水陸両用バスは、通常の路線バスのように乗り場へ行けば必ず乗れるわけではありません。便ごとに定員が決まっており、事前予約が必要なサービスもあります。
水陸両用バスの予約方法一般的な予約の流れは次のとおりです。
乗車するエリアとコースを決める
東京・横浜・大阪・山中湖などから、観光目的や滞在時間に合ったコースを選びます。
公式予約サイトで運行日を確認する
希望する日付の運行状況、出発時刻、残席を確認します。
乗車人数と年齢区分を入力する
大人・子供・乳幼児の区分は運行会社によって異なります。座席の有無も確認します。
決済して予約を確定する
クレジットカードによる事前決済や現地払いなど、事業者の指定する方法で支払います。
当日は指定された時間までに受付を済ませる
出発15~20分前を集合目安にして、乗り場を間違えないようにします。
| サービス | 予約受付の目安 | 受付・決済の特徴 |
|---|---|---|
| TOKYO NO KABA | 乗車1か月前~出発10分前 | ネット予約・クレジットカード事前決済 |
| 山中湖KABA | 乗車30日前~当日30分前 | ネット予約、空席があれば当日券も販売 |
| ながい百秋湖 | WEB予約は運行日の2日前まで | 直前は電話受付、空席次第で当日申込可 |
| 大阪ダックツアー | 出発当日まで申込可能 | 事前予約推奨、各便10名以上で催行 |
特に注意したいのは、予約締切と受付締切が同じではないことです。
例えば、TOKYO NO KABAは出発10分前までネット予約を受け付けていますが、乗り場には出発15分前までに到着する必要があります。
予約が間に合うからといって、出発直前に現地へ向かうのは避けましょう。
水陸両用バスの乗り場・発着場所代表的な乗り場は以下のとおりです。
- 東京・お台場:アクアシティお台場1階のシーサイド入口車寄せバス乗り場
- 横浜:日本丸メモリアルパークのスカイダック横浜チケットカウンター前
- 大阪:川の駅はちけんや地下1階
- 山中湖:旭日丘バスターミナル
- ながい百秋湖:野川まなび館
注意したいのは、集合場所と実際に入水する場所が異なるケースです。
水陸両用バスは専用スロープから水面へ入るため、乗車場所からスロープまで車両で移動することがあります。
また、横浜のスカイダックは乗車場所と降車場所が異なります。ツアー終了後の予定を組む場合は、降車場所も事前に確認してください。
乗車前に準備しておきたい持ち物・服装水陸両用バスは、一般的な観光バスよりも外気や水しぶきの影響を受けやすい車両があります。
特に窓ガラスのない車両では、雨や風が直接車内に入ってきます。
おすすめの準備は次のとおりです。
- レインコートや防水性のある上着
- 気温が低い日の防寒着
- 水しぶきに備えたタオル
- スマートフォン用の防水ケース
- 帽子が飛ばされないための対策
- 必要に応じて眼鏡やカメラの保護用品
傘は車内で使用できない運行会社があります。雨の日はレインコートを用意しましょう。
また、大型荷物やベビーカーを車内に持ち込めないケースもあります。トイレがない車両も多いため、出発前に済ませておくと安心です。
【安全性・事故・口コミを検証】乗っても大丈夫?実際の評判は?

水陸両用バスを検討する際、気になるのが安全性です。
陸上では大型車両として道路を走り、水上では旅客船として航行するため、通常の観光バスとは異なる安全管理が必要になります。
水陸両用バスの安全対策安全対策で確認したいのは、大きく分けて次の4点です。
1. 気象・水面の状況による運休判断
水陸両用バスは、雨が降っているかどうかだけで運航を判断するわけではありません。
風速、波高、視界、水位、潮位など、水上航行に影響する条件を考慮します。
例えば、山中湖のKABAが公開している安全基準では、次の条件を超える場合に運休するとしています。
山中湖KABAの運航中止基準8m/s
風速0.5m
波高300m
視程
風速8m/s以上、波高0.5m以上、視程300m以下が運休基準。船長が危険と判断した場合は、基準に達していなくても運航を中止します。
これは山中湖KABAの基準であり、すべての水陸両用バスに共通する数値ではありません。
2. 救命設備の準備
山中湖KABAでは、乗船人数分のライフジャケットを用意し、湖上に投げ込むと自動的に膨張する救命浮器も備えています。
ながい百秋湖の運行では、座席ごとに人数分の救命クッションを用意し、乗車後にガイドが使い方を説明しています。
装備や着用ルールは事業者によって異なります。乗車時の案内に従うことが大切です。
3. 車両・船舶の両面からの点検
水陸両用バスは、自動車としての整備だけでなく、船舶としての検査や管理も必要です。
陸上走行時のタイヤ、ブレーキ、エンジンなどに加えて、水上航行に関係する推進装置や操舵装置なども管理対象になります。
4. 乗務員の資格と運航管理
陸上運転と水上操縦には、それぞれ異なる資格・技能が必要です。
運行会社は気象条件や水面の状況を確認し、陸上・水上それぞれの運行基準に沿って運航の可否を判断します。
水陸両用バスの事故はある?確認すべき公的情報事故の有無を確認する際には、一般的な遊覧船の事故と、水陸両用バスの事故を混同しないことが重要です。
国土交通省は、2025年8月に旅客船事業者の安全情報を検索できるサイトを開設しました。
同サイトでは、事業者ごとに次の情報を確認できます。
- 事業者の所在地や登録・許可情報
- 運航船舶の数や旅客定員
- 救命設備や通信設備の搭載状況
- 過去5年間の事故報告件数
- 行政処分の履歴
なお、事故報告件数には、事業者側に過失がない事故も含まれる場合があります。例えば、乗客の体調悪化による救急搬送も事故件数に含まれることがあります。
そのため、事故件数だけで安全性を判断するのではなく、事故の内容や再発防止策、設備の整備状況まで見る必要があります。
実際の口コミ・評判から分かるメリットと注意点水陸両用バスの口コミでは、入水時の迫力、ガイドの説明、水上から眺める景色が評価される一方、天候や運行案内への不満も見られます。
予約サイトや旅行情報サイトに掲載された利用者の声を整理すると、次のような傾向があります。
山中湖KABA4.29 / 5.00
VELTRA掲載・21件の体験談の評価
評価されているポイント
- 湖に入る瞬間の迫力
- 富士山を湖上から眺める特別感
- ガイドによる案内
気になるポイント
- 雨天時は富士山が見えにくい
- 受付やチェックインの案内が分かりにくかったという2026年8月の口コミもある
横浜スカイダック4.62 / 5.00
VELTRA掲載・29件の評価
評価されているポイント
- 水上から眺める横浜の港の景色
- 入水シーンの楽しさ
- 街中の観光案内
気になるポイント
- 2026年7月にはガイドの音声が聞き取りにくかったという口コミもある
- 潮位によって運休する可能性がある
これらは特定の予約サイトに掲載された評価であり、全利用者を対象とした満足度調査ではありません。
口コミを読む際は、点数だけでなく、乗車時期や天候、参加者の年齢、利用したコースも確認したいところです。
乗車体験で後悔しないための判断基準水陸両用バスは、誰にとっても最適な観光手段というわけではありません。
おすすめできる人
- 家族で普段とは違う観光体験を楽しみたい人
- 水上から街や自然の景色を眺めたい人
- 入水する瞬間の迫力を体験したい人
- 短時間で陸上観光とクルーズを楽しみたい人
- 子供に乗り物の仕組みを体験させたい人
事前確認を特におすすめする人
- 車椅子や歩行補助具を使用する人
- 小さな子供を連れて乗車する人
- 雨や寒さが苦手な人
- 大きな荷物やベビーカーを持っている人
- 乗り物酔いが心配な人
車両によってはタラップの昇降が必要で、車椅子を車内に持ち込めない場合があります。TOKYO NO KABAも、自力でタラップを昇降できない人の利用を安全上の理由から控えるよう案内しています。
予約前に、利用する車両の乗降方法や介助の可否を確認してください。
【プロの結論】水陸両用バスを選ぶなら何を優先すべき?
水陸両用バスの価値は、単にバスと船を一台にまとめたことではありません。
最大の魅力は、道路から水面へ移動することで、同じ観光地を異なる視点から楽しめる点にあります。
しかし、観光商品として比較すると、地域によって体験の内容には明確な違いがあります。
目的別に選ぶならこの3つの視点1. 都市観光を重視するなら東京・横浜・大阪
街並み、建築物、橋、港などを陸上と水上から見比べたい人に適しています。
特に大阪ダックツアーは、通常期約75分のコースで陸上と水上をそれぞれ楽しめます。
2. 自然の景色を重視するなら山中湖・ながい百秋湖
山中湖では富士山と湖の景色、ながい百秋湖ではダム湖と山々の景観を楽しめます。
自然環境に左右されるため、天気だけでなく風や水位にも注意が必要です。
3. 費用対効果を重視するなら陸上・水上の時間配分を見る
料金が安いから必ずお得というわけではありません。
例えば、約30分の山中湖KABAと約75分の大阪ダックツアーでは、体験時間も観光内容も異なります。
大切なのは、乗車料金に対して何分の水上観光が含まれるのか、どのような景色を楽しめるのかを比較することです。
水陸両用バスは、通常の観光バスより高い料金設定になることもありますが、専用車両の維持管理や船舶としての運航体制も必要です。単純な移動手段ではなく、陸上観光と水上クルーズを組み合わせた体験型サービスとして評価するのが適切です。
【水陸両用バスに関するよくある質問(FAQ)】
Q1:水陸両用バスは普通のバスと何が違いますか?
A1:水陸両用バスは、陸上ではタイヤを使い、水上ではプロペラなどの船舶用推進装置を使います。自動車と船舶の両方の機能を備えているため、乗り換えずに道路から水上へ移動できます。
Q2:水陸両用バスの料金はいくらですか?
A2:2026年の代表的な運行例では、大人1人2,800円~4,200円程度です。山中湖KABAは基本料金2,800円、横浜スカイダックは平日3,600円、大阪ダックツアーは通常期3,800円など、地域や曜日によって異なります。
Q3:水陸両用バスは雨の日でも運行しますか?
A3:雨天でも運行するサービスはあります。ただし、強風、波、濃霧、水位、潮位などの条件によって運休する場合があります。雨が降っているだけで必ず中止になるわけではありませんが、当日の運行情報を確認してください。
Q4:予約なしでも水陸両用バスに乗れますか?
A4:空席があれば当日券を購入できるサービスもありますが、事前予約制のサービスもあります。特に休日や観光シーズンは、公式予約サイトで事前に座席を確保する方法がおすすめです。
Q5:水陸両用バスは子供や高齢者でも乗れますか?
A5:子供や高齢者も利用できるサービスがあります。ただし、タラップの昇降が必要な車両もあり、年齢や身体状況によっては利用条件が設けられています。乳幼児の座席や救命具の扱いも運行会社ごとに異なるため、予約前の確認が必要です。
水陸両用バスは、陸上ではタイヤで走り、水上ではプロペラなどを使って航行する特殊な観光車両です。専用スロープから水面へ進入するスプラッシュインは、通常の観光バスや遊覧船では味わえない魅力があります。
2026年は、東京のお台場でTOKYO NO KABAの新車両KABA4が運行を開始したほか、横浜・大阪・山中湖・ながい百秋湖でも、それぞれ特色の異なるコースが案内されています。
乗車先を選ぶ際には、料金、所要時間、運行ルート、発着場所、予約条件を比較しましょう。加えて、天候による運休基準、救命設備、乗降方法なども確認しておくと安心です。
特に大切なのは、過去の運行情報ではなく、実際に乗車する日の公式案内を確認することです。運行状況や料金は変更される可能性があるため、予約確定前と出発当日の両方で最新情報を確認してください。
陸上から水上へ、景色が切り替わる瞬間を楽しめる水陸両用バス。目的地や季節に合ったコースを選べば、いつもの観光とは違う思い出に残る体験になります。