 |
| 14 | 金城乃亜 |
| 15 | 菊地竜雅 |
| 17 | 床枝魁斗 |
| 34 | 安藤幸太郎 |
| 37 | 橋本大昂 |
| 39 | 田村大也 |
| 46 | 谷内隆悟 |
| 47 | 山本翔斗 |
| 48 | 河北将太 |
| 56 | 髙清水慧吾 |
| 背番号 | 選手名 |
|---|---|
| 22 | 岡島颯 |
| 23 | 野口洋介 |
| 26 | 鈴木彪我 |
| 35 | 櫻内俊太 |
| 背番号 | 選手名 |
|---|---|
| 0 | 浦本大河 |
| 1 | 井戸本海里 |
| 3 | 秋山貫太 |
| 4 | 高木大輝 |
| 5 | 和田泰征 |
| 6 | 髙岡佳将 |
| 10 | 髙橋樹 |
| 20 | 東鉄心 |
| 27 | 杉谷慧 |
| 32 | 坪井洸之介 |
| 背番号 | 選手名 |
|---|---|
| 2 | 京橋幸多郎 |
| 7 | 片平吉信 |
| 8 | 草野里葵 |
| 9 | 渡辺凌矢 |
| 12 | 石神悠樹 |
| 24 | 恋田孝一朗 |
| 28 | 浜岡陸 |
| 29 | 小濃塁 |
1.谷内隆悟(投手)
背番号46。左投左打の投手で、鳥羽高校、同志社大学を経てエイジェックに所属しています。
都市対抗野球大会では大会優秀選手に選ばれました。加えて、11月14日開幕予定の2026アジアウインターベースボールリーグに出場するJABA選抜にも選出されています。
2.高木大輝(内野手)
背番号4。千葉明徳高校、国際武道大学を経て入部した内野手です。
都市対抗大会では遊撃手として大会優秀選手に選出。沖縄電力戦で同点適時打と勝ち越しの三塁打、東邦ガス戦では本塁打を記録するなど、攻撃面でも存在感を示しました。
3.京橋幸多郎(外野手)
背番号2。白鷗大学出身で、2026年シーズンの主将です。
選手の能力をチーム全体の力につなげることを掲げたリーダーであり、新体制の象徴的な存在です。
2026年10月には、エイジェックから2選手が侍ジャパンU-23日本代表に選出されました。
- 櫻内俊太:捕手
- 和田泰征:内野手
両選手は11月7日からニカラグアで開催予定の「ラグザス presents WBSC U-23野球ワールドカップ2026」に出場します。
また、谷内隆悟はJABA選抜として台湾で開催されるアジアウインターベースボールリーグに参加予定です。
都市対抗での個人表彰に加えて、若手選手が日本代表や選抜チームに選ばれている点も、2026年のエイジェックを評価する材料です。
【第97回都市対抗野球大会】栃木県勢初のベスト4と黄獅子旗の全貌
2026年8月26日から9月6日まで東京ドームで開催された第97回都市対抗野球大会。
エイジェックは小山市代表として出場し、4試合を戦いました。
結果は3勝1敗、ベスト4です。
特筆すべきは、勝ち上がった3試合のうち、2試合がタイブレークを制した試合だったことです。
4試合の結果を振り返る第1戦:沖縄電力に8対6で勝利(8月31日)
初戦は沖縄電力との対戦でした。
2回に4点を先制される苦しい展開でしたが、エイジェックは6回に追い上げ、8回には逆転。9回に同点とされたものの、延長10回に2点を奪い、8対6で勝利しました。
高木大輝が6回に同点の2点適時打、8回に勝ち越しの三塁打を放ったことが大きなポイントです。
第2戦:日本生命に8対4で勝利(9月2日)
2回に先制すると、3回と4回にも得点を重ねて試合を優位に進めました。
金原塁(日立製作所からの補強選手)が2本塁打を放ち、チームの8得点を引っ張りました。
日本生命も反撃しましたが、エイジェックがリードを守って8対4で勝利しています。
準々決勝:東邦ガスに4対3で勝利(9月4日)
ベスト4進出を懸けた一戦は、東邦ガスとの延長戦になりました。
9回まで3対3の同点。10回にエイジェックが勝ち越し、4対3で競り勝ちました。
高木大輝の本塁打も勝利に貢献しています。
準決勝:西濃運輸に2対3で惜敗(9月5日)
決勝進出を懸けた準決勝では、西濃運輸と対戦しました。
エイジェックは2点を追う展開から6回に追いつきましたが、9回に勝ち越し点を許し、2対3で敗退。
あと一歩で決勝というところまで迫ったものの、優勝への挑戦は準決勝で終わりました。
黄獅子旗と小野賞は何を意味する?今回の大会で獲得した賞は2つあります。
黄獅子旗
都市対抗野球大会で第3位に贈られるものです。準決勝まで進出したエイジェックは、チーム史上初のベスト4とともに、この黄獅子旗を獲得しました。
小野賞
大会を通じて顕著な活躍を見せたチームや個人などを表彰する賞です。
エイジェックは2試合のタイブレークを制し、最後まで粘り強く戦ったことが評価され、チームとして小野賞を受賞しました。
大会優秀選手には次の選手が選ばれています。
- 投手:谷内隆悟
- 遊撃手:高木大輝
- 外野手:髙橋樹
- 外野手:金原塁(日立製作所)
チームとしての表彰と、個人としての表彰を両方獲得したことは、2026年大会の大きな成果です。
【小山市代表への変更と日本選手権】2026年秋の重要な転換点
都市対抗野球大会の躍進を語るうえで、もう一つ押さえておきたいのが代表都市の変更です。
小山市・栃木市代表から小山市代表へエイジェックは従来、小山市・栃木市の2都市を代表するチームとして活動してきました。
2022年1月に栃木市を代表都市として追加申請し、2023年度の日本選手権、2024年度の都市対抗野球大会にも両市代表として出場しています。
しかし、2026年には地域連携をめぐる問題が発生しました。
エイジェック側の2026年7月22日の発表によると、都市対抗北関東大会で出場権を獲得した後、栃木市から本大会出場に必要な推薦状を発行しないとの通知を受けたといいます。
チーム側は栃木市に理由を確認し、同市からは民間企業との適切な関係の構築・維持のため、イベントや事業に関する支援を差し控えるとの回答があったと説明しています。
その結果、代表都市は次のように変更されました。
| 項目 | 変更前 | 変更後 |
|---|---|---|
| 代表都市 | 小山市・栃木市 | 小山市 |
| 変更日 | - | 2026年7月22日 |
| 公式手続き | 旧登録 | JABAが変更申請を受理 |
| 都市対抗本大会 | 出場権獲得済み | 小山市代表として出場 |
日本野球連盟も7月22日付で変更を正式に受理しています。
その後、9月8日にはエイジェック側が栃木市との連携見直しに関する説明を公表しました。2020年から続く球場整備やスポーツ振興の取り組みなどを挙げ、今後も市との協議を続ける姿勢を示しています。
一方で、栃木市側には市有施設の利用や民間企業との関係について独自の判断があります。球場の利用条件や地域との関係をめぐる協議は、競技成績とは別に注視すべき問題です。
日本選手権関東代表決定戦は東京ガスに1対2都市対抗ベスト4の勢いを日本選手権につなげられるかどうかも、2026年秋の大きな注目点でした。
エイジェックは第51回社会人野球日本選手権大会関東代表決定戦に出場し、10月1日に東京ガスと対戦しました。
試合の経過は次のとおりです。
- 2回表:高木大輝の適時三塁打でエイジェックが先制
- 7回裏:東京ガスの中尾勇介が本塁打を放ち同点
- 8回裏:東京ガスが勝ち越し
- 試合終了:エイジェック1対2東京ガス
エイジェックは9安打を記録しましたが、あと1点が届きませんでした。
特に注目したいのは、都市対抗で優秀選手に選ばれた高木大輝が、この試合でも先制打を放っていることです。主力選手の活躍は続いていたものの、最後までリードを守り切ることはできませんでした。
2026年10月31日に開幕した日本選手権本大会の関東代表12チームにも、エイジェックの名前はありません。
つまり、2026年は都市対抗で歴史的な成績を残した一方、日本選手権では本大会出場を逃したシーズンです。二大大会の両方で結果を残すという当初の目標には、まだ課題が残りました。
【評判・実力を客観検証】エイジェックは社会人野球の強豪なのか?
エイジェック硬式野球部の実力を判断するには、単にベスト4という結果だけでなく、チームの成長、個人の能力、全国大会での勝負強さを分けて考える必要があります。
実力を裏付ける4つのポイント1.都市対抗で栃木県勢初のベスト4
最も分かりやすい評価材料です。
社会人野球には長い歴史を持つ企業チームが多数存在します。そのなかで、創部から9年目のエイジェックが全国4強まで進んだことには大きな意味があります。
2.タイブレークを2度制した勝負強さ
沖縄電力戦と東邦ガス戦では、延長戦の接戦をものにしました。
一発勝負のトーナメントでは、投手交代や得点機での判断など、細かな試合運びが勝敗を左右します。2度のタイブレーク勝利は、チームの粘り強さを示す結果です。
3.大会優秀選手と日本代表選手の輩出
谷内隆悟と高木大輝が都市対抗の大会優秀選手に選出されました。
加えて、櫻内俊太と和田泰征は侍ジャパンU-23代表に選ばれ、谷内はJABA選抜にも選出されています。
チーム全体の結果だけでなく、個人単位でも評価されている点は見逃せません。
4.専用施設とスポーツ科学を活用する育成環境
JABAの特集記事では、エイジェックが専用グラウンド、室内練習場、トレーニング施設などを活用していることも紹介されています。
また、2026年の新体制発表では、社内に「ベースボールカンパニー」事業を立ち上げ、従来の支援型から自立型への転換を目指す方針が示されました。
競技力だけでなく、企業スポーツとして持続可能な運営を目指している点も特徴です。
一方で、残された課題は何か?評価をさらに高めるためには、2026年の日本選手権予選で見られた課題を克服する必要があります。
都市対抗では3試合に勝ちましたが、準決勝では西濃運輸に1点差で敗れました。日本選手権関東代表決定戦でも東京ガスに1点差で敗れています。
この2試合から読み取れるのは、全国上位の相手と互角に戦える一方で、最後の1点を争う場面では、さらに勝ち切る力が求められるということです。
山中監督が掲げてきた基礎体力の強化、変化球への対応、状況判断、組織的な試合運びが、今後も重要なテーマになります。
エイジェックの評判を判断する基準ネット上の評判だけでチームの実力を判断するよりも、次の指標を確認すると実態がつかみやすくなります。
- 全国大会の実績:都市対抗や日本選手権でどこまで勝ち進んでいるか
- 個人の評価:大会優秀選手や日本代表に選ばれているか
- 選手層:投手・捕手・内野手・外野手のバランスが取れているか
- 育成体制:指導者、練習施設、トレーニング環境が整っているか
- 組織運営:地域との関係や企業スポーツとしての持続性が確保されているか
これらを総合すると、エイジェックは2026年に全国上位の実力を証明したチームであり、今後さらに日本一を狙える組織へ成長するための段階に入ったと評価できます。
【エイジェック硬式野球部】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:エイジェック硬式野球部の2026年の監督は誰ですか?
A1:山中繁監督です。2026年1月1日付で就任しました。トヨタ自動車で監督を務め、社会人野球日本選手権2連覇を経験した指導者です。
Q2:2026年の主将は誰ですか?
A2:京橋幸多郎です。外野手として背番号2を付けています。都市対抗大会期間中はけがのため、髙岡佳将が主将代行を務めました。
Q3:エイジェックは都市対抗野球で優勝しましたか?
A3:2026年の第97回大会では優勝していません。準決勝で西濃運輸に2対3で敗れ、ベスト4となりました。黄獅子旗と小野賞を獲得しています。
Q4:エイジェック硬式野球部はどこの代表ですか?
A4:2026年7月22日以降は小山市代表です。それ以前は小山市・栃木市の共同代表として登録されていました。
Q5:谷内隆悟と高木大輝はどんな選手ですか?
A5:谷内隆悟は左投左打の投手、高木大輝は内野手です。2人とも第97回都市対抗野球大会の大会優秀選手に選ばれました。
Q6:2026年の社会人野球日本選手権には出場しますか?
A6:関東代表決定戦で東京ガスに1対2で敗れたため、2026年の日本選手権本大会への出場はありません。
Q7:エイジェック硬式野球部の2026年の注目選手は誰ですか?
A7:都市対抗で活躍した谷内隆悟、高木大輝に加え、侍ジャパンU-23代表に選ばれた櫻内俊太、和田泰征も注目選手です。
2026年のエイジェック硬式野球部は、山中繁監督の新体制のもと、創部以来の大きな飛躍を遂げました。
第97回都市対抗野球大会では、小山市代表として栃木県勢初のベスト4を達成。黄獅子旗と小野賞を獲得し、谷内隆悟、高木大輝ら個人の活躍も高く評価されました。
一方、日本選手権関東代表決定戦では東京ガスに1対2で敗れ、二大大会制覇への挑戦は翌シーズン以降に持ち越されています。
11月以降は、谷内隆悟のアジアウインターベースボールリーグ出場や、櫻内俊太、和田泰征のU-23ワールドカップ出場も注目材料です。
2026年はエイジェックが全国上位の強豪として存在感を示した年であり、次に問われるのはベスト4から日本一へ進めるかどうかです。
山中監督の組織改革、選手層の充実、地域との関係構築。この3つが今後のチームの成長を左右する要点になるでしょう。