上川口屋の読み方は「かみかわぐちや」です。東京都豊島区雑司が谷3-15-20、雑司ヶ谷鬼子母神堂の境内に店を構えています。
創業年は1781年(天明元年)。江戸時代から続く老舗で、13代にわたって受け継がれてきた駄菓子屋として知られています。「日本最古の駄菓子屋」「東京最古の駄菓子屋」と紹介されることも多く、国内外から訪問客が集まる場所です。
ただし、創業当初から現在のような駄菓子を販売していたわけではありません。もともとは飴を扱う店で、時代の変化に合わせて商品構成を変えてきました。つまり、上川口屋の歴史は、単に古い駄菓子屋が残っているという話ではなく、江戸時代の参詣文化と地域の商いが現在までつながっていることにあります。
上川口屋が日本最古といわれる理由上川口屋が特別なのは、創業年の古さだけではありません。現在も雑司ヶ谷鬼子母神堂の境内という歴史的な場所で営業を続けている点が大きな特徴です。
店内には昔ながらの木製菓子箱やケースが並び、商品を選ぶための小さなカゴを手に取る買い物風景も、一般的なコンビニやスーパーとは異なります。子どもが小銭を握って駄菓子を選ぶという、昔ながらの商店文化が残されています。
なお、「日本最古」という表現は、1781年創業の歴史と営業の継続性を背景に広く使われている呼称です。国が全国の駄菓子屋を対象に順位を認定したものとは区別して理解するとよいでしょう。
【1781年創業の真相】上川口屋の歴史と加賀藩御用達の飴屋

上川口屋の創業の背景には、加賀藩前田家と雑司ヶ谷鬼子母神堂の関係があります。
前身となったのは、加賀藩前田家御用達と伝えられる飴屋です。鬼子母神堂への参詣者に向けた土産物として飴を販売していたとされ、現在の駄菓子屋とは異なる商売を営んでいました。
天明元年(1781年)が創業年とされる根拠1781年は江戸時代の天明元年に当たります。雑司ヶ谷大門欅並木保存会が紹介する地域資料には、天明元年の「譲渡証文(飴みせ、人形みせ)」が記録されています。この古文書が、現在の上川口屋につながる店の成り立ちを考える重要な資料です。
一方、地域史には正徳年間(1711~1716年)に川口屋忠治という人物が飴の製造販売を行っていたという別の起源説もあります。加えて、鬼子母神堂の成立と境内の飴屋の関係を考えると、商売そのものの歴史は1781年より前にさかのぼる可能性があります。
そのため、1781年は現在の店の創業年として広く案内されている重要な基準であり、飴屋の起源そのものには地域史上の複数の伝承が残っているという構図です。
加賀藩前田家と自昌院の関係豊島区の公式文化財解説によると、現在の雑司ヶ谷鬼子母神堂の本殿は1664年(寛文4年)、広島藩主・浅野光晟の正室である自昌院の寄進によって建立されました。自昌院は加賀藩主・前田利常の娘に当たります。
この前田家と鬼子母神堂の歴史的なつながりが、境内の飴屋の由来を理解するうえで重要です。江戸時代には参詣が盛んになり、境内や門前では参拝者を相手にした商いが発展しました。
上川口屋の歴史を年表で整理| 年代 | 出来事・関係 | 歴史的な意味 |
|---|---|---|
| 1664年 | 自昌院の寄進で鬼子母神堂本殿が建立 | 境内の歴史的な基盤が整う |
| 1781年(天明元年) | 飴店・人形店の譲渡証文が記録される | 上川口屋の創業年とされる |
| 1834~1836年 | 『江戸名所図会』に川口屋の飴屋に関する記述 | 地域の名物としての飴屋の存在を伝える |
| 明治時代 | 現在の店舗建物が建てられたとされる | 現在に続く店構えの歴史 |
| 昭和時代 | 飴屋から駄菓子屋へと商品構成が変化 | 時代に合わせた商売への転換 |
| 2025年 | テレビ東京や東京メトロ沿線メディアなどが紹介 | 国内外の来訪者に知られる老舗として継続 |
| 2026年 | 食べログに同年8月の訪問口コミが掲載 | 2026年内の来訪実績を確認できる |
特に注目したいのは、1781年創業という歴史と、現在の建物の建築年代は同じではないことです。現在の店舗は明治時代の建物と紹介されています。創業時の建物がそのまま残っているという意味ではありませんが、江戸時代から続く店の歴史と明治期の建築が重なり、独特の景観を生み出しています。
東京大空襲を免れた境内と店舗上川口屋を語るうえで欠かせないのが、戦災を免れた雑司ヶ谷鬼子母神堂の境内です。
2023年のおとなの週末Webの取材では、当時の店主が、東京大空襲でも境内が焼けなかったことについて、鬼子母神のご加護だと感じている旨を語っています。
周囲の都市風景が大きく変わるなか、境内の建物や大イチョウ、ケヤキ並木が歴史を伝えてきました。上川口屋の価値は、商品だけでなく、この場所に積み重なった時間にもあります。
【駄菓子は約100種類】上川口屋の人気商品と値段・予算
上川口屋の店頭には、昔ながらの駄菓子から子どもに人気の定番商品まで、さまざまなお菓子が並びます。
2023年のおとなの週末Webの取材では、駄菓子は約100種類と紹介されました。2025年6月のテレビ東京の取材でも、きな粉棒をはじめ、ふ菓子、みつあんず、ミルクせんべい、フエラムネなどが取り上げられています。
人気の駄菓子と商品の特徴きな粉棒は、上川口屋を代表する商品の一つです。きな粉や黒糖などを使った素朴な甘さが特徴で、昔ながらの駄菓子らしさを味わえます。2025年のテレビ東京の番組でも、13代目店主が一番のおすすめとして紹介していました。くじ付きの商品もあり、当たりが出る楽しみもあります。
ふ菓子は、軽い食感と黒糖の甘さが魅力です。昔から駄菓子屋で親しまれてきた定番商品で、幅広い年代に知られています。
みつあんずは、甘酸っぱい味わいが特徴の駄菓子です。昔懐かしい味を求める大人にも親しみやすい商品です。
ミルクせんべいは、薄く軽いせんべいの食感を楽しめる駄菓子です。子どものおやつとしても定番の一品です。
フエラムネは、吹くと音が鳴る遊び心のあるお菓子です。食べるだけではなく、音を出して楽しめる点が特徴です。
モロッコヨーグルは、小さな容器に入ったクリーム状の駄菓子です。2025年のテレビ東京の取材では、外国人観光客も実際に試していました。
このほか、ラムネ、ポン菓子、ガム、きな粉飴、イカ系のお菓子など、幅広い商品が紹介されています。駄菓子だけでなく、昔懐かしいおもちゃのグライダーなどが置かれることもあります。
2026年の価格はどのくらい?上川口屋の個別商品の2026年最新価格を網羅した公式価格表は公開されていません。そのため、商品ごとに現在の販売価格を断定することはできません。
食べログの店舗情報では、利用予算の目安は1,000円未満と掲載されています。少量ずつ選ぶ駄菓子屋という性格からも、食事をする飲食店とは異なる買い物予算で考えるとよいでしょう。
なお、2024年初頭の取材情報では、10円で販売されていた商品は糸引き飴、ばら売りのキャラメル、きな粉飴、フーセンガムの4種類と紹介されていました。これは当時の情報であり、2026年の販売価格を保証するものではありません。
2026年は駄菓子全体でも原材料費や物流費の上昇を背景とした価格改定が続いています。昔の10円駄菓子のイメージだけで予算を決めず、少し余裕を持って現金を用意しておくと安心です。
買い物を楽しむためのポイント- まずは店頭の商品を見渡して、気になるものを選ぶ。
- きな粉棒など、店主おすすめの商品から試してみる。
- 子どもと一緒なら、くじ付き商品も候補に入れる。
- 予算を決めてからカゴに入れると買いすぎを防ぎやすい。
- 価格表示や支払い方法については、購入前に確認する。
商品を選ぶ楽しさそのものが上川口屋の魅力です。大量に購入することよりも、懐かしいお菓子を一つずつ選ぶ時間を楽しむのがおすすめです。
【2026年最新】上川口屋の営業時間・定休日・アクセス
訪問前に確認しておきたいのが、営業時間と休業日です。上川口屋は一般的な商業施設とは異なり、天候などによって営業状況が変わる場合があります。
営業時間は10時~17時が目安2025年秋の東京都交通局の沿線お出かけ情報では、上川口屋の営業時間は10時~17時と案内されています。2023年のおとなの週末Webや、ほかの地域情報でも同じ時間帯が掲載されています。
ただし、掲載情報は取材・掲載時点のもので、当日の営業を保証するものではありません。遠方から訪れる場合は、現地に到着してから営業していないという事態を避けるため、天候と直近の営業情報に注意してください。
定休日は?雨・雪・台風の日は臨時休業に注意上川口屋については、固定曜日の定休日を設けないという案内がある一方、東京都交通局の2025年秋の店舗情報では、雨・雪・台風などの悪天候の日が休業日として記載されています。
つまり、月曜日だから必ず休みというような一般的な定休日とは異なり、天候による臨時休業を考慮する必要があります。
特に雨天や強風の日、台風接近時は訪問を急がず、天候が落ち着いた日に予定を変更することも検討してください。店舗に電話番号が掲載されていない案内もあるため、事前確認が難しい場合は、営業が比較的安定しやすい天候のよい日を選ぶのが現実的です。
住所と最寄り駅・アクセス方法上川口屋の所在地は、東京都豊島区雑司が谷3-15-20、雑司ヶ谷鬼子母神堂の境内です。
- 東京メトロ副都心線:雑司が谷駅1番出口から徒歩約5分
- 都電荒川線:鬼子母神前停留場から徒歩約3分
- JR池袋駅:東口から徒歩約15分
- JR目白駅:徒歩約15分
最も分かりやすいのは、東京メトロ副都心線の雑司が谷駅を利用する方法です。都電荒川線を利用する場合は、鬼子母神前停留場で降りれば、境内まで比較的短時間で到着できます。
池袋駅から歩く場合は、繁華街を抜けて雑司が谷方面へ向かう散策ルートになります。時間に余裕がある人なら、街並みを楽しみながら訪れるのもよいでしょう。
訪問前に押さえたい店舗情報- 店舗名:上川口屋(かみかわぐちや)
- 住所:東京都豊島区雑司が谷3-15-20
- 場所:雑司ヶ谷鬼子母神堂境内
- 営業時間:10:00~17:00が目安
- 休業日:悪天候時に臨時休業する場合あり
- 利用形態:駄菓子の持ち帰り
- 予算:食べログ掲載の目安は1,000円未満
- 支払い:現金を用意しておくのが無難
【評判・口コミを検証】上川口屋が大人にも外国人にも人気の理由
上川口屋の評判を調べると、単に駄菓子がおいしいという評価だけではなく、店構えや歴史、懐かしい買い物体験を評価する声が目立ちます。
食べログの評価と口コミの傾向2026年11月時点で確認できる食べログの店舗ページでは、評価は3.08、口コミ投稿者は51人と掲載されています。また、2026年8月に訪問した口コミも確認できます。
2025年10月の訪問者による口コミでは、鬼子母神堂とともに残したい東京の景観という観点から店を評価し、昔ながらの駄菓子の陳列やきな粉棒に注目しています。店の雰囲気に対する評価も高く、単なる買い物スポットとは違う魅力が伝わります。
ただし、食べログの点数は利用者による評価であり、公式な品質評価ではありません。また、上川口屋は食事を提供する飲食店ではないため、一般的なレストランの評価点とは性質が異なります。
大人が懐かしさを感じる理由おとなの週末Webの2023年の取材では、子どもの頃に上川口屋へ通っていた人が、成長してから再び訪れる様子が紹介されました。かつての常連客が自分の子どもや孫を連れて戻ってくることも、店が長く続く理由の一つです。
特に印象的なのは、駄菓子屋という場所が世代を超えて人をつないでいることです。子どもの頃に買ったお菓子を大人になって再び手に取ると、味だけでなく、当時の記憶までよみがえります。
店主が家業を守る理由についても、常連客の子どもが大人になり、次の世代を連れて訪れることに喜びを感じるという内容が報道されています。長い歴史は、店だけでなく、地域の人々との関係によって支えられているのです。
外国人観光客にも人気が広がる2025年6月放送のテレビ東京「YOUは何しに日本へ?」では、駄菓子を目的に来日した外国人女性が上川口屋を訪問しました。
番組では、昔ながらの店構えや整然と並ぶ駄菓子に感動する様子が紹介されました。きな粉棒やモロッコヨーグル、ふ菓子などを実際に楽しみ、日本独自の駄菓子文化に触れていました。
また、2025年11月の東京メトロ沿線情報誌メトロポリターナでも、海外からの観光客を含めた来訪者に親しまれる店として紹介されています。
外国人観光客にとって、上川口屋は日本の伝統的な菓子文化を体験できる場所です。高級な和菓子店や大型商業施設とは異なり、手に取りやすいお菓子を通して、日本の日常文化を知ることができます。
映画『おもひでぽろぽろ』との関係上川口屋は、スタジオジブリ制作の1991年公開映画『おもひでぽろぽろ』に登場する駄菓子屋との関連でも知られています。
2025年6月のテレビ東京の紹介記事では、作品の販促用イラストに店主が描かれていることが取り上げられました。映画に登場する昭和の商店風景と、上川口屋の昔ながらの佇まいが重なり、作品のファンにとっても興味深い場所となっています。
なお、映画の舞台やモデルについてはさまざまな紹介がありますが、上川口屋との関係を説明する際は、店主が販促イラストに描かれたという報道上の事実と、映画全体の舞台設定を混同しないことが大切です。
【訪問前の注意点】上川口屋を楽しめる人・気をつけたい人
上川口屋は、一般的な観光施設のように設備やサービスが整った場所ではありません。昔ながらの駄菓子屋の雰囲気を楽しむことが目的のスポットです。
上川口屋がおすすめの人- 江戸時代から続く老舗や歴史的な建物に興味がある人
- 昔懐かしい駄菓子を食べてみたい人
- 子どもと一緒に駄菓子を選ぶ体験をしたい人
- 雑司が谷の街歩きや鬼子母神堂の参拝を楽しみたい人
- 日本の昔ながらの商店文化を外国人の友人に紹介したい人
- 映画や昭和レトロの雰囲気が好きな人
- 最新の商品や流行のスイーツを中心に探している人
- 豊富な価格表示やセルフレジなど、現代的な買い物環境を求める人
- 飲食スペースや座席でゆっくり過ごしたい人
- 天候に左右されず確実に買い物をしたい人
- 最新の価格を事前にすべて確認してから購入したい人
また、上川口屋は雑司ヶ谷鬼子母神堂の境内にあります。駄菓子屋だけでなく、参拝者や地域の人が利用する場所でもあるため、写真撮影や通行時には周囲への配慮が必要です。
境内の鬼子母神堂は2016年に国の重要文化財に指定されています。参拝と買い物を組み合わせて訪れる場合は、文化財や境内のルールも尊重しましょう。
【上川口屋に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:上川口屋の読み方は何ですか?
A1:上川口屋は「かみかわぐちや」と読みます。東京都豊島区雑司が谷の鬼子母神堂境内にある老舗の駄菓子屋です。
Q2:上川口屋は本当に日本最古の駄菓子屋ですか?
A2:1781年(天明元年)創業とされ、東京最古、日本最古の駄菓子屋の一つとして広く紹介されています。ただし、「日本最古」は歴史や営業の継続性に基づく呼称で、国による順位認定ではありません。
Q3:上川口屋の営業時間と定休日は?
A3:営業時間は10時~17時が目安です。固定曜日の定休日は設けていないという案内がありますが、雨・雪・台風などの悪天候時には臨時休業する場合があります。
Q4:上川口屋の最寄り駅はどこですか?
A4:東京メトロ副都心線の雑司が谷駅が便利で、1番出口から徒歩約5分です。都電荒川線の鬼子母神前停留場からも徒歩約3分で到着できます。
Q5:上川口屋の駄菓子は何種類ありますか?
A5:2023年の取材では約100種類と紹介されています。きな粉棒、ふ菓子、みつあんず、ミルクせんべい、ラムネなど、昔ながらの商品が知られています。現在の品ぞろえは入荷状況によって変わります。
Q6:上川口屋の予算はいくらですか?
A6:食べログの予算表示では1,000円未満が目安です。ただし、商品価格は変更される可能性があるため、購入時に確認してください。
Q7:2026年現在も上川口屋は営業していますか?
A7:2026年8月訪問の口コミが食べログに掲載されており、2025年にも東京都交通局などの沿線情報で店舗情報が紹介されています。2026年内の来訪実績は確認できますが、訪問当日の営業については天候による臨時休業に注意してください。
上川口屋は、1781年(天明元年)創業とされる東京都豊島区の老舗駄菓子屋です。加賀藩前田家ゆかりの飴屋をルーツとし、雑司ヶ谷鬼子母神堂の境内で長い歴史を受け継いできました。
2026年は創業から245年に当たる年です。きな粉棒やふ菓子、ラムネなどの昔懐かしい駄菓子だけでなく、明治期の建物や木製の菓子箱、世代を超えて通い続ける常連客とのつながりも、この店ならではの魅力となっています。
営業時間は10時~17時が目安で、最寄り駅は東京メトロ副都心線の雑司が谷駅、または都電荒川線の鬼子母神前停留場です。雨や雪、台風などの悪天候では臨時休業する可能性があるため、訪問日は天候を考慮して決めると安心です。
上川口屋を訪れる価値は、珍しい駄菓子を買うことだけではありません。江戸時代から続く商いの歴史に触れ、かつて子どもたちが楽しんだ買い物の時間を体験できることにあります。
雑司ヶ谷鬼子母神堂への参拝や街歩きと合わせて訪れれば、東京の中心部に残る昔ながらの風景をより深く楽しめるでしょう。
【プロの結論】 上川口屋の本当の価値は、1781年という数字だけでは測れません。飴屋から駄菓子屋へと商売を変えながら、地域の人々との関係を守り、江戸時代から続く場所で営業を続けてきたことにあります。歴史、文化、買い物体験の三つを一度に味わえる、東京でも貴重な老舗スポットです。
主な参照資料:豊島区公式ホームページ、雑司ヶ谷大門欅並木保存会、東京都交通局「さくらたび。」、東京メトロ沿線情報誌「メトロポリターナ」、テレビ東京「テレ東プラス」、おとなの週末Web、食べログ。