秋山のキャリア後半を語るうえで欠かせないのが、ONE Championshipで実現した青木真也との対戦、そしてニキー・ホルツケンとの特別ルール戦だ。
この2試合は、秋山が単に過去の実績に頼る選手ではなく、年齢を重ねても新しい挑戦を続けてきたことを示している。
青木真也戦は2022年3月の大逆転勝利
ONE X/2022年3月26日
試合結果:2ラウンド1分50秒、パウンドによるTKO
2022年3月26日、シンガポールで開催されたONE Xで、秋山は青木真也と対戦した。
この試合は両者の因縁もあって大きな注目を集めた。
1ラウンドでは青木が得意のグラップリングで攻勢を仕掛け、秋山を苦しい展開に追い込んだ。しかし、秋山は防御を続けながら反撃の機会をうかがい、2ラウンドに流れを変える。
最後はパウンドを連打し、レフェリーストップによるTKO勝利を収めた。
当時46歳だった秋山にとって、この勝利は競技人生を象徴する大きな成果となった。相手は元ONEライト級王者。実績あるグラップラーを相手に、最後まで諦めずに勝利を引き寄せた試合だった。
ONE Championshipの公式試合結果でも、秋山の2ラウンドTKO勝利が記録されている。
ニキー・ホルツケン戦は2024年1月のKO負け
ONE 165/2024年1月28日
試合結果:1ラウンド1分40秒、KO
2024年1月28日、東京・有明アリーナで開催されたONE 165では、オランダの強豪キックボクサー、ニキー・ホルツケンと対戦した。
この試合は通常のMMAではなく、ラウンドごとに競技ルールが変わる特別ルールだった。
| ラウンド | 競技ルール |
|---|---|
| 第1ラウンド | ボクシング |
| 第2ラウンド | ムエタイ |
| 第3ラウンド | MMA |
第1ラウンド、ホルツケンはパンチの技術とスピードを生かして秋山を攻めた。秋山も組みつきを試みたが、ホルツケンの左フックなどを受けてダウン。続く攻撃でKO負けとなった。
ホルツケンはキックボクシングの世界的な実績を持つ選手であり、秋山にとっては自分の得意分野とは異なる打撃競技に挑んだ試合だった。
2024年の敗戦がMMAの引退理由なのか?ここは誤解しやすい部分だ。
ホルツケン戦は特別ルールの試合であり、純粋なMMAの公式戦とは区別する必要がある。
秋山の最後のMMA公式戦は、2022年3月の青木真也戦。その後、2024年にホルツケンとの特別ルール戦を経験し、2026年11月に約4年7か月ぶりのMMA復帰戦を迎えることになる。
つまり、2024年のKO負けをそのままMMA引退の原因と結びつけるのは正確ではない。
むしろ、異なる競技形式にも挑戦してきた秋山の姿勢を示す試合として理解したい。
【引退理由と経緯】ONE Championshipとの契約終了から最後の挑戦へ

秋山成勲が引退を決断した背景には、単純な年齢や勝敗だけでは説明できない本人の思いがある。
特に注目したいのは、2025年のONE Championshipとの契約終了と、2026年に発表した最後の挑戦だ。
2025年6月、ONE Championshipとの契約終了を発表2025年6月、秋山は自身のSNSを通じてONE Championshipとの契約が終了したことを報告した。
同時に、格闘技を引退するわけではなく、フリーの格闘家として活動を続ける意向も示していた。
この発表は重要な意味を持つ。
ONEとの契約終了は、競技人生の終了を意味するものではなかった。実際、秋山はその後も新しい挑戦の可能性を探り、2026年の最後の試合へとつなげていく。
2026年8月、自身のYouTubeで最後の挑戦を発表2026年8月11日、秋山は自身のYouTubeチャンネルで格闘家として最後の挑戦に臨むことを発表した。
ORICON NEWSの報道によると、秋山は近年、YouTubeや韓国のバラエティー番組で活動する一方、自分の中に格闘家としての意識が残り続けていたと説明している。
特に印象的なのは、格闘家なのかYouTuberなのか、自分自身でも分からなくなるような状態に違和感を覚えていたという点だ。
秋山にとって今回の試合は、単に勝敗を決めるためのものではない。
50歳を超えた自分がどこまで動けるのか。最後にファイターとして納得できる姿を見せられるのか。その問いに自分自身で答えるための挑戦でもある。
また、本人はファンや家族のためだけではなく、自分自身のために戦うという思いを語っている。
引退までの経緯を整理| 時期 | 出来事 | 意味 |
|---|---|---|
| 2022年3月 | 青木真也にTKO勝利 | MMAで最後の勝利 |
| 2024年1月 | ホルツケン戦でKO負け | 特別ルールへの挑戦 |
| 2025年6月 | ONEとの契約終了 | フリーの格闘家へ |
| 2026年8月11日 | 最後の挑戦を発表 | 現役最終戦への意思表明 |
| 2026年8月 | 放送活動を縮小 | 試合準備を優先 |
| 2026年10月7日 | リーベン戦が発表 | 引退試合の相手が決定 |
| 2026年11月21日 | BLACK COMBAT 17 | 最後の試合を予定 |
なお、秋山本人が発表時に前面に出した言葉は「最後の挑戦」である。一方、BLACK COMBATや韓国メディアは今回の試合を引退戦として扱っている。
この違いを理解すると、今回の試合が単なる引退発表ではなく、秋山自身が納得できる形で競技人生を締めくくるための挑戦であることが見えてくる。
【最後の挑戦の見どころ】51歳の秋山成勲は何を証明するのか
今回の試合を分析するうえで、注目したい要点は3つある。
1. 柔道をベースとした組み技とMMAの総合力秋山の最大の武器は、長年培ってきた柔道の技術だ。
相手との距離を詰め、組みつき、体勢を崩し、寝技へ移行する能力はキャリアを通じた強みとなってきた。
打撃だけで勝負する選手ではなく、組み技と寝技を組み合わせられる点が秋山の特徴である。
今回の相手であるリーベンは、UFC時代から打撃戦に強い選手として知られている。
2010年の初対戦でも激しい打撃の応酬が見られた。2026年の再戦では、秋山がどのように自分の得意な展開を作れるかが注目される。
2. 51歳という年齢と約4年7か月のMMAブランク今回の試合で避けられないのが年齢の問題だ。
秋山は51歳。MMAの公式戦からも長い時間が経過している。
格闘技では、技術や経験だけでなく、反応速度、持久力、回復力なども勝敗に影響する。
一方、リーベンも46歳であり、MMAの実戦から約13年離れている。
したがって、今回の対戦は秋山だけが年齢的なハンディを背負う構図ではない。両者の現在の身体能力と試合勘が重要になる。
3. 過去の敗北を乗り越えられるか秋山にとってリーベンは、UFC時代に敗れた相手だ。
その敗北から約16年が経過した今、同じ相手と最後の試合で向き合う。
仮に勝利すれば、長年残っていた敗北への雪辱という意味で、非常に象徴的な結果になる。
一方、仮に敗れたとしても、それだけで秋山の競技人生全体の価値が失われるわけではない。
HERO'Sでの優勝、UFCでの挑戦、ONEでの青木真也戦など、長いキャリアの中には数多くの実績がある。
今回の試合は、そうした積み重ねの最後に置かれた一戦なのだ。
【プロの結論】秋山成勲の最後の試合を評価する3つの基準今回の試合を観戦する際には、勝敗だけではなく、次の3点にも注目したい。
- 技術面: 柔道をベースとする組み技を生かし、自分の得意な試合展開を作れるか。
- コンディション面: 長い試合間隔を経て、51歳の身体がどこまで実戦に対応できるか。
- 精神面: 16年前の敗北を背負いながら、最後まで自分らしい戦いを貫けるか。
秋山成勲の評価は、単純な勝ち負けや通算戦績だけでは決まらない。
日本と韓国をまたいで活動し、柔道出身の選手として総合格闘技の世界に挑み続けたこと自体が大きな実績だ。
そして今回、51歳で最後のMMA戦に挑むことには、現役生活の締めくくり以上の意味がある。
【秋山成勲の現在・戦績・引退試合】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:秋山成勲の引退試合はいつ、どこで開催される?
2026年11月21日、韓国・ソウルの高尺スカイドームで開催されるBLACK COMBAT 17で予定されている。対戦相手は元UFCファイターのクリス・リーベン。
Q2:秋山成勲の引退試合の相手は誰?
クリス・リーベン。2010年7月のUFC 116で初対戦し、秋山は3ラウンド4分40秒に三角絞めで敗れている。今回は約16年ぶりの再戦となる。
Q3:秋山成勲の総合格闘技の戦績は?
Sherdogなどの選手記録では、16勝7敗、ノーコンテスト2試合。KO・TKO勝利が7回、一本勝ちが7回、判定勝ちが2回となっている。
Q4:秋山成勲は青木真也に勝った?
勝っている。2022年3月26日のONE Xで青木真也と対戦し、2ラウンド1分50秒、パウンドによるTKO勝利を収めた。
Q5:秋山成勲はニキー・ホルツケンに勝った?
敗れている。2024年1月28日のONE 165で特別ルールの試合を行い、1ラウンド1分40秒にKO負けを喫した。
Q6:秋山成勲が引退を決めた理由は?
本人が語った大きな理由は、格闘家としての自分を最後にもう一度見せたいという思い。YouTubeやタレント活動を続ける中でも、格闘家としてのアイデンティティーを大切にしていた。
Q7:秋山成勲は現在もONE Championshipに所属している?
2025年6月にONE Championshipとの契約終了を発表している。その際、引退ではなくフリーの格闘家として活動を続ける意向を示した。
2026年11月1日現在、秋山成勲は11月21日のBLACK COMBAT 17に向けて準備を進めている。対戦相手は、2010年のUFC 116で敗れたクリス・リーベン。約16年ぶりに実現する再戦は、秋山にとって特別な意味を持つ。
これまでの競技人生を振り返ると、柔道でのアジア大会優勝、HERO'Sトーナメント制覇、UFCへの挑戦、ONE Championshipでの青木真也戦など、印象的な実績が並ぶ。
もちろん、桜庭和志戦のノーコンテスト問題や、UFCでの敗戦、ホルツケン戦のKO負けなど、順風満帆なキャリアだったわけではない。
それでも、競技の舞台を変えながら挑戦を続け、51歳で最後のMMA戦を迎えようとしている。
今回の試合を見る際に大切なのは、単にリベンジが成功するかどうかだけではない。
51歳の秋山成勲が、最後にどのようなファイターとしてオクタゴンに立ち、どのような姿で競技人生を締めくくるのか。
2010年の敗北から16年。2026年11月21日は、秋山成勲という格闘家の歴史を振り返るうえで、忘れられない一日になる可能性がある。