日本教職員組合(日教組)は、1947年に結成された日本最大規模の教職員労働組合である。教職員の待遇改善や教育環境の整備、学校の働き方改革、教育政策への提言などを活動の柱としている。一方、戦後の教育政策をめぐる政府との対立や政治活動を背景に、現在も賛否の分かれる団体として知られる。
2026年現在、日教組が直面している大きな課題は組織の縮小だ。厚生労働省の2025年「労働組合基礎調査」をもとにした労働政策研究・研修機構(JILPT)の報告では、組合員数は18万7,000人で、前年から9,000人減少した。梶原貴委員長のもと、組織の立て直しと学校現場の労働環境改善が重点課題になっている。
日教組とはどのような組織なのか。1947年の結成経緯、連合との関係、全教・全日教連との違い、政治活動の実態、そして組合員数が減少している背景まで、2026年の最新資料をもとに整理する。
【基本解説】日本教職員組合(日教組)とは?役割と現在の組織概要

日本教職員組合は、全国の教員や学校職員によって構成される教職員団体である。一般的には「日教組(にっきょうそ)」という略称で知られている。
英語表記はJTU(Japan Teachers' Union)。教職員の労働条件を改善するだけでなく、子どもの教育環境や教育制度に関する政策提言にも取り組む全国組織だ。
日教組が設立された目的日教組の公式組織情報によると、結成時に掲げられた主な目的は次の3点に整理できる。
- 教育の民主化と研究の自由の確立
- 平和と自由を尊重する民主国家の建設
- 教職員の経済的・社会的・政治的地位の向上
戦後の日本では、教育制度そのものが大きく再編されていた。教員の待遇や職業上の権利を守ることに加え、教育行政のあり方や学校現場の自主性も大きな議論の対象だった。
こうした時代背景から、教職員が個々の学校や地域だけで要求を伝えるのではなく、全国規模で意見を集約する必要性が高まった。
日教組は、そのための全国的な連合体として誕生したのである。現在も教育条件の整備、教職員の待遇改善、教育政策への提言などを活動の中心に置いている。
日教組は学校を運営する組織なのかここは誤解されやすいポイントだ。
日教組は、文部科学省や教育委員会のように学校を管理・運営する行政機関ではない。また、全国の学校を直接指揮する組織でもない。
基本的な役割は、組合員の意見や要求を集め、教育行政や政策決定に反映させることにある。
具体的には、次のような活動がある。
- 教職員の給与や勤務条件の改善要求
- 長時間労働の是正に向けた政策提言
- 教員定数や少人数学級に関する要望
- 教育研究集会や専門分野別の研究活動
- 子どもの権利、人権、平和教育に関する活動
- 教育制度の改正に対する意見表明
つまり、日教組は教育行政を担当する組織ではなく、教育現場から制度改善を求める側の団体である。
【歴史を整理】日教組の結成経緯と1947年から2026年までの変遷
日教組の歴史を理解するには、戦後の教育改革と日本の労働運動の流れを押さえる必要がある。
結成当初は教職員の全国的な組織統一を目的としていたが、その後、教育政策をめぐる政府との対立や労働運動の路線をめぐる内部対立を経験してきた。
1947年6月8日、3つの教職員団体が合同日本教職員組合が結成されたのは、1947年6月8日である。
戦後間もない時期には、教職員の組織が複数に分かれていた。全国的な連携を求める動きが強まり、3つの教職員団体が合同して全国組織を結成した。
結成時の組合員数は約50万人とする戦後の労働運動資料も残されている。
当時の教職員にとって、給与や勤務条件の改善は切実な問題だった。それと同時に、戦前の国家主導型教育からの転換や、教員の教育活動における自主性の確保も重要な課題だった。
1950〜1960年代、政府の教育政策と対立1950年代に入ると、日教組は政府の教育政策に対して強い反対姿勢を示すようになる。
代表的な争点には、教育二法、教育委員会制度、勤務評定などがあった。
とりわけ勤務評定をめぐる運動は、日教組の歴史を語るうえで欠かせない出来事だ。
教職員の勤務状況をどのように評価するか、教育行政が学校現場にどこまで関与するかという問題は、現在にもつながる論点である。
一方、この時代の政治的対立が、日教組に対する社会的評価を大きく左右する要因にもなった。
1989年、連合への参加をめぐって組織が分裂日教組の歴史における大きな転換点が1989年だ。
当時の労働界では、全国的な労働組合の統一をめざす動きが進んでいた。その結果、1989年11月21日に日本労働組合総連合会(連合)が発足する。
しかし、日教組内部では連合への加盟方針をめぐって意見が対立した。
連合への参加に反対する勢力は、1989年11月17日に全日本教職員組合協議会を結成。その後、1991年3月6日に日本高等学校教職員組合の左派と組織統一し、現在の全日本教職員組合(全教)となった。
1995年以降、対立から政策提言・協議へ1990年代半ばには、日教組と文部省(現在の文部科学省)の関係にも変化が見られた。
日教組の公式沿革では、1995年を一つの転換点として位置づけている。
従来の対立一辺倒の関係から、教育課題に応じて対立と協調を使い分ける方向へと変化した。
教育行政に対して反対を表明するだけでなく、政策協議や提言を通じて教育制度の改善を求める活動が重視されるようになったのである。
【組織図・関係性】日教組と連合、全教、全日教連は何が違う?
日教組について調べる際、混同されやすいのが連合、全教、全日教連という3つの組織だ。
いずれも労働運動や教育政策に関係しているが、組織の成り立ちや加盟関係は異なる。
日教組と連合の関係連合は「日本労働組合総連合会」の略称で、1989年11月21日に発足した日本の全国的な労働組合の中央組織である。
日教組は連合に加盟する構成組織の一つだ。
ここで重要なのは、連合が日教組の上にある教育行政機関ではないという点である。
連合は、教職員だけでなく、製造業、サービス業、運輸業、医療・福祉など幅広い産業の労働組合を束ねる全国組織だ。
日教組は、教育分野の労働条件や政策課題について、連合と連携しながら活動している。
2026年には、連合の組織拡大方針と連動した日教組の組織強化も重点課題となっている。
日教組・全教・全日教連の違い3団体の違いを理解するには、結成の経緯と上部団体との関係を比較すると分かりやすい。
| 比較項目 | 日教組 | 全教 | 全日教連 |
|---|---|---|---|
| 正式名称 | 日本教職員組合 | 全日本教職員組合 | 全日本教職員連盟 |
| 結成 | 1947年6月8日 | 1991年3月6日 | 1984年2月26日 |
| 成立の経緯 | 戦後の教職員団体が合同 | 日教組の分裂を経て結成 | 教職員団体の統合 |
| 上部団体 | 連合 | 全労連 | 独立した全国組織 |
| 主な活動 | 労働条件改善、教育政策提言、働き方改革 | 労働条件改善、民主教育、平和・人権活動 | 教育研究、教職員の待遇改善、教育専門職としての活動 |
| 組織の特徴 | 全国規模の教職員組合連合体 | 連合加盟に反対した勢力を源流とする | 日教組とは異なる教育理念・組織路線 |
日教組と全教の最大の違いは、1989年の連合加盟問題をめぐる分裂にある。
日教組が連合に加盟した一方、反対した勢力は全教を結成し、全労連に加盟した。
そのため、両者は教職員の労働条件改善という共通課題を持ちながら、全国的な労働運動の系統が異なる。
一方、全日教連は1984年に結成された別系統の教職員団体だ。日教組の分裂によって生まれた組織ではない。
教育専門職としての教員の立場や教育のあり方を重視しており、日教組とは異なる理念と活動方針を持っている。
日教組の組織の仕組み日教組は、中央本部だけで全国の組合員を直接管理する単純な構造ではない。
2026年10月のJILPTによる取材記事では、日教組は47都道府県にまたがる義務教育・高校・私立学校・関係施設などの79単位組合で構成されると紹介されている。
基本的な組織構造は次のとおりだ。
- 中央本部:全国的な運動方針や政策要求をまとめる。
- 都道府県単位の組織:地域の教育課題や労働条件改善に取り組む。
- 支部・分会:地域や学校単位で組合員の意見を集約する。
- 組合員:職場の問題や改善要求を組織に伝える。
各単位組合には地域ごとの事情があるため、活動内容や組織規模は一律ではない。
この分権的な仕組みは、地域の教育課題を反映しやすい反面、組織の弱体化が進む地域では活動を維持することが難しくなるという課題も抱えている。
【2026年最新データ】日教組の組合員数は18万7,000人!減少している理由とは
日教組の現状を把握するうえで、特に注目したいのが組合員数の推移だ。
2025年の労働組合基礎調査によって、日教組の組織規模が18万7,000人となったことが明らかになった。
2025年労働組合基礎調査の結果厚生労働省の労働組合基礎調査は、毎年6月30日時点の労働組合数や組合員数、加盟する上部組織などを調べる政府統計である。
2025年分は同年12月24日に公表された。
JILPTが2026年に公表した分析によると、日教組の組合員数は次のとおりだ。
2025年調査に基づく日教組の組合員数18万7,000人
前年からの減少数
9,000人
2026年の委員長
梶原貴
2026年の重点方針
組織拡大・働き方改革
出典:厚生労働省「2025年労働組合基礎調査」、JILPTの2026年報告
なお、ここで注意したいのが文部科学省の調査との違いだ。
文部科学省が2025年3月に公表した2024年10月1日時点の調査では、公立学校の常勤教職員を対象とする日教組の加入者数は190,868人、加入率は18.8%だった。
一方、18万7,000人は厚生労働省の労働組合基礎調査に基づく2025年6月末時点の数字である。
調査時点と対象範囲が異なるため、両者を同一条件の連続した数字として扱うことはできない。
なぜ日教組の組合員数は減少しているのか組合員数の減少は、単純に教員の人数が減ったという理由だけでは説明できない。
2026年のJILPTによる日教組への取材では、組織内部が抱える複数の問題が明らかになっている。
1. 新規採用教職員の加入率が低い
若手教職員の組合加入が十分に進んでいないことは、長期的な組織維持に関わる問題だ。
文部科学省の2024年調査では、新規採用教職員全体の教職員団体加入率は20.8%だった。
日教組への加入率は16.8%で、前年の17.0%から低下している。
新たに採用される教員のうち、組合に加入しない人が多数を占めている状況だ。
2. 退職者や組合脱退者を新規加入者で補えない
組織の規模を維持するには、新規加入者が退職や脱退による減少を補う必要がある。
しかし、日教組は2025年度春季の声かけ運動によって加入者が増えた一方、加入数が減少数を下回る状況が続いていると説明している。
つまり、加入促進の取り組みを進めても、組織全体の人数を維持できていない。
3. 組合活動そのものが若手にとって負担になっている
2026年10月のJILPT取材では、若手組合員が組合活動に参加し続ける難しさも指摘された。
平日は学校業務で忙しく、休日まで集会や組合活動に参加することへの負担感がある。
また、転勤によって組合員の少ない学校に移った際に脱退したり、分会長や執行委員などの役割を担うことになって活動継続をためらったりするケースも紹介されている。
組合費という経済的負担だけでなく、時間的な負担も加入継続を左右している。
2026年の梶原貴委員長と組織再建への取り組み2026年3月18日、日教組は第115回臨時大会を開催した。
この大会では、2026〜2027年度の役員選挙が行われ、梶原貴中央執行委員長の再任が決定した。
大会で確認された重点方針は、次の2つである。
- 組織拡大・強化
- 学校の働き方改革
特に組織拡大については、2026年4月1日から10日まで全国的な声かけキャンペーンを実施し、新規加入者の獲得に力を入れる方針が示された。
また、賃上げ、教職員定数の改善、高校教育改革、インクルーシブ教育、ジェンダー平等などを組織拡大のテーマとして活用する考えも示されている。
梶原委員長にとって、現在の課題は単なる組合員数の回復ではない。組合活動が教職員にとって実際に役立つものだと感じてもらえる組織へ変えていけるかどうかも問われている。
【活動内容の実態】日教組は何をしている?学校の働き方改革と教育政策
日教組の活動は、政治的な声明や大会の開催だけではない。
実際には、学校現場の労働環境を改善するための調査、政策提言、教育研究、地域活動など多岐にわたる。
2026年10月にJILPTが掲載した日教組への取材記事は、現在の活動を理解するうえで重要な資料となっている。
学校の働き方改革と教員の長時間労働日教組が2026年に重点的に取り組んでいるのが、学校の働き方改革だ。
日本の教員は授業だけでなく、教材研究、成績処理、保護者対応、部活動、学校行事、校務分掌など多くの業務を担っている。
文部科学省の2025年9月時点の状況を踏まえたJILPTの報告では、公立学校教員の月平均時間外在校等時間は次のように紹介されている。
| 学校種 | 月平均の時間外在校等時間 |
|---|---|
| 小学校教諭 | 約31時間 |
| 中学校教諭 | 約40時間 |
| 高等学校教諭 | 約33時間 |
改正給特法では、2029年度までに時間外在校等時間を月平均30時間程度に削減する目標が定められている。
しかし、中学校では依然として平均40時間程度となっており、改善の余地は大きい。
また、学校にいる時間だけを計測しても、実際の労働負担を正確に把握できない問題がある。
日教組の実態調査について、JILPTの記事では、教職員が取得できている休憩時間は1日平均11分だったと紹介されている。本来45分の休憩が想定される職場で、十分な休憩が確保されていない実態が浮かび上がる。
持ち帰り仕事や休憩時間の未取得も含めて労働時間を正確に把握することが課題となっている。
日教組が掲げる「持続可能な学校のための7つの提言」日教組は2023年に「持続可能な学校のための7つの提言」を策定した。
その内容は、単に残業時間を減らすというものではない。
1. 授業準備の時間を確保する。
2. 少人数学級を実現する。
3. 教職員を増員し、スクールカウンセラーなどの専門職を拡充する。
4. 学習指導要領の内容を精選する。
5. 若手教職員を支えるための人員配置を拡充する。
6. 文部科学省の責任で学校業務の役割分担と適正化を進める。
7. 給特法の廃止・抜本的見直しを求める。
特に注目されるのが、教職員の定数改善と授業時数の削減だ。
教員を増やさずに業務だけを削減しようとしても、現場に十分な余裕は生まれないという問題意識が背景にある。
また、授業準備の時間を確保することは、教員の負担軽減だけでなく、教育の質を維持するためにも必要だという考え方だ。
教員不足と部活動の地域移行にも取り組む教員不足も、日教組が重視する問題の一つだ。
JILPTが紹介した文部科学省の調査によれば、2025年5月1日時点で全国の公立学校では約3,800人の教員が不足していた。
教員採用試験の競争倍率も小・中・高校で低下傾向にあり、地域によっては採用しても人材を確保できない状況が生じている。
日教組は、教職員の増員や待遇改善を求めている。
加えて、中学校の部活動についても、地域のスポーツ団体などへの移行を進め、教員の負担を軽減する必要性を訴えている。
ただし、部活動を地域に移せばすべて解決するわけではない。
地方では指導者の確保が難しく、従来どおり教員が指導を担っているケースもある。部活動を続けたい教員の希望と、負担を減らしたい教員の希望をどう両立させるかも課題だ。
このように、日教組の働き方改革は、労働時間の管理だけでなく、人員配置、教育制度、地域の支援体制まで含むものになっている。
教育研究や人権・平和活動も重要な柱日教組の活動は、教職員の待遇改善だけではない。
全国教育研究集会などを通じて、教員同士が授業方法や教育実践について意見交換する活動も続けている。
また、2026年3月の臨時大会では、次のテーマが取り上げられた。
- 平和と人権
- 民主的な教育の実現
- ジェンダー平等
- インクルーシブ教育
- 防災・減災教育
- 子どもの権利
- 教育予算の確保
災害時の支援活動も行っている。2026年の熊本地震では、日教組が災害対策本部を設置し、被災した地域の教職員や学校への支援を進めた。
こうした活動は、日教組が労働組合としての役割と教育に関する社会運動の両方を担っていることを示している。
【政治活動と評判】日教組はなぜ政治的だといわれるのか?
日教組をめぐる議論で避けて通れないのが政治活動だ。
日教組は、教職員の待遇改善や教育制度の変更を求める政策提言だけでなく、政治家との連携や政治活動にも関わっている。
そのため、一般的な企業内労働組合とは異なる政治的な存在感を持っている。
日教組の政治活動とは?日政連との関係日教組に関連する政治組織として知られるのが、日本民主教育政治連盟(日政連)だ。
日政連は、教職員出身の議員や教育の改善をめざす議員による組織である。
日教組の公式サイトでは、日政連について、参議院議員5人、自治体議会では約200人の議員が所属すると紹介している。
公式サイトに掲載されている参議院議員は次の5人だ。
- 水岡俊一
- 斉藤嘉隆
- 勝部賢志
- 古賀千景
- 小島智子
同サイトでは、これらの議員を立憲民主党所属として掲載している。
このように、日教組は教育政策に関わる政治家とのつながりを持ち、教育現場の要求を政治の場に届ける活動を行っている。
2025年9月には、立憲民主党の野田佳彦代表が日教組の第114回定期大会に出席した。
同党の公式発表によれば、野田代表は参議院選挙で日教組の組織内候補として活動した水岡俊一、勝部賢志、小島智子の3議員が当選したことに触れ、組合員による支援に謝意を示した。
これは、日教組と政治家の連携が実際の選挙活動にも関係していることを示す事例だ。
教職員の政治活動には法律上の制限があるここで区別しなければならないのが、組合としての政策活動と、教員個人の政治活動である。
公立学校の教育公務員には、政治的行為に関する法律上の制限がある。
2026年1月26日には、文部科学省が教職員等の選挙運動の禁止などに関する通知を出した。
その中では、教育公務員の政治的中立性を確保するため、特定政党の支持・反対を目的とする政治活動や、教育者としての地位を利用した選挙運動などについて注意を促している。
また、教育基本法第14条第2項は、法律に定める学校が特定の政党を支持したり、反対したりするための政治教育その他の政治活動を行うことを禁止している。
したがって、日教組が政治家と連携して教育政策を提言することと、教員が学校教育の場で特定政党への支持を働きかけることは、別の問題として考える必要がある。
日教組の評判が分かれる理由日教組への評価は、支持する側と批判する側で大きく異なる。
その背景には、歴史的な政治対立と現在の活動内容の両方がある。
肯定的に評価されるポイント
- 教職員が個人では解決しにくい労働問題を組織的に取り上げる。
- 長時間労働や教員不足の改善を政策課題として提起する。
- 少人数学級や専門職の配置など教育環境の整備を求める。
- 教育研究活動を通じて教員同士の専門的な交流を促す。
- 子どもの権利や人権、平和教育などの課題を扱う。
批判や疑問が向けられるポイント
- 政治家や特定政党との関係が教育の中立性にどう影響するのか。
- 教育政策に対する政治的主張が強すぎないか。
- 組合の方針がすべての組合員の意見を反映しているのか。
- 組合費や組合活動への参加に見合うメリットがあるのか。
- 学校現場の改善にどれほど具体的な成果を出しているのか。
特に、過去の政府との対立や政治活動の歴史は、現在の日教組への評価にも影響している。
ただし、過去の運動だけを根拠に現在の活動すべてを評価するのは適切ではない。2026年の重点方針を見ると、教員の労働環境や組織の維持など、学校現場に直結する問題が大きな割合を占めている。
日教組を評価する際には、政治的な立場だけでなく、教育現場にどのような改善をもたらしたかという実績も見る必要がある。
【よくある質問】日本教職員組合(日教組)に関するFAQ
Q1:日本教職員組合(日教組)は何をする団体ですか?
A1:全国の教員・学校職員を中心とする労働組合の連合体です。教職員の待遇改善、長時間労働の是正、教育条件の整備、教育政策への提言、教育研究活動などを行っています。
Q2:2026年現在、日教組の組合員数は何人ですか?
A2:2025年労働組合基礎調査に基づく数字は18万7,000人です。前年から9,000人減少しています。これは2025年6月末時点の調査に基づく数字です。
Q3:日教組と連合はどのような関係ですか?
A3:日教組は日本労働組合総連合会(連合)に加盟しています。連合は日本の幅広い産業の労働組合を束ねる全国組織であり、日教組はその構成組織の一つです。
Q4:日教組と全教は同じ組織ですか?
A4:別の組織です。1989年に連合への加盟方針をめぐる対立から分裂し、全教はその反対勢力を源流として1991年に結成されました。現在、日教組は連合、全教は全労連に加盟しています。
Q5:全日教連と日教組の違いは何ですか?
A5:全日教連は1984年に結成された独立系の教職員団体です。日教組とは組織の成り立ちや教育理念が異なります。日教組の分裂によってできた組織ではありません。
Q6:日教組の政治活動は具体的にどのようなものですか?
A6:教育政策への提言、政治家との連携、日政連を通じた教育政策に関わる議員との活動などがあります。ただし、公立学校の教育公務員個人には政治活動に関する法律上の制限があります。
Q7:日教組の委員長は誰ですか?
A7:2026年11月現在、中央執行委員長は梶原貴氏です。2026年3月18日の第115回臨時大会で、2026〜2027年度の役員として再任されました。
日本教職員組合(日教組)は、1947年6月8日に結成されて以来、戦後日本の教育制度や教職員の労働環境に関わってきた全国組織である。
1989年の連合加盟をめぐる分裂を経て、現在は連合に加盟する教職員組合として活動している。一方、全教や全日教連とは異なる組織的な立場と教育政策への考え方を持つ。
2025年労働組合基礎調査で明らかになった組合員数18万7,000人という数字は、日教組が直面する組織縮小の深刻さを示している。
2026年には梶原貴委員長の再任のもと、組織拡大と学校の働き方改革が重点方針に掲げられた。
今後、日教組の存在意義を左右するのは、政治的な発信力だけではない。
教員不足の解消、長時間労働の是正、適切な人員配置、授業準備時間の確保など、学校現場が抱える問題にどれだけ具体的な成果を出せるかが問われている。
日教組を理解するための判断基準は、次の3点に集約できる。
1. 労働組合としての実績: 教職員の給与、労働時間、休憩、職場環境を改善できているか。
2. 教育政策への貢献: 教員と子どもの双方にとって、より良い教育環境につながる提言を行っているか。
3. 組織運営の透明性: 政治活動、組合費、組織方針について、組合員や社会に説明できているか。
歴史的な政治対立だけでも、現在の活動方針だけでも、日教組の全体像は捉えられない。
組織の成り立ち、政治との関係、客観的な統計、学校現場での具体的な取り組みを合わせて見ることが、2026年の日教組を正しく理解するための重要な視点となる。