2026年11月現在、元UFC二階級制覇王者のヘンリー・セフードは、総合格闘技(MMA)の現役生活に区切りをつけた後も、レスリングとボクシングの舞台で競技を続けている。2025年12月のUFC 323でペイトン・タルボットに敗れ、UFCからの引退を表明。その後はレスリング団体RAF(Real American Freestyle)に復帰し、2026年8月にはメラブ・ドバリシビリを相手にフォール勝ちを収めた。さらに9月26日には、ジャボン・ウォルトンとのプロボクシングデビュー戦にも勝利している。
注目は、引退後も単に競技を続けているだけではない点だ。2008年北京オリンピックのレスリング金メダル、UFCフライ級・バンタム級の二階級制覇という実績を持つセフードは、2026年11月28日にRAFでソン・ヤドンとの対戦も予定している。現在の活動、UFC引退理由、通算戦績、そして新たな挑戦の意味を時系列とともに整理する。
【2026年最新】ヘンリー・セフードの現在は?UFC引退後の活動を解説

ヘンリー・セフードは、2025年12月のUFC 323を最後にUFCでの試合生活を終えた。しかし、格闘技そのものから完全に離れたわけではない。
2026年に入ってからは、レスリング団体RAFへの参戦、元UFC王者との再戦、そしてプロボクシングへの挑戦と、複数の競技に活動の場を広げている。
2026年はレスリング復帰とボクシング挑戦の年2026年2月28日、セフードはRAF 06で元UFCバンタム級王者のユライア・フェイバーと対戦。11対0のテクニカルフォールで勝利し、レスリング競技への復帰戦を白星で飾った。
その後、7月にはジョージアでメラブ・ドバリシビリと対戦したものの、11対8で敗北。ところが8月22日のRAF 12で行われた再戦では、試合開始から36秒でフォールを奪い、見事にリベンジを果たした。
この勝利によって、セフードはRAFのライト級クロスオーバー王座を獲得。公式プロフィールにも、2026年11月時点のRAF戦績は2勝1敗と記録されている。
9月にはプロボクシングデビューも実現2026年9月26日には、米フロリダ州マイアミで開催されたMisfits Boxingの大会に出場した。
対戦相手は、俳優としても知られるジャボン・ウォルトン。セフードにとって初めてのプロボクシング公式戦だったが、4ラウンドを戦い抜き、2人のジャッジから支持を得てスプリット判定勝ちを収めた。
39歳での新競技への挑戦は、北京五輪の金メダルからUFC二階級制覇まで積み重ねてきたキャリアに、新しい実績を加える出来事となった。
11月28日にはソン・ヤドンとのレスリング対決次の大きな注目試合は、2026年11月28日に米イリノイ州シカゴで開催されるRAF 15だ。
セフードはソン・ヤドンと対戦し、獲得したRAFライト級クロスオーバー王座を懸けて試合に臨む予定となっている。
これは2025年2月のUFCシアトル大会で実現した両者の再戦でもある。ただし、今回はMMAではなくレスリングルールでの対決だ。
つまり、2026年11月2日時点のセフードは、UFCからは引退しているものの、RAF王者として次の試合に向けて活動している。
【伝説の実績】北京五輪金メダルからUFC二階級制覇までの軌跡
ヘンリー・セフードのキャリアを理解するうえで欠かせないのが、レスリングで培った圧倒的な技術だ。
MMAでの成功は突然生まれたものではない。幼少期からレスリングに打ち込み、オリンピックで世界の頂点に立った経験が、その後のUFCでの戦い方を支えている。
2008年北京オリンピックで金メダルを獲得セフードは1987年2月9日生まれ。米国出身のフリースタイルレスラーで、2008年の北京オリンピックでは男子55kg級に出場した。
決勝では日本の松永共広と対戦し、2ピリオドを取って勝利。米国レスリング界にとっても歴史的な金メダルとなった。
当時21歳だったセフードは、米国のレスリング選手として史上最年少のオリンピック金メダリストとして記録された。その後、この記録は2016年のカイル・スナイダーによって更新されている。
この金メダルは、セフードの競技人生における最初の大きな頂点だった。
UFCフライ級王者からバンタム級王者へオリンピックで頂点を経験したセフードは、2013年にプロMMAデビューを果たし、2014年にはUFCに参戦した。
当初はレスリングを軸とした試合運びが特徴だったが、キャリアを重ねるにつれて打撃技術も向上。やがてUFCの二つの階級で頂点に立つ。
特に重要なのが、2018年のデメトリアス・ジョンソン戦だ。
UFC 227で当時のフライ級王者ジョンソンにスプリット判定で勝利し、フライ級王座を獲得。続く2019年にはTJ・ディラショーを第1ラウンド32秒でTKOし、王座防衛に成功した。
さらに2019年6月のUFC 238では、マルロン・モラエスを第3ラウンドのTKOで下し、バンタム級の王座も獲得した。
これによって、セフードはUFCのフライ級とバンタム級を制した二階級制覇王者となった。
その後、2020年5月にはドミニク・クルーズをTKOで破り、バンタム級王座を防衛。同試合後に一度目の引退を表明した。
【経歴・戦績一覧】ヘンリー・セフードのキャリアを時系列で整理
セフードの競技人生は、レスリング、MMA、引退、復帰、そしてボクシングという複数の段階に分けられる。
特に2025年から2026年にかけては、競技人生の方向性が大きく変化した時期だ。
主なキャリアと転換点| 競技 | 戦績・実績 |
|---|---|
| プロMMA | 16勝6敗 |
| UFC | フライ級・バンタム級の二階級制覇 |
| RAF | 2勝1敗 |
| プロボクシング | 1勝0敗 |
| オリンピック | 2008年北京大会・金メダル |
ここで注意したいのは、UFCの二階級制覇と現在のRAFでの活動は別の競技実績だという点だ。
プロMMAの16勝6敗という数字は総合格闘技の通算成績であり、RAFの2勝1敗やボクシングの1勝0敗を加算するものではない。異なる競技の戦績を分けて見ることで、セフードの現在の実力とキャリアを正しく把握できる。
【UFC引退理由】なぜ2025年に再び引退を決断したのか?
ヘンリー・セフードの引退には、2020年と2025年という二つの大きな節目がある。
2020年はバンタム級王座防衛後の突然の引退だった。一方、2025年の引退は、長年の競技生活への満足感や家族との時間を重視する本人の意思が大きく関係していた。
2020年の引退と2023年の現役復帰2020年5月、UFC 249でドミニク・クルーズに勝利したセフードは、試合直後に引退を表明した。
当時はまだ全盛期に近い年齢で、二階級制覇王者としての評価も高かったため、突然の決断は格闘技界で大きな話題となった。
しかし、2023年には現役復帰を発表。UFC 288でアルジャメイン・スターリングの持つバンタム級王座に挑戦したものの、5ラウンドの接戦の末にスプリット判定で敗れた。
その後もメラブ・ドバリシビリ、ソン・ヤドンと対戦したが、勝利を取り戻すことはできなかった。
2025年12月の引退は試合前から決めていた2025年12月6日のUFC 323では、若手有望株のペイトン・タルボットと対戦した。
結果は3人のジャッジ全員が30対27をつけるユナニマス判定負け。セフードにとってはUFCでの4連敗となる結果だった。
ただし、重要なのは、セフードがこの試合に敗れたから引退を決めたわけではないことだ。
試合前の取材で、本人はタルボット戦を最後の試合にする意向を明らかにしていた。11歳から高いレベルで競技に取り組んできたことへの満足感に加え、子どもたちと過ごす時間を増やしたいという思いを語っている。
また、2025年2月のソン・ヤドン戦が不本意な終わり方になったことも、最後にもう一度戦う理由の一つだった。
同試合では第3ラウンドにアイポークを受け、視界に問題が生じたため続行できなくなった。3ラウンド終了時点の採点によって、ソン・ヤドンのテクニカル判定勝ちとなった。
セフードは、反則によって中断された試合を最後の記憶にしたくないという気持ちから、タルボット戦で納得のいく最終戦を迎えようとしていた。
引退理由を整理すると3つのポイントがある- 競技人生への満足感: オリンピック金メダルとUFC二階級制覇という目標を達成し、長年の競技生活に区切りをつけたいと考えた。
- 家族との時間: 子どもたちと過ごす時間を大切にしたいという本人の希望があった。
- 最後の試合へのこだわり: ソン・ヤドン戦がアイポークで終わったため、タルボット戦で納得できる形の最終戦を目指した。
なお、本人は大物メキシコ人選手との特別な対戦が実現する場合には復帰の可能性を残す発言もしていた。
したがって、2025年の引退は競技能力の低下だけで説明できるものではない。本人が競技生活の次の段階に進むための決断だったと見るのが自然だ。
【RAF戦績】メラブ・ドバリシビリとの激闘とソン・ヤドン戦の行方
2026年のセフードを語るうえで欠かせないのが、RAFへの参戦だ。
RAFはReal American Freestyleの略称で、MMAとは異なるレスリング競技の舞台である。MMAでは打撃や関節技なども使えるが、レスリングでは投げ技、タックル、抑え込みなどの技術が勝敗を左右する。
オリンピック金メダリストであるセフードにとって、レスリングへの復帰は自身の原点に立ち返る挑戦でもある。
RAF 06:ユライア・フェイバーに11対0で勝利2026年2月28日、セフードはRAF 06でユライア・フェイバーと対戦した。
フェイバーもUFCで活躍した元バンタム級王者であり、MMAファンにはおなじみの存在だ。
試合ではセフードが優位に進め、11対0のテクニカルフォールで勝利。レスリング選手としての技術を改めて示した。
RAFジョージア:メラブに8点先行から逆転負け7月11日のRAFジョージア大会では、メラブ・ドバリシビリと対戦した。
メラブはUFCでもセフードを破った実力者。両者はMMAでも対戦経験があり、2024年のUFC 298ではメラブがユナニマス判定で勝利していた。
レスリングでの再戦では、セフードが序盤から主導権を握り、第1ピリオドを8対2でリード。しかし、その後メラブが猛追し、最終的には11対8で逆転勝ちを収めた。
オリンピック金メダリストを相手に、メラブが粘り強さと運動量を見せつけた試合だった。
RAF 12:36秒のフォールでメラブにリベンジ7月の敗戦から約1か月後、8月22日のRAF 12で両者は再び対戦した。
今度はセフードが勝利。試合開始からわずか36秒でフォールを奪い、メラブを下した。
この勝利によってセフードはRAFのライト級クロスオーバー王座を獲得。7月の敗戦を短期間で覆す結果となった。
メラブとの対戦成績は1勝1敗となり、両者のライバル関係にも新たな展開が生まれた。
RAF 15:ソン・ヤドンとの再戦は11月28日2026年11月28日に開催予定のRAF 15では、ソン・ヤドンとの対戦が決定している。
ソンは中国出身のUFCファイターで、2025年2月にはセフードとUFCのメインイベントで対戦した。
この試合はソンのテクニカル判定勝ちとなったが、アイポークによる中断という特殊な経緯があった。
今回の対決はMMAではなくレスリング。セフードにとっては、五輪金メダリストとしての専門技術を生かし、過去の敗戦を別競技で乗り越える機会になる。
RAF公式の選手情報でも、11月28日のRAF 15はソンとのクロスオーバー王座戦として掲載されている。
2026年11月2日現在、この試合はまだ開催されていない。 したがって、ソンとのRAF戦績は未確定であり、今後の結果が注目される。
【ボクシングデビュー】ジャボン・ウォルトンに判定勝ちした9月26日の試合
2026年9月26日、セフードは米フロリダ州マイアミのジェームズ・L・ナイト・センターで開催されたMisfits Boxingに出場した。
対戦相手はジャボン・ウォルトン。俳優としても活動する20歳の選手で、ドラマ『Euphoria』でアシュトレイ役を演じたことでも知られる。
39歳のセフードにとって、プロボクシングは初挑戦だった。
試合結果はスプリット判定勝ち試合は4ラウンドを戦い抜く展開となった。
序盤はウォルトンの長いリーチと距離感に苦しむ場面もあったが、セフードは徐々にタイミングをつかみ、距離を詰めて攻撃を当てるようになった。
判定結果は次のとおり。
| ジャッジ | 採点 |
|---|---|
| 1人目 | 39対37 セフード |
| 2人目 | 37対39 ウォルトン |
| 3人目 | 39対37 セフード |
2人のジャッジがセフードを支持し、スプリット判定で勝利した。
これによって、セフードのプロボクシング戦績は1勝0敗となった。
当初の対戦相手はDeen the Greatだったもともとセフードが対戦する予定だったのは、インフルエンサー系ボクサーのDeen the Greatだった。
しかし、Deenが負傷によって出場を取りやめたため、代役としてウォルトンが抜擢された。
ウォルトンは20歳で、セフードより19歳若い選手だった。しかもプロボクシングの経験ではセフードを上回っていた。
そうした条件のなかで、セフードが判定勝ちを収めたことは注目に値する。
ただし、今回の勝利だけでボクシングのトップ選手と互角に戦えると判断するのは早い。あくまで4ラウンドのプロデビュー戦であり、競技経験の豊富さを生かした初勝利という位置づけが適切だ。
試合後、セフードは接戦だったことを認め、ウォルトンが十分な準備期間を確保したうえでの再戦にも前向きな姿勢を示したとMMA Fightingは報じている。
プロボクシングへの挑戦が示すものセフードのボクシングデビューには、単なる話題づくり以上の意味がある。
レスリングを基盤にMMAで成功した選手が、打撃競技だけのルールに適応できるのかという興味深いテーマがあるからだ。
MMAではタックルや組み技を警戒させながら打撃を繰り出せるが、ボクシングではパンチとフットワークを中心に試合を組み立てなければならない。
セフードは今回、距離の調整やタイミングの見極めを武器に勝利した。
もっとも、今後ボクシングを本格的な主戦場にするのか、RAFと並行して特別な試合に出場するのかは、今後の活動を見守る必要がある。
【プロの評価】ヘンリー・セフードはなぜ格闘技史に残るのか?
ヘンリー・セフードの価値は、単純な勝敗数だけでは測れない。
オリンピックのレスリングで金メダルを獲得し、その後にUFCで二階級を制覇したという経歴は、競技の異なる二つの世界で頂点に立ったことを意味する。
強みはレスリング技術と競技適応力セフードの最大の武器は、相手の重心を見極める能力と、状況に応じて攻撃を組み立てる技術だ。
MMAではレスリングを軸に相手の動きを制限し、打撃を組み合わせて勝利を重ねた。
RAFではレスリング技術そのものが勝敗を決めるため、オリンピックで磨いた能力をより直接的に発揮できる。
2026年のフェイバー戦やメラブとの再戦は、その強みを示す具体例となった。
引退後も競技を続けることの意味2025年にUFCを引退したことで、セフードの競技人生が終わったと考える人もいるかもしれない。
しかし、実際には2026年にRAFで王座を獲得し、ボクシングでも勝利している。
これは「UFC引退」と「格闘技引退」が同じ意味ではないことを示している。
UFCという特定の団体での活動を終えたとしても、レスリングやボクシングなど、別のルールの競技に挑戦することはできる。
セフードの場合、五輪金メダリストとしての原点を生かせるRAFへの復帰は、競技人生の新しい展開として非常に自然な選択だった。
2026年の評価で注目すべきポイント現在のセフードを評価するなら、次の3点を分けて考える必要がある。
1. MMAの実績: UFC二階級制覇と通算16勝6敗という歴史的なキャリア。
2. レスリングの現在地: RAFで2勝1敗、メラブを破って王座を獲得した実績。
3. 新競技への適応: 2026年9月のプロボクシングデビューで判定勝ちした経験。
この3つを混同しなければ、引退後の活動を正しく評価できる。
特に、2026年11月28日のソン・ヤドン戦は、セフードのレスリング技術が現在どの水準にあるのかを判断する重要な試合になる。
ヘンリー・セフードに関するよくある質問(FAQ)
Q1:ヘンリー・セフードは現在も現役ですか?
2026年11月現在、UFCでのMMA競技からは引退していますが、競技活動そのものは続けています。RAFでは2勝1敗で王座を獲得し、2026年9月にはプロボクシングデビュー戦にも勝利しました。
Q2:ヘンリー・セフードのUFC引退理由は何ですか?
長年の競技生活への満足感と、家族との時間を大切にしたいという本人の希望が主な理由です。また、ソン・ヤドン戦がアイポークによって不本意な形で終了したため、最後にもう一度納得できる試合をしたいという思いもありました。
Q3:ヘンリー・セフードはUFCで何階級を制覇しましたか?
フライ級とバンタム級の二階級です。2018年にデメトリアス・ジョンソンを破ってフライ級王者となり、2019年にはマルロン・モラエスを破ってバンタム級王座も獲得しました。
Q4:ヘンリー・セフードとソン・ヤドンのRAF戦はいつですか?
2026年11月28日に開催されるRAF 15で予定されています。2025年2月のUFC戦に続く再戦ですが、今回はレスリングルールで行われる予定です。
Q5:ヘンリー・セフードはボクシングデビュー戦で誰に勝ちましたか?
2026年9月26日にジャボン・ウォルトンと対戦し、4ラウンドのスプリット判定で勝利しました。これがセフードのプロボクシング初勝利です。
ヘンリー・セフードは、2008年北京オリンピックのレスリング金メダル、UFCフライ級・バンタム級の二階級制覇という、格闘技史に残る実績を持つ選手だ。
2025年12月にUFCを引退した後も、その競技人生は終わっていない。
2026年にはRAFでユライア・フェイバーを下し、メラブ・ドバリシビリとの再戦でも36秒のフォール勝ちを記録。さらに9月にはジャボン・ウォルトンとのプロボクシングデビュー戦にも勝利した。
今後の最大の注目は、11月28日のRAF 15で予定されているソン・ヤドンとの対戦だ。
この試合は単なる再戦ではない。MMAではアイポークによって決着した相手に対し、セフードが最も得意とするレスリングで挑むという意味がある。
UFC引退は、ヘンリー・セフードの競技人生の終わりではなかった。
オリンピック金メダリストとしての原点に戻り、新しい競技にも挑戦する39歳の姿は、トップアスリートがキャリアの次の段階をどう切り開くかを示している。
今後の評価を左右するのは、過去の二階級制覇という肩書だけではない。RAFでの王座防衛、ソン・ヤドンとの再戦、そしてボクシングでの次の試合が、セフードの2026年以降を占う重要な材料になるだろう。