2026年現在、障害のある兄弟姉妹を持つ「きょうだい児」の結婚をめぐっては、親亡き後の生活、将来的な介護負担、結婚相手や相手の家族への伝え方など、さまざまな悩みが存在します。恋愛や結婚を望んでいても、「自分が将来、兄弟姉妹の面倒を見なければならないのではないか」「結婚相手に家族の事情を受け入れてもらえるだろうか」と不安を抱き、婚活や交際に踏み出せない人もいます。
しかし、きょうだい児であることを理由に結婚を禁止する法律はありません。 一方で、民法上の兄弟姉妹間の扶養義務や、親が担ってきた生活支援を誰が引き継ぐのかという現実的な問題はあります。大切なのは、法律上の責任と家族から期待される役割、実際の介護負担を区別することです。
【結論】きょうだい児は結婚できない?法律上の制限と誤解を解説

最初に押さえておきたいのは、障害のある兄弟姉妹がいることと、本人が結婚できるかどうかは法律上、別の問題であるという点です。
きょうだい児というだけで結婚を禁止されることはない「きょうだい児」とは、障害や病気のある兄弟姉妹を持つ人を指す言葉です。子どもの時期だけでなく、成人してからも、恋愛、結婚、出産、仕事、親の介護などの場面で使われます。
日本の民法では、婚姻に関する条件が定められています。
2026年11月現在、主な規定は次のとおりです。
- 民法731条:婚姻できる年齢は男女ともに18歳以上。
- 民法732条:重婚は禁止。
- 民法734条:直系血族や三親等内の傍系血族間の婚姻は禁止。
ここで重要なのは、民法734条が禁止しているのは、結婚する当事者同士が一定の血族関係にある場合だということです。
例えば、兄弟姉妹同士の結婚は認められていません。しかし、結婚を希望する本人に障害のある兄や妹がいるという理由で、その本人の婚姻が禁止されるわけではありません。
また、法務省が説明する成年年齢の引き下げに伴い、2022年4月1日から婚姻開始年齢は男女とも18歳に統一されています。
したがって、きょうだい児だから婚姻届を提出できない、結婚に特別な許可が必要になるといった理解は誤りです。
(出典:e-Gov法令検索、法務省の民法改正に関する資料)
ただし、兄弟姉妹には民法上の扶養義務がある一方、結婚問題を複雑にしているのが民法877条です。
この条文では、直系血族と兄弟姉妹は互いに扶養する義務があると定められています。
つまり、障害のある兄弟姉妹を持つ人にとって、将来的な経済的支援について考える必要が生じる可能性はあります。
ただし、ここで注意したいのは、扶養義務があることと、同居して24時間介護を続けることは同じではないという点です。
民法879条では、扶養の程度や方法について当事者間で合意できない場合、扶養を受ける側の必要性や扶養する側の資力など、さまざまな事情を考慮して家庭裁判所が定めるとしています。
そのため、きょうだい児になった時点で、将来の生活や結婚を犠牲にして兄弟姉妹の介護を引き受けなければならないと決まるわけではありません。
法律上の扶養義務と、親から期待される介護、本人が実際に引き受けられる支援を分けて考えることが必要です。
(出典:e-Gov法令検索・民法877条、879条)
【なぜ結婚をためらう?】きょうだい児が抱える4つの悩み
きょうだい児が結婚を考えるとき、一般的な恋愛の悩みに加えて、家族に関する問題が重なります。
特に大きいのは、親亡き後の生活、介護負担、相手への説明、親や親族からの期待です。
1. 親亡き後に兄弟姉妹の面倒を見ることになる不安親が元気なうちは、障害のある兄弟姉妹の生活を両親が支えている家庭もあります。
しかし、親が高齢になったり、病気になったり、亡くなったりすると、これまでの生活をどう維持するかという問題が浮上します。
例えば、次のような不安です。
- 親が亡くなった後、兄弟姉妹の住む場所はどうなるのか。
- グループホームで暮らし続けられるのか。
- 日常生活の支援や通院の付き添いを誰が担当するのか。
- 生活費や医療費を誰が負担するのか。
- 緊急時に自分が呼び出されるのではないか。
特に、兄弟姉妹が一人しかいない場合、家族から自分に期待が集中するのではないかと考える人もいます。
結婚後に自分の家庭を持つことを考えると、配偶者にまで負担をかけてしまうのではないかという葛藤につながります。
2. 結婚相手に障害のある兄弟姉妹のことを伝えにくい恋愛中は家族の話題を自然に話せても、結婚が現実的になると、伝えることへの抵抗感が強くなる場合があります。
その背景には、相手の反応に対する不安があります。
例えば、次のような心配です。
- 障害のある兄弟姉妹がいることを理由に交際を断られないか。
- 結婚相手の親から反対されないか。
- 将来の介護を結婚条件にされないか。
- 自分の子どもへの遺伝を心配されないか。
- 結婚後に家族との付き合いを制限されないか。
日本財団ジャーナルが2022年11月9日に掲載したきょうだい児に関する取材記事でも、進学、恋愛、結婚、出産、介護という人生の節目に、兄弟姉妹の障害に関係する悩みが重なることが紹介されています。
同記事では、結婚相手に家族の事情を打ち明けることへの葛藤も取り上げられています。
結婚相手に伝えにくいのは、家族を恥ずかしいと思っているからとは限りません。自分の人生と家族の事情をどう両立させるか、答えが出ていないことも大きな理由です。
3. 親から家族の責任を期待されている親が直接「将来はあなたが面倒を見てほしい」と言わなくても、周囲からの期待によって心理的な負担が生まれることがあります。
例えば、地元を離れないでほしい、福祉関係の仕事に就いてほしい、兄弟姉妹の近くに住んでほしいといった要望です。
こうした期待が積み重なると、本人が進学先や就職先、結婚相手を自由に選びにくくなります。
ABEMA TIMESが2021年1月に取り上げたきょうだい児の特集では、親亡き後の兄弟姉妹の生活を考えて志望していた工学部を諦め、医療・福祉系の進路を選んだ男性の事例が紹介されました。
本人が希望する人生よりも、家族の将来を優先してしまう状況が具体的に表れています。
4. 自分の子どもへの遺伝を心配される障害のある兄弟姉妹がいる場合、結婚や出産の場面で遺伝について質問されることがあります。
ただし、障害の原因は一つではありません。
遺伝子や染色体に関係するもの、妊娠・出産時の要因によるもの、出生後の病気や事故によるもの、原因が特定できないものなどがあります。
したがって、兄弟姉妹に障害があるという事実だけで、自分の子どもにも同じ障害が生じると判断することはできません。
国立成育医療研究センターの遺伝診療科では、病歴や家族歴、検査などを踏まえた遺伝相談を実施しています。
遺伝に関する心配がある場合は、漠然とした不安や周囲の憶測ではなく、疾患ごとの医学的な情報を確認することが大切です。
(出典:国立成育医療研究センター、日本財団ジャーナル、ABEMA TIMES)
【当事者の体験談】きょうだい児でも結婚した人はいる?実際の事例を比較
きょうだい児の結婚を考える際、実際にどのような経験が語られているのかも参考になります。
ここでは、きょうだい支援サイトや報道で紹介された事例を整理します。
結婚できた人の体験談も公開されている障害のある兄弟姉妹を持っていても、結婚して家庭を築いている人はいます。
2018年に障害のある人の兄弟姉妹を対象としたウェブサイト「Sibkoto(シブコト)」に掲載された投稿では、自閉症の弟を持つ男性が、自身は結婚して10年になり、当時8歳と3歳の子どもがいることを紹介していました。
この投稿では、障害のある兄弟姉妹を持つ人から、結婚相手への説明方法や伝えるタイミングについて相談を受けることも紹介されています。
この事例から分かるのは、きょうだい児という立場が結婚そのものを不可能にするわけではないということです。
結婚相手の家族の反対で婚約が解消された事例一方、すべての人が順調に結婚できるわけではありません。
ABEMA TIMESが2021年に紹介した堀田弘明さんの事例では、自閉症の兄がいることを婚約相手の母親に伝えたところ、子どもへの遺伝を心配され、結婚に強く反対された経緯が取り上げられました。
報道によれば、相手の母親から子どもを持たないための手術を求める趣旨の発言まであり、最終的に婚約は解消されました。
これは一人の当事者の経験ですが、障害に対する誤解や偏見が結婚に影響する現実を示しています。
2026年にも婚活と家族への伝え方が語られている2026年4月13日には、Sibkotoに「きょうだい児婚活に悩む方へ」という投稿が掲載されました。
投稿者は、結婚相談所で活動する際に家族の事情をプロフィールに記載していた経験を紹介しています。
家族のことを最初から伝えることで、お見合いの数が減るという実感も記されています。
ただし、これは一人の投稿者による体験であり、きょうだい児全体の婚活結果を示す統計ではありません。
こうした事例からは、早い段階で伝えることによる心理的な安心と、相手の反応によって出会いの機会が変化する可能性の両方が見えてきます。
関係者ごとに考えるべき役割と責任きょうだい児の結婚問題は、本人だけで解決できるものではありません。家族、結婚相手、福祉関係者がそれぞれの役割を理解することが大切です。
| 関係者・制度 | 主な役割・関係 | 確認すべきこと |
|---|---|---|
| きょうだい児本人 | 自分の結婚や人生を選択する | 将来どこまで支援できるか |
| 障害のある兄弟姉妹 | 支援を受けながら生活する本人 | 本人の希望や必要な支援 |
| 両親 | 現在の生活支援や将来設計 | 親亡き後の住居・財産・支援体制 |
| 結婚相手 | 夫婦として将来を考える | 介護や経済的負担の範囲 |
| 市町村・相談支援専門員 | 福祉サービスや生活支援を調整する | 利用可能な制度と地域の支援 |
| 成年後見人等 | 財産管理や契約などを法的に支援する | 本人に必要な権利擁護の仕組み |
この関係を整理すると、兄弟姉妹の生活を支える役割を、きょうだい児一人に集中させる必要はないことが分かります。
【結婚相手への伝え方】いつ、何を話せばよい?具体的なポイント
きょうだい児にとって大きな壁になるのが、交際相手に家族の事情を伝えるタイミングです。
最初のデートで詳しい家族事情を説明する必要はありません。しかし、結婚を具体的に考える段階になったら、将来の生活に関係する情報を共有しておくことが望ましいでしょう。
伝えるときは病名だけでなく生活の実態を説明する相手に話す際、病名や障害の程度だけを伝えても、将来の生活はイメージしにくいものです。
次の4点を整理すると、話し合いが進めやすくなります。
1. 現在の状況: 兄弟姉妹の障害や日常生活で必要な支援。
2. 現在の支援体制: 親が担当していること、福祉サービスの利用状況。
3. 将来の見通し: 親亡き後の住居や生活費、支援者についての計画。
4. 自分の考え: 自分が協力できることと、引き受けることが難しいこと。
例えば、次のような説明が考えられます。
私には障害のある兄弟がいます。現在は家族や福祉サービスの支援を受けて生活しています。
将来的なことは心配していますが、私たちだけで介護を抱えるのではなく、行政や福祉の専門家にも相談しながら生活設計を考えたいと思っています。
私自身も結婚後の生活を大切にしたいので、どのような支援が必要になるのか、一緒に理解してもらえたらうれしいです。
大切なのは、相手に無条件で介護を引き受けてもらうような伝え方をしないことです。
同時に、将来のことをすべて自分一人で背負うと約束する必要もありません。
相手の親が反対した場合は理由を具体的に分ける結婚相手本人は理解していても、その親が反対するケースもあります。
反対の理由は、介護負担への不安、経済的な心配、障害に対する知識不足、遺伝に関する誤解など、さまざまです。
理由によって対応は変わります。
- 介護への不安:利用できる福祉サービスや将来計画を説明する。
- 経済的な不安:兄弟姉妹本人の収入や支援制度、資産管理を整理する。
- 遺伝への不安:必要に応じて遺伝カウンセリングを利用する。
- 障害への偏見:結婚相手本人がどのような考えを持っているか確認する。
特に注意したいのは、結婚を認める条件として不妊手術などを要求するようなケースです。
そのような要求を受け入れる必要はありません。身体に関する決定は本人の尊厳と自己決定に関わる問題です。
遺伝については専門家に相談する兄弟姉妹の障害が遺伝性疾患に関係するかどうかは、原因となる疾患や遺伝形式によって異なります。
国立成育医療研究センターでは、本人や家族の病歴、家族歴などを参考に遺伝相談を行っています。
また、日本医学会の「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」でも、遺伝カウンセリングは医学的情報だけでなく、心理的・社会的な影響を考慮するものとされています。
相手や相手の親が遺伝について心配しているなら、根拠のない説明で説得するのではなく、医学的な専門家に相談する方法があります。
【親亡き後の生活設計】きょうだい児だけに介護を背負わせない支援制度
親亡き後の問題は、結婚を考えるうえで避けて通れないテーマです。
ただし、現在の日本には、障害のある人の地域生活を支えるための複数の制度があります。
重要なのは、親が元気なうちから本人の希望を確認し、行政や福祉関係者と将来の生活を具体化しておくことです。
1. 障害福祉サービス厚生労働省が案内する障害福祉サービスには、日常生活や住まいを支える制度があります。
| 制度 | 支援内容 | 活用する場面 |
|---|---|---|
| 居宅介護 | 入浴・食事・家事などの支援 | 自宅での生活を続けたい場合 |
| 短期入所 | 短期間の施設利用や日常生活の支援 | 家族の病気や介護者不在への備え |
| 共同生活援助 | グループホームでの生活支援 | 家族と離れて地域で暮らしたい場合 |
| 計画相談支援 | サービス利用計画の作成や見直し | 必要な福祉サービスを整理したい場合 |
| 地域定着支援 | 地域生活を継続するための相談や緊急時支援 | 一人暮らしなどの生活を維持したい場合 |
これらのサービスは、障害の状態や本人の生活状況、自治体の支給決定などによって利用条件が異なります。
特にグループホームは、親亡き後の生活を考える際の選択肢の一つです。
ただし、グループホームに入居すればすべての問題が解決するわけではありません。本人に適した住環境や支援内容、費用、空き状況などを確認する必要があります。
(出典:厚生労働省「障害福祉サービスの内容」)
2. 地域生活支援拠点等親亡き後の問題に関連して、厚生労働省が整備を進めているのが「地域生活支援拠点等」です。
これは、障害のある人の重度化や高齢化、親亡き後を見据え、地域での生活を支える仕組みです。
主な機能には、次のようなものがあります。
- 日常的な相談対応
- 緊急時の受け入れや対応
- グループホームなどでの生活体験
- 地域生活への移行支援
- 福祉サービス事業者や関係機関との連携
特に重要なのが、家族が病気になったり、介護を続けられなくなったりした場合への備えです。
厚生労働省は、こうした機能を地域の複数の事業所や関係機関が分担して担う体制を示しています。
つまり、親が亡くなった後も、地域の支援ネットワークを通じて本人の生活を支えることが想定されています。
ただし、地域によって整備状況や利用できる支援内容は異なるため、市区町村への確認が必要です。
3. 成年後見制度障害のある兄弟姉妹が、判断能力の低下などによって財産管理や契約を自分で行うことが難しい場合には、成年後見制度を検討できます。
成年後見制度には、主に次の2種類があります。
法定後見制度
本人の判断能力が不十分になった後、家庭裁判所が成年後見人・保佐人・補助人などを選任する制度です。
任意後見制度
本人に十分な判断能力があるうちに、将来の支援を任せる人や代理してもらう事務を契約で決めておく制度です。
重要なのは、成年後見人が必ず兄弟姉妹になるわけではないという点です。
法務省の成年後見制度に関するQ&Aでは、家庭裁判所が本人の状況に応じて後見人等を選任すると説明されています。親族だけでなく、弁護士や司法書士、社会福祉士などの専門職、法人が選ばれる場合もあります。
また、成年後見人等の仕事は財産管理や契約などの法律的な支援が中心であり、一般に食事の世話や実際の介護を担当するものではありません。
この点を理解しておくと、親亡き後に誰が何を担うのかを整理しやすくなります。
(出典:法務省「成年後見制度・成年後見登記制度Q&A」)
4. 成年後見制度利用支援事業成年後見制度を利用する際には、申立て費用や後見人等への報酬が問題になることがあります。
厚生労働省の「成年後見制度利用支援事業」では、一定の条件を満たす人に対して、申立て費用や後見人等の報酬の全部または一部を助成する仕組みがあります。
対象条件や助成内容は自治体によって異なるため、基幹相談支援センターや市町村の障害福祉担当窓口で確認してください。
5. 親が元気なうちに準備したい6つのこと親亡き後の生活設計は、親が高齢になってから始める必要はありません。
早い段階から次の項目を整理しておくと、きょうだい児本人の結婚や仕事にも見通しが立ちやすくなります。
- 障害のある本人が希望する住まいを確認する。
- 現在利用している福祉サービスと担当者を整理する。
- 年金、預貯金、生活費、医療費などの資金計画を確認する。
- 緊急時の連絡先や医療情報を共有できるようにする。
- 成年後見制度や任意後見制度の必要性を専門家に相談する。
- 親族だけでなく、自治体や福祉事業者を含めた支援体制を作る。
特に大切なのは、障害のある本人の意思を確認することです。
親やきょうだい児が一方的に将来の生活を決めるのではなく、本人がどこで、誰と、どのように暮らしたいのかを中心に考える必要があります。
【プロの結論】きょうだい児の結婚を決めるのは家族の事情ではなく本人の意思
きょうだい児の結婚問題を考えるとき、最も注意したいのは、家族への責任を理由に本人の人生を制限してしまうことです。
障害のある兄弟姉妹を大切に思う気持ちと、自分自身の結婚や家庭を大切にする気持ちは両立できます。
そのためには、次の3つの判断基準が役立ちます。
判断基準1:結婚後に必要な支援を具体的に説明できるか「将来どうなるか分からない」という状態のままでは、結婚相手も不安を感じます。
現在の支援状況や、親亡き後に利用できる制度、今後検討することを整理しておくと、話し合いが進みやすくなります。
判断基準2:結婚相手が家族の事情を一緒に考えられるか障害のある兄弟姉妹がいるという理由だけで相手を評価するのではなく、相手本人がどのような価値観を持っているかを確認しましょう。
特に、将来の介護や経済的な問題を一方的に押し付けるのではなく、現実的な役割分担を話し合えることが大切です。
判断基準3:自分の人生を犠牲にすることを前提にしていないかきょうだい児だからといって、進学、就職、恋愛、結婚を諦める必要はありません。
兄弟姉妹を支える方法には、直接介護だけでなく、行政への相談、福祉サービスの調整、必要な連絡や手続きへの協力など、さまざまな形があります。
自分にできることと難しいことを区別し、無理のない関係を作ることが重要です。
親の希望と本人の希望が異なる場合も、親の不安をそのまま本人の人生の義務に置き換えてはいけません。
家族全体で専門家に相談し、親亡き後の生活を仕組みとして準備することが、結果的にきょうだい児の結婚や将来の安心にもつながります。
【きょうだい児の結婚できない問題】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:きょうだい児であることを理由に結婚を断られることは法律上ある?
A1:きょうだい児であることを理由に結婚を禁止する法律はありません。結婚相手の家族が反対するケースはありますが、家族の障害を理由に婚姻そのものが法律上制限されるわけではありません。
Q2:親が亡くなったら、障害のある兄弟姉妹を必ず自分で介護しなければならない?
A2:民法877条では兄弟姉妹間の扶養義務が定められています。ただし、同居や24時間の直接介護を一律に義務付けるものではありません。扶養の程度や方法は本人の必要性、扶養する側の資力などを踏まえて判断されます。障害福祉サービスやグループホーム、成年後見制度なども検討できます。
Q3:障害のある兄弟姉妹がいると、自分の子どもにも障害が遺伝する?
A3:必ず遺伝するわけではありません。障害の原因によって遺伝との関係は異なります。心配な場合は、家族歴や疾患の診断情報を整理し、遺伝診療科や遺伝カウンセリングの専門家に相談してください。
きょうだい児は結婚できないという考え方は、法律上の事実ではありません。
確かに、障害のある兄弟姉妹を持つ人には、親亡き後の生活、扶養義務、介護負担、結婚相手への説明など、特有の悩みがあります。
しかし、これらの問題は、本人が結婚を諦めなければ解決できないものではありません。
2026年現在、障害福祉サービス、グループホーム、地域生活支援拠点、成年後見制度など、家族以外の支援を組み合わせる選択肢があります。
親が元気なうちから将来設計を進め、障害のある本人の意思を尊重しながら、家族と福祉関係者が役割を分担することが大切です。
きょうだい児であることは、その人の人生すべてを決めるものではありません。
兄弟姉妹を大切にすることと、自分自身が幸せな結婚生活を築くこと。その両方を実現できるよう、家族だけで抱え込まない支援体制を整えていくことが、これからのきょうだい児支援に求められています。