スーパーやコンビニで販売されているパン、惣菜、冷凍食品、缶詰、ハム、ヨーグルト。これらに共通するのが「加工食品」という食品表示上の分類です。しかし、野菜を洗ったり、切ったり、冷凍したりしただけでも加工食品になるのでしょうか。実は、食品表示基準では、食品に手を加えたかどうかだけでなく、その行為によって新しい属性が付加されたかどうかが重要な判断材料になります。
2026年11月現在、加工食品の定義は食品表示法に基づく食品表示基準によって定められています。消費者庁が公表する2026年10月版の最新資料を踏まえ、加工食品の具体例や分類、生鮮食品との境界、原材料名・添加物・原料原産地表示の読み方まで、買い物の現場で役立つ知識を整理します。
【基本知識】加工食品とは?食品表示基準による正式な定義を解説

加工食品とは、食品表示基準第2条第1項第1号において、「製造又は加工された食品として別表第一に掲げるもの」と定義されています。
つまり、単に人の手が加わった食品すべてを加工食品と呼ぶわけではありません。食品表示基準の別表第1に該当する食品であることが、法令上の分類の基本です。
一方、生鮮食品は食品表示基準第2条第1項第2号で、加工食品および添加物以外の食品として別表第2に掲げられたものとされています。
この2つの区分は、食品の見た目や消費者が感じる新鮮さだけで決まるものではありません。洗浄、切断、冷凍といった工程があっても、生鮮食品に分類される場合があります。
食品表示法は、食品の安全性を確保し、消費者が商品を適切に選択できるようにするための法律です。具体的な表示方法は食品表示基準に定められており、消費者庁が制度の運用や関連資料の公表を担っています。
食品表示法に基づく現行の制度は2015年に施行されました。2026年11月時点でも、加工食品と生鮮食品を区別する基本的な考え方は、食品表示基準第2条と別表第1・第2が中心です。
加工食品と生鮮食品を分ける考え方加工食品と生鮮食品の違いを理解するには、食品そのものにどのような変化が加わったかを見る必要があります。
例えば、収穫したキャベツを洗浄して袋詰めした商品は、基本的に生鮮食品です。キャベツを単純に千切りにした場合も、生鮮食品として扱われます。
しかし、キャベツ、ニンジン、レタスなどを切断して混ぜ合わせたサラダミックスは、加工食品に該当します。複数の野菜を組み合わせることで、一つの商品としての新しい属性が付加されるためです。
ここで押さえておきたいのは、加工食品かどうかを決めるのは、加工の手間や工程の多さではないという点です。単純な工程でも加工食品になることがあり、反対に一定の作業を施していても生鮮食品に分類されることがあります。
2026年の制度改正で確認しておきたいこと2026年10月1日には、食品表示基準の一部改正が施行されました。この改正では、栄養機能食品に関係する栄養成分の下限値・上限値や、栄養成分の機能、摂取上の注意事項などが見直されています。
また、2026年4月1日には、カシューナッツが新たに特定原材料に追加され、食物アレルギー表示の義務対象は9品目になりました。
これらは加工食品の基本的な定義を変更する改正ではありませんが、加工食品の表示を確認する際には押さえておきたい2026年の制度上の動きです。
消費者庁が2026年10月に公表した最新の食品表示資料でも、加工食品の基本的な表示制度と原料原産地表示の仕組みが整理されています。
【具体例・一覧】加工食品には何がある?パン・惣菜・冷凍食品を分類
身近な加工食品の一覧加工食品は、特別な食品や工場で作られる食品だけを指すものではありません。日常的に食べている食品の多くが該当します。
食品表示基準の別表第1では、農産加工食品、畜産加工食品、水産加工食品、調理食品、飲料など、幅広い食品が分類されています。
代表的な加工食品を分野別に整理すると、次のようになります。
農産加工食品
- 野菜の漬物、キムチ
- 野菜や果物の缶詰・瓶詰
- ジャム、マーマレード
- 乾燥野菜、干し果物
- 冷凍加工野菜
- トマトケチャップ、トマト加工品
- こんにゃく
穀類・パン・菓子類
- 食パン、菓子パン、ロールパン
- うどん、そば、パスタ
- ビスケット、クッキー
- チョコレート、キャンディー
- せんべい、スナック菓子
- パン粉、オートミール
畜産加工食品
- ハム、ソーセージ、ベーコン
- 焼豚、ローストビーフ
- チーズ、バター
- ヨーグルト、発酵乳
- アイスクリーム
- 加工卵製品
水産加工食品
- かまぼこ、ちくわ、はんぺん
- 干物、煮干し、塩蔵魚
- 魚介類の缶詰
- 佃煮、味付け海苔
- 乾燥わかめ、寒天
- ゆでだこ、蒸しだこ
調理食品・飲料
- 弁当、惣菜、サラダ
- 冷凍チャーハン、冷凍パスタ
- 冷凍コロッケ、冷凍ハンバーグ
- レトルトカレー、レトルトスープ
- インスタントラーメン
- 清涼飲料水、加工された飲料
なお、これらは代表例です。同じ食品名でも、製法や商品の状態によって分類が異なることがあります。
洗浄・切断・冷凍した食品は加工食品になる?検索する人が特に迷いやすいのが、野菜や魚などに簡単な処理を施した場合の分類です。
消費者庁の食品表示基準Q&Aでは、具体的な商品を挙げて加工食品と生鮮食品の違いを説明しています。判断の要点は、単純な調整にとどまるか、新しい属性が付加されているかという点です。
| 食品・処理方法 | 食品表示上の分類 | 判断理由 |
|---|---|---|
| 野菜を水洗いする | 生鮮食品 | 通常の洗浄は加工に該当しない |
| キャベツを千切りにする | 生鮮食品 | 単品野菜の単純な切断 |
| 野菜を単純に冷凍する | 生鮮食品 | 単に凍結させたものは生鮮食品に含まれる |
| 複数の野菜を切って混ぜる | 加工食品 | サラダミックスなど一つの商品になる |
| 野菜をブランチングして冷凍する | 加工食品 | 湯通しなどの加熱処理が加わる |
| オゾン水や次亜塩素酸ソーダ水で殺菌洗浄する | 生鮮食品 | 殺菌洗浄だけでは新しい属性の付加に至らない |
| 単品のマグロを刺身にする | 生鮮食品 | 単品の刺身は生鮮食品に含まれる |
| 異なる種類の刺身を盛り合わせる | 加工食品 | 複数種類の魚介類を一つの商品にする |
| 肉にスパイスやタレを加える | 加工食品 | 調味によって新しい属性が付加される |
| パン・惣菜・レトルト食品 | 加工食品 | 製造・調理などによって別の商品になる |
この表で特に重要なのは、冷凍食品という言葉だけで分類を判断できないことです。
例えば、収穫した野菜を単純に冷凍したものと、ブランチングという短時間の加熱処理を施してから冷凍したものでは、食品表示上の分類が異なります。
また、ベビーリーフのように複数種類の葉物野菜が混ざっていても、個々の葉の原形が分かる状態で袋詰めされている場合は生鮮食品です。さらに細かく切断し、原形が分からない状態で混ぜ合わせた場合は加工食品に該当します。
つまり、食品の名称だけでなく、実際の加工工程と完成した商品の状態を確認することが大切です。
これらの具体例は、消費者庁の食品表示基準Q&Aに示されている分類に基づいています。
【境界線を解説】加工食品と生鮮食品の違い・製造と加工の違い
加工食品と生鮮食品の違いは加工の内容にある加工食品と生鮮食品を区別する際には、単純な切断や洗浄と、調味・加熱・混合などによる商品特性の変化を分けて考えます。
例えば、同じ野菜でも、収穫後に洗って袋詰めしただけなら生鮮食品ですが、複数種類を切って混ぜ合わせれば加工食品になります。
食肉も同様です。単純に切断した肉は生鮮食品として扱われますが、スパイスを振りかけたり、調味液に漬けたり、衣を付けたりすると加工食品になります。
魚介類についても、単品の刺身は生鮮食品ですが、複数種類の刺身を盛り合わせた商品は加工食品に分類されます。
製造と加工は何が違う?食品表示基準Q&Aでは、一般的な意味での製造と加工について、それぞれ異なる考え方を示しています。
製造とは、原料として使用したものとは本質的に異なる新しい物を作り出すことです。
一方、加工とは、あるものを材料として、その本質を保持させながら新しい属性を付加することを指します。
例えば、牛肉を焼いてローストビーフを作る工程は製造に該当し、そのローストビーフをスライスする工程は加工に該当するという考え方です。
この違いは、食品表示における製造者・加工者の区別にも関係します。
製造者と加工者の表示も異なる食品表示基準Q&Aでは、加工行為を行った事業者を加工者とし、それ以外の製造行為を行った事業者を製造者とする考え方が示されています。
例えば、ある事業者が牛肉を焼き、そのままカットまで行った場合、全体の工程を担った事業者は製造者に該当します。
一方、別の事業者が焼き上がった牛肉を仕入れ、スライスだけを行った場合、そのスライスを担当した事業者は加工者に該当します。
ただし、実際の表示責任者や表示方法は、製造・加工の工程、販売形態、事業者間の関係などによって異なります。
消費者にとっても、パッケージにある「製造者」「加工者」という表示は、単なる会社情報ではありません。食品がどのような工程を経て商品化されたのかを知るための手掛かりになります。
【表示義務を確認】加工食品の原材料名・添加物・食品表示の見方
食品表示法と食品表示基準の役割加工食品の表示を理解するうえで、まず押さえたいのが食品表示法と食品表示基準の関係です。
食品表示法は、食品表示に関する基本的なルールを定める法律です。その法律に基づいて、食品表示基準が具体的な表示事項や表示方法を規定しています。
消費者庁の2026年10月版資料では、包装された加工食品について、商品名や原材料、添加物、期限、保存方法、栄養成分などを確認できる一括表示の仕組みが説明されています。
加工食品に必要な主な表示事項一般用加工食品を容器包装に入れて消費者向けに販売する場合、食品表示基準に従った表示が必要です。
主な表示項目は次のとおりです。
- 名称:食品の内容を表す一般的な名称。
- 保存方法:開封前に必要な保存条件。
- 消費期限・賞味期限:安全性や品質を保つための期限。
- 原材料名:使用した原材料を原則として重量割合の高い順に表示。
- 添加物:使用した食品添加物について所定の方法で表示。
- アレルゲン:義務表示対象となる特定原材料などの情報。
- 内容量:重量、体積、数量など。
- 栄養成分表示:熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量。
- 食品関連事業者の情報:表示内容に責任を持つ事業者の名称・住所など。
- 製造所・加工所の情報:製造所または加工所の所在地、製造者・加工者の名称など。
- 原料原産地・原産国:該当する食品に応じた産地・製造地情報。
ただし、これらの項目がすべての食品に一律に適用されるわけではありません。食品の種類、容器包装の面積、販売方法などにより、表示の省略や個別ルールが設けられています。
原材料名の表示は重量順が基本原材料名を見るときに最初に確認したいのが、表示されている順番です。
食品表示基準では、使用した原材料について、原則として製品に占める重量割合の高いものから順番に、一般的な名称で表示することになっています。
例えば、ある焼き菓子の原材料名が次のようになっていたとします。
小麦粉、砂糖、バター、鶏卵
この場合、原則として小麦粉が最も多く使われ、次に砂糖、バター、鶏卵という順番です。
ただし、複合原材料や個別の表示ルールなどによる例外もあります。原材料名が上から順番に並んでいるからといって、正確な配合割合まで分かるわけではありません。
国民生活センターの消費者向けFAQでも、原材料の使用割合そのものを表示する義務はないと説明されています。
食品添加物と加工食品は別の概念加工食品と添加物は、混同されやすいものの、まったく異なる概念です。
加工食品は、食品の製造・加工の状態による分類です。一方、食品添加物は、食品の製造や加工などの際に、特定の目的で使用される物質を指します。
代表的な食品添加物には、次のようなものがあります。
- 保存料:食品の保存性を高める目的で使用。
- 着色料:食品に色を付ける目的で使用。
- 酸化防止剤:酸化による品質の劣化を抑える目的で使用。
- 甘味料:甘味を付ける目的で使用。
- 増粘剤:食品に粘度を与える目的で使用。
- 乳化剤:水と油などを均一に混ぜる目的で使用。
- pH調整剤:食品のpHを調整する目的で使用。
加工食品だからといって、必ず添加物が入っているわけではありません。
例えば、原材料が小麦粉、水、食塩だけのパンも加工食品です。添加物を使用していない加工食品も存在します。
反対に、食品添加物の使用と加工食品・生鮮食品の分類は別の判断軸です。添加物が使われているかどうかだけで、食品の区分を決めることはできません。
添加物はどこを見れば分かる?包装された加工食品では、原材料名と添加物を別々の欄に表示する方法のほか、原材料名欄の中で区分して表示する方法も認められています。
代表的なのが「/(スラッシュ)」による区分です。
例えば、次のような表示です。
原材料名:小麦粉、砂糖、バター、鶏卵/膨張剤、香料、乳化剤
この場合、スラッシュより前が原材料、後ろが添加物です。
改行によって区別される場合や、原材料名と添加物の欄が独立している場合もあります。
また、添加物は原則として物質名で表示されますが、用途名との併記や一括名による表示が認められるものもあります。
なお、加工助剤やキャリーオーバーなど、一定の条件で表示を省略できるケースもあります。そのため、表示に見当たらない添加物が製造工程で一切使用されていないと、単純に判断することはできません。
【産地表示の落とし穴】加工食品の原料原産地表示はどう読む?
国内製造の加工食品は原料原産地表示が原則義務加工食品を購入する際、消費者が特に注目したいのが原料原産地表示です。
2017年9月1日の食品表示基準改正により、国内で製造された加工食品について、原則として重量割合が最も高い原材料の原産地表示が義務付けられました。
経過措置期間は2022年3月31日までとされ、2022年4月1日以降に製造される対象商品には新しい制度が適用されています。
2026年11月現在も、この原料原産地表示制度が基本的な仕組みとなっています。
ここで大切なのは、すべての原材料の産地が必ず表示されるわけではないという点です。
原則として、重量割合が最も高い原材料が表示対象となります。ただし、農産物漬物、野菜冷凍食品、うなぎ加工品、かつお削りぶし、おにぎりなどの一部食品には個別の規定があります。
「国産」と「国内製造」は意味が違う加工食品の原料原産地表示で、特に注意したいのが「国産」と「国内製造」の違いです。
「国産」は、対象となる原材料が生鮮食品の場合などに、その原産地が国内であることを示します。
一方、「国内製造」は、対象となる原材料が加工食品であり、その製造が国内で行われたことを示します。
例えば、焼き菓子の原材料名に「小麦粉(国内製造)」と記載されていたとします。
これは小麦粉が日本国内で製造されたことを意味します。しかし、その小麦粉の原料となった小麦が国産であるとは限りません。輸入小麦を国内で製粉した場合も、国内製造という表示になり得ます。
この違いを知らずに買い物をすると、原材料の産地を誤解してしまう可能性があります。
原料原産地表示の具体的な見方消費者庁の2026年10月版資料に示されている表示の考え方を整理すると、次のようになります。
- 豚肉(国産):原材料である豚肉の産地が国内。
- 豚肉(アメリカ産):原材料である豚肉の産地がアメリカ。
- 小麦粉(国内製造):小麦粉が日本国内で製造されたことを示す。
- りんご果汁(ドイツ製造):りんご果汁という加工原材料の製造地がドイツ。
複数の国の原材料を使用している場合には、重量割合の高い順に国名を表示する方法が基本です。一定の条件を満たせば「又は表示」や「輸入」などの大括り表示も認められています。
なお、対象原材料が加工食品であっても、その加工食品に使われた重量割合が最も高い生鮮食品の原産地が判明している場合には、製造地の代わりに生鮮食品の産地を表示できる場合があります。
輸入加工食品には別のルールがある海外で製造された加工食品を輸入する場合、国内製造品に適用される原料原産地表示とは異なり、原則として商品の原産国名が表示されます。
例えば、海外で製造されたジャムを日本に輸入した場合、商品の原産国名を確認することになります。
また、外食や店内で調理してその場で販売する惣菜などは、一般的な原料原産地表示制度の対象外となる場合があります。
このように、加工食品の産地情報を確認するときは、商品の製造地なのか、原材料の産地なのかを区別することが欠かせません。
【実践編】加工食品の見分け方と失敗しない商品選びの判断基準
加工食品かどうかを判断する3つのポイントスーパーやコンビニで商品を選ぶとき、加工食品かどうかを判断するために、次の3つのポイントを確認すると理解しやすくなります。
1.調味・加熱・発酵などが行われているか
砂糖や塩、調味料を加えたり、加熱や発酵を行ったりすることで、元の食品とは異なる属性が付加されている場合は、加工食品に該当する可能性が高くなります。
2.複数の食品を混ぜ合わせているか
複数種類の野菜を切断して混ぜ合わせた商品や、異なる種類の刺身を盛り合わせた商品などは加工食品に分類される場合があります。
ただし、ベビーリーフのように、個々の原形が分かる状態で販売されている商品など、例外もあります。
3.単純な調整・洗浄・切断・冷凍にとどまっているか
単品野菜の洗浄や単純な切断、単純な凍結は、生鮮食品として扱われる場合があります。食品に手を加えたという理由だけで、加工食品と決めつけないことが重要です。
加工食品を購入するときに確認したい5項目加工食品を選ぶ際には、加工食品かどうかだけでなく、パッケージに記載された情報を組み合わせて判断することが大切です。
① 原材料名
どのような食品素材が使われているかを確認します。重量割合の高い原材料から順に記載されているため、商品の主な構成を把握できます。
② 添加物
保存料、甘味料、着色料、酸化防止剤など、使用されている添加物の種類を確認します。自分の食生活や購入目的に合わせて判断しましょう。
③ 原料原産地
国産原料を重視する場合は、単に「国内製造」と書かれているだけで判断せず、原材料名に対応した産地表示を確認します。
④ 栄養成分表示
熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量の5項目を確認します。特に塩分や脂質を気にする場合は、1袋当たりなのか、100g当たりなのかといった表示単位にも注意が必要です。
⑤ 消費期限・賞味期限と保存方法
期限表示だけでなく、指定された保存条件を守ることが重要です。賞味期限は品質が保たれる目安であり、消費期限は安全に食べられる期限を示すものです。
加工食品は避けるべき?よくある誤解を整理加工食品については、添加物や保存性などのイメージから、すべて健康によくない食品だと考えられることがあります。しかし、加工食品という分類だけで、栄養価や健康への影響を判断することはできません。
例えば、ヨーグルト、納豆、豆腐、冷凍野菜、缶詰なども加工食品に含まれます。これらは製法や原材料、栄養成分によって特徴が異なります。
逆に、加工度が低いから必ず栄養バランスがよいというわけでもありません。
実際の商品選びでは、食品の分類よりも、原材料、栄養成分、食塩相当量、添加物、保存方法などを総合的に見ることが合理的です。
忙しい人にとって冷凍食品やレトルト食品は、調理時間を短縮し、食事を準備する負担を減らす選択肢になります。野菜やたんぱく質を組み合わせ、栄養バランスを整える使い方も可能です。
大切なのは、加工食品を一律に避けることではなく、自分が何を重視して食品を選ぶのかを明確にすることです。
【2026年最新】食品表示制度の変更点と消費者が知っておきたい注意事項
2026年4月:カシューナッツが特定原材料に追加2026年4月1日、食品表示制度におけるアレルゲン表示の対象が見直され、カシューナッツが特定原材料に追加されました。
これにより、加工食品などにおける表示義務の対象となる特定原材料は、次の9品目になっています。
- えび
- カシューナッツ
- かに
- くるみ
- 小麦
- そば
- 卵
- 乳
- 落花生(ピーナッツ)
加えて、表示が推奨される特定原材料に準ずるものは20品目あります。ピスタチオも2026年4月の見直しで、この推奨対象に加わりました。
アレルギーを持つ人や家族がいる場合、以前と同じ商品であっても、最新のパッケージ表示を確認する習慣が大切です。
2026年10月:栄養機能食品に関する表示を改正2026年10月1日には、食品表示基準の一部改正に伴い、栄養機能食品に関する栄養成分の下限値・上限値、栄養成分の機能、摂取上の注意事項などが見直されました。
消費者庁は、この改正を踏まえて食品表示基準に関する通知の表示例も更新しています。
この改正は、加工食品という区分そのものを変更したものではありません。加工食品の表示を読む際には、食品の分類に関するルールと、栄養機能に関する表示ルールを分けて理解する必要があります。
食品表示の違反はどのように監視されている?食品表示は、食品メーカーや販売者が自由に決められるものではありません。
食品表示法に基づき、消費者庁、農林水産省、都道府県などの行政機関が、必要に応じて食品関連事業者への立入検査や報告徴収などを行います。
原料原産地の虚偽表示など、法令に違反する行為については、指示や命令、罰則の対象となる場合があります。
食品表示は、消費者が安心して商品を選ぶための情報であると同時に、食品事故が発生した場合の原因調査や商品回収にも役立つ仕組みです。
食品表示制度は、消費者の選択を支えるだけでなく、食品流通全体の透明性を確保する役割も担っています。
加工食品とはに関するよくある質問(FAQ)
Q1:加工食品とは簡単にいうと何ですか?
A1:加工食品とは、食品表示基準で定められた、製造または加工された食品です。パン、ハム、ソーセージ、惣菜、缶詰、ジャム、冷凍調理食品などが代表例です。
Q2:カット野菜は加工食品ですか?
A2:単品の野菜を単純に切断したカット野菜は、原則として生鮮食品です。ただし、複数種類の野菜を切って混ぜ合わせたサラダミックスなどは加工食品に該当します。
Q3:洗った野菜は加工食品になりますか?
A3:通常の水洗いや殺菌洗浄だけでは、原則として加工食品にはなりません。洗浄しただけの野菜は生鮮食品として扱われます。
Q4:冷凍食品はすべて加工食品ですか?
A4:いいえ。野菜や魚などを単純に凍結させただけの場合は、生鮮食品に該当することがあります。一方、加熱処理や調味などを施した冷凍食品は加工食品です。
Q5:加工食品と食品添加物は同じ意味ですか?
A5:異なります。加工食品は食品の製造・加工による分類で、食品添加物は食品の製造や加工などに使用される物質です。添加物を使用していない加工食品もあります。
Q6:「国内製造」と表示されていれば原材料も国産ですか?
A6:必ずしもそうではありません。「国内製造」は対象となる加工原材料が国内で製造されたことを示します。例えば、輸入小麦を日本国内で製粉した小麦粉も国内製造と表示される場合があります。
Q7:加工食品の原材料名はどのような順番で表示されますか?
A7:原則として、使用した原材料に占める重量割合が高いものから順番に表示されます。ただし、複合原材料などには個別の表示ルールがあります。
Q8:加工食品には原料原産地の表示義務がありますか?
A8:国内で製造された加工食品は、原則として重量割合が最も高い原材料の原産地表示が必要です。ただし、22食品群や個別の5品目には別の規定があり、輸入加工食品には原産国名の表示が適用されます。
Q9:惣菜や弁当も加工食品に該当しますか?
A9:はい。弁当や惣菜は食品表示基準上の加工食品に該当します。ただし、店内で調理してその場で販売する場合や、注文を受けて容器に詰める場合などは、一般的な包装済み加工食品とは表示義務の適用が異なります。
加工食品とは、食品表示基準において、製造または加工された食品として別表第1に掲げられたものです。パン、惣菜、冷凍食品、缶詰、乳製品、菓子類など、私たちが日常的に購入する多くの食品が該当します。
ただし、食品に何らかの手を加えたからといって、必ず加工食品になるわけではありません。単品野菜の洗浄・単純な切断・冷凍などは生鮮食品として扱われる場合があります。一方、複数の食品を組み合わせたり、調味や加熱を施したりすると、加工食品に分類されることがあります。
2026年11月現在、消費者が特に意識したいのは、原材料名、添加物、原料原産地、アレルゲン、栄養成分表示の5つです。
特に「国内製造」と「国産」は意味が異なります。産地を重視する場合には、加工原材料の製造地なのか、その原料となった生鮮食品の産地なのかまで確認する必要があります。
【プロの結論】
加工食品を正しく理解するために必要なのは、「加工されているか、いないか」という単純な二択ではありません。食品表示基準に基づく分類、製造・加工の内容、原材料の構成、添加物の使用状況、産地情報をそれぞれ分けて読み取ることです。
加工食品だから避ける、生鮮食品だから安心と決めつけるのではなく、実際の商品表示を見て判断することが、納得できる食品選びにつながります。
消費者庁が公開する2026年10月版の食品表示資料も参考にしながら、日々の買い物で表示を確認する習慣を身につけたいところです。
食品表示を正しく読むことは、原材料や産地を知るだけでなく、自分や家族の食生活を主体的に選ぶための基本になります。