今回の発表を整理すると、来季の契約非更新を通告された選手と、自由契約になった選手では扱いが異なる。特に10月30日のNPB公示は、通常の戦力外通告とは分けて理解したい。
情報源:読売ジャイアンツの発表、NPB公示、日刊スポーツなどの報道。年齢・成績・契約区分は各発表時点の情報。
9月30日の育成9選手への通告については日刊スポーツが報道し、10月1日にはグズマンへの通告が発表された。10月5日は山田、郡、岡田の3選手が来季契約非更新となり、萩尾は自由契約。10月25日は湯浅への契約非更新と、6選手の自由契約が発表されている。
なお、10月30日の13選手は、同日の育成選手保留者名簿に掲載されなかったことによる自由契約公示の追加対象だ。以前から契約非更新を通告されていた10人も含め、巨人の育成選手の自由契約公示は合計23人となった。13人全員が新たに戦力外通告を受けたという意味ではない。
2027年度の育成選手保留者名簿にも注目NPBが10月30日に公示した2027年度の育成選手保留者名簿には、巨人から12人が掲載された。
投手は冨重英二郎、林燦、堀江正太郎、鈴木圭晋、西川歩、吹田志道、河野優作の7人。捕手は松井蓮太朗、李健熙、坂本達也の3人、内野手は竹下徠空、外野手はC・フェリスとなっている。
つまり、2026年の巨人の育成登録選手35人のうち、2027年度の保留者名簿に掲載されたのは12人。残る23人はNPB上、自由契約選手として扱われる。ここにはすでに契約非更新を通告された選手も含まれている。
【注目選手の現在】山田龍聖・湯浅大・板東湧梧・浅野翔吾の去就

今回の巨人の人事で、ファンの関心が特に高いのは、今後もプロ野球でプレーする意思を示している選手と、育成契約での再出発を目指す選手だ。現時点で判明している動向を整理する。
山田龍聖|NPBを最優先に韓国など海外も視野山田龍聖投手は2021年ドラフト2位で巨人に入団した左腕。2025年に育成契約から支配下へ復帰したが、2026年10月5日に来季の契約を結ばないと通告された。
2026年シーズンは一軍2試合に登板し、いずれも無失点で防御率0.00。ファームでは30試合に登板し、防御率4.43だった。一軍通算登板は4試合にとどまっている。
11月1日付の日刊スポーツの報道によると、山田は10月31日に取材に応じ、NPB球団からのオファーを最優先に待ちながら、韓国など海外球界への挑戦も検討する考えを示した。
「基本はNPBでオファーを待ちながら、韓国とか海外も視野に入れてやりたい」
本人は11月17日のトライアウトに向けて練習を続けている。シーズン後半に低下した球速を取り戻すため、投球フォームや下半身の使い方を見直しているという。26歳という年齢も踏まえ、再びプロの舞台で投げる機会をつかめるかが注目される。
湯浅大|現役続行を希望、複数ポジションを守れる内野手湯浅大内野手は2017年ドラフト8位で健大高崎高校から巨人に入団した選手。俊足と守備力を持ち味とし、二塁、三塁、遊撃を中心に複数ポジションを守れるユーティリティープレーヤーだ。
2022年には自己最多の63試合に出場し、守備固めや代走などで存在感を示した。通算では140試合に出場している。一方、2026年は一軍出場がわずか4試合で、2打数無安打だった。ファームでは86試合に出場し、打率.225を記録している。
10月25日に球団から来季の契約を結ばないと通告されたが、翌26日にはジャイアンツ球場で自主練習を再開。郡拓也とともに打撃練習に取り組んだ。
日刊スポーツの取材では、湯浅は現役続行を希望し、来季もNPBでプレーしたい意向を明かしている。巨人で培った守備力と走塁能力を評価する他球団が現れるかが焦点となる。
板東湧梧|巨人移籍1年で現役引退を決断板東湧梧投手は2018年ドラフト4位でソフトバンクに入団した右腕。ソフトバンクでは7年間プレーし、2026年シーズンから育成選手として巨人に加入した。
巨人での2026年はファーム29試合に登板し、5勝2敗、防御率2.74。一軍への支配下昇格は実現しなかったものの、ファームでは一定の結果を残していた。
9月30日に来季契約非更新が発表された同日、現役引退を決断したことも報じられた。日刊スポーツによると、板東はプロ8年間で一軍通算114試合に登板し、10勝11敗、22ホールド、1セーブ、防御率2.91という成績を残した。
「悔しかった思いが大きい」
一方で、巨人という新しい環境でプレーできたことについては充実感も語っている。今後の進路については「未定」としており、指導者への転身など具体的な予定は公表されていない。
浅野翔吾|右膝手術からの復帰を目指すドラフト1位浅野翔吾外野手は2022年ドラフト1位で巨人に入団した将来の主軸候補。高松商業高校時代から長打力で注目され、プロ1年目から一軍で本塁打を記録した。
2024年には阪神戦で満塁本塁打を放つなど、若手外野手として存在感を示した。しかし、2026年は一軍9試合の出場にとどまり、打率.185、1本塁打という成績だった。
8月27日には右膝内側半月板縫合術を受け、現在はリハビリを続けている。球団は10月25日に自由契約とすることを通知したが、報道では育成契約を打診する見込みとされている。
ここで重要なのは、浅野が現役引退を発表したわけではないことだ。21歳という年齢と将来性、そして手術後の回復状況を考えると、育成契約による再出発が大きな焦点になる。もっとも、11月1日時点では育成契約の正式成立が確認されたわけではない。
松浦慶斗・萩尾匡也・北浦竜次|育成契約での再出発が焦点浅野以外にも、育成契約への移行が見込まれる選手がいる。
松浦慶斗投手は2025年の現役ドラフトで日本ハムから巨人に加入した左腕。2026年は一軍登板がなく、ファーム39試合で防御率4.57だった。10月9日に自由契約となり、育成契約を打診される見通しと報じられた。
萩尾匡也外野手は2022年ドラフト2位で入団。2024年には56試合に出場し、打率.215、2本塁打を記録した。しかし2026年は一軍7試合、6打数無安打。ファームでは69試合で打率.241、1本塁打だった。10月5日に自由契約となり、育成契約の打診が見込まれている。
北浦竜次投手は日本ハムから加入した左腕。2026年は開幕一軍入りを果たし、13試合で2ホールドを記録したものの、防御率8.03。10月25日に自由契約となり、育成契約を打診される見込みと報じられた。
この3選手に共通するのは、自由契約後も巨人でプレーする可能性が残されていることだ。支配下契約から育成契約への移行は、選手としてのキャリアが直ちに終わることを意味しない。
【戦力外通告と自由契約の違い】育成契約・再契約の仕組み
巨人の2026年オフを理解するうえで、特に間違えやすいのが「戦力外通告」「自由契約」「育成契約打診」の3つの言葉だ。
戦力外通告とは?戦力外通告とは、球団が選手に対して翌シーズン以降の選手契約を結ばない意思を伝えることを指す一般的な呼び方だ。
球団から来季契約を結ばないと通知された場合、基本的には現在の球団での契約継続が難しくなり、現役続行を希望する選手は他球団からの獲得オファーを待つことになる。
2026年の巨人では、山田龍聖、郡拓也、岡田悠希、湯浅大らがこの区分に該当する。
自由契約とは?自由契約は、選手契約が解除され、NPBの公示を経て他球団と自由に選手契約を結べる状態を指す。野球協約第58条にも規定されている。
つまり、自由契約になった選手が必ずしも野球人生を終えるわけではない。元の球団との再契約も、別の球団への移籍も可能になる。
自由契約とFA宣言も別物もう一つ注意したいのが、自由契約とフリーエージェント(FA)の違いだ。
- 自由契約:選手契約が解除され、他球団との契約が可能になる状態。
- FA宣言:所定の資格を取得した選手が、FA権を行使して他球団との交渉を行う制度。
- 育成契約:支配下登録とは異なる契約形態で、支配下登録を目指す選手などが結ぶ契約。
浅野翔吾や松浦慶斗の自由契約を、FA宣言による移籍と同じ意味で捉えるのは誤りだ。
育成契約の打診と再契約はどう違う?育成契約の打診とは、球団が選手に対して育成選手としての契約を提案すること。選手が同意して契約を締結するまでは、再契約が決まったわけではない。
今回の巨人では、浅野、萩尾、松浦、北浦、宇都宮、鈴木、知念、三塚らに育成契約を打診する見込みが報じられている。
育成選手は支配下登録されることで一軍出場への道が開ける。したがって、育成契約への移行は、球団が選手の将来性を残しながら、支配下枠を含む編成を調整する手段の一つでもある。
【巨人が戦力外を決断した理由】成績・故障・チーム編成から分析
戦力外通告の背景には、単純な成績だけでは説明できない複数の事情がある。2026年の巨人の事例を比較すると、大きく3つの要素が見えてくる。
1. 一軍での出場機会と競争環境山田龍聖は一軍通算4登板、湯浅大は2026年に4試合の出場だった。郡拓也も2026年の一軍出場がなかった。
若手・中堅選手が多く在籍する巨人では、限られた出場機会をめぐる競争が続く。二軍で一定の実績を残していても、一軍で継続的に起用できるかどうかは別の評価軸になる。
特に内野手や外野手は、守備位置の重複や若手の台頭も編成上の判断材料になりやすい。湯浅のような複数ポジションを守れる選手であっても、年間の出場機会が限られれば契約継続が難しくなる場合がある。
2. 故障からの復帰と育成期間浅野翔吾、石田隼都、森本哲星の事例は、故障が選手のキャリアに与える影響を示している。
浅野は右膝の手術後にリハビリを続けている。石田は左肘のトミー・ジョン手術など、度重なる故障に苦しみ、一軍登板を経験できないまま現役引退を決断した。
森本も左肩の故障に苦しみ、2026年9月30日に現役引退を表明。今季は三軍戦11試合の登板にとどまり、二軍公式戦での登板はなかったと報じられている。
3. 支配下枠と育成選手の再編プロ野球では支配下登録できる選手数に上限があり、野球協約第79条では原則70人と定められている。
そのため、球団は一軍戦力としての即戦力性と、将来の成長可能性を分けて考えながら、選手の契約形態を調整する必要がある。
2026年の巨人では、10月30日時点で35人いた育成選手のうち、翌年度の保留者名簿に掲載されたのは12人だった。残り23人が自由契約となった事実は、育成部門の契約整理が大規模に行われたことを示している。
ただし、個々の自由契約について球団が公表した理由は一律ではない。成績、故障、支配下登録の可能性、契約上の手続きなどを分けて見る必要がある。特に10月30日の名簿非掲載による自由契約を、全員に対する戦力外通告と解釈するのは適切ではない。
【12球団合同トライアウト2026】巨人退団選手の次の挑戦
巨人を退団する選手にとって、次の進路を探す重要な機会となるのが12球団合同トライアウト2026だ。
日本プロ野球選手会は、2026年8月24日に開催日と会場を正式発表した。
11月17日(火)
エイブル トライアウト2026〜挑め、その先へ〜
バンテリンドーム ナゴヤ
午後4時からシートバッティング開始予定
予備日なし。日本プロ野球選手会の発表に基づく。
このトライアウトは、所属球団から次年度の契約更新を受けなかった選手や、育成再契約を打診された選手などにアピールの場を提供するものだ。NPB復帰を目指す選手だけでなく、プロ野球を離れた後のキャリアを考える選手への支援も目的としている。
巨人関係者で注目したい選手山田龍聖は、すでに11月17日のトライアウトを見据えて調整を続けている。NPBを第一希望としつつ、韓国など海外球界にも可能性を広げている点が特徴だ。
湯浅大も現役続行を希望しており、複数ポジションを守れる守備力と走塁能力が評価されるかがポイントになる。
松井颯も戦力外通告後に現役続行の意向を示している。2023年には育成入団から支配下登録を勝ち取り、一軍初登板初勝利を記録した実績がある。本人はNPBを第一希望としている。
一方、板東湧梧、石田隼都、森本哲星は現役引退を決断している。トライアウトに参加する選手と、競技生活に区切りをつける選手では、これから選ぶ道も異なる。
【巨人戦力外一覧2026】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年の巨人の戦力外通告選手は誰ですか?
A1:主な契約非更新選手は、板東湧梧、富田龍、松井颯、石田隼都、吉村優聖歩、森本哲星、喜多隆介、北村流音、田上優弥、フランシス・グズマン、山田龍聖、郡拓也、岡田悠希、湯浅大です。萩尾匡也、浅野翔吾、松浦慶斗らは自由契約組として区別する必要があります。
Q2:浅野翔吾は巨人を退団することが決まったのですか?
A2:10月25日に自由契約の通知を受けていますが、育成契約を打診される見込みと報じられています。正式な再契約が成立したわけではなく、右膝の手術後のリハビリと今後の契約が焦点です。
Q3:板東湧梧は現役引退を発表したのですか?
A3:はい。2026年9月30日に今季限りでの現役引退を決断したことが報じられました。巨人では育成選手としてプレーし、ファーム29試合で5勝2敗、防御率2.74を記録しました。
Q4:自由契約になった選手は育成契約で巨人に残れますか?
A4:可能です。自由契約は他球団との契約も可能になる状態で、元の球団との再契約も妨げません。ただし、育成契約を打診された場合でも、選手本人の同意と正式な契約締結が必要です。
Q5:12球団合同トライアウト2026はいつ開催されますか?
A5:2026年11月17日(火)、バンテリンドーム ナゴヤで開催予定です。午後4時からシートバッティングが開始される予定で、予備日はありません。
2026年11月1日時点の巨人戦力外一覧を整理すると、今回のオフは単なる退団選手の発表にとどまらず、支配下選手と育成選手の双方で大きな再編が進んでいることが分かる。
山田龍聖と湯浅大は現役続行を希望し、NPBでの新天地を目指している。板東湧梧、石田隼都、森本哲星は現役引退を決断した。一方、浅野翔吾、萩尾匡也、松浦慶斗らは育成契約での再出発が注目されている。
今回の情報を読み解く際に大切なのは、次の3点だ。
- 契約非更新と自由契約を区別する:両者は同じ意味ではなく、再契約の可能性も異なる。
- 育成契約の打診と成立を区別する:打診見込みの報道だけで再契約が決まったと判断しない。
- 引退・現役続行・他球団移籍を分けて追う:選手本人の意思と正式発表を確認する。
今後は11月17日の合同トライアウトが大きな節目となる。山田龍聖や湯浅大らの新天地、浅野翔吾らの育成契約の行方、そして自由契約となった育成選手の再契約状況が、2027年の巨人を占う要点になる。
選手それぞれが積み重ねてきたプロでの経験が、次のチームや新しい人生につながるのか。今後の正式発表にも注目したい。