EX 65+割が登場する以前から、シニア旅行の代表的な割引制度として利用されてきたのが「ジパング倶楽部」です。
JR6社が共同で運営する旅行クラブで、JR東海の東海道新幹線だけでなく、全国のJR線を対象に割引を受けられる点が大きな特徴です。
ジパング倶楽部の入会資格と年会費JR東海の公式案内によると、新たに入会できるのは日本在住の満65歳以上の人です。
2024年4月1日から夫婦会員の新規申込受付は終了しており、現在、新たに申し込めるのは個人会員です。以前から夫婦会員として継続している人は、所定の更新条件に従って会員資格を維持できます。
JR東海ジパング倶楽部の個人会員の年会費は3,840円(税込)です。入会金は無料で、会員資格は原則1年間。継続利用する場合は更新手続きが必要です。
ジパング割引の20%・30%はどう決まる?ジパング倶楽部の大きな魅力は、利用回数に応じて割引率が変わる仕組みです。
- 新規入会者:最初の3回は20%割引
- 4回目~20回目:30%割引
- 継続会員:初回から30%割引
割引の利用回数は年間20回までです。会則上、新規会員には20%割引の購入証が3枚、30%割引の購入証が17枚用意され、更新会員には30%割引の購入証が20枚用意されます。
つまり、旅行回数が多い人ほどメリットが大きくなります。年に数回しか新幹線に乗らない人と、帰省や観光で何度もJRを利用する人では、年会費に対する費用対効果が異なります。
2026年3月14日から適用距離のルールが変更ジパング倶楽部について、2026年に見逃せない制度変更がありました。
2026年3月13日をもってJRの往復乗車券・連続乗車券の発売が終了したことに伴い、3月14日からジパング割引の適用条件も変更されています。
従来は片道・往復・連続の利用で営業キロ201キロ以上という条件でしたが、変更後はJR線を片道101キロ以上利用することが基本条件になりました。
往復旅行の場合も、往路と復路がそれぞれ片道101キロ以上なら、1枚のJR乗車券購入証で2行程まで購入できます。往復旅行の割引利用を考えている人にとって、押さえておきたい変更です。
ジパング倶楽部の入会・切符購入手順JR東海ジパング倶楽部に入会する場合、基本的には郵送で手続きを進めます。
- JR東海の主な駅で入会申込書を入手するか、公式案内から申込書を印刷する。
- 郵便局などで年会費3,840円を振り込む。
- 入会申込書、振込を証明する書類、氏名と生年月日を確認できる公的証明書のコピーを準備する。
- 必要書類をJR東海ジパング倶楽部事務局へ郵送する。
- 審査・手続き完了後、会員手帳とガイドブックを受け取る。
- 会員手帳に写真を貼り付け、割引切符の購入に備える。
JR東海の案内では、必要書類が事務局に到着してから、会員手帳が届くまでの目安は約2週間です。
割引切符を購入するときは、会員手帳とJR乗車券購入証を用意し、JRの駅のみどりの窓口などで手続きします。会員本人が乗車することが条件ですが、切符の購入自体は代理人でも可能です。
スマートフォンだけで登録から購入まで完結するEX 65+割とは異なり、書類の準備や郵送、会員手帳の管理が必要です。その代わり、全国のJR線を幅広く利用できるのが魅力です。
【比較表】EX 65+割とジパング倶楽部はどちらがお得?
ここまで紹介した2つの制度は、どちらも65歳以上の旅行者を対象としていますが、割引の仕組みは大きく異なります。
特に重要なのは、EX 65+割が新幹線の乗車券と特急券をセットにした商品であるのに対し、ジパング倶楽部は全国のJR線を対象とする会員制割引制度だという点です。
主な違いを整理すると、次のようになります。
出典:JR東海、スマートEX、エクスプレス予約、ジパング倶楽部の2026年公開情報をもとに整理。
この比較から分かるのは、EX 65+割が必ずしもジパング倶楽部より安いわけではないということです。
EX 65+割は対象日に予約できれば、のぞみを含む新幹線を割引価格で利用できます。一方、ジパング倶楽部は新規入会でも利用回数に応じて最大30%の割引になり、新幹線以外のJR線でも使えます。
同じ区間でも、列車や利用日、座席の種類によって料金が変わるため、実際の旅行では両制度の条件を照らし合わせることが大切です。
【損をしない選び方】年齢・旅行回数・予約スタイルで判断
どちらの制度を選ぶべきかは、年齢だけでは決まりません。旅行の頻度、利用する列車、予約方法への慣れによって、適した制度が変わります。
EX 65+割がおすすめの人- 東海道新幹線でのぞみを利用したい人
- スマートフォンで予約・決済を済ませたい人
- マイナンバーカードのアプリ登録に抵抗がない人
- 旅行日がEX 65+割の対象日に設定されている人
- 東京・名古屋・京都・新大阪などを新幹線で移動する人
- 紙の切符を受け取らず、ICカードで乗車したい人
特に、のぞみを利用したい人には大きなメリットがあります。ジパング倶楽部では割引されない特急料金部分も含めて、EX 65+割の専用価格が設定されているためです。
また、スマートEXを利用すればサービス年会費がかかりません。新幹線の利用回数がそれほど多くない人でも、年会費の負担を抑えながらシニア向け商品を利用できます。
ジパング倶楽部がおすすめの人- 年間に何度もJRで旅行する人
- 東海道新幹線だけでなく全国のJR線を利用する人
- ひかりやこだまを中心に旅行する人
- 乗車券と特急料金の両方を割引したい人
- スマートフォンでの予約操作が苦手な人
- 駅の窓口で相談しながら切符を購入したい人
ジパング倶楽部は継続会員なら初回から30%割引となるため、旅行回数が多い人ほど年会費を回収しやすくなります。
また、新幹線だけでなく在来線の特急列車なども含め、全国のJR線を利用する旅行計画に対応できる点は大きな強みです。
両方の制度を比較して購入するのも有効EX 65+割とジパング倶楽部は、同じ65歳以上向けの制度でも、価格の決まり方が異なります。
例えば、東京から新大阪までの旅行で、のぞみを使うならEX 65+割を優先して調べる価値があります。一方、ひかりを使う場合や、目的地まで在来線を組み合わせる旅行では、ジパング倶楽部の割引額も比較したいところです。
なお、EX 65+割は発売数に限りがあり、対象日でも満席なら利用できません。希望の列車で購入できない場合は、別の列車や日程、通常の早特商品なども検討しましょう。
重要なのは、割引率だけを見て判断しないことです。乗車券・特急券を含めた最終的な支払額、年会費、移動時間、予約の手間を合わせて比較することが、実際の節約につながります。
【JR東海の新幹線シニア割引】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:JR東海の新幹線は65歳になれば自動的に割引されますか?
A1:いいえ。65歳以上という年齢だけで自動的に割引されるわけではありません。EX 65+割ならEXサービスへの会員登録とマイナンバーカード情報の連携が必要です。ジパング倶楽部なら入会手続きを行い、会員手帳と購入証を使って切符を購入する必要があります。
Q2:EX 65+割はスマートEXでも利用できますか?
A2:はい。スマートEXの公式商品一覧にもEX 65+割が掲載されています。スマートEXは年会費無料ですが、マイナンバーカードの登録操作はEXアプリで行います。
Q3:ジパング倶楽部でのぞみに乗ると割引は受けられませんか?
A3:乗車券の運賃部分は割引対象になります。ただし、のぞみの特急料金とグリーン料金は割引対象外です。特急料金も含めた割引を希望するなら、EX 65+割との比較がおすすめです。
Q4:EX 65+割は100キロ以下の区間でも使えますか?
A4:利用できません。対象となるのは東海道・山陽・九州新幹線の営業キロ100キロを超える区間です。営業キロが100キロちょうどの区間も対象外です。
Q5:EX 65+割を利用する際、マイナンバーカードを駅で提示する必要がありますか?
A5:事前の割引資格登録はEXアプリで行います。乗車時には年齢を確認できる公的証明書を携帯し、係員から求められた場合に提示します。マイナンバーカード以外にも運転免許証や運転経歴証明書などが公的証明書の例として案内されています。
Q6:ジパング倶楽部は夫婦で新規入会できますか?
A6:2024年4月1日から夫婦会員の新規申込受付は終了しています。新たに入会する場合は個人会員として申し込みます。夫婦それぞれが満65歳以上であれば、各自で個人会員になることは可能です。
2026年10月1日から始まったEX 65+割は、JR東海の東海道新幹線を利用する65歳以上の人にとって、新しい選択肢となる割引商品です。
特に、これまでジパング倶楽部では割引対象外だったのぞみの特急料金も含めた専用価格が設定されたことは、大きな変化です。マイナンバーカードの登録と対象日の確認を済ませれば、スマートEXからも利用できます。
一方、ジパング倶楽部は全国のJR線を対象とし、新規会員でも利用回数に応じて最大30%割引になります。頻繁に旅行する人や、窓口で相談しながら切符を購入したい人には、引き続き魅力的な制度です。
最後に、選び方のポイントを整理します。
- のぞみを利用したい:EX 65+割を優先して確認する。
- スマホで簡単に予約したい:年会費無料のスマートEXを利用する。
- 年間の旅行回数が多い:ジパング倶楽部の30%割引を検討する。
- 全国のJR線を利用したい:ジパング倶楽部を検討する。
- 旅行日が決まっている:EX 65+割の対象日と空席を先に確認する。
なお、EX 65+割の初期利用期間は2027年3月31日までと設定されています。その後の利用期間や対象日については、JR東海の公式発表を確認する必要があります。
シニア世代の新幹線旅行では、単純な割引率だけでなく、列車の選択肢や予約のしやすさも大切です。自分の旅行スタイルに合った制度を選び、無理なくお得な鉄道旅行を楽しみましょう。