1991年生まれの女子長距離ランナー、伊澤菜々花選手。愛知県の豊川高校時代に全国高校駅伝で3年連続区間賞を獲得し、順天堂大学でも全日本大学女子駅伝の区間賞に輝くなど、学生時代から高い実力を発揮してきた選手だ。
しかし、実業団時代には故障や思うような成績を残せない苦しい時期が続き、2021年末に一度は現役を引退。その後、順天堂大学大学院でコーチを務めたものの、競技への思いを断ち切れず、2024年にスターツ陸上競技部で現役復帰を果たした。復帰後は駅伝やトラック競技で結果を残し、2026年1月25日の大阪国際女子マラソンでは2時間27分45秒の自己ベストで8位に入っている。
2026年10月のプリンセス駅伝では故障明けの難しい状況で出走。再び大舞台に挑む伊澤選手の歩みには、競技を続けることの難しさと、年齢を重ねても成長できる可能性が表れている。
【プロフィール】伊澤菜々花の年齢・出身・所属チームは?

プロフィール情報:スターツ陸上競技部公式メンバー紹介、東愛知新聞
伊澤菜々花選手は、愛知県出身の女子長距離ランナー。豊橋市出身としても知られ、高校時代から全国レベルの大会で活躍してきた。
スターツ陸上競技部の公式プロフィールによると、1991年生まれで、2024年に同社へ入社。現在はエスティーメンテナンス株式会社の千葉メンテナンス部に所属しながら、実業団選手として競技を続けている。
| 項目 | プロフィール |
|---|---|
| 名前 | 伊澤菜々花 |
| 読み方 | いざわ・ななか |
| 生年 | 1991年 |
| 2026年1月時点の年齢 | 34歳 |
| 出身 | 愛知県 |
| 出身高校 | 豊川高校 |
| 出身大学 | 順天堂大学 |
| 大学院 | 順天堂大学大学院 |
| 所属 | スターツ陸上競技部 |
| 入社年 | 2024年 |
| 主な競技 | 長距離・マラソン |
伊澤選手の競技力を理解するうえで注目したいのが、トラックからロードまで幅広い種目で記録を持っている点だ。
スターツ陸上競技部が公開しているプロフィールでは、次の記録が自己ベストとして掲載されている。
| 種目 | 自己ベスト |
|---|---|
| 1500m | 4分21秒36 |
| 3000m | 8分56秒33 |
| 5000m | 15分14秒29 |
| 10000m | 31分37秒27 |
| ハーフマラソン | 1時間08分25秒 |
| マラソン | 2時間27分45秒 |
特に注目したいのは、ハーフマラソン1時間08分25秒とフルマラソン2時間27分45秒という記録だ。短い距離で培ったスピードを、長距離でも発揮できることが分かる。
【学生時代の実績】豊川高校から順天堂大学へ!全国区の選手に成長
豊川高校時代は全国高校駅伝で3年連続区間賞伊澤選手の競技人生を語るうえで欠かせないのが、愛知県の豊川高校時代だ。
高校時代から女子長距離の有力選手として活躍し、2009年の全国高校駅伝では1区を担当。3年連続となる区間賞を獲得した。
当時の豊川高校は全国高校駅伝で優勝を争う強豪校だった。2008年、2009年と連覇を達成したチームの中で、伊澤選手は序盤の流れを作る重要な役割を担っていた。
また、2009年のインターハイ女子3000mでも優勝。記録は9分15秒65だった。
高校駅伝だけでなく、トラック競技でも全国トップクラスの実績を残していたことが分かる。
順天堂大学時代は全日本大学女子駅伝で区間賞高校卒業後は順天堂大学へ進学。大学でも長距離競技を続け、2010年には関東学生陸上競技選手権大会の5000mで優勝した。
加えて、大学4年時の2013年には全日本大学女子駅伝で5区を担当。9.2kmを29分53秒で走り、区間賞を獲得している。
同年には国際千葉駅伝の日本学生選抜代表にも選ばれた。
高校時代の実績が一時的なものではなく、大学に進んでも全国レベルの競技力を維持していたことは、伊澤選手の大きな強みだ。
【引退理由を検証】2021年に競技を離れたのはなぜ?
伊澤選手のキャリアで大きな転換点となったのが、2021年末の現役引退だ。
高校・大学時代に華々しい実績を残した選手が、なぜ競技生活を終える決断をしたのか。
その背景には、実業団時代の故障、成績不振、そしてマラソンへの挑戦で直面した挫折があった。
実業団のユニバーサルエンターテインメントで苦戦順天堂大学卒業後、伊澤選手はユニバーサルエンターテインメントのアスリートクラブで競技を続けた。
ところが、実業団に入って間もなく疲労骨折を経験。約1年間、思うように走れない時期を過ごした。
競技に復帰してからも、学生時代のような結果を残せず、本人にとって苦しい時間が続いたという。
加えて、マラソンで結果を残したいという目標を持って海外にも挑戦した。
2021年10月のシカゴマラソンでは、2時間55分13秒で62位。目標としていた2時間30分切りには大きく届かなかった。
東愛知新聞の取材記事によると、伊澤選手は結果を出すと約束して送り出してくれた会社への申し訳なさを感じ、30歳で現役引退を決意した。
つまり、引退の背景は単純な年齢や競技への興味の喪失ではない。故障と成績不振が重なり、自分の競技人生と向き合った末の決断だった。
引退後は順天堂大学大学院でコーチに競技を離れた伊澤選手は、母校の順天堂大学大学院に進学。その後、陸上競技部の女子中長距離部門でコーチを務めた。
現役選手として走る立場から、学生を支える指導者へと役割が変わったのである。
当初は学生たちが努力する姿を見るだけで十分だと考えていたという。
しかし、学生と一緒に走る機会を持つ中で、再び走る楽しさを感じるようになった。
特に、トラックを走る学生たちの笑顔を見たことが、自分自身も競技を続けたいという気持ちにつながったと東愛知新聞は報じている。
引退後に指導者として過ごした経験は、単なる空白期間ではなかった。競技を別の角度から見つめ直す時間になったと考えられる。
【2024年現役復帰】スターツ陸上競技部で再出発!復活までの経歴
伊澤選手は2024年4月、スターツ陸上競技部に入部し、現役選手として再スタートを切った。
復帰を決めた理由は、競技を完全にやり切ったという実感がなかったからだ。
東愛知新聞の取材では、もう一度競技に挑戦しなければ後悔するという思いが、復帰を後押ししたことが紹介されている。
復帰にあたって掲げた目標は、世界の舞台で日本代表として戦うことだった。
復帰直後から順調だったわけではないスターツ加入後、最初から結果が出たわけではない。
加入から約2週間で肉離れを経験し、7月ごろまで本格的な練習ができない時期が続いた。
それでも練習量を少しずつ増やし、秋にはトラック競技で自己記録を更新。加えて、10000mやハーフマラソンでも自己ベストを塗り替えた。
2024年の主な転換点を整理すると、次のようになる。
伊澤菜々花の年代別キャリア・主な実績復帰後の大きな成果が、2024年10月20日のプリンセス駅伝だ。
伊澤選手は1区7kmを22分33秒で走り、区間1位を獲得した。
これは現役復帰後の駅伝で存在感を示した重要な結果だった。チームのスターツも総合15位でクイーンズ駅伝への出場権を獲得している。
その後、2024年12月には山陽女子ロードレース大会のハーフマラソンで1時間08分25秒を記録。3位に入り、日本歴代10位に相当する好記録を残した。
さらに2025年10月のプリンセス駅伝では3区を担当し、14位でたすきを受け取ってから13人を抜く快走を披露。区間賞を獲得した。
なお、プリンセス駅伝の区間賞は2024年が1区、2025年が3区であり、異なる区間で結果を残している。
【2026年最新成績】大阪国際女子マラソンで2時間27分45秒!自己ベスト更新
2026年の伊澤選手を語るうえで外せないのが、1月25日に開催された第45回大阪国際女子マラソンだ。
伊澤選手はこの大会で2時間27分45秒を記録し、8位でフィニッシュした。
これは本人のマラソン自己ベストであり、2025年の初マラソンから大きく記録を縮めた結果でもある。
2025年の初マラソンから1分43秒短縮伊澤選手のマラソン挑戦は、2025年1月の大阪国際女子マラソンから本格化した。
初マラソンでは2時間29分28秒で8位。初挑戦ながら先頭集団でレースを進めたが、後半に失速した。
2026年の大会では再び8位となったものの、タイムは2時間27分45秒まで向上している。
| 大会 | 記録 | 順位 |
|---|---|---|
| 2025年大阪国際女子マラソン | 2時間29分28秒 | 8位 |
| 2026年大阪国際女子マラソン | 2時間27分45秒 | 8位 |
1年間で1分43秒の自己ベスト更新となった。
一方、2026年大会では15km付近から先頭集団に遅れ、後半は苦しい展開となった。日本人5番手でゴールし、2027年秋開催予定のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の出場権も逃している。
日刊スポーツによると、弘山勉監督は大会前に思うような練習ができなかったことを課題として挙げた。
記録を更新したことと、目標としていた結果を得られなかったこと。この2つを分けて考える必要がある大会だった。
2026年10月のプリンセス駅伝では故障明けで出場2026年の最新成績を確認するうえでは、10月18日のプリンセス駅伝も重要だ。
伊澤選手はスターツの3区、10.7kmを担当。記録は36分38秒で、区間16位だった。
チームは2時間20分56秒で総合11位となり、11月のクイーンズ駅伝への出場権を獲得した。
今回の走りは、前年の区間賞とは異なる厳しい結果だった。
スターツ公式レポートによると、伊澤選手は夏からの故障が長引き、駅伝前の練習期間はわずか2週間。本人も練習の消化具合は3~4割程度だったと説明している。
本人はレース後、練習を継続して自信をつけたうえでスタートラインに立つことの大切さを改めて感じたとコメントしている。
これは2026年の競技状況を理解するうえで見逃せない情報だ。
1月には自己ベストを更新した一方、秋には故障の影響で本来の力を発揮できなかった。現在は競技を離れたわけではなく、次の大会に向けて状態を整えている段階にある。
【強さの理由を分析】伊澤菜々花が引退後に再び成長できた背景
伊澤選手のキャリアには、学生時代の成功、実業団での挫折、引退、そして復帰後の自己ベスト更新という大きな変化がある。
その中で、なぜ復帰後に再び成長できたのか。競技実績から読み取れる要点は3つある。
1. トラック競技でスピードを磨き直したマラソンは長時間走り続ける持久力だけでなく、レース後半までスピードを維持する能力も必要になる。
伊澤選手は復帰後、マラソンだけに集中するのではなく、5000mや10000mなどのトラック競技でも自己記録の更新を重ねた。
2025年には日本選手権5000mで15分24秒76を記録して6位。ホクレン・ディスタンスチャレンジの3000mでは8分56秒33の自己ベストを出している。
また、2025年の全日本実業団対抗陸上競技選手権大会では10000mで32分32秒82を記録し、5位、日本人トップとなった。
こうしたトラックでの強化が、マラソンの記録向上を支える土台になっている。
2. 指導者としての経験を競技に生かした引退後に順天堂大学大学院へ進み、コーチとして学生を指導した経験も重要だ。
現役時代は自分の記録や結果を追い求める立場だったが、指導者になれば選手の状態や練習内容を客観的に考える必要がある。
自分以外の選手を支える立場を経験したことで、練習や競技に対する考え方にも変化が生まれたと考えられる。
復帰後は、以前のように結果を急ぐだけではなく、継続して練習を積み重ねることを重視している。
RUNNETのインタビューでも、無理に追い込みすぎず、故障せずに練習を継続することや、走ること自体を楽しめている点が成長の要因として紹介されている。
3. 年齢を重ねても競技力を伸ばせることを証明した伊澤選手は1991年生まれ。2026年1月の大阪国際女子マラソンでは34歳だった。
一般的に陸上長距離では若い選手の活躍が注目されやすいが、伊澤選手は復帰後に複数の種目で自己ベストを更新している。
ここで重要なのは、単純に年齢を重ねても走れるという話ではない。
高校・大学時代に培った基礎的な走力に、実業団での経験、引退後の指導経験、復帰後の練習の積み重ねが加わったことが、現在の競技力につながっている。
一度引退した選手が、再び競技の最前線で自己ベストを更新することは簡単ではない。
伊澤選手の歩みは、競技人生を一度終えた後でも、適切な環境と継続的な取り組みによって新しい目標に挑戦できることを示している。
【よくある誤解を整理】伊澤菜々花に関するよくある質問(FAQ)
Q1:伊澤菜々花の年齢は何歳ですか?
1991年生まれです。2026年1月25日の大阪国際女子マラソン出場時は34歳でした。スターツ公式プロフィールでは生年が1991年と公表されています。
Q2:伊澤菜々花が引退した理由は何ですか?
実業団時代の疲労骨折や成績不振、海外マラソンで目標を達成できなかったことなどが背景にあります。2021年末に引退し、順天堂大学大学院でコーチを務めました。
Q3:伊澤菜々花はいつ現役復帰しましたか?
2024年4月です。スターツ陸上競技部に入部して競技に復帰しました。同年10月のプリンセス駅伝では1区区間賞を獲得しています。
Q4:伊澤菜々花のマラソン自己ベストは何時間ですか?
2026年1月25日の大阪国際女子マラソンで記録した2時間27分45秒です。大会順位は8位でした。
Q5:伊澤菜々花は2026年現在も現役ですか?
はい。2026年10月18日のプリンセス駅伝にもスターツの選手として出場しています。3区で36分38秒、区間16位という結果でした。チームは総合11位でクイーンズ駅伝への出場権を獲得しています。
伊澤菜々花選手は、豊川高校時代の全国高校駅伝3年連続区間賞、順天堂大学時代の全日本大学女子駅伝区間賞など、学生時代から輝かしい実績を残してきた長距離ランナーだ。
一方、実業団では故障や成績不振に苦しみ、2021年末に現役を引退。その後、順天堂大学大学院で指導者を経験し、2024年にスターツ陸上競技部で競技復帰を果たした。
復帰後はプリンセス駅伝で2年連続区間賞を獲得し、トラック競技でも自己ベストを更新。2026年1月の大阪国際女子マラソンでは2時間27分45秒という自己ベストを記録した。
ただし、2026年10月のプリンセス駅伝では故障明けの影響もあり、区間16位という結果に終わっている。現在は再び練習を積み重ね、競技力を取り戻していく段階だ。
伊澤選手の今後を追う際に注目したいのは、次の3点である。
- マラソンの記録更新: 2時間27分45秒からさらなるタイム短縮を実現できるか。
- 故障からの回復: 継続して練習を積めるコンディションを取り戻せるか。
- クイーンズ駅伝での走り: スターツの主力選手として、どのような結果を残すか。
一度は競技人生に区切りをつけながら、再び世界を目指して走り始めた伊澤菜々花選手。2026年の自己ベスト更新は大きな成果だが、秋の故障という新たな課題にも直面している。
高校時代の実績だけでなく、引退後の経験と復帰後の挑戦まで含めて見ると、伊澤選手の本当の魅力が見えてくる。次のレースでどのような走りを見せるのか、引き続き注目したい。