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【任務と役割】第三機動隊は何をする部隊なのか?

小野寺 翔 小野寺 翔 • 更新: • 公開: • 読了約 19 分
目次

第三機動隊は、警視庁警備部に属する機動隊の一つです。大きな特徴は、特定の警察署だけでは対応しきれない集団警備や大規模警備に対応できる機動力を備えていることです。

機動隊は、警察署の地域警察官や刑事警察官とは異なり、集団としての警察力を必要とする現場で活動します。警視庁の警備警察に関する2026年度の職種紹介では、警備活動を治安警備、雑踏警備、災害警備、警衛警護などに分類しています。

第三機動隊も、こうした警視庁機動隊の活動を担う部隊の一つです。ただし、公開資料に記載された任務は機動隊全体の説明と、第三機動隊固有の活動実績を分けて理解する必要があります。

1.治安警備

治安警備は、デモ行進や集団による不法行為などに対応し、現場の秩序と周辺の安全を確保する活動です。

人が多数集まる場所では、参加者だけでなく、周辺を通行する一般市民や施設利用者の安全にも配慮しなければなりません。警視庁機動隊は、必要に応じて警察署や関係機関と連携し、集団警備力を発揮します。

2.災害警備・救出救助

地震や台風などの大規模災害では、被災者の避難誘導、救出救助、緊急交通路の確保などが警察の重要な任務になります。

警視庁機動隊には、専門的な技能を持つ機動救助部隊、山岳救助レンジャー部隊、水難救助部隊などが設けられています。また、爆発物処理や化学防護に対応する専門部隊もあります。

第三機動隊の公式紹介ページでも、G7広島サミットの警備に参加したレスキュー隊員の活動写真が公開されています。これは、同隊が集団警備だけでなく、専門技能を生かした警戒活動にも携わっていることを示す事例です。

3.雑踏警備

雑踏警備は、花火大会、祭礼、スポーツイベントなど、多数の人が集まる場所で事故を防ぐ活動です。

混雑した場所では、歩行者の流れが滞ったり、人が特定の場所に集中したりすることで事故につながる可能性があります。そのため、主催者との連携、現場広報、交通整理、歩行者の誘導などが欠かせません。

第三機動隊は、2023年7月25日に開催された葛飾納涼花火大会の警備を担当しました。警視庁の公開資料によると、主催者側と連携し、交通整理や現場広報を行い、事故やテロ事案の未然防止に努めています。

花火を楽しむ人々が空を見上げる一方、隊員は地上の安全を守るために警戒を続ける。この役割の違いに、雑踏警備の本質があります。

【歴史と隊章】「ほこりの三機」の由来と第三機動隊の沿革

第三機動隊

第三機動隊の歴史を理解するには、警視庁機動隊全体の成り立ちを押さえる必要があります。

警視庁機動隊の前身は、戦後の混乱期に創設された警視庁予備隊です。戦後の集団犯罪や労使紛争などに対応するため、機動性を備えた集団警備部隊として1948年5月25日に発足しました。

その後、1957年4月1日に警視庁機動隊へ改称され、第一から第五までの5個隊が設置されました。さらに1969年には、第六から第九機動隊と特科車両隊が新設され、現在につながる10個隊体制が確立しました。

警視庁機動隊の主な歴史
年月日 出来事 意味・背景 1948年5月25日 警視庁予備隊創設 戦後の集団警備に対応 1957年4月1日 警視庁機動隊に改称 第一から第五機動隊を設置 1969年 第六から第九機動隊と特科車両隊を増設 10個隊体制を確立 1979年4月6日 第三機動隊の隊章を制定 現在の隊章につながるシンボルを制定 1994年11月1日 現在の隊章に変更 デザインを見直し 2023年5月19~21日 G7広島サミット警備 広島県内で警戒警備に従事

出典:警視庁「警視庁機動隊の歴史」「第三機動隊」。

「ほこりの三機」と呼ばれる理由

第三機動隊を象徴する言葉が「ほこりの三機」です。警視庁の公式紹介ページでも、隊章の紹介タイトルとしてこの名称が使われています。

ここで注目したいのが、隊章に込められた意味です。

警視庁の公式説明によると、現在の隊章には次のような意味が込められています。

  • 円:太陽と和を表現。
  • 三つの柱:光と隊訓である「誠実・融和・奉仕」を表現。
  • 人物の姿:両手を高く上げ、力強く躍進する人を表現。
  • 桃太郎の精神:先代のシンボルマークにあった「気はやさしく、力持ち」という精神を継承。

隊章の制定は1979年4月6日。その後、デザインの見直しが行われ、1994年11月1日から現在のマークが使用されています。

なお、「ほこりの三機」という愛称の語源と、隊章のデザインの由来は別の話です。警視庁の公式紹介が具体的に説明しているのは、隊章の象徴と制定・改定の経緯です。愛称の語源については、公式ページに詳細な説明は掲載されていません。

【所在地と活動実績】目黒区大橋の拠点から全国の警備現場へ

第三機動隊の所在地は、東京都目黒区大橋2丁目17番16号です。東京都が公表している地域防災計画の施設一覧にも、第三機動隊の名称と所在地が掲載されています。

所在地を確認する際には、同じ目黒区大橋にある第二交通機動隊など、名称の似た別組織と混同しないことも大切です。第三機動隊は警備部の機動隊であり、交通部門の部隊とは組織上の役割が異なります。

第三機動隊の公開されている活動事例

第三機動隊の公式紹介には、2023年の具体的な警備活動が掲載されています。特に注目されるのが、G7広島サミット、大使館警備、葛飾納涼花火大会という性質の異なる3つの現場です。

2023年5月:G7広島サミット警備

2023年5月19日から21日まで、広島県広島市で第49回先進国首脳会議(G7広島サミット)が開催されました。

第三機動隊は、サミット開催に伴い広島県における警備に従事しました。警視庁の公式説明では、会場周辺で昼夜を問わず綿密な検索を実施し、不法行為の未然防止に努めたとされています。

公開写真には、第三機動隊のレスキュー隊員による警戒警備の様子も掲載されています。国際的な要人が集まる大規模行事では、会場周辺の安全確保と、予期しない事態への対応力が大切です。

2023年8月:ロシア大使館周辺の警備

2023年8月9日、第三機動隊はロシア大使館周辺で行われた反ロデー警備に従事しました。

担当したのは飯倉交差点周辺です。大使館に対する不法行為やトラブルの防止を目的として警戒警備を行いました。

公式資料では、突発的な事象への迅速な対応に備えながら、交通の流れにも配慮したと説明されています。当日は局地的な豪雨にも見舞われましたが、警備を完遂したとされています。

この事例から分かるのは、大使館警備が施設周辺の警戒だけで完結するものではないという点です。外交施設の安全、周辺住民や通行人の安全、交通の円滑化を同時に考える必要があります。

2023年7月:葛飾納涼花火大会の警備

2023年7月25日には、葛飾納涼花火大会の警備を担当しました。

同大会は4年ぶりの開催で、会場周辺には多くの観覧客が集まりました。第三機動隊は主催者と連携し、現場広報や交通整理を実施。事故やテロ事案の未然防止に努めました。

国際会議や大使館周辺の警備とは異なり、花火大会では一般市民が安心してイベントを楽しめる環境を維持することが中心になります。第三機動隊が異なる性質の現場に対応していることを示す事例です。

【組織を比較】第一・第二機動隊との違いと第三機動捜査隊との関係

「第三機動隊」という名称から、第一機動隊や第二機動隊よりも上位の部隊なのか、あるいは第三機動捜査隊と同じ組織なのかと疑問に感じる人もいます。

実際には、それぞれ組織上の位置づけと任務が異なります。警視庁の公式紹介と東京都公安委員会規則を照らし合わせると、次のように整理できます。

機動隊の比較と組織上の関係
組織名 主な役割・特徴 公開資料で確認できる特徴 第一機動隊 集団警備、重要警備など 北の丸公園に拠点。「近衛の一機」の愛称 第二機動隊 集団警備、雑踏警備、救助活動など 水難救助隊を擁し、「かっぱの二機」の愛称 第三機動隊 治安警備、大使館警備、雑踏警備など 目黒区大橋に所在。「ほこりの三機」の愛称 第三機動捜査隊 重要事件の初動捜査、広域機動捜査 刑事部に所属。多摩地区での初動捜査などを担当

出典:警視庁第一・第二・第三機動隊の紹介、警視庁組織規則、令和8年度警視庁採用サイト。

第一機動隊との違い

第一機動隊は、昭和8年に発隊した歴史を持つ部隊です。1957年に現在の千代田区北の丸公園内へ移転したことから、「近衛の一機」「旗本の一機」という愛称が生まれました。

2023年の活動事例には、皇居一般参賀やG7広島サミットの沿道警備、隅田川花火大会の警備などがあります。

第三機動隊と第一機動隊は、どちらも警視庁の集団警備力を担う部隊です。番号が若いから上位、第三だから下位という序列を意味するものではありません。

第二機動隊との違い

第二機動隊の大きな特徴は、水難救助隊を擁していることです。

警視庁の公式紹介によると、第二機動隊は荒川や江戸川流域で風水害が発生した際、救出救助活動に従事してきました。この活動から「かっぱの二機」という愛称が定着しています。

また、水難救助隊は災害時の救助だけでなく、水上行事の警備や犯罪捜査に伴う証拠品の捜索などにも携わっています。

第三機動隊との違いを考える場合、こうした公式ページで紹介される歴史や専門的な活動が比較の手掛かりになります。ただし、各機動隊の活動領域が完全に分離されているわけではありません。

第三機動隊と第三機動捜査隊は別組織

特に注意したいのが、第三機動隊と第三機動捜査隊の違いです。名称は似ていますが、所属部門も任務も異なります。

第三機動隊は警備部門の部隊であり、集団警備や大規模行事の警備などを担当します。

一方、第三機動捜査隊は刑事部に置かれた捜査組織です。警視庁組織規則第57条では、機動捜査隊について、凶悪事件その他の重要事件の初動捜査や広域機動捜査による犯罪の捜査・取締りを行うと定めています。

警視庁の2026年度採用サイトでは、第三機動捜査隊について、多摩地区全域で24時間体制を取り、重大事件の発生現場に捜査車両で急行し、警察署と連携して初動捜査に当たると説明しています。

つまり、第三機動隊は現場の集団警備、第三機動捜査隊は事件発生後の初動捜査という違いがあります。「機動」という言葉が共通していても、同じ部署ではありません。

【2026年最新情報】第三機動隊の現在の活動とラグビー部

2026年11月時点で、第三機動隊の位置づけを確認するうえで重要なのは、警視庁の組織規則と個別部隊の公開活動情報です。

東京都公安委員会の警視庁組織規則では、機動隊の名称として第一から第九までの各機動隊と特科車両隊が記載されています。つまり、2026年現在も警視庁の機動隊は10個隊で構成されています。

一方、第三機動隊の個別紹介ページの最終更新日は2023年12月15日です。2026年に新たな隊の活動内容が公開されたという情報と、2026年現在も組織として存続していることは分けて考える必要があります。

警視庁ラグビー部は第三機動隊で発足

第三機動隊には、警備活動以外にも興味深い歴史があります。それが警視庁ラグビー部です。

警視庁の公式紹介によると、ラグビー部の活動は1961年5月、各機動隊からラグビー愛好家が集まり、明治大学八幡山グラウンドで練習を始めたことにさかのぼります。

そして、1962年3月15日、第三機動隊に警視庁ラグビー部が発足しました。

公式紹介ページの2023年時点の説明では、関東社会人1部リーグに所属し、トップイーストリーグへの昇格を目標に活動していました。警察官としての任務とスポーツ活動を両立する文化が、第三機動隊の特徴の一つになっています。

2026年のリーグ情報はどうなっている?

2026年の競技状況を確認するうえでは、関東ラグビーフットボール協会が公表している2026~2027年シーズンの公式リーグ表が参考になります。

同協会の掲載情報では、警視庁チームはトップイーストリーグDiv.3に登録されています。これは2023年の警視庁公式紹介に記載された関東社会人1部リーグという説明とは異なる、現在の競技カテゴリーです。

この点は、第三機動隊のラグビー部が1962年に発足したという歴史と、警視庁チームの2026年の競技登録を分けて理解する必要があります。リーグ区分の変更だけで、第三機動隊の警備任務が変わったことを意味するわけではありません。

2026年現在の機動隊を取り巻く環境

警視庁の2026年度警備警察の職種紹介では、治安警備、雑踏警備、災害警備、警衛警護が引き続き主要な活動分野として説明されています。

大規模イベントの安全確保、自然災害への備え、重要施設の警戒など、機動隊が必要とされる場面は多岐にわたります。第三機動隊の2023年の公開実績も、こうした警備警察の役割を具体的に示すものです。

したがって、2026年の第三機動隊を理解する際には、過去の活動事例だけでなく、警視庁全体の警備体制や専門部隊の運用も合わせて見ることが大切です。

【プロの結論】第三機動隊を理解するために押さえたい3つの視点

第三機動隊を調べると、隊章の愛称や所在地、警備実績など、個別の情報に目が向きがちです。しかし、組織の本質を理解するには、次の3点を押さえる必要があります。

1.第三機動隊は「第3位」の部隊ではない

第一、第二、第三という番号は部隊の識別に用いられるものであり、単純な上下関係を意味しません。それぞれが警視庁の集団警備力を担い、現場の状況に応じて活動します。

2.第三機動隊だけの任務と、機動隊全体の任務を区別する

治安警備、災害警備、雑踏警備は機動隊全体に共通する重要な活動分野です。第三機動隊の固有の特徴を知りたい場合は、隊章の歴史、公開された警備実績、ラグビー部の沿革など、部隊別の公式情報に注目すると理解しやすくなります。

3.組織の最新情報は更新日と資料の種類で判断する

第三機動隊の紹介ページは2023年12月15日更新ですが、警視庁組織規則は2026年の改正を反映しています。個別の活動紹介と組織の現行規定では、確認できる情報の性質が異なります。

2026年の現状を正確に把握するには、個別部隊の紹介だけでなく、東京都公安委員会の規則、警視庁の採用・職種紹介、関係団体の競技記録などを照合することが有効です。

第三機動隊の価値は、特定の大きな事件や行事への参加だけで測れるものではありません。日常の警戒から大規模警備、災害対応まで、必要な場所に集団警備力を投入できる体制そのものにあります。

第三機動隊に関するよくある質問(FAQ)

Q1:第三機動隊はどこにありますか?
A1:東京都目黒区大橋2丁目17番16号です。東京都の地域防災計画にも所在地が掲載されています。

Q2:「ほこりの三機」とは何ですか?
A2:第三機動隊の愛称です。警視庁公式ページではこの名称を隊章の紹介タイトルに使用しています。隊章は1979年4月6日に制定され、1994年11月1日に現在のデザインへ変更されました。

Q3:第三機動隊は何個隊ある機動隊の一つですか?
A3:警視庁機動隊は10個隊体制です。第一から第九機動隊と特科車両隊で構成されています。

Q4:第三機動隊はG7広島サミットで何を担当しましたか?
A4:2023年5月19日から21日までのサミット開催に伴い、広島県内で会場周辺の警戒警備に従事しました。レスキュー隊員による警戒活動も公式に紹介されています。

Q5:第三機動隊と第三機動捜査隊は同じですか?
A5:別組織です。第三機動隊は警備部門の集団警備部隊、第三機動捜査隊は刑事部門の初動捜査部隊です。後者は多摩地区での重大事件の初動捜査などを担当しています。

Q6:第三機動隊のラグビー部はいつ発足しましたか?
A6:1962年3月15日です。警視庁の公式紹介によると、現在の警視庁ラグビー部につながる活動は、各機動隊の愛好家が集まった1961年5月に始まりました。

Q7:第三機動隊の2026年の活動状況は公開されていますか?
A7:第三機動隊の個別紹介ページには、G7広島サミット、大使館警備、花火大会警備などの実績が掲載されています。ただし、同ページの更新日は2023年12月15日です。2026年現在の組織上の位置づけは、改正を反映した警視庁組織規則で確認できます。

第三機動隊は、警視庁の10個隊体制を構成する機動隊の一つであり、東京都目黒区大橋を拠点としています。

その任務は、治安警備、災害警備、雑踏警備など多岐にわたります。2023年にはG7広島サミット警備、ロシア大使館周辺の警備、葛飾納涼花火大会の警備に従事し、異なる性質の現場で活動しました。

また、「ほこりの三機」という愛称や、1979年に制定された隊章、1994年のデザイン変更、1962年に発足した警視庁ラグビー部など、長い歴史を持つ組織でもあります。

2026年現在、第三機動隊を正しく理解するための要点は、部隊固有の歴史と機動隊全体の任務を区別すること、そして第三機動捜査隊など名称の似た別組織と混同しないことです。

大規模警備の現場で目立つ活動だけでなく、事故を未然に防ぎ、災害時には人命を守る。その集団警備力こそが、第三機動隊の現在の位置づけを理解するうえで最も要点です。

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小野寺 翔
トレンドリサーチャー 小野寺 翔
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アニメ・漫画の制作発表を担当。制作会社・出版社の公式告知と原作者コメントを確認してから記事化します。

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