2026年11月現在、赤穂市民病院で発生した医療事故をめぐる刑事裁判は、元脳神経外科医・松井宏樹氏に対する有罪判決が確定しています。2020年1月22日の腰椎手術で患者の神経を誤って切断し、重い後遺障害を負わせた事件について、神戸地裁姫路支部は2026年3月12日、業務上過失傷害罪で禁錮1年、執行猶予3年の判決を言い渡しました。双方が控訴しなかったため、同月27日に判決が確定しました。
この事件が全国的な関心を集めた背景には、実際の医療事故を題材にしたウェブ漫画『脳外科医 竹田くん』の存在があります。漫画の主人公のモデルとされる人物、相次いだ医療事故、約8,900万円の損害賠償命令、漫画作者への刑事告訴と不起訴、そして医師免許をめぐる問題まで、複数の出来事が重なっています。ここでは2026年11月2日時点の公表情報をもとに、事件の全経緯と作品の実話との関係を整理します。
【赤穂市民病院医療事故の真相】2020年の腰椎手術で何が起きたのか

事件の発端は、2020年1月22日に赤穂市民病院で行われた腰椎の手術です。
患者は腰部脊柱管狭窄症と診断された女性で、腰椎の一部を切除して神経への圧迫を取り除く手術を受けました。執刀を担当したのは、当時同病院の脳神経外科に勤務していた松井宏樹医師です。
手術中、出血によって患部の視認性が十分に確保できない状況になりました。それにもかかわらず、十分な止血措置を取らないまま医療用ドリルによる骨の切削を続け、硬膜を損傷。さらに脊髄神経を誤って切断する結果となりました。
神経損傷によって患者には両足の重い麻痺が残り、排せつ機能にも深刻な障害が生じました。手術前には自力で歩行できていた患者の生活は、事故によって大きく変わってしまいました。
この事故について、2024年12月27日、神戸地検姫路支部は松井氏を業務上過失傷害罪で在宅起訴しました。検察側は、出血で手術部位が見えにくい状態で十分な止血を行わず、ドリルを操作したことが重大な過失に当たると主張しました。
手術の注意義務違反が裁判で認定された2026年3月12日の刑事判決では、神戸地裁姫路支部の佐藤洋幸裁判長が、十分な視野を確保できない状態でドリルによる切削を続けた点を重く評価しました。
医療用ドリルを使用する手術では、患部の状態を適切に確認できることが前提です。出血によって視野が確保できないのであれば、止血を優先し、安全な状態を取り戻す必要があります。
今回の裁判で問題となったのは、単に神経損傷という結果が発生したことだけではありません。視認性が失われている状況で、基本的な安全確認を十分に行わず手術を継続したという判断そのものです。
一方、弁護側は手術助手を務めた上級医の指示や、病院の支援体制にも問題があったと主張しました。裁判では上級医の証言も取り上げられましたが、最終的に松井氏の刑事責任が認められました。
この判決は、医療事故における個人の注意義務と、医療機関が整えるべき組織的な安全管理の双方を考えるうえで、大きな意味を持っています。
【赤穂市民病院の医療過誤の経緯】8件の医療事故と病院の対応
約8か月間に8件の医療事故が発生この事件が単独の手術ミスとして終わらなかった理由は、松井氏が赤穂市民病院に在籍していた期間に、複数の医療事故が発生していたことです。
松井氏は2019年7月に同病院の脳神経外科に採用されました。その後、約8か月間に関わった手術で8件の医療事故が発生したことが、2021年12月の報道で明らかになりました。
同病院は同年12月17日に公表した説明で、8件の事実関係を認めました。ただし、病院側が医療過誤と認めたのは、今回の腰椎手術による神経損傷の1件です。残る7件については、外部有識者による検証などを踏まえ、医療過誤には当たらないとの認識を示していました。
なお、2025年の民事判決をめぐる報道では、松井氏が約9か月間に関わった手術で計11件の医療事故があったとされています。8件と11件という数字は、報道された集計時期や対象範囲が異なるため、同一の数字として扱うことはできません。また、事故件数がそのまま医療過誤の認定件数を意味するわけでもありません。
病院の監督体制にも疑問が残った一連の問題で注目されたのは、医師個人の技術だけではありません。複数の事故が発生した際、病院がどの段階で問題を把握し、手術の制限や監督を適切に実施できたのかという組織的な課題です。
2025年5月の民事判決を報じた神戸新聞によると、裁判所は執刀医の注意義務違反を著しいと評価する一方、病院側の事故後の説明についても、迅速に説明を尽くしたと評価するには不足があると指摘しました。
加えて、赤穂民報が2025年5月に報じたところでは、同病院は一連の医療事故について、院内医療事故調査委員会の調査報告書を作成していませんでした。事故調査委員会は2022年2月24日と3月11日に開催されたものの、原因究明や再発防止策の検討内容は公表されていませんでした。
事故が起きた後に医療過誤を認めることと、なぜ事故を防げなかったのかを組織として検証することは別の問題です。患者や家族、地域住民が知りたいのは、責任の所在だけでなく、同じ事故を二度と起こさないために何が変わったのかという点でもあります。
【事件関係者と出来事の相関図】松井宏樹氏・被害者家族・漫画作者の関係
赤穂市民病院の医療事故と『脳外科医 竹田くん』を正しく理解するには、実際の医療事故に関わる人物と、漫画の制作・公開に関わる人物を区別する必要があります。
それぞれの立場と関係を整理すると、次のようになります。
| 人物・組織 | 事件との関係 | 2026年時点の状況 |
|---|---|---|
| 松井宏樹氏 | 2020年の腰椎手術を担当した元脳神経外科医。漫画の主人公のモデルと報道されている。 | 業務上過失傷害罪の有罪判決が2026年3月に確定。 |
| 赤穂市民病院 | 医療事故が発生した医療機関。患者側から損害賠償を求められた。 | 約8,900万円の賠償命令が2025年5月に確定。 |
| 被害女性 | 2020年1月22日の腰椎手術で神経を損傷され、重い後遺障害を負った。 | 民事・刑事裁判の対象となった医療事故の被害者。 |
| 漫画作者 | 被害女性の親族。実際の医療事故や病院内の問題を題材に漫画を制作。 | 2025年に名誉毀損をめぐる民事訴訟を提起。2026年2月には刑事告訴に対する不起訴処分が報じられた。 |
| 神戸地裁姫路支部 | 医療過誤をめぐる民事訴訟と刑事裁判を担当。 | 民事賠償命令と刑事有罪判決を言い渡した。 |
| 神戸地検姫路支部 | 業務上過失傷害事件の捜査・起訴を担当。漫画をめぐる刑事告訴も扱った。 | 松井氏を起訴。漫画作者らへの刑事告訴については不起訴処分とした。 |
この相関関係で重要なのは、漫画作者が被害患者の親族であることです。作品は第三者が外部から想像して作った医療ミステリーではなく、実際に医療過誤の被害を受けた家族が、病院内部の問題や関係者から得た情報をもとに制作したものです。
ただし、作者と被害患者の関係、松井氏が漫画のモデルとされること、刑事裁判で認定された事実は、それぞれ別の情報として理解する必要があります。
【脳外科医 竹田くんの漫画は実話?】モデルと作品のどこまでが本当なのか
2023年に公開された142話のウェブ漫画『脳外科医 竹田くん』は、2023年1月から7月にかけてインターネット上で公開されたウェブ漫画です。全142話が発表され、地方都市にある架空の市民病院を舞台に、医療事故を繰り返す脳外科医と、その周囲の医療組織を描いています。
作中の舞台は「赤池市」という架空の町です。主人公の医師「竹田」は、未熟な手技で重大な医療事故を起こす人物として描かれています。また、上級医の指導や病院の医療安全部門、院長の対応など、事故を防げなかった組織の問題も物語の重要なテーマになっています。
2025年2月、作者が被害患者の親族だと公表作品と赤穂市民病院の関係が明確になったのは、2025年2月5日に作者が公開した声明です。
作者は、自身が2020年1月22日に赤穂市民病院で発生した医療過誤の被害患者の親族であることを明らかにしました。また、当事者や関係者から直接・間接に情報を得られる立場にあり、医療事故や病院内部の問題を記録したうえで作品に反映したと説明しています。
作者の説明によれば、漫画はフィクションです。読者に伝わりやすくするため、架空の町や人物を設定し、出来事を単純化したり比喩的な表現を用いたりしています。
つまり、実際の医療事故をモチーフにしていることは作者自身が認めていますが、作品内のすべての会話や人物の行動、出来事の順番を、そのまま現実の記録として扱うことはできません。
実話と創作を見分けるポイント漫画の内容を検証する際には、次のように整理すると理解しやすくなります。
- 現実に確認された事実:赤穂市民病院での医療事故、2020年の腰椎手術、神経損傷、後遺障害、民事・刑事裁判の結果。
- 作者が公表した制作背景:被害患者の親族であること、関係者への聞き取りや情報収集をもとに作品を制作したこと。
- フィクションとしての表現:赤池市という架空の舞台、竹田などの登場人物、物語上の会話や演出、設定の単純化。
特に注意したいのは、漫画の登場人物と現実の関係者を一対一で対応させないことです。実際の医療事故に基づく作品であっても、作品内のすべての人物設定や発言が、裁判で認定された事実というわけではありません。
漫画作者への名誉毀損の刑事告訴と不起訴作品をめぐっては、松井氏側と作者側の間で法的な争いも起きています。
2025年3月5日、作者側は漫画が名誉毀損に当たらないことなどを確認するため、松井氏を相手に大阪地裁へ債務不存在確認訴訟を提起しました。
一方、2026年3月2日の赤穂民報の報道によると、松井氏は2025年7月、漫画作者、被害女性の長女、赤穂市民病院在籍当時の上司を名誉毀損や信用毀損などの疑いで刑事告訴していました。
これに対して神戸地検姫路支部は、2026年2月20日付で告訴された3者全員を不起訴処分としました。
ただし、不起訴処分は刑事裁判で漫画の内容が全面的に真実と認定されたことを意味するものではありません。刑事事件として起訴するかどうかの判断と、民事訴訟で名誉毀損による損害賠償責任が成立するかどうかの判断は別です。
作者側が起こした債務不存在確認訴訟については、2026年の報道でも係争が続いているとされています。刑事告訴の不起訴と民事訴訟の結論を混同しないことが大切です。
【2026年最新】松井宏樹氏の有罪判決・賠償金・現在の状況
2025年5月14日、約8,900万円の賠償命令被害女性と家族は、2021年8月に赤穂市と松井氏を相手取り、損害賠償請求訴訟を提起しました。
請求額は慰謝料などを含めて約1億4,200万円でした。神戸地裁姫路支部は2025年5月14日、手術における執刀医の注意義務違反を認め、赤穂市と松井氏に対して合計約8,900万円の支払いを命じました。
判決では、出血によって視認性を十分に確保できていないにもかかわらず骨の切除を続けたことについて、執刀医の注意義務違反の程度は著しいと指摘されました。
また、病院側の事故後の説明についても、迅速に説明を尽くしたとは評価しにくいと判断されました。
赤穂市は5月20日に控訴しない方針を表明し、原告・被告双方が控訴しなかったことで、賠償命令は同月31日に確定しました。
2026年3月12日、刑事裁判で有罪判決民事裁判とは別に進められていた刑事裁判は、2024年12月27日の在宅起訴を経て、2026年2月9日に神戸地裁姫路支部で初公判が開かれました。
松井被告は起訴内容を基本的に認めました。一方、弁護側は手術に立ち会った上級医の責任や病院の支援体制などを量刑上考慮するよう求めました。
検察側は、手術の基本である止血と視野の確保を怠ったことを重く見て、禁錮1年6か月を求刑しました。
そして2026年3月12日、神戸地裁姫路支部は松井被告に対し、禁錮1年、執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。
判決では、基本的な注意義務を怠ったことが明確に指摘されました。その一方で、病院側の支援・監督体制が十分ではなかった点なども考慮され、執行猶予付きの刑となりました。
2026年3月27日、刑事判決が正式に確定判決後、控訴期間中に松井被告と検察側の双方が控訴しなかったことが、2026年3月27日の赤穂民報の報道で明らかになりました。
控訴期限は3月26日で、双方が控訴しなかったため、神戸地裁姫路支部の判決は同日までに確定しました。
したがって、2026年11月現在、刑事裁判は判決確定という段階にあります。2026年3月に判決が出たというだけでなく、控訴されず確定したことが要点です。
松井宏樹氏の現在は?勤務先と医師免許の問題松井氏は2021年8月に赤穂市民病院を依願退職しました。その後、別の医療機関に勤務し、吹田徳洲会病院にも在籍していました。
吹田徳洲会病院は2025年12月8日、松井氏について公式に退職を告知しています。発表によると、松井氏は2025年1月から診療業務を完全に外れ、同年10月31日付で同院を退職しました。
そのため、少なくとも同院での診療業務は2025年1月以降行っておらず、2025年10月末で同院との雇用関係も終了しています。2026年11月時点の新たな勤務先については、確認できる公表情報がありません。
もう一つ注目されているのが医師免許の行政処分です。
刑事裁判で有罪判決が確定したからといって、医師免許がその瞬間に自動的に取り消されるわけではありません。医師法第7条に基づき、厚生労働大臣が医道審議会の意見を聴いたうえで、戒告、3年以内の医業停止、免許取消しなどを判断する別の行政手続きがあります。
したがって、松井氏の刑事判決確定と医師免許の取消しは別問題です。2026年11月2日時点で、松井氏個人に対する免許取消しや医業停止の決定を確認できる公表資料はありません。医師免許の現状を断定するには、厚生労働省による正式な行政処分の公表を確認する必要があります。
【赤穂市民病院の医療安全と再発防止】事件後に何が変わったのか
2025年3月改訂の医療安全管理指針赤穂市民病院は、2025年3月に医療安全管理指針を改訂しています。
同指針では、医療安全推進室を設置し、院内で発生したインシデントやアクシデントの情報収集、分析、報告、改善提案、教育・研修などを実施する体制を定めています。
また、医療安全推進委員会のもとに入院・外来・透析・手術の各リスク部会を置き、事故予防策や再発防止策を検討する仕組みも示されています。
加えて、医療事故発生時には患者と家族に速やかに状況や回復措置を説明し、その内容を診療録などに記録すること、全職員を対象とする医療安全研修を年2回以上実施することも定めています。
制度を整えるだけでは再発防止にならないただし、医療安全管理指針が存在することと、その仕組みが実際の医療現場で機能していることは同じではありません。
今回の事件で特に問われたのは、医師の技術や判断に問題が生じた際、周囲の医療従事者や管理職がそれを把握し、手術の継続を止められる仕組みがあったのかという点です。
再発防止を評価するうえでは、次の点が重要になります。
- 手術権限の管理:医師の経験や技術に応じて、執刀できる手術の範囲を適切に管理しているか。
- 異常の早期発見:事故やヒヤリ・ハットの報告が個人の責任追及だけで終わらず、組織全体で共有されているか。
- 上級医による監督:手術中に危険な状況が発生した場合、上級医が介入して中止や方針変更を判断できるか。
- 患者・家族への説明:事故が起きた場合、原因や今後の見通しを迅速かつ具体的に説明しているか。
- 外部検証と情報公開:重大事故について第三者による検証を行い、改善策と実施状況を公表しているか。
赤穂市民病院の事案では、医師個人の注意義務違反だけでなく、病院組織の監督や事故後の説明、調査結果の公開も問題となりました。
医療事故を減らすためには、個人の努力や反省に依存するのではなく、危険な判断を組織全体で止められる仕組みが必要です。
【プロの結論】この事件から読み取るべき3つの教訓第一に、医療事故の責任は、執刀医個人の技術だけで完結しません。病院の採用、教育、手術権限の管理、上級医の監督、安全管理部門の機能が連動して初めて患者の安全が守られます。
第二に、事故発生後の説明と検証は、患者の権利を守るために欠かせません。賠償金の支払いだけで被害者の身体的・精神的な苦痛が解消されるわけではなく、原因を明らかにし、再発防止につなげることが医療機関の責務です。
第三に、漫画や報道を読む際には、社会問題を伝える表現と、裁判で認定された事実を区別する必要があります。『脳外科医 竹田くん』は医療安全の問題を広く伝える役割を果たしましたが、個々の人物の責任や事実関係を最終的に判断するのは、証拠に基づく司法手続きです。
この事件の本質は、一人の医師の手術ミスだけではありません。重大な危険が繰り返し生じたとき、それを組織がどのように察知し、患者を守るために行動できるのかという、日本の医療安全体制全体に関わる問題です。
【赤穂市民病院の医療事故と竹田くん】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:脳外科医 竹田くんのモデルは実在する松井宏樹氏ですか?
A1:はい。報道では、主人公のモデルとされる人物は元脳神経外科医の松井宏樹氏とされています。漫画作者自身も2025年2月、赤穂市民病院の医療過誤被害者の親族であると公表しました。ただし、漫画は架空の舞台や人物を用いたフィクションであり、すべての描写が実際の出来事と一致するわけではありません。
Q2:松井宏樹氏の有罪判決は2026年に確定しましたか?
A2:確定しています。神戸地裁姫路支部は2026年3月12日、業務上過失傷害罪で禁錮1年、執行猶予3年の判決を言い渡しました。被告側と検察側の双方が3月26日の控訴期限までに控訴せず、3月27日に判決確定が報じられました。
Q3:赤穂市民病院は被害者にいくら賠償することになりましたか?
A3:2025年5月14日、神戸地裁姫路支部は赤穂市と執刀医に合計約8,900万円の支払いを命じました。原告側の請求額は約1億4,200万円でした。双方が控訴しなかったため、同月31日に民事判決も確定しています。
Q4:松井宏樹氏の医師免許は取り消されたのですか?
A4:刑事判決が確定したことと医師免許の取消しは別の手続きです。医師法に基づく行政処分には戒告、医業停止、免許取消しがあります。2026年11月2日時点で、松井氏個人の免許取消しや医業停止の正式決定を確認できる公表資料はありません。
Q5:漫画作者は名誉毀損で起訴されたのですか?
A5:いいえ。松井氏が漫画作者らを名誉毀損や信用毀損などの疑いで刑事告訴していた件について、神戸地検姫路支部は2026年2月20日付で不起訴としました。ただし、漫画の名誉毀損をめぐる民事訴訟とは別の手続きです。
赤穂市民病院で2020年1月に発生した腰椎手術の医療事故は、患者に深刻な後遺障害を残し、民事・刑事の両方で裁判に発展しました。
2025年5月には約8,900万円の賠償命令が確定。2026年3月には、元執刀医の松井宏樹氏に禁錮1年、執行猶予3年の有罪判決が言い渡され、同月27日に刑事判決も確定しました。
一方、漫画『脳外科医 竹田くん』は、実際の医療事故を題材にした作品であることが作者自身によって明かされていますが、作品のすべてが事実をそのまま再現したものではありません。作者への刑事告訴も不起訴となったものの、名誉毀損をめぐる民事訴訟は別途考える必要があります。
今後の注目点は、松井氏に対する医師免許の行政処分の有無、漫画をめぐる民事訴訟の行方、そして赤穂市民病院が実際にどのような再発防止策を実行しているかです。
裁判によって責任の一部が明らかになったことは重要な節目です。しかし、失われた身体の自由や事故以前の生活が判決によって戻るわけではありません。
医療機関に求められるのは、事故が起きた後に責任を認めるだけでなく、事故を予防し、異常を見逃さず、患者と家族に説明できる組織をつくることです。『脳外科医 竹田くん』が社会に投げかけた問いも、最終的には医療現場の安全管理がどこまで実効性を持って変わるかにかかっています。
主な確認資料・報道
- 神戸新聞:2025年5月の民事判決、賠償命令と確定。
- 神戸新聞・赤穂民報:2026年3月の刑事判決と確定。
- テレビ朝日:2026年3月の公判内容、事故経緯、判決理由。
- 赤穂民報:漫画作者の声明、作者と被害者の関係、名誉毀損の刑事告訴と不起訴。
- 吹田徳洲会病院:松井氏の診療業務離脱と退職に関する公式告知。
- 赤穂市民病院:医療安全管理指針。
- e-Gov法令検索:医師法第7条。