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夏競馬の7レース制はなぜ?2027年新潟・中京の日程と120レースの行方を徹底解説

小野寺 翔 小野寺 翔 • 更新: • 公開: • 読了約 19 分
目次

2026年11月現在、JRAが発表した2027年度の開催日割で、夏競馬に大きな変更が明らかになった。2027年7月24日(土)から8月29日(日)まで、第2回新潟競馬と第2回中京競馬で、1日12レースから7レースへの変更が予定されている。第1レースの発走時刻は午後3時ごろ。真夏の厳しい暑さを避け、人馬の安全を優先するための新たな開催方式だ。

しかし、レースを減らすだけでは年間の競走数が不足する。そこでJRAは、削減される120レースを春季・秋季の月曜日開催などに振り替え、年間開催日数を従来の288日から298日に拡大する計画を打ち出した。函館競馬も6週間から7週間に延長され、札幌競馬との開催順も変更される。2027年の夏競馬は、発走時刻だけでなく、中央競馬全体の開催構造が変わる節目となる。

【まず結論】2027年の夏競馬7レース制は新潟・中京が対象

夏競馬7レース

2027年度の夏競馬で導入予定の7レース制は、すべての競馬場に適用されるわけではない。

対象となるのは、JRAが発表した第2回新潟競馬と第2回中京競馬の2開催だ。

2027年の対象期間と開催内容
項目 内容
対象期間 2027年7月24日~8月29日
対象競馬場 新潟競馬場・中京競馬場
対象開催 第2回新潟競馬・第2回中京競馬
各競馬場の開催日数 12日間
合計開催日数 24日間
1日の競走数 12レースから7レース
第1レースの発走 午後3時ごろ
主な目的 人馬の暑熱対策

JRAの2026年9月28日付の公式発表によると、第2回新潟競馬と第2回中京競馬は、それぞれ12日間の開催を予定している。

つまり、7月24日から8月29日までの期間中、対象となる2つの競馬場で実施される開催日について、従来の12競走編成を7競走編成に変更する仕組みだ。

ここで注意したいのは、7月24日から8月29日までの37日間、毎日7レースが開催されるわけではないという点である。

対象となるのは、あくまで両競馬場の各12開催日だ。

また、函館競馬や札幌競馬など、北海道シリーズが一律に7レース制へ変更されるわけでもない。

2027年度の開催日割はすでにJRAから公表されているが、農林水産大臣の認可を経て正式決定する扱いとなっている。

【午後3時スタートの理由】夏競馬の暑熱対策はなぜ必要なのか

今回の変更で最も注目されるのが、第1レースの発走時刻を午後3時ごろに設定する点だ。

従来の中央競馬では、午前中から午後にかけて順番にレースを行うのが一般的だった。しかし、夏の競馬場では日中の高温が競走馬や騎手、厩舎関係者に与える負担が問題となっている。

JRAは2024年から暑熱対策として「競走時間帯の拡大」を導入し、気温が特に高い時間帯のレースを避ける取り組みを進めてきた。

2024年から2027年までの暑熱対策の変化

2024年:新潟競馬場で試験的に導入

2024年夏、第2回新潟競馬で初めて競走時間帯の拡大が実施された。

午前中にレースを行った後、午前11時30分ごろから午後3時10分ごろまで競走を休止し、比較的気温の低い時間帯に再開する方式だった。

このときは、午後3時台に準メインやメインレースを配置し、最終12レースは午後6時30分ごろの発走を予定していた。

2025年:新潟に加えて中京にも拡大

2025年には、競走時間帯の拡大が4週間に延長され、新潟だけでなく中京競馬場でも実施された。

対象となる開催日を増やし、暑い時間帯を避ける取り組みを継続した。

2026年:実施期間を6週間に拡大

2026年度は、前年の4週間から6週間へと期間を拡大。

7月25日から8月30日まで、第2回・第3回新潟競馬と第2回・第3回中京競馬を対象に、競走時間帯の拡大が実施された。

この段階では、午前中の競走を残しながら、日中の休止時間を設けて午後に再開する方式が基本だった。

2027年:1日7レースに変更

そして2027年は、従来の時間帯調整からさらに踏み込み、対象開催の競走数そのものを12から7に変更する。

午前中のレースをなくし、午後3時ごろから夕方にかけて7競走を行う方式へ移行する計画だ。

競走時間帯の変更は実際に効果があったのか

2025年9月のJRA定例記者会見について報じたスポーツニッポンによると、6月から8月に熱中症と診断された競走馬の頭数は次のとおりだった。

年 熱中症と診断された頭数
2023年 46頭
2024年 35頭
2025年 26頭

この数字は減少傾向を示している。

ただし、競走時間帯の変更だけでなく、パドックの周回時間短縮や装鞍所集合時刻の変更など、複数の対策が実施されている。

そのため、数字の減少を単一の施策だけの成果と捉えることはできない。

JRAが2027年に7レース制を導入する背景には、従来の対策を継続するだけではなく、開催そのものの時間構成を見直す必要性がある。

午後3時ごろから始めるのは、真夏の日中の高温時間帯を避け、夕方にかけて競走を実施するためだ。

【12レースから何が変わる?】発走時刻と競馬ファンへの影響

2027年の7レース制では、単純にレース数が5つ減るだけではない。

競馬場で過ごす時間、レースを予想するタイミング、馬券を購入する時間帯など、競馬ファンの楽しみ方にも変化が生じる。

1日のレース数は約42%減少

従来の12レースから7レースになるため、1日当たり5競走が減少する。

割合にすると、約41.7%の削減だ。

比較項目 従来 2027年予定
1日のレース数 12 7
削減数 ― 5
レース数の割合 100% 約58.3%
第1レース 午前中 15時ごろ

対象となる24開催日を合計すると、5レース×24日で120レースが減る計算になる。

レースは午後から夕方に集中

2027年の新方式では、第1レースが午後3時ごろに設定される。

競馬専門メディアなどの報道では、全7競走はおおむね午後3時から午後6時30分ごろまでの時間帯に実施される見通しとされている。

ただし、各競走の正確な発走時刻や特別競走の配置については、今後発表される競馬番組の詳細を確認する必要がある。

これまでのように午前中からレースを楽しむのではなく、午後から競馬場へ向かったり、午後の中継を中心に楽しんだりするスタイルが生まれる。

競馬ファンが注意したい3つのポイント

- 午前中の予想スケジュールが変わる: 対象競馬場では午後からレースが始まるため、従来の時間感覚で予定を組まないようにしたい。
- 出馬表の確認が重要になる: 1日の競走数が減るため、出走馬やレース条件の構成が従来と異なる。
- 他の競馬場と混同しない: 7レース制は新潟・中京の対象開催に限られる。同日に開催される北海道シリーズなどまで7レースになるわけではない。

特に注意したいのは、JRA全体で1日に7レースしか行われなくなるという誤解だ。

変更されるのは対象となる開催場の競走数であり、中央競馬全体のレース数を7競走にする制度ではない。

【削減分120レースの行き先】春・秋の月曜日開催と年間日程の再編

今回の7レース制で大きな問題となるのが、年間競走数の確保だ。

新潟・中京の対象開催で120レースを減らす以上、そのままでは年間のレース数が不足する。

そこでJRAは、春季・秋季の開催日程を見直し、平日の月曜日にも中央競馬を開催する方針を発表した。

120レースはどのように振り替えられるのか

削減される競走数は次の計算で求められる。

- 1開催日当たりの削減数:12-7=5レース
- 対象となる開催日:新潟12日+中京12日=24日
- 年間削減数:5×24=120レース

一方、2027年度は年間開催日数が288日から298日に増える。

通常の12競走編成の日を10日分増やせば、120レースを確保できる計算だ。

新設される春季・秋季の月曜日開催

JRAが発表した2027年度の平日月曜日を含む3日間開催は、次の3回となる。

開催期間 月曜日 開催競馬場
3月6日~8日 3月8日 中山・阪神
10月30日~11月1日 11月1日 東京・京都
11月27日~29日 11月29日 東京・京都

これらは従来の土日開催に加えて、月曜日にも競馬を実施する日程だ。

2027年は祝日を利用した3日間開催が4回予定されているため、平日の月曜日開催3回と合わせると、3日間開催は年間7回となる。

競馬ファンにとっては、週末だけでなく月曜日にも中央競馬を楽しめる機会が増える。

競馬場別の年間開催日数はどう変わる?

2026年度と2027年度のJRA公式開催日割を比較すると、次のようになる。

競馬場 2026年 2027年 増減
札幌 14日 14日 ±0
函館 12日 14日 +2
福島 20日 20日 ±0
新潟 24日 24日 ±0
中山 42日 44日 +2
東京 45日 47日 +2
中京 24日 24日 ±0
京都 46日 46日 ±0
阪神 41日 45日 +4
小倉 20日 20日 ±0
合計 288日 298日 +10日

注目したいのは、函館・中山・東京・阪神の開催日数が増えている点だ。

新たな月曜日開催だけでなく、北海道開催や春季の開催日程の組み替えも含め、年間の開催構造全体が再編されている。

この表からも分かるように、120レースの振り替えは、新潟や中京だけで完結する話ではない。

夏季の開催数を調整する一方、春や秋に競走機会を移すことで、年間の競走数と開催日程を両立させる仕組みとなっている。

【函館・札幌はどうなる?】北海道開催は7週間へ拡大

2027年の夏競馬では、新潟・中京の7レース制と並んで、北海道シリーズの変更も見逃せない。

JRAは函館競馬の開催日数を従来の6週間12日間から、7週間14日間に拡大する。

加えて、函館競馬と札幌競馬を交互に開催する日程を採用する。

2027年の函館・札幌競馬の日程

JRAが発表した開催順は次のとおりだ。

開催 期間 開催週 開催日数
第1回函館 6月5日~6月27日 4週 8日
第1回札幌 7月3日~7月18日 3週 6日
第2回函館 7月24日~8月8日 3週 6日
第2回札幌 8月14日~9月5日 4週 8日

従来のように函館開催を終えてから札幌開催を続けるだけではなく、函館→札幌→函館→札幌という順番になる。

函館競馬は合計7週間14日間、札幌競馬も合計7週間14日間の開催となる。

なぜ函館と札幌を交互に開催するのか

JRAは、良好な芝馬場を維持することなどを目的として、この開催順を設定したと説明している。

北海道シリーズでは、芝コースの状態が競走内容に影響するため、開催日程と馬場管理を一体的に考える必要がある。

開催場所を交互にすることで、各競馬場の開催期間や馬場の使用状況を調整する狙いがある。

また、函館競馬の開始時期を1週間繰り上げ、最初の開催を3週間から4週間に延長することで、夏季の北海道シリーズ全体の構成も変わる。

北海道の競馬も7レース制になるのか

これは誤解しやすいポイントだ。

2027年度の7レース制の対象は第2回新潟競馬と第2回中京競馬である。

函館競馬と札幌競馬については、JRAの発表に7レース制への変更は盛り込まれていない。

したがって、北海道シリーズまで一律に7レースになるわけではない。

夏競馬の7レース制と北海道シリーズの開催拡大は、別々の変更として理解しておきたい。

【プロの結論】年間298日でも競走数を維持できる理由と法改正

2027年の開催日程を理解するうえで、もう一つ重要なのが2026年7月14日に施行された競馬法施行規則の改正だ。

従来、中央競馬には年間288日という開催日数の上限が設けられていた。

そのため、夏季の競走数を減らして別の日に振り替える場合でも、開催日数の制約が大きな問題となっていた。

2026年7月14日の競馬法施行規則改正とは

改正された競馬法施行規則では、気候変動によって人や馬の健康に影響が及ぶおそれがある場合、年間の競走数が一定の上限を超えない範囲で、従来の年間開催日数や1開催当たりの開催日数を超えて開催できる仕組みが設けられた。

重要なのは、開催日数を増やしても年間の競走数の上限は維持されるという点だ。

従来の制度上の基本的な上限は、次の計算で表せる。

288日×12競走=3456競走

2027年度の計画は、この3456競走という枠組みを活用している。

288日から298日への変更を数字で理解する

今回の仕組みを整理すると、次のようになる。

項目 数字
従来の開催日数 288日
2027年度の開催日数 298日
開催日数の増加 10日
通常の1日当たり競走数 12競走
7レース制の対象日 24日
対象期間で減少する競走数 120競走
年間競走数の基本的な上限 3456競走

計算すると、

298日×12競走=3576競走

ここから7レース制による削減分120競走を差し引くと、

3576-120=3456競走

となる。

つまり、開催日数は10日増えても、年間の競走数は従来の基本上限である3456競走以内に収まるという設計だ。

なお、298日という数字は、年間のカレンダー上で298日間だけ競馬を開催するという意味ではない。

複数の競馬場で同日に開催する場合、それぞれの競馬場の開催日数を合算した数字である。

2027年のJRA日程で今後確認したいこと

2026年11月1日時点では、JRAは2027年度の開催日割と重賞競走の主な変更点を発表済みだ。

一方、JRAの公式発表では、重賞競走の賞金額や競馬番組上のルール、リステッド競走などの詳細については11月中旬に改めて発表する予定としている。

今後、特に確認したいのは次の3点だ。

1. 7レース制の具体的な競走条件: 各開催日のレース編成や出走条件がどう整理されるか。
2. 正確な発走時刻: 第1レースから最終レースまでの時刻と、メインレースの配置。
3. 振替開催の詳細: 春季・秋季の追加開催に伴う各競走の配置や出走機会への影響。

競馬ファンにとっては、単純にレース数が減るという見方ではなく、年間の出走機会がどのように再配置されるかまで確認することが大切だ。

【夏競馬の7レース制】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:2027年の夏競馬で7レース制になる競馬場はどこ?

A1:第2回新潟競馬と第2回中京競馬の2競馬場だ。2027年7月24日から8月29日までの対象開催で、それぞれ1日7競走の編成となる予定である。

Q2:7レース制では何時から競馬が始まる?

A2:第1レースの発走は午後3時ごろを予定している。全7競走は午後3時ごろから午後6時30分ごろまでの時間帯に行われる見通しだ。

Q3:減らされた120レースはなくなるの?

A3:なくなるわけではない。春季・秋季の月曜日開催や函館競馬の開催拡大などによって年間の競走数を確保する計画だ。

Q4:函館競馬と札幌競馬も7レース制になる?

A4:JRAの2027年度開催日割では、北海道開催の7レース制は発表されていない。函館競馬は7週間14日間に拡大され、札幌競馬と交互に開催される。

Q5:2027年の年間開催日数298日は、競馬を開催する日が298日あるという意味?

A5:違う。各競馬場の開催日数を合計した数字だ。複数の競馬場が同じ日に開催する場合、それぞれの開催日数が加算される。2026年度の288日から2027年度は298日に増える予定となっている。

2027年の夏競馬では、新潟・中京の第2回開催において、1日12レースから7レースへの変更が予定されている。

第1レースの発走時刻は午後3時ごろ。猛暑の時間帯を避けるため、従来の午前・午後に分かれた競走時間帯から、午後中心の開催へと大きく転換する。

一方、削減される120レースは、春季・秋季の月曜日開催や函館競馬の開催拡大などによって年間日程に再配置される。年間開催日数は288日から298日となり、競馬法施行規則の改正によって、競走数を維持しながら開催日数を増やせる制度的な環境も整った。

今回の変更で重要なのは、夏競馬のレース数を減らすこと自体ではなく、人馬の安全を優先しながら、年間の競走数と競馬開催の魅力を維持することにある。

2026年11月中旬に予定されている競馬番組の詳細発表では、発走時刻や競走条件など、実際のレース運営に関わる情報にも注目したい。

2027年の夏競馬は、開催時間の変更にとどまらず、JRAの年間開催制度そのものが新しい段階へ進む重要なシーズンとなりそうだ。

主な根拠資料・確認先

- JRA「2027年度開催日割および重賞競走」(2026年9月28日発表)
- JRA「2027年度開催日割表」
- e-Gov法令検索「競馬法施行規則」
- JRA「2024年度競馬番組における新たな暑熱対策について」
- スポーツニッポン「JRA定例会見・暑熱対策の実績」
- ラジオNIKKEI「JRA、2027年度の開催日割を発表」
- netkeiba「2027年度の開催日程・120レースの再編」

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小野寺 翔
トレンドリサーチャー 小野寺 翔
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アニメ・漫画の制作発表を担当。制作会社・出版社の公式告知と原作者コメントを確認してから記事化します。

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