この試合で最も誤解されやすいのが、メイウェザーがTKOで朝倉を止めたにもかかわらず、公式記録では「勝敗なし」とされている点だ。
これは記録の矛盾ではない。エキシビションマッチという試合形式と、試合中に起きた決着方法を別々に記録しているためだ。
TKO決着と公式勝敗は別の意味を持つ通常のプロボクシング公式戦では、KOやTKOによる決着は選手の勝敗記録に反映される。しかし、今回の試合は当初からスペシャルエキシビションマッチとして企画されていた。
RIZINの公式結果一覧でも、通常の勝敗が確定した試合にはWIN・LOSEの表示がある一方、メイウェザー対朝倉戦には「勝敗なし」と記載されている。
したがって、次の2つの表現は、どちらも異なる観点から見れば正しい。
- 試合内容:メイウェザーが朝倉未来をTKOで止めた。
- 公式戦績:エキシビションのため、通常の公式勝敗には算入されない。
この表で特に重要なのは、RIZINが記録した試合結果と、ボクシングのプロ公式戦績を混同しないことだ。
2026年11月現在、BoxRecに掲載されているメイウェザーのプロボクシング戦績は50勝0敗、27KO。プロとしての活動期間は1996年から2017年までと記載されている。朝倉戦は、この50勝には含まれていない。
「勝敗なし」は引き分けや無効試合と同じなのか?ここも間違えやすいポイントだ。
今回の「勝敗なし」は、両者が互角だったため引き分けになったという意味ではない。また、試合が途中で中止されたため結果が消えたという意味でもない。
試合自体は実施され、ダウンとレフェリーストップも発生している。その一方で、エキシビションという契約・競技上の位置付けにより、通常の公式戦の勝敗には反映されない。
つまり、試合映像を見て「メイウェザーがTKOで勝った」と理解することと、公式記録を見て「勝敗なし」と理解することは矛盾しない。
【試合後コメントを検証】朝倉未来は何を語り、メイウェザーはどう評価した?

試合後の両者のコメントからは、単なる勝敗以上に、この対戦がそれぞれにとってどのような経験だったのかが見えてくる。
朝倉未来「全てがレベルが異次元でした」RIZIN公式が2022年9月27日に公開した試合後インタビューで、朝倉は率直に悔しさを口にした。
「悔しいっすね、あとアタマ痛いっす」
「全てがレベルが異次元でした」
朝倉は2ラウンドで自分のパンチが当たった感触についても振り返り、気持ちが乗ってきて「全然戦える」と感じていたと説明した。
一方、ダウンした場面については記憶が曖昧で、映像を見返しても、なぜ倒れたのか不思議に感じたという。立ち上がろうとした際には、地面が歪んでいるような感覚があったとも語っている。
そして今後の目標については、MMA選手として総合格闘技の試合に戻りたいという意向を示した。ボクシング系の特別ルールでの敗戦を、自身の本来の競技であるMMAから離れる理由にはしなかった。
メイウェザーは朝倉の挑戦を評価メイウェザーも試合後のインタビューで朝倉について言及している。
彼はエキシビションという位置付けを強調しながら、朝倉がパンチを当てたことによって観客が盛り上がり、両者で試合を作り上げられたと評価した。
また、朝倉のことをタフな対戦相手と表現し、最後まで戦う姿勢を認めていた。
興味深いのは、メイウェザーが試合中の攻防を単純な力比べとして語っていない点だ。相手の反応を見ながらプレッシャーをかけ、攻撃への対応を確認していたと説明している。
朝倉が前に出てパンチを返す場面があったことも、試合を盛り上げる要素として評価していた。
試合後の2人の評価から見えるもの朝倉は、メイウェザーの反応速度や技術の高さを実際に対戦して実感した。一方、メイウェザーは朝倉の積極性と挑戦する姿勢を評価した。
この違いは、両者が置かれていた競技経験の違いとも関係している。メイウェザーはボクシングの世界最高峰で長年戦ってきた選手であり、朝倉はMMAを中心にキャリアを積んできた選手だ。
一度のエキシビションマッチの結果だけで、朝倉の総合格闘家としての実力まで否定することはできない。逆に、朝倉がメイウェザーにパンチを当てた事実だけで、両者のボクシング技術が同等だったと判断することもできない。
【メイウェザー対朝倉未来の試合動画】2026年に映像を確認する方法
試合映像を見返したい人は、RIZINの公式動画アーカイブを確認する方法がある。
RIZIN公式の動画サービス「RIZIN 100 CLUB」では、超RIZINのカテゴリーに「Full Fight|フロイド・メイウェザー vs. 朝倉未来|超RIZIN|2022.09.25」という映像が掲載されている。
フル映像を見返す際には、特に次の3つの場面に注目したい。
1. 1ラウンドの攻防: 朝倉が積極的に前に出る一方、メイウェザーが距離を取って攻撃をかわす場面。
2. 2ラウンド中盤: 朝倉のパンチが当たる場面と、メイウェザーが攻勢を強める場面。
3. 試合終了直前: 朝倉の攻撃に対するカウンターの右ストレートと、ダウン後のレフェリーストップ。
また、RIZIN公式サイトには試合経過を記した詳細レポートがあり、ラウンドごとの攻防や写真も確認できる。試合後インタビューも公式に公開されているため、映像と本人のコメントを合わせて見ると、試合の流れをより立体的に理解できる。
なお、動画サービスの利用条件や視聴可能なコンテンツは変更される場合がある。2022年のABEMA PPV生中継ページと、2026年現在のアーカイブ視聴条件は分けて確認したい。
【2026年最新】メイウェザー対朝倉未来の試合記録は現在どうなっている?
試合から4年以上が経過した2026年11月現在も、2022年9月25日の対戦記録の基本的な扱いは変わっていない。
RIZINの公式記録は、2R・3分15秒のTKOレフェリーストップであり、エキシビションのため勝敗なし。この記録が、通常のプロボクシング公式戦の勝敗に変更されたわけではない。
メイウェザーのプロ戦績についても、BoxRecでは50勝0敗が掲載されている。朝倉との試合を50勝1敗、あるいは51戦目の勝利として数えるのは誤りだ。
2026年2月には、メイウェザーのプロモーターであるCSI Sportsが、マイク・タイソンとのエキシビション後にプロボクシングへ復帰する意向を発表した。しかし、これは2022年の朝倉戦の公式記録を変更するものではない。
情報を確認するときは、次の3点を区別すると混乱しにくい。
- RIZINの大会結果:試合中の決着方法と時間を確認する。
- ボクシングのプロ戦績:公式戦として認定された試合だけを確認する。
- エキシビションの記録:試合の実施やダウン、TKOなどの事実と、公式勝敗の有無を分けて確認する。
【メイウェザーと朝倉未来の試合結果】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:メイウェザーと朝倉未来はどちらが勝ちましたか?
試合中の決着ではメイウェザーが優勢でした。2022年9月25日の超RIZINで、2ラウンド3分15秒に右ストレートで朝倉をダウンさせ、レフェリーストップによるTKOとなりました。ただし、公式記録はエキシビションのため勝敗なしです。
Q2:メイウェザーは何ラウンドで朝倉未来を倒しましたか?
2ラウンド終了間際です。メイウェザーのカウンターの右ストレートを受けた朝倉がダウンし、立ち上がった後も視線が定まらなかったため、レフェリーが試合を止めました。
Q3:なぜTKOなのに勝敗なしなのですか?
試合が通常のプロボクシング公式戦ではなく、スペシャルエキシビションマッチだったためです。KOやTKOによる試合終了は認められていましたが、通常の公式勝敗には算入されません。
Q4:メイウェザー対朝倉未来戦はいつ開催されましたか?
2022年9月25日(日)です。埼玉県のさいたまスーパーアリーナで開催された「The Battle Cats presents 超RIZIN」の第4試合として実施されました。
Q5:メイウェザーの右ストレートで朝倉未来は完全にKOされたのですか?
公式の決着方法はTKO(レフェリーストップ)です。朝倉はダウン後に立ち上がろうとしましたが、視線が定まらず、レフェリーが続行できないと判断しました。したがって、記録上は単純なKOではなくTKOです。
Q6:朝倉未来とメイウェザーの試合動画はどこで見られますか?
RIZIN 100 CLUBの公式動画アーカイブに、2022年9月25日の対戦のフルファイト映像が掲載されています。視聴にはサービスの利用条件が適用されます。
Q7:2026年現在、メイウェザーのプロ戦績に朝倉戦は含まれていますか?
含まれていません。BoxRec掲載のプロボクシング戦績は50勝0敗で、朝倉との試合はエキシビションとして扱われています。
メイウェザー対朝倉未来戦の結果を振り返ると、最も重要なのは「試合中のTKO決着」と「公式戦績上の勝敗なし」は両立するという点だ。
2022年9月25日、さいたまスーパーアリーナで行われた超RIZINのメインイベントでは、メイウェザーが2ラウンド3分15秒にカウンターの右ストレートでダウンを奪い、レフェリーストップによって試合を終わらせた。
一方、エキシビションマッチだったため、RIZIN公式の記録は「TKO(勝敗なし)」。メイウェザーの50勝0敗というプロボクシング戦績にも、この対戦は含まれていない。
この試合を振り返る際には、次の3つを押さえておけばよい。
- 試合内容を知りたい場合: 2R・3分15秒のTKO、右ストレートによるダウンが決着のポイント。
- 公式結果を知りたい場合: RIZIN公式表記は「勝敗なし」。
- メイウェザーの戦績を知りたい場合: 朝倉戦はプロボクシングの公式戦績に含まれない。
試合映像に残されたダウンの瞬間だけでなく、試合後の朝倉の率直なコメントやメイウェザーの評価まで確認すると、この対戦の意味がより明確になる。単純な勝ち負けだけでは整理できない、ボクシング界のレジェンドと日本のMMAスターによる特別な一戦だった。