PES(ペス)は、RIP SLYMEのオリジナルメンバーとして活動してきた日本のHIP HOPアーティストだ。MCとしての存在感だけでなく、独特の言葉選び、柔らかなフロウ、メロディーを生かした楽曲制作でも知られている。
PESの公式プロフィールによると、音楽活動を始めたのは1994年。RIP SLYMEの結成期からグループを支え、2001年のメジャーデビュー以降、日本のヒップホップシーンでキャリアを積み重ねてきた。
特筆すべきなのは、活動領域の広さだ。本人の公式プロフィールでは、MCとしてのパフォーマンスに加え、作詞、作曲、楽曲プロデュース、グラフィックデザインまで手掛けるアーティストとして紹介されている。
PESの基本プロフィール| 項目 | 内容 |
|---|---|
| アーティスト名 | PES(ペス) |
| 主な活動ジャンル | HIP HOP |
| 音楽活動開始 | 1994年 |
| 主な所属・活動グループ | RIP SLYME |
| 担当領域 | MC、ラップ |
| 得意分野 | 作詞、作曲、楽曲プロデュース |
| その他の活動 | グラフィックデザイン、ソロライブ |
| 2026年の活動 | ソロ作品の制作、ライブ、コラボレーション |
RIP SLYMEは、4人のMCと1人のDJによる編成が特徴的なグループだ。
| メンバー | 主な役割 | グループ内での位置付け |
|---|---|---|
| RYO-Z | MC | グループを代表するラッパー |
| ILMARI | MC | 再集結に向けた話し合いを進めたメンバー |
| PES | MC | 作詞・作曲・プロデュースも担当 |
| SU | MC | オリジナルメンバー |
| DJ FUMIYA | DJ | トラック制作を担う中心人物 |
RIP SLYMEの魅力は、個々のメンバーの声やキャラクターが独立している一方、楽曲の中ではそれぞれが自然に連携する点にある。
PESの高音域を生かしたラップや軽快な言葉遊びは、グループの音楽性を形作る重要な要素だった。
また、PESはグループの楽曲を歌うだけの存在ではない。2025年の再集結を振り返るBillboard JAPANのインタビューでは、楽曲制作の初期段階から多数の曲を制作・提案していたことも明かしている。
この制作能力こそ、グループを離れた後もPESが音楽活動を続けられる大きな基盤になっている。
【脱退理由を徹底検証】2017年9月に何があった?2021年の本人説明

PESの脱退をめぐる問題で、最も重要なのは、実際に脱退した時期と、世間に公表した時期が異なるという点だ。
PESは2017年9月にRIP SLYMEと所属事務所を離れていた。しかし、ファンがその事実を知ったのは約4年後の2021年11月だった。
2017年9月:本人の判断でグループを離れる2021年11月1日、PESは自身の公式発信を通じて、過去の脱退について説明した。
その中で、本人は脱退の理由を次のように表現している。
「様々な理由から今後RIP SLYMEのメンバーとして活動を続けることが困難であると判断し、事務所とグループを辞めさせていただきました」
この説明から分かるのは、脱退が突然の活動休止や一時的な休業ではなく、本人が継続的なグループ活動は難しいと判断した結果だったことだ。
ただし、公式説明では「様々な理由」とされており、具体的な出来事や個別の原因がすべて明らかになったわけではない。
したがって、脱退理由を特定の一人の行動や単一の事件だけに結び付けることはできない。
2021年11月1日:脱退を公表した直接のきっかけでは、なぜ脱退から4年以上経過してから発表したのか。
PESの説明によると、公表のタイミングには、当時のメンバーによるInstagramライブが関係していた。
2021年10月8日、RYO-Z、ILMARI、DJ FUMIYAの3人がInstagramライブを実施。
PESは、その配信で自分ともう一人の元メンバーを呼ぶ話が出ていたことを知ったという。
PESは以前から、自分について話題にしてほしくないと伝えていたと説明している。
また、5人での活動を期待させるような発言があるたびに、自分のもとへ否定的な意見や質問が集まっていたことも明かした。
そこで本人は配信への参加をリクエストし、直接話そうとした。しかし、リクエストは承認されなかった。
この出来事をきっかけに、PESは自分の立場を公に説明する必要があると判断した。
2021年11月22日:残る3人も脱退を認めるPESの公表後、RYO-Z、ILMARI、DJ FUMIYAの3人もYouTubeチャンネル「リップチャンネル」で説明を行った。
3人は、PESが2017年に脱退したことを事実として認めた。
一方で、PESとの関係をめぐって報道された「いじめ」については否定。RYO-Zは、報道で言われているようないじめは一切なかったという趣旨の説明をしている。
また、脱退についてはメンバー全員にとってショックな出来事であり、本来はファンに速やかに報告すべきだったものの、グループの活動休止時期と重なってしまったことも説明した。
脱退理由について、何が事実として分かっているのか| 論点 | 確認できる内容 | 判断 |
|---|---|---|
| 脱退時期 | 2017年9月 | 本人・メンバー双方が認めている |
| 脱退理由 | 活動継続が困難と判断 | 本人の説明 |
| 公表が遅れた理由 | 複雑な事情、公表できる立場への迷いなど | 本人の説明 |
| メンバー間の関係 | 心理的な溝があったことを双方が示唆 | 発言から確認できる |
| いじめ疑惑 | 3人は一部報道の内容を否定 | 疑惑を確定事実として扱うことはできない |
| Instagramライブ問題 | PESの参加リクエストが承認されなかった | 双方の説明が報じられている |
重要なのは、PES本人の説明と、残る3人の説明を区別することだ。
PESはメンバーとの関係に傷ついた経験を語り、3人はそのようないじめはなかったと説明した。双方の発言は存在するが、すべての出来事の詳細が公開されたわけではない。
この問題を単純な加害者・被害者の構図に置き換えると、実際の経緯を見誤ることになる。
【時系列で整理】PESの脱退から5人再集結、2026年活動休止まで
PESとRIP SLYMEの関係は、脱退発表だけで終わったわけではない。
2024年の対話再開、2025年の5人での活動復帰、そして2026年3月の活動休止という流れを追うと、長年の関係がどのように変化したのかが見えてくる。
2024年2月:ILMARIとPESが再会を公表大きな転換点になったのが、2024年2月6日のILMARIとPESによるSNS投稿だった。
2人はそれぞれInstagramでツーショット写真を公開した。
ILMARIは、PESと約1年前から時々会って話し合っていたことを明らかにした。
一方、PESも、ILMARIを中心にメンバーと話し合いを続けていたと説明。
その中で、自分にも至らない点があったことや、お互いの間にボタンのかけ違いがあったことに気付いたと伝えた。
この発信は、2021年の脱退公表時に見られた緊張した関係から、対話による関係修復へ進み始めたことを示すものだった。
2025年4月:オリジナルメンバー5人で活動再開2025年4月4日、RIP SLYMEはオリジナルメンバー5人での活動再開を発表した。
参加メンバーは次の5人。
- RYO-Z
- ILMARI
- PES
- SU
- DJ FUMIYA
2022年から活動していた3人体制に、PESとSUが戻る形となった。
ただし、今回の再集結は無期限の活動再開ではない。
公式発表では、メジャーデビュー25周年の記念日である2026年3月22日までの約1年間、5人で活動すると説明されていた。
加えて、5人で再びコミュニケーションを取り、過去のメンバーそれぞれやチーム全体にあった至らない点、ボタンのかけ違いを整理したことが再集結の背景として語られている。
2025年4月16日:新曲「どON」をリリース再始動後の象徴的な作品が、新曲「どON」だ。
2025年4月16日に配信が始まったこの楽曲は、5人全員がそろった約9年ぶりの楽曲として発表された。
「どON」は、メンバーによる造語で、何かに夢中になっていることや、強くハマっている状態を表現している。
RIP SLYMEらしいマイクリレーと疾走感のあるトラックが特徴で、再集結を音楽として形にした作品になった。
5月にはミュージックビデオも公開され、5人の活動再開を印象付けた。
2026年3月22日:25周年公演をもって活動休止2026年3月20日から22日までの3日間、RIP SLYMEはTOYOTA ARENA TOKYOで「RIP SLYME 25th Anniversary GREATEST LIVE – Final Three Nights –」を開催した。
そして、メジャーデビュー25周年の記念日となる2026年3月22日をもってグループ活動を休止した。
ワーナーミュージックの発表でも、この公演が活動休止前のラストライブとして位置付けられている。
ここで注意したいのは、活動休止と解散は同じ意味ではないということだ。
公式発表はグループとしての活動休止を告知したものであり、解散を発表したわけではない。メンバーはそれぞれ自由なスタイルで音楽と向き合っていくとしている。
【2026年最新】PESは現在何をしている?ソロ活動と最新作品
2026年11月現在、PESはソロアーティストとして積極的に活動している。
RIP SLYMEの活動休止後に突然ソロへ転向したわけではない。グループ活動と並行してソロライブや楽曲制作、他アーティストとのコラボレーションを続けてきた。
その活動の方向性は、2026年3月15日に掲載されたローソンチケットの本人インタビューからも読み取れる。
PESが目指すソロライブは「バンドと一体になる音楽」インタビューでPESは、RIP SLYMEとソロではライブへの向き合い方が大きく異なると説明している。
RIP SLYMEでは5人で作り上げるグループの音楽を表現する一方、ソロでは自分自身が音楽全体を組み立てる必要がある。
現在のソロライブでは、DJとマイクを中心にしたヒップホップの形式だけでなく、バンドを背負った音楽性の高いステージを追求している。
本人は、ソロ活動について「カジュアルなPES」を見せたいという趣旨の話もしている。
この言葉は、グループ時代のPESとは異なる、より自然体のアーティスト像を示している。
2026年の注目作品「PES Part III」2026年7月6日には、最新EP「PES Part III」の配信がスタートした。
全5曲を収録した作品で、2024年に書きためていた楽曲のスケッチ4曲に、2026年のツアーに向けて制作した「So So」を加えた構成になっている。
収録曲は以下の通り。
| 曲順 | 収録曲 |
|---|---|
| 1 | So So |
| 2 | 夜風 |
| 3 | Play |
| 4 | カタコト |
| 5 | てな訳で feat. ratiff |
注目したいのは、収録曲すべての作詞・作曲をPES自身が担当している点だ。
単にラップを披露する作品ではなく、自身の言葉とメロディー、音楽的な方向性を一つにまとめた作品といえる。
また、EPに先行する形で2026年5月15日にシングル「So So」をリリース。7月6日にはミュージックビデオも公開された。
同曲ではPESがプロデュース、作曲、作詞を担当し、編曲にはYUricewineが参加している。
この制作体制からも、PESが自分の音楽を主体的に組み立てるクリエイターとして活動していることが分かる。
PES Tour 2026 PartⅢ:全国ライブハウスツアー2026年には、全国ライブハウスツアー「PES Tour 2026 PartⅢ」も開催された。
前年のソロワンマンツアー「魔法」から約1年を経て実施されたツアーで、全公演がバンドセットだった。
| 日程 | 会場 |
|---|---|
| 5月16日 | 渋谷WWW X |
| 6月5日 | 名古屋 ell. FITS ALL |
| 6月6日 | 大阪 Shangri-La |
| 6月26日 | 仙台 MACANA |
| 6月28日 | 松本 ALECX |
| 7月2日 | 福岡 BEAT STATION |
| 7月7日 | 恵比寿 LIQUIDROOM |
当初のツアーに加えて、渋谷WWW X公演の即日完売を受け、恵比寿LIQUIDROOMでの追加公演も決定した。
追加公演には、次のアーティストがスペシャルゲストとして参加した。
- Asakura(muque)
- Mummy-D(RHYMESTER)
- Bose(スチャダラパー)
特にMummy-Dは、前年にPESと「イケイケ・ア・ゴーゴー」で共演したアーティストでもある。
ソロ活動を通じて、世代やグループの垣根を越えた音楽的なつながりを広げている点も、2026年のPESの特徴だ。
Billboard Live「A LA CARTE」でも新しい試み2026年9月には、Billboard Liveで「A LA CARTE」を開催した。
東京公演は9月11日、大阪公演は9月18日。
この企画の特徴は、ソロ作品だけでなくRIP SLYMEの楽曲も含め、観客の聴きたい曲を中心にセットリストを組み立てることだ。
通常のツアーとは違う、観客参加型のライブ形式であり、PESがソロアーティストとして表現の幅を広げていることを示している。
バンドメンバーには横山裕章、マキノゲン、マツザカタクミ、若山雅弘らが参加した。
【今後の予定】PES公式ファンクラブとPULL UP '26を解説
2026年9月には、PESのオフィシャルファンクラブが開設された。
ソロ活動の情報発信やファンとの交流を強化する動きとして注目される。
PES公式ファンクラブは2026年9月1日スタート公式ファンクラブは「PES Official Fan Club」。
運営プラットフォームにはBitfanが採用されている。
PES Official Fan Club月額550円
税込・公式サイト発表の料金
無料コンテンツ
- NEWS
- SCHEDULE
会員限定コンテンツ
- VIDEOS
- LIVE STREAMING
- BIRTHDAY MESSAGE
- FCチケット先行
2026年9月1日開設。最新のサービス内容・会費は公式案内を確認。
ファンクラブの魅力は、ライブ情報を確認するだけではなく、会員限定の動画や生配信を通じてPESの活動を追える点にある。
今後もソロライブや新作のリリースが続くことを考えると、継続的に情報をチェックしたいファンにとって利用価値のあるサービスだ。
2026年12月28日「PULL UP '26」開催決定2026年9月12日には、年末のワンマンライブ「PULL UP '26」の開催が発表された。
PES「PULL UP '26」
2026年12月28日(月)
Zepp Shinjuku
開場17:30/開演18:30
チケット料金
| 席種 | 料金 |
|---|---|
| 指定SS席 | 12,000円 |
| 指定S席 | 8,500円 |
| 指定A席 | 8,000円 |
| スタンディング | 6,800円 |
すべて税込・別途1ドリンク代。SS席にはリハーサル鑑賞と限定グッズが付属。
今回の特徴は、SS席に用意された特別な特典だ。
- 最前列3列以内の座席確約
- リハーサル鑑賞
- 限定グッズ
SS席はファンクラブ先行・先行販売のみの特別席として案内されている。
2026年11月1日時点で、PESの年末を締めくくる重要なワンマンライブとして位置付けられている。
3月のRIP SLYME活動休止後も、PES自身の音楽活動が続いていることを象徴する公演になりそうだ。
【よくある質問】リップスライムのPESに関するFAQ
Q1:PESはいつRIP SLYMEを脱退した?
A1:2017年9月に脱退し、所属事務所も退社していた。ファンに向けて公表したのは2021年11月1日である。
Q2:PESの脱退理由はメンバーからのいじめだった?
A2:PESはメンバーとの関係について精神的に傷ついた経験を語っている。一方、RYO-Z、ILMARI、DJ FUMIYAの3人は2021年11月にいじめを否定した。双方の説明があり、脱退の具体的な原因すべてが公表されているわけではない。
Q3:PESは2025年にRIP SLYMEへ復帰した?
A3:復帰した。2025年4月から2026年3月22日までの約1年間、RYO-Z、ILMARI、SU、DJ FUMIYAとともにオリジナルメンバー5人で活動した。
Q4:RIP SLYMEは2026年3月に解散した?
A4:公式に発表されたのは解散ではなく活動休止。2026年3月22日の25周年記念公演をもってグループ活動を休止した。
Q5:PESは2026年現在もソロ活動をしている?
A5:活動している。2026年7月にEP「PES Part III」をリリースし、全国ツアーやBillboard Live公演なども開催した。
Q6:PESの次のライブはいつ?
A6:2026年12月28日にZepp Shinjukuで「PULL UP '26」が開催予定。開場17時30分、開演18時30分となっている。
Q7:PESの公式ファンクラブはある?
A7:ある。2026年9月1日に「PES Official Fan Club」が開設された。月額会費は税込550円で、会員限定動画や生配信、チケット先行などが用意されている。
【プロの結論】PESはRIP SLYME脱退を経てソロアーティストとして新章へ
リップスライムのPESをめぐる歩みは、2017年の脱退、2021年の公表、2024年の関係修復、2025年の5人再集結、そして2026年3月の活動休止という大きな転換点を経てきた。
特に注目すべきなのは、長年のメンバー間のすれ違いを経ても、再び5人で音楽を作るという選択に至ったことだ。2025年の「どON」は、その関係の変化を音楽として表現した象徴的な作品だった。
そして2026年のPESは、グループの看板だけに頼らないソロアーティストとして、新しい作品やライブを次々と発表している。「PES Part III」の全曲作詞作曲、全国ツアー、Billboard Live、公式ファンクラブの開設は、その活動が着実に広がっている証拠だ。
今後PESの情報を追う際には、次の3点を押さえておきたい。
1. RIP SLYMEの活動とPES個人の活動を区別すること。 グループ活動は休止しているが、PES個人の音楽活動は継続している。
2. 脱退理由は本人とメンバー双方の説明を確認すること。 一部報道の見出しだけで人間関係の全容を判断しないことが大切だ。
3. ライブと新作はPESの公式発表を基準に確認すること。 特に「PULL UP '26」や公式ファンクラブは今後の活動を追ううえで重要な情報源になる。
2026年12月28日の「PULL UP '26」は、PESがソロアーティストとして歩む現在地を体感できる大きな機会となる。RIP SLYMEの一員として築いたキャリアを土台に、PESがこれからどのような音楽を生み出していくのか。その次の展開にも期待したい。