東京五輪の男子日本代表を語るうえで欠かせないのが、NBA経験者とBリーグの主力選手が同じチームに集まった点です。
チームを率いたのは、アルゼンチン出身のフリオ・ラマスヘッドコーチ。2017年にJBAが就任を発表した人物で、2012年ロンドンオリンピックではアルゼンチン代表を4位に導いた実績を持っていました。
八村塁:日本の得点力を担ったNBAプレーヤー
#8 八村塁
- ポジション:SF
- 身長:203cm
- 所属:ワシントン・ウィザーズ
- 代表での役割:得点力と攻撃の中心
八村塁は、東京五輪代表の中でも特に大きな注目を集めた選手です。
ゴンザガ大学を経てNBA入りし、当時はワシントン・ウィザーズに所属。203cmのサイズとフィジカルを生かした攻撃は、日本代表にとって大きな武器でした。
東京五輪のスロベニア戦では34得点を記録。敗戦の中でも、世界トップレベルの相手に対抗できる得点能力を示しました。
また、開会式では渡邊雄太とともに日本選手団の旗手を務めたことでも知られています。
渡邊雄太:攻守を支えた206cmのオールラウンダー
#12 渡邊雄太
- ポジション:SF
- 身長:206cm
- 所属:トロント・ラプターズ
- 代表での役割:守備、リバウンド、攻撃のサポート
渡邊雄太は、NBAのトロント・ラプターズに所属していた日本代表の中心選手です。
206cmの身長を持ちながら、外角のシュートやボール運びにも対応できる点が特徴でした。守備面でも複数のポジションをカバーでき、八村と並ぶ重要な戦力でした。
また、東京五輪では田中大貴とともにダブルキャプテン体制を担いました。海外経験を持つ選手として、チームをまとめる役割も期待されていました。
富樫勇樹:167cmのポイントガード
#2 富樫勇樹
- ポジション:PG
- 身長:167cm
- 所属:千葉ジェッツ
- 代表での役割:司令塔、ゲームメーク
富樫勇樹の最大の特徴は、167cmという身長と、それを補って余りある技術力です。
ポイントガードとして、味方の動きを把握しながらパスを配給し、攻撃のリズムを作る役割を担いました。
206cmの渡邊雄太や203cmの八村塁と並ぶと、身長差は一目瞭然です。しかし、バスケットボールでは身長だけで試合を組み立てられるわけではありません。
富樫のようにボールを扱い、攻撃をコントロールできる選手がいることで、大型選手の能力も生かしやすくなります。
比江島慎:日本の得点力を支えたベテランガード
#6 比江島慎
- ポジション:SG
- 身長:191cm
- 所属:宇都宮ブレックス
- 代表での役割:シュート、ドライブ、攻撃の変化
比江島慎は、Bリーグの宇都宮ブレックスで活躍していたシューティングガードです。
191cmのサイズを持ち、ドリブルからの突破やシュートで得点を狙える選手でした。海外の大型選手と対戦する国際舞台でも、日本の攻撃に変化を与えられる存在です。
スロベニア戦では10得点を記録。アルゼンチンとの最終戦でもチームの攻撃を支えました。
馬場雄大:運動能力と突破力を生かしたフォワード
#18 馬場雄大
- ポジション:SF
- 身長:198cm
- 所属:メルボルン・ユナイテッド
- 代表での役割:速攻、突破、守備
馬場雄大は筑波大学出身で、海外リーグでもプレー経験を積んだフォワードです。
198cmの身長と優れた身体能力を生かし、速攻やゴールへのアタックでチームに勢いを与えました。
特にアルゼンチン戦では、八村塁に相手の守備が集中する状況で、自ら積極的に攻撃を仕掛けました。大会最終戦でチームへの貢献を強く意識したプレーを見せたことも、JBAの大会レポートに記録されています。
ギャビン・エドワーズ:インサイドを支えた帰化選手
#23 ギャビン・エドワーズ
- ポジション:PF
- 身長:206cm
- 所属:千葉ジェッツ
- 代表での役割:インサイド、リバウンド
エドワーズはアメリカ出身で、日本国籍を取得した選手です。
206cm、110kgという体格を生かし、ゴール下での競り合いやリバウンドなどを担当しました。
日本代表には、外国籍選手とは別に帰化選手の登録枠があり、2021年の最終選考ではエドワーズがその枠に入りました。
なお、スロベニア戦で肩を負傷し、アルゼンチン戦には出場できませんでした。チームは最終戦でインサイドの戦力を欠く状況にも直面しています。
そのほかの代表メンバー6名残る6選手も、それぞれ異なる役割を担っていました。
- ベンドラメ礼生(#9):ポイントガード。サンロッカーズ渋谷所属。186cm。
- 金丸晃輔(#14):シューティングガード。島根スサノオマジック所属。192cm。外角のシュート力が特徴。
- 田中大貴(#24):ポイントガード。アルバルク東京所属。192cm。渡邊雄太とともに主将を務めた。
- シェーファー・アヴィ幸樹(#32):センター。シーホース三河所属。206cm。インサイドを支えるビッグマン。
- 渡邉飛勇(#34):パワーフォワード。琉球ゴールデンキングス所属。207cm。チーム最長身。
- 張本天傑(#88):スモールフォワード。名古屋ダイヤモンドドルフィンズ所属。198cm。
この6人を含めた12名の編成によって、日本はガードからセンターまで各ポジションをそろえ、東京五輪に臨みました。
【東京五輪の試合結果】男子日本代表はスペイン・スロベニア・アルゼンチンと対戦

2021年の東京オリンピック男子バスケットボールは、12か国が3つのグループに分かれて予選ラウンドを戦う方式でした。
日本はグループCに入り、スペイン、スロベニア、アルゼンチンと対戦しました。
いずれも国際舞台で実績を持つ強豪国であり、日本にとって厳しい組み合わせとなりました。
予選ラウンド3試合の結果
2021年7月26日・第1戦
日本 77-88 スペイン
2019年FIBAワールドカップ優勝国との対戦。日本は最大24点差をつけられながら、最後まで追い上げました。
2021年7月29日・第2戦
日本 81-116 スロベニア
ルカ・ドンチッチを擁するスロベニアの攻撃力に苦戦。八村塁は34得点を記録しました。
2021年8月1日・第3戦
日本 77-97 アルゼンチン
決勝トーナメント進出を懸けた最終戦。日本は勝利をつかめず、3連敗で大会を終えました。
初戦の相手は、2019年FIBAワールドカップを制したスペインでした。
日本は77対88で敗れましたが、試合途中で大きく離された点差を縮め、最後まで粘り強く戦いました。
JBAの大会レポートでは、2006年の世界選手権でスペインに49点差をつけられた過去と比較し、国際舞台での日本の成長を示す試合として振り返られています。
スロベニア戦:八村塁が34得点を記録第2戦では、ルカ・ドンチッチを擁するスロベニアと対戦しました。
日本は81対116で敗れましたが、八村塁が34得点を挙げ、攻撃面で強い存在感を示しました。
一方、スロベニアの攻撃を止めきれず、失点が116点に達したことは大きな課題となりました。
また、この試合でギャビン・エドワーズが肩を負傷したことも、次戦に向けて痛手となりました。
アルゼンチン戦:3連敗で東京五輪を終える最終戦のアルゼンチン戦は、日本にとって決勝トーナメント進出の可能性を懸けた重要な試合でした。
日本は八村への厳しい守備に対し、馬場雄大や比江島慎らが攻撃を支えました。しかし、試合は77対97で敗戦。
結果として、日本はグループCで3戦全敗となり、決勝トーナメントには進めませんでした。
JOCのオリンピック記録では、男子日本代表の最終順位は11位と記録されています。
【2026年から振り返る】2021年の男子日本代表が残したもの
東京五輪の男子日本代表を評価する際、3連敗という結果だけを見ると、チームの実力を十分に理解できません。
日本はスペイン、スロベニア、アルゼンチンという強豪国と対戦し、世界トップレベルの選手たちとの力の差を直接経験しました。
一方で、NBAでプレーする八村塁と渡邊雄太が同時に代表入りしたことは、日本バスケットボール界にとって象徴的な出来事でした。
NBA組とBリーグ組が融合した代表チーム2021年の代表は、海外でプレーする選手と国内リーグで実績を積んだ選手が共存していました。
八村塁と渡邊雄太はNBAでの経験を持ち、馬場雄大はオーストラリアのメルボルン・ユナイテッドでプレーしていました。
一方、富樫勇樹、比江島慎、金丸晃輔らはBリーグを代表する選手でした。
この構成は、日本代表が国内リーグの実力者だけでなく、海外で競争してきた選手の経験も取り込もうとしていたことを示しています。
ただし、個々の選手の能力が高いことと、短期間で国際大会に対応できるチームを完成させることは別の問題です。
NBAや海外リーグでは、それぞれ異なる戦術やプレースタイルに慣れた選手が集まります。代表チームとして連係を築き、限られた準備期間で共通理解を作る必要がありました。
フリオ・ラマス体制が目指した国際競争力ラマスヘッドコーチは2017年から男子日本代表の指揮を執り、2019年FIBAワールドカップ、そして東京五輪を見据えてチームを強化してきました。
アルゼンチン代表をロンドン五輪4位に導いた経験を持つ指導者が、日本代表の強化に携わったことは、国際競争力を高めるうえで大きな意味を持っていました。
東京五輪での3連敗は、世界との距離を改めて示す結果となりましたが、強豪国との実戦を通じて、攻撃の組み立てや守備、リバウンドなどの課題も明確になりました。
2026年に2021年の代表を振り返る際には、最終順位だけでなく、どのような選手を集め、何を目指したチームだったのかという視点も欠かせません。
2021年の所属クラブと現在の所属クラブは区別する検索で間違いやすいのが、選手の所属クラブです。
例えば、八村塁は2021年当時ワシントン・ウィザーズ、渡邊雄太はトロント・ラプターズ、馬場雄大はメルボルン・ユナイテッドに所属していました。
また、金丸晃輔は候補18名の6月21日時点ではシーホース三河でしたが、最終メンバー発表の7月5日時点では島根スサノオマジックと記載されています。
つまり、同じ2021年の資料でも、確認する日付によって所属先が変わる場合があります。
過去の代表メンバーを調べる場合は、選考発表日、大会登録日、シーズン終了後の移籍情報を分けて確認することが、正確な情報を得るためのポイントです。
【よくある質問】バスケットボール男子日本代表の2021年メンバー
Q1:2021年の東京五輪男子バスケ日本代表は誰ですか?
A1:富樫勇樹、比江島慎、八村塁、ベンドラメ礼生、渡邊雄太、金丸晃輔、馬場雄大、ギャビン・エドワーズ、田中大貴、シェーファー・アヴィ幸樹、渡邉飛勇、張本天傑の12名です。JBAが2021年7月5日に発表しました。
Q2:2021年の男子日本代表で最も身長が低い選手は誰ですか?
A2:富樫勇樹です。身長は167cmで、背番号は2番、ポジションはポイントガードでした。
Q3:2021年の男子日本代表で最も身長が高い選手は誰ですか?
A3:渡邉飛勇です。身長は207cmで、背番号は34番、ポジションはパワーフォワードでした。
Q4:男子日本代表候補18名から落選した選手は誰ですか?
A4:竹内公輔、竹内譲次、辻直人、ライアン・ロシター、安藤誓哉、安藤周人の6名です。
Q5:八村塁と渡邊雄太は2021年当時どこのチームに所属していましたか?
A5:八村塁はNBAのワシントン・ウィザーズ、渡邊雄太はNBAのトロント・ラプターズに所属していました。
Q6:2021年の東京五輪で男子日本代表は何位でしたか?
A6:最終順位は11位です。予選ラウンドでスペイン、スロベニア、アルゼンチンに3連敗し、決勝トーナメントには進出できませんでした。
Q7:2021年の男子日本代表のヘッドコーチは誰ですか?
A7:アルゼンチン出身のフリオ・ラマス氏です。2017年に男子日本代表のヘッドコーチに就任し、東京五輪までチームを指揮しました。
2021年の東京オリンピック男子バスケットボール日本代表は、八村塁、渡邊雄太、富樫勇樹、比江島慎、馬場雄大ら12名で構成されたチームでした。
JBAの公式発表を基準に整理すると、最終メンバーは2021年7月5日に決定し、6月21日に公表された候補18名から6名が最終登録に入りませんでした。
帰化選手枠ではギャビン・エドワーズが選出され、田中大貴と渡邊雄太がダブルキャプテンを務めました。
東京五輪の結果は3戦全敗、最終順位11位。しかし、NBA選手を含む日本のトップ選手たちが世界の強豪と直接対戦した経験は、その後の日本バスケットボールを考えるうえでも重要な記録です。
2021年の代表メンバーを調べる際に押さえておきたいのは、次の3点です。
1. 選手名・背番号・身長・ポジションはJBAの7月5日付最終発表を基準にする。
2. 所属クラブは2021年7月5日時点の情報で確認する。
3. 大会結果はスペイン、スロベニア、アルゼンチンとの3試合と、最終順位11位をセットで把握する。
2026年から見ても、東京五輪の男子日本代表12名は、日本バスケットボールの国際競争力を振り返るうえで欠かせないメンバーです。
主な参考資料:日本バスケットボール協会(JBA)の2021年5月21日付代表候補18名資料、2021年7月5日付最終メンバー発表、東京2020男子日本代表大会レポート、日本オリンピック委員会(JOC)の大会記録、FIBA公式試合記録。