「全部ヤラセだった」という坂井氏の説明によって、法的な問題も解消されたのだろうか。
この点については、2026年5月22日、弁護士JPニュースが荒川香遥弁護士(弁護士法人ダーウィン法律事務所代表)に取材し、刑法上の問題を解説している。
公然わいせつ罪が成立する可能性刑法174条の公然わいせつ罪は、公然とわいせつな行為をした場合に成立する犯罪だ。法定刑は6か月以下の拘禁刑、30万円以下の罰金、拘留または科料となっている。
今回の問題では、全裸の女性が複数人で人間ピラミッドを組んだ行為がわいせつに該当するかだけでなく、現場に「公然性」があったかどうかが重要になる。
公然性とは、不特定または多数の人が認識できる状態を指す。一般に、密室で行われたからといって、必ずしも公然性が否定されるわけではない。
荒川弁護士は、会員制バーの貸切個室であっても、会員の勧誘方法や店舗内の他の利用者の状況などによっては、公然性が認められる可能性を否定できないと指摘した。
動画をSNSに投稿した場合の問題もう一つの論点は、撮影した映像をインターネット上に公開した行為だ。
弁護士JPニュースの取材では、無修正の裸体動画をSNSに投稿した場合、刑法175条のわいせつ物頒布等罪に該当する可能性も取り上げられた。
ただし、弁護士は、投稿された映像では身体の重要な部分が鮮明に確認できないことから、実際に処罰対象となるかどうかは微妙な判断になるとも説明している。
また、撮影に同意したことと、インターネット上で不特定多数に公開することに同意したことは、必ずしも同じではない。契約書にSNS投稿への同意が含まれていたという坂井氏の説明についても、個々の参加者の同意の範囲や実際の契約内容が重要になる。
「演出だったから犯罪ではない」は正しい?必ずしも正しくない。
企画として事前に計画されていたこと、参加者が同意していたこと、撮影や投稿に契約書があったことは、法的判断の際に考慮される事情ではある。しかし、それだけで公然わいせつ罪やわいせつ物頒布等罪の成立が自動的に否定されるわけではない。
重要なのは、実際の行為、場所の状況、公開方法、参加者の同意の範囲などを個別に検討することだ。
なお、2026年11月2日時点で、今回の件について逮捕・起訴・有罪判決があったとする主要報道は確認できない。弁護士による犯罪成立の可能性の指摘と、実際に刑事責任が確定したことは明確に区別する必要がある。
【2026年11月最新】人間シャンパンタワー騒動の現在とその後
騒動から約4か月が経過した2026年9月25日、NEWSポストセブンが丸の内OLレイナ氏への追加インタビューを掲載した。
この取材では、騒動後の心境、坂井氏との関係、参加した女性たちの様子などが改めて語られている。
レイナ氏は騒動をどう受け止めている?レイナ氏は、騒動について、時間が経過した現在は特に引きずっていないという趣旨の説明をした。
一方、周囲からは今も「シャンパンタワーをやった人」と認識されることがあると話している。本人は、その出来事が自身の知名度や肩書きの一部になったという受け止め方も示した。
参加した理由についても、当初の「坂井氏に恩を売って仕事につなげたい」という考えから、自分自身で話題性を獲得し、数字をつかむ経験になったという認識へ変化している。
現場のバーには変化があった?9月25日のNEWSポストセブンの続報では、騒動の現場となったバーについても取り上げられた。
報道によると、店舗では騒動後に誓約書を導入したという。これは、店舗側が騒動を受けて利用者とのルールや責任範囲を明確にしようとした動きとして注目される。
ただし、店舗が導入した誓約書の具体的な全文や、今回の騒動に対する法的責任の有無まで明らかになったわけではない。
坂井氏との関係は続いている?レイナ氏は9月の取材で、騒動以来、坂井氏とは連絡を取っていないと説明した。
ビジネスパートナーとして継続的に活動しているという話もなく、少なくとも本人の説明では、騒動後に仕事上の関係が続いているわけではない。
11月2日現在、騒動の中心となった動画について、新たな大きな公式発表や刑事処分が報じられた状況は確認できない。現時点で注目すべきなのは、5月の説明と9月の追加証言を合わせて、企画の実態とその後の関係を整理することだ。
【人間シャンパンタワーの真相】よくある質問(FAQ)
Q1:人間シャンパンタワーの動画は本物ですか?
A1:実際に行われた出来事を撮影した動画です。坂井秀人氏は当初AI生成の疑いを主張しましたが、2026年5月5日に動画が事実だったと認めました。5月19日には、企画自体が事前に計画された演出だったと説明しています。
Q2:動画に登場した男性は坂井秀人ですか?
A2:坂井秀人氏本人が5月5日に動画への関与を認めています。さらに5月19日の説明動画でも、自身が企画した出来事として詳細を説明しました。
Q3:ピラミッドの一番上にいた女性は誰ですか?
A3:インフルエンサーの丸の内OLレイナ氏です。2026年5月3日に自身のXで最上段にいたことを明かし、5月7日にはYouTubeでも参加した経緯を説明しました。
Q4:丸の内OLレイナが参加した理由は何ですか?
A4:坂井氏とのつながりが今後のビジネスに発展する可能性を期待したためと本人が説明しています。強制ではなく、自分で判断して参加したという立場です。
Q5:参加女性の報酬は6万円だったのですか?
A5:坂井氏は、レイナ氏を除く女性5人と契約し、1人6万円を支払ったと説明しています。一方、レイナ氏は現場で他の女性が1万円を受け取るところを見たと証言しました。支払いの全容が第三者によって確認されたわけではありません。
Q6:公然わいせつ罪で逮捕される可能性はありますか?
A6:弁護士は、公然性などの要件次第で刑法174条の公然わいせつ罪が成立する可能性を指摘しています。ただし、犯罪が成立するかどうかは具体的な状況によるもので、逮捕や有罪が確定したということではありません。
Q7:2026年11月現在、坂井氏とレイナ氏は交流していますか?
A7:レイナ氏は9月のインタビューで、騒動以来、坂井氏とは連絡を取っていないと説明しています。継続的なビジネス関係もないという認識を示しました。
2026年5月に拡散した人間シャンパンタワー動画は、AIによるフェイク映像ではなく、実際に行われた企画を撮影したものだった。坂井秀人氏は当初AI生成の可能性を説明したものの、5月5日に事実を認め、その後の5月19日には約8か月前から計画した演出だったと明かしている。
丸の内OLレイナ氏も、参加した理由を自分自身のビジネス上の判断だったと説明した。さらに後日の対談では、炎上による認知拡大や売上への効果も語っている。
一方、参加女性の報酬や契約条件には説明の食い違いがあり、企画全体への同意と個々の参加者の認識も同一とは限らない。公然わいせつ罪や動画投稿に関する法的問題についても、演出だったという説明だけで結論が出るわけではない。
今回の騒動から読み取れる要点は、SNS時代の炎上が単なる批判で終わらず、企画者や出演者の認知、ビジネス、収益にまで影響するということだ。
ただし、注目を集めることと社会的な信頼を得ることは別問題である。話題性を狙った演出であっても、参加者の尊厳、情報公開の透明性、視聴者への説明責任、そして法律上の問題は残る。
2026年11月現在、この騒動を理解するうえで最も大切なのは、動画が実在したこと、企画が演出だったという坂井氏の説明、レイナ氏自身の参加理由、そして法的評価をそれぞれ分けて捉えることだろう。
「全部ヤラセ」という一言だけでは説明しきれない、SNS時代の炎上マーケティングと信頼の問題を象徴する出来事だった。