第45週のランキングを動かした最大の要因は、フランスで開催されたWTTチャンピオンズ・モンペリエ2026だ。10月27日から11月1日まで行われた同大会では、男子シングルスで韓国の張禹珍が優勝した。
張禹珍は決勝で1対3から逆転決勝の相手はドイツのパトリック・フランチスカ。張禹珍はゲームカウント1対3と追い込まれたが、そこから3ゲームを連取し、最終的に4対3で勝利した。
準決勝でもブラジルのウーゴ・カルデラノを4対3で撃破しており、決勝まで2試合連続でフルゲームの接戦を制したことになる。
韓国放送公社KBSや韓国メディアSBSも、この優勝を韓国卓球界にとって歴史的な出来事として報道。韓国選手として初めてWTTチャンピオンズのタイトルを獲得した。
張禹珍の順位はなぜ8位まで上昇したのか第44週の張禹珍は3586ポイントで10位だった。そこからモンペリエ大会の優勝を経て、第45週には8位へ浮上した。
WTTチャンピオンズは、ITTFのポイント配分で優勝者に1000ポイントが与えられる大会だ。準優勝は700ポイント、準決勝進出は450ポイントとなる。
ただし、1000ポイントがそのまま既存の合計ポイントに加算されるわけではない。世界ランキングは有効な上位8大会のポイントを合計するため、新しい結果が加わると、それまで計算対象だった低いポイントの成績が押し出される場合がある。さらに過去の大会ポイントの失効も関係する。
したがって、張禹珍の上昇は単純な1000ポイント加算ではなく、大会結果とランキング計算の更新が反映されたものだ。
日本勢にとっては厳しい大会に日本からは松島輝空、張本智和、戸上隼輔、篠塚大登が男子シングルスに出場した。
松島は初戦で邱党を破ったものの、2回戦でシドレンコに敗退。張本はゴズィーに敗れ、篠塚もカルデラノに敗れた。戸上はプツァルを破って2回戦に進出したが、モーレゴードに敗れている。
日本勢が優勝争いに加われなかった大会で、張禹珍が頂点に立ったことは、アジア男子卓球の競争が日本と中国だけではないことを示す結果となった。韓国勢の巻き返しにも注目したい。
【ITTF世界ランキングの算出方法】ポイントの仕組みをわかりやすく解説

卓球の世界ランキングは、試合の勝敗だけを数えて決めるものではない。ITTFが定める大会ごとのポイント配分と有効期間に基づいて計算される。
基本は直近1年間の上位8大会ITTFのランキング規則では、選手のランキング要点は、原則として有効期限内にある獲得ポイントの高い8大会分の合計で決まる。
すべての大会のポイントを無制限に足し続ける方式ではない。大会で新たにポイントを獲得しても、既存の8大会分の合計にそのまま上乗せされるとは限らない。
また、ポイントの有効期間は原則1年間。獲得した翌年の同じ週に失効する仕組みだ。ランキングは毎週月曜日に発表され、2026年からは月曜日の更新スケジュールに変更されている。
大会別のランキングポイント大会のカテゴリーによって獲得できる要点は大きく異なる。2026年のITTFランキング規則に基づく男子シングルスの主な配点は次のとおりだ。
| 大会カテゴリー | 優勝 | 準優勝 |
|---|---|---|
| オリンピック | 2000 | 1400 |
| WTTグランドスマッシュ | 2000 | 1400 |
| 世界卓球選手権 | 2000 | 1400 |
| WTTファイナルズ | 1500 | 1050 |
| WTTチャンピオンズ | 1000 | 700 |
| WTTスターコンテンダー | 600 | 420 |
| 大陸選手権・大陸カップ | 500 | 350 |
| WTTコンテンダー | 400 | 280 |
| WTTフィーダー | 125 | 90 |
WTTチャンピオンズで優勝した張禹珍に1000ポイントが設定されているのは、この大会がランキング上でも重要なカテゴリーに位置付けられているためだ。
なお、同じ大会でも準決勝、準々決勝、ベスト16など到達したラウンドによって要点は異なる。大会の格と勝ち上がった段階の両方が評価に反映される。
ポイント失効で順位が上がることもある卓球世界ランキングのポイント失効は、ファンが誤解しやすい仕組みの一つだ。
例えば、前年の大きな大会で優勝して2000ポイントを獲得した選手でも、翌年の同じ週にそのポイントが失効すれば、ランキングが大きく下がる可能性がある。
反対に、本人が新しい大会で優勝していなくても、上位選手の過去のポイントが失効することで順位が上がる場合がある。
2026年10月の松島輝空の首位浮上が、その代表例だ。王楚欽とフェリックス・ルブランの過去のチャイナスマッシュのポイントが失効し、松島が1位に立った。現在の実力だけでなく、過去1年間の成績の積み重ねが順位に反映されることを理解しておきたい。
【世界ランキングの見方】間違えやすい3つのポイント
男子卓球のランキングを追いかける際には、次の3点を区別すると、順位の変化を正確に理解しやすくなる。
1. 男子シングルスと男子団体は別のランキングITTFには男子シングルスだけでなく、男子ダブルス、混合ダブルス、男子団体など複数のランキングがある。
例えば、松島輝空のシングルス世界1位という実績と、日本代表チームの団体ランキングは別の評価だ。ダブルスでの順位も個人シングルスの順位と同じものではない。
検索時には「男子シングルス」と明記されたランキングを確認するのが確実だ。
2. 大会優勝者が必ず世界1位になるわけではないWTTチャンピオンズで優勝しても、すぐに世界1位になれるわけではない。大会の獲得ポイントが、既存の上位8大会のポイントを上回るかどうかが関係する。
張禹珍が優勝後に8位へ上昇した一方、松島が首位を維持していることからも、ランキングは大会単位ではなく、年間を通した成績で評価されると分かる。
3. 最新順位とポイントの発表週をそろえるランキングを比較する際に注意したいのが、発表週の違いだ。
第44週のポイントと第45週の順位を同じ時点のデータとして扱うと、実際のポイント変動を誤って理解してしまう。第45週の順位を確認するときは、第45週のポイントも併せて確認する必要がある。
今回の一覧では、ポイントの比較に使える第44週の数値と、第45週の順位を明確に分けている。ポイントの確定値が確認できない状態で推測値を掲載するよりも、発表週を区別して見るほうが正確だ。
【卓球世界ランキング男子】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年11月の男子卓球世界ランキング1位は誰ですか?
A1:松島輝空です。2026年第45週でも1位を維持しています。日本人男子選手としては1980年の小野誠治以来46年ぶりの快挙です。
Q2:張本智和の世界ランキングは何位ですか?
A2:2026年第45週の男子シングルス世界ランキングで3位です。松島輝空とともに日本勢のトップ3入りを支えています。
Q3:張禹珍はなぜ世界ランキング8位になったのですか?
A3:WTTチャンピオンズ・モンペリエ2026で優勝したためです。決勝でフランチスカを4対3で破り、第44週の10位から第45週の8位へ上昇しました。
Q4:卓球の世界ランキング要点はどのように計算されますか?
A4:原則として、有効期限内にある獲得ポイントの高い8大会分を合計します。大会カテゴリーや勝ち上がったラウンドによって配点が異なり、要点は原則1年で失効します。
Q5:戸上隼輔の世界ランキングは何位ですか?
A5:2026年第45週では16位です。第44週の15位から1ランク下がりました。日本男子のトップ10入りを狙う選手の一人です。
Q6:卓球の世界ランキングはいつ更新されますか?
A6:ITTFの2026年のランキングは原則として毎週月曜日に発表されます。大会の終了日とランキングへの反映日が異なる場合があるため、発表週を確認することが大切です。
2026年11月の男子卓球世界ランキング第45週では、松島輝空が1位、フェリックス・ルブランが2位、張本智和が3位を維持した。日本男子が世界のトップ3に2人を送り込む状況は、国際卓球界における大きな存在感を示している。
一方、WTTチャンピオンズ・モンペリエ2026で優勝した張禹珍は、10位から8位へ浮上。韓国勢の躍進によって、トップ10の競争はさらに激しくなった。
今後の注目点は大きく3つある。
- 松島輝空:世界1位をどこまで維持できるか。
- 張本智和・戸上隼輔:日本勢がさらに上位へ進出できるか。
- 張禹珍・王楚欽・モーレゴード:大会成績とポイント更新によってトップ10の順位がどう変わるか。
世界ランキングは、単なる勝敗表ではない。選手が1年間に積み重ねた成績と、ポイントの有効期限、大会カテゴリーが組み合わさって決まる競技指標だ。
順位だけでなく、獲得ポイントと失効ポイント、発表週をセットで確認すれば、松島輝空の首位維持や張禹珍の8位浮上といった変化の背景まで理解できる。2026年シーズン終盤の男子卓球は、日本、中国、フランス、韓国、スウェーデンのトップ選手による競争から目が離せない。