2026年11月2日時点、高市早苗内閣の支持率をめぐって、報道各社の世論調査に大きな差が生まれている。2026年10月のANN世論調査では47.1%、時事通信では42.4%まで低下した一方、FNNでは62.6%、NNN・読売新聞では57%を記録。そして11月1日に公表された最新のJNN世論調査では、64.9%に上昇した。
なぜ同じ高市内閣を対象にしているのに、支持率が42%台から64%台まで分かれるのか。背景には、簗和生氏の農林水産大臣辞任問題、物価高対策への評価、首相の説明責任に加え、調査時期やRDD方式など世論調査の仕組みの違いがある。数字だけを見て「高市政権の支持率が急落した」「完全に回復した」と判断するのは早計だ。
【結論】高市早苗内閣の支持率は本当に下がっている?2026年11月最新状況

まず押さえておきたいのは、高市内閣の支持率がすべての世論調査で一斉に下落しているわけではないという事実だ。
2026年10月には、ANNと時事通信が政権発足後の低水準を報告した。一方、FNNは62.6%、NNN・読売新聞は57%と、依然として過半数の支持を確認している。
加えて、11月1日のJNN調査では64.9%となり、前回から1.9ポイント上昇した。不支持率も前回から1.4ポイント下がって32.5%となっている。
ここで重要なのは、ANNの47.1%とJNNの64.9%を、そのまま高市内閣の支持率が17.8ポイント回復したという意味に解釈しないことだ。両者は調査機関も実施時期も異なる。
JNNの前回調査は10月3日・4日で、支持率は63.0%だった。つまり、JNNの同一系列で比較すると、11月1日の64.9%は1.9ポイントの上昇である。
現状を正確に表現するなら、10月に一部調査で顕著な支持率低下が発生したものの、調査機関によって評価は分かれ、11月初旬のJNN調査では高い支持率を維持しているということになる。
【2026年最新比較】ANN47.1%・時事42.4%・JNN64.9%の違いとは?
高市内閣の支持率を理解するうえで、最も注目すべきなのが報道各社の調査結果だ。
今回確認できる主要な調査結果を、実施時期と不支持率、前回からの変化とともに整理した。
| 調査機関 | 調査時期 | 支持率 | 不支持率 | 前回比 |
|---|---|---|---|---|
| 時事通信 | 10月9~12日 | 42.4% | 29.7% | -1.7pt |
| ANN | 10月17~18日 | 47.1% | 33.3% | -11.2pt |
| NNN・読売新聞 | 10月16~18日 | 57.0% | 30.0% | -2pt |
| FNN | 10月17~18日 | 62.6% | 32.3% | +1.0pt |
| JNN | 10月31日~11月1日 | 64.9% | 32.5% | +1.9pt |
※前回比は各調査機関が公表した前回調査との比較。調査期間が異なるため、異なる機関の数値を直接的な時系列として扱うことはできない。
ANN世論調査47.1%は発足以来の最低水準2026年10月17日・18日に実施されたANN世論調査では、高市内閣の支持率が47.1%となった。前月から11.2ポイントの大幅下落で、政権発足以来の最低値と報じられた。
一方、不支持率は33.3%で、前回から5.7ポイント上昇している。支持率の低下だけでなく、政権に対する否定的な評価が増えていたことも分かる。
注目したいのは、支持しない理由の内訳だ。「政策に期待が持てない」が39.2%で最も多く、「高市総理の人柄が信頼できない」が22.2%、「支持する政党の内閣ではない」が11.3%だった。
つまり、ANNの数字には、簗氏の問題だけでは説明できない政策面への不満も表れている。
時事通信42.4%は5カ月連続の下落時事通信が10月9日から12日に実施した世論調査では、内閣支持率が42.4%となった。前月から1.7ポイント低下し、5カ月連続の下落で過去最低を更新した。
不支持率は29.7%。特に注目されたのは、簗和生氏を続投させるとしていた高市首相の判断に対する評価だった。
調査では、続投判断を「問題だ」とした回答が49.6%、「どちらかと言えば問題だ」が28.4%。合わせて78%が問題視していた。
ただし、この調査は10月14日の簗氏の辞任より前に実施されている。したがって、辞任後の評価ではなく、問題発覚後も続投させていた首相の判断に対する反応を捉えた数字だ。
FNN62.6%とNNN57%は何を示しているのかANNと同じ10月17日・18日を中心に調査したFNNでは、支持率62.6%だった。9月の61.6%から1ポイント上昇しており、ANNの結果とは大きく異なる。
NNN・読売新聞の調査は57%で、前回の59%から2ポイント下落したものの、過半数を維持している。不支持率は30%だった。
この結果から見えてくるのは、簗氏の問題が政権への批判につながったことと、高市内閣そのものへの支持が直ちに崩壊したことは、必ずしも同じではないという点だ。
11月1日のJNN64.9%は支持率回復の兆し?11月1日夜に公表されたJNN世論調査では、支持率が64.9%となった。前回から1.9ポイントの上昇で、不支持率は32.5%だった。
調査は10月31日と11月1日に実施され、全国18歳以上の男女2662人を対象とした。固定電話と携帯電話の両方を利用し、1024人から有効回答を得ている。
この数字は、少なくともJNNの調査系列では高市内閣への支持が弱まっていないことを示す。
ただし、ANNの47.1%から直接64.9%に回復したと解釈するのは適切ではない。最新のJNN調査が示すのは、同じJNNの前回調査との比較で1.9ポイント上昇したという事実である。
【支持率低下の真相】簗和生・農林水産相の辞任問題が政権に与えた影響
2026年10月の高市内閣をめぐる政治問題で、大きな焦点となったのが簗和生氏の農林水産大臣辞任問題だ。
今回の問題は、単に一人の閣僚が辞任したという話ではない。大臣の発言、その後の説明、首相の続投判断、そして辞任を受け入れるまでの時間が、政権の危機管理能力を問う材料になった。
道路予算をめぐる発言と説明責任簗氏をめぐっては、地元での発言として、自身を支援しなかった自治体の道路予算をカットしたという趣旨の内容が報じられた。
また、衆院選で支援者を無料バスで運んだとする公職選挙法違反の疑いも報道された。これらは政治倫理や行政の公平性を問う問題として取り上げられた。
10月2日の会見で簗氏は、道路予算に関する発言について「誤解を生むような発言をしたことは真摯に受けとめる」と説明した。また、自身が行政に働きかけて予算を減らした事実はないとの認識を示し、辞任を否定していた。
しかし、問題への批判は収まらず、10月14日に簗氏は農林水産大臣を辞任した。高市首相も辞任の申し出を受け入れた。
問題視されたのは辞任そのものより首相の判断時期今回の世論調査で興味深いのは、簗氏の辞任を妥当とする回答が各社で多数を占めた一方、高市首相の対応については評価が分かれたことだ。
ANNでは、簗氏の辞任が「必要だった」と回答した人が76%。一方、首相の対応については「適切だった」が43%、「適切ではなかった」が38%だった。
FNNでは、簗氏の辞任を「妥当」とする回答が85%に達した。しかし、辞任を受け入れた高市首相の判断時期については、51.2%が「適切ではなかった」と回答している。
NNN・読売新聞でも、簗氏の事実上の更迭を「当然だと思う」とした人は82%だった。一方、今回の問題に対する高市首相の責任については、「大きいと思う」と「思わない」がともに46%で並んだ。
この結果は、閣僚の問題行動に対する評価と、首相個人への評価が別々に形成されていることを示している。
首相に求められていたのは、問題を起こした閣僚を辞任させることだけではない。問題をどの段階で把握し、どのような基準で続投を判断し、いつ説明責任を果たすのかという政治的な対応そのものだった。
10月14日の首相官邸の発表では、簗氏から国会審議や農林水産行政に集中できない状況を避けたいとの理由で辞任の申し出があり、首相がこれを受け入れたと説明されている。
つまり、辞任という結果に対する支持は高くても、そこに至るまでの判断過程に不満を持つ人が一定数いたという構図だ。
【RDD方式を解説】なぜ世論調査によって支持率が17ポイントも違うのか
ANN47.1%とFNN62.6%。同じ10月17日・18日を中心に調査したにもかかわらず、15.5ポイントもの差が生じている。
この違いを理解するためには、世論調査の基本的な仕組みを知っておく必要がある。
RDD方式とは?固定電話と携帯電話を使った無作為抽出RDDとは、Random Digit Dialingの略称で、コンピューターで電話番号を無作為に発生させ、対象者に電話をかける調査方法だ。
新聞社やテレビ局の世論調査では、固定電話だけでなく携帯電話も対象にする方法が広く採用されている。
例えば、JNNは固定電話と携帯電話の両方を対象にRDD方式で調査している。加えて、機械による自動音声ではなく、調査員が直接聞き取りを行う方式を採用していると説明している。
ANNも10月調査でRDD方式による電話調査を実施した。FNNも固定電話と携帯電話を利用したRDD方式を採用している。
調査機関によって数字が違う5つの理由世論調査の数字に差が生じる主な理由は次のとおりだ。
1. 調査する日程が違う
政治ニュースは数日単位で状況が変わる。時事通信の10月調査は9日から12日で、簗氏の辞任前だった。一方、ANNやFNNは17日・18日を中心に調査しており、辞任後の反応を含んでいる。
2. 質問文や質問の順番が違う
「高市内閣を支持しますか」という質問でも、質問の前に政治問題や政策について尋ねるかどうかによって回答者の意識が変わる可能性がある。
3. 回答者の構成が違う
年齢、地域、固定電話と携帯電話の割合などが異なれば、回答の分布も変わる。集計時の補正方法も結果に影響する。
4. 回答率が違う
調査に応じる人と応じない人の政治的関心が同じとは限らない。無作為に電話番号を選んでも、最終的に回答する人の属性が完全に一致するわけではない。
5. 調査主体による違いがある
調査機関ごとに実施体制、質問設計、集計方法が異なるため、同じ内閣を対象にしても結果が一致するとは限らない。
社会調査協会の「社会調査NOW」も、内閣支持率の違いについて、調査モード、質問の表現、調査日、回答者の偏りなどが影響すると説明している。
そのため、各社の数字からどれか一つを絶対的な正解と決めるのではなく、同じ調査機関が同じ方法で実施した調査の推移を見ることが、政治情勢の変化を把握するうえで有効だ。
【支持率低下の背景】物価高対策・政策への期待と高市政権の課題
簗氏の問題は10月の支持率低下を考えるうえで重要な要素だが、それだけが政権評価を左右しているわけではない。
ANNの調査結果を見ると、支持しない理由の最多は「政策に期待が持てない」の39.2%だった。これは、政権の政治姿勢だけでなく、実際の政策が生活にどう影響するかを有権者が見ていることを示す。
物価高対策と食料品の消費税減税家計に直結する物価高対策は、高市内閣にとって大きな評価材料だ。
FNNの10月調査では、食料品の消費税減税に賛成する人が62.6%だった。一方、法案審議に際して政府が必要な財源を明確に示すべきだとする回答は80.9%に達した。
加えて、物価高対策として減税に効果がないとする回答は52.2%だった。
この数字からは、減税そのものへの期待と、政策の実効性や財源に対する厳しい視線が同時に存在していることが分かる。
有権者が求めているのは、政策の方向性だけではない。実際に家計負担が軽くなるのか、財源をどう確保するのか、いつ効果が出るのかという具体的な説明だ。
高市内閣への支持は積極的な期待だけではないANNの調査で、内閣を支持する理由として最も多かったのは「他の内閣よりよさそうだから」の36.4%だった。
「政策に期待が持てるから」は22.3%、「高市総理の人柄が信頼できるから」は20.5%となっている。
ここには、高市首相の政策や人物への積極的な支持だけでなく、他の政権と比較して相対的に評価する有権者も少なくないという特徴がある。
これは政権にとって強みであると同時に、注意すべき点でもある。代わりとなる選択肢が魅力的でないために支持している人は、政策の失敗や政治的な不祥事が続けば、支持を見直す可能性がある。
高い支持率を長期的に維持するためには、首相個人への期待を具体的な政策成果につなげられるかが問われる。
【今後の最新動向】高市内閣の支持率は回復する?注目すべき3つのポイント
11月1日のJNN調査で64.9%を記録したことで、高市内閣の支持率が再び上向いているとの見方も出ている。
ただし、今後の政権評価を判断するには、一度の上昇だけでなく、複数回の調査で同じ傾向が続くかを確認する必要がある。
1. 簗氏の問題に対する説明が十分に行われるかFNN調査では、簗氏の辞任自体を妥当とする回答が85%だった一方、本人が引き続き一連の問題について説明すべきだとする回答も69.3%に上った。
辞任によって政治的な責任がすべて解消されるわけではない。問題となった発言や行政上の経緯について、どこまで説明できるかが今後の焦点になる。
2. 物価高対策が実際の生活改善につながるか政策に期待できないことが支持しない理由の最多となった以上、物価高対策の実効性は重要だ。
食料品の減税についても、賛成が多い一方で財源の明確化を求める声が強い。法案の内容、財源、実施時期、家計への効果を具体的に説明できるかが評価を左右する。
3. 同じ調査機関で支持率上昇が続くか今後の支持率を判断する際は、ANNならANN、JNNならJNNというように、同じ調査系列を継続的に確認することが大切だ。
JNNでは10月初旬の63.0%から11月初旬の64.9%へ上昇した。一方、ANNでは10月に大幅な下落が確認された。
この差が今後も続くのか、それとも調査機関を問わず同じ方向に動くのか。次回以降の調査が、支持率回復の持続性を判断する材料になる。
歴代内閣との支持率比較についても同様で、異なる新聞社やテレビ局の数字を単純に並べるのではなく、同一調査機関の長期的なデータを優先して見る必要がある。
【高市早苗内閣の支持率が下がる】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年11月現在、高市早苗内閣の支持率は何%ですか?
A1:2026年11月1日に公表されたJNN世論調査では64.9%です。前回調査から1.9ポイント上昇しました。ただし、調査機関によって数字は異なり、10月のANNでは47.1%、時事通信では42.4%でした。
Q2:高市内閣の支持率が下がった最大の理由は何ですか?
A2:10月の下落局面では、簗和生氏の農林水産大臣辞任問題と、高市首相が辞任を受け入れるまでの判断が大きな政治的争点になりました。また、ANN調査では「政策に期待が持てない」が不支持理由の39.2%を占めており、物価高対策など政策面への不満も背景にあります。
Q3:ANN47.1%とJNN64.9%のどちらが正しいのですか?
A3:どちらも、それぞれの調査機関が公表した調査結果です。調査日、質問文、回答者の構成、集計方法などが異なるため、数字が一致しないことはあります。政権の支持率がどう変化しているかを判断する際は、同じ調査機関の前回比と継続的な推移を確認が必要です。
2026年10月、高市早苗内閣の支持率はANNで47.1%、時事通信で42.4%となり、一部の調査で明確な下落が確認された。簗和生氏の農林水産大臣辞任問題や、高市首相の対応時期に対する批判が、その背景にある。
しかし、FNNでは62.6%、NNN・読売新聞では57%と、過半数の支持を維持する調査もあった。さらに11月1日のJNNでは64.9%となり、前回から1.9ポイント上昇している。
したがって、「高市内閣の支持率が下がり続けている」と断定することも、「支持率が完全に回復した」と判断することも、現段階では適切ではない。
【プロの結論】
今回の支持率問題から読み取るべき本質は、単純な数字の上下ではなく、政権に対する期待と政治的な説明責任のバランスだ。
高市内閣は、依然として高い支持を示す調査がある一方、閣僚の問題への対応や政策の実効性について厳しい評価も受けている。
今後の動向を見極める際には、次の3点を基準にしたい。
- 同じ調査機関の支持率が複数回にわたって上昇しているか。
- 物価高対策や減税政策が、具体的な生活改善につながっているか。
- 閣僚の問題に対して、首相が迅速かつ納得できる説明責任を果たしているか。
高市早苗内閣にとって、64.9%というJNNの数字は明るい材料だ。しかし、本当の意味での支持率回復を示すのは、一度の上昇ではなく、政策成果と政治への信頼が継続して評価されることだろう。2026年11月以降の世論調査では、その持続性が最大の注目点になる。
主な事実確認資料: テレビ朝日(ANN)10月世論調査、TBS(JNN)11月1日世論調査、FNN10月世論調査、時事通信10月世論調査、読売新聞・NNN10月世論調査、社会調査協会、首相官邸の発表。