『ライジングサン』は、藤原さとしが描く陸上自衛隊を舞台にした青春漫画です。主人公は、平凡な毎日に物足りなさを感じていた青年・甲斐一気。自衛官との出会いをきっかけに入隊を決意し、仲間との厳しい訓練を通して、一人前の自衛官へと成長していきます。
気になる単行本は、前作『ライジングサン』が全15巻、続編『ライジングサンR』が全18巻。合計33巻でシリーズは完結しています。特に続編ではレンジャー訓練に加え、火山噴火などの大規模災害に立ち向かう自衛官たちの救助活動が描かれます。2025年5月29日に最終18巻が発売され、2026年11月現在、新たに読む人も最後まで一気に楽しめる作品です。
【作品の基本情報】ライジングサン漫画のあらすじと魅力
物語の主人公は、甲斐一気(かい・いっき)。
特別な夢や目標を持たず、何となく日常を過ごしていた青年です。そんな一気の人生を変えたのが、自衛官・伊達との出会いでした。
自衛隊という、それまで身近ではなかった世界に興味を持った一気は、勢いもあって入隊を決意します。
しかし、入隊した先に待っていたのは、想像以上に厳しい集団生活でした。
自衛官候補生としての生活では、規律、体力、協調性、仲間との信頼関係など、これまでの生活とは異なる価値観を身につけなければなりません。
一気は同期の候補生たちとともに、約3か月にわたる教育訓練に挑みます。
単なるスポ根漫画ではない理由『ライジングサン』の魅力は、主人公が強くなることだけを描いていない点です。
入隊の理由は人によって異なります。
- 自分の人生を変えたい人
- 安定した職業を求める人
- 将来の目標を実現するために入隊した人
- 自分の能力を試したい人
それぞれ異なる事情を抱えた若者たちが、同じ班で生活し、訓練を受けることで、少しずつ仲間になっていきます。
最初から全員が立派な志を持っているわけではありません。むしろ、未熟さや弱さを抱えた若者たちが、集団生活の中で変わっていく過程こそが物語の中心です。
本編後半では、25km行軍や最後の戦闘訓練が大きな山場になります。特に最終巻では、全滅覚悟とも表現される厳しい想定訓練に候補生たちが挑みます。
単なる訓練の成功・失敗ではなく、仲間を信頼すること、自分の限界と向き合うことがテーマになっています。
【甲斐一気と主要登場人物】仲間・教官との関係を整理
『ライジングサン』では、甲斐一気だけでなく、同期や教官も重要な役割を担います。
甲斐一気(かい・いっき)本作の主人公です。
明るく前向きな性格で、厳しい訓練にも比較的積極的に取り組みます。一方、登山事故で父親を亡くした過去があり、その記憶が物語の中で重要な意味を持ちます。
何も目標がなかった青年が、仲間との出会いや過酷な経験を通じて、自分の進む道を見つけていく姿が作品の軸です。
来嶋誠(くるしま・まこと)一気のバディを務める同期です。
ボクシングでオリンピック出場を目指しており、自衛隊体育学校への進学を視野に入れて入隊しています。
クールで負けず嫌いな性格。一気とは対照的な部分もありますが、訓練や日常生活を通じて重要な関係を築いていきます。
伊達(だて)一気が自衛隊を志すきっかけとなった自衛官です。
伊達との出会いがなければ、一気が自衛隊を選ぶこともなかった可能性があります。主人公の人生を動かす重要な人物です。
新海(しんかい)一気たちの班を担当する訓練教官です。
厳しい指導を通して候補生たちに自衛官としての基礎を教えます。単に厳しいだけではなく、班員の成長や状態を見極める役割も担っています。
同期の候補生たち広瀬優香、神崎涼子、犬井亮、吉永信也、浜岡雄介、石田圭吾など、個性の異なる候補生たちも物語を彩ります。
それぞれが違う事情や考えを持っているため、集団生活の中で衝突することもあります。
しかし、その違いがあるからこそ、仲間として成長していく姿に説得力が生まれています。
作者・藤原さとし自身の自衛隊経験この作品を語るうえで欠かせないのが、作者の藤原さとしです。
藤原は元陸上自衛官で、実際に約2年間自衛隊に所属していました。
2025年6月のリアルサウンドの完結記念インタビューでは、自身の自衛官経験や作品誕生の背景について語っています。
東日本大震災後の2012年に連載を開始した背景には、自衛隊を単に珍しい組織として描くのではなく、そこで生活する若者たちの青春を正面から描きたいという思いがありました。
この実体験が、訓練だけでなく、駐屯地での生活や人間関係の描写にも生かされています。
【全巻数・読む順番・完結状況】本編15巻とR18巻を徹底比較
最も重要なのが、前作と続編の関係です。
『ライジングサン』と『ライジングサンR』は別々の物語ではなく、甲斐一気の成長を継続して描いたシリーズ作品です。
全巻数と刊行状況| 項目 | 『ライジングサン』 | 『ライジングサンR』 |
|---|---|---|
| 作者 | 藤原さとし | 藤原さとし |
| 出版社 | 双葉社 | 双葉社 |
| 掲載誌 | 漫画アクション | 漫画アクション |
| 巻数 | 全15巻 | 全18巻 |
| 連載開始 | 2012年 | 2018年 |
| 最終巻 | 15巻 | 18巻 |
| 完結時期 | 2018年 | 2025年5月 |
| 主なテーマ | 新隊員教育・青春 | レンジャー・災害救助 |
シリーズ全体では、15巻+18巻=全33巻です。
双葉社は2025年5月29日の公式プレスリリースで、『ライジングサンR』第18巻をもってシリーズが完結したことを発表しました。
また、同発表ではシリーズ累計200万部突破も公表されています。約13年にわたって続いた作品であることを考えると、長期にわたり読者を獲得してきたシリーズだと分かります。
おすすめの読む順番は?読む順番は次のとおりです。
第1部:『ライジングサン』1~15巻
甲斐一気の入隊から新隊員教育、仲間との成長、最終訓練まで。
第2部:『ライジングサンR』1~18巻
自衛官となった一気のレンジャーへの挑戦と、災害救助の現場を描く。
33巻
シリーズを最初から最後まで読む場合の合計
先に『ライジングサンR』を読むと、主人公が自衛官になった経緯や同期との関係が分からないまま物語が進んでしまいます。
一気の成長をしっかり味わうなら、必ず本編から読み始めるのがおすすめです。
『ライジングサン』の最終回はどうなる?本編15巻では、3か月間の教育訓練を締めくくる最後の想定訓練が描かれます。
候補生たちにとって、それまで積み重ねてきた経験と仲間との関係が試される局面です。
続編の『ライジングサンR』は、さらにその先の自衛官としての人生を描いています。
つまり、前作の完結はシリーズ全体の終わりではなく、一気の新たな成長段階への入り口でもあったのです。
【ライジングサンRとの違い】レンジャー訓練と災害救助の見どころ
『ライジングサンR』の「R」は、作品の方向性を理解する重要な文字です。
コミックナタリーの連載開始時の記事では、Rには「Ranger(レンジャー)」と「Rescue(レスキュー)」の意味が込められていると紹介されています。
本編とRの最大の違い本編は自衛官になるまでの教育と成長が中心です。
一方、続編では自衛官になった一気が、さらに高度な能力を求められるレンジャー訓練に挑戦します。
最初はレンジャー教育に参加できず、駐屯地で通常の勤務を続けていた一気。しかし、行方不明者の捜索に派遣された経験から、自分の力不足を痛感します。
そこからレンジャー訓練へと進んでいきます。
レンジャー訓練では何をするのか?陸上自衛隊の公式サイトでは、レンジャー養成訓練について、体力・気力の限界に挑む高度な教育として紹介しています。
一般に公開されている訓練内容には、次のようなものがあります。
- ロープ橋を使った移動訓練
- 河川を渡る訓練
- 山地での機動訓練
- 長距離の武装走
- 厳しい環境下での体力・精神力の養成
こうした訓練は、単純に身体能力を高めるだけではありません。状況判断や仲間との連携、任務を継続するための精神力も求められます。
なお、これは公開されている訓練紹介に基づく概要であり、漫画の描写と現在の教育課程が完全に一致するという意味ではありません。
2026年のレンジャー教育はどう変わった?ここは2026年の読者にとっても興味深いポイントです。
2026年6月26日の防衛大臣記者会見では、陸上自衛隊のレンジャー養成教育の見直しと再開予定について説明がありました。
従来の各師団・旅団におけるレンジャー養成教育は2025年3月に中止されていましたが、2026年4月から見直し後の教育に向けた準備が進められ、同年7月以降、各方面混成団で順次実施する予定とされました。
見直しの主な要点は以下のとおりです。
- 現代の作戦環境に対応した教育内容への変更
- 小火器射撃や市街地戦闘などの能力の付与
- 無人機の操縦など、新しい技能の教育
- 水分補給や睡眠時間など安全管理基準の明確化
- ウェアラブル端末を活用した健康状態の確認
特に注目したいのは、過酷さだけを追求するのではなく、科学的な健康管理と安全対策を取り入れた点です。
漫画に描かれたレンジャー訓練を読む際にも、実際の自衛隊教育が時代に合わせて変化していることを知っておくと、作品への理解が深まります。
災害救助編が作品の大きな見どころ『ライジングサンR』のもう一つの大きな特徴が、災害救助を扱っていることです。
レンジャー訓練を突破した一気は、陸上自衛隊の精鋭レンジャーとなります。
しかし、物語はそこで終わりません。
登山客でにぎわう王峰山が噴火し、噴石や火山灰によって登山者たちが危険にさらされるという事態が発生します。
一気たちは救助活動に向かい、危険な状況の中で人命救助に挑みます。
この展開では、個人の強さだけでなく、ヘリコプターの乗員、現場の隊員、指揮を執る側、自治体との連携など、多くの人間が協力することの重要性が描かれます。
最終18巻では、一気と真子の救助に成功した直後、救助ヘリのエンジンが停止するという新たな危機が訪れます。
救助する側にも危険が及ぶ状況で、誰をどう守るのか。
最後まで緊張感が途切れない展開です。
【同名作品との違い】武論尊・松浦聡彦版と藤原さとし版を比較
「ライジングサン」を検索すると、藤原さとし版とは別の作品が表示されることがあります。
それが、武論尊原作・松浦聡彦作画の『ライジング・サン』です。
タイトルが非常によく似ていますが、内容も登場人物も異なる作品です。
武論尊・松浦聡彦版は別作品小学館から刊行された『ライジング・サン』は、2001年に『週刊少年サンデー』で連載された作品です。
物語の舞台は、経済破綻や国際的な政治情勢によって大きく変貌した日本。
藤原さとし版のような新隊員教育を中心とする青春漫画ではなく、荒廃した社会を舞台にしたSF・アクション作品です。
小学館の公式書籍情報では、主人公タケルや相棒カンタ、リョウなどが紹介されています。
単行本は全3巻です。
2作品の違い| 比較項目 | 藤原さとし版 | 武論尊・松浦聡彦版 |
|---|---|---|
| 正式タイトル | ライジングサン | ライジング・サン |
| 原作者・作者 | 藤原さとし | 武論尊・松浦聡彦 |
| 出版社 | 双葉社 | 小学館 |
| 巻数 | 本編15巻+R18巻 | 全3巻 |
| ジャンル | 自衛隊・青春・人間ドラマ | SF・アクション |
| 主人公 | 甲斐一気 | タケル |
| 主な舞台 | 陸上自衛隊 | 荒廃した未来の日本 |
購入時には、作者名と出版社を確認するのが確実です。
藤原さとしのその他の漫画作品藤原さとしは『ライジングサン』シリーズだけを描いている漫画家ではありません。
代表的な作品には、次のようなものがあります。
- 『ハイエナ』:人間の欲望や社会の厳しさを描く作品。
- 『クローズ リスペクト』:人気不良漫画『クローズ』のトリビュート企画に参加。
- 『ライジングサン』:自衛官候補生の青春と成長を描いた代表作。
- 『ライジングサンR』:レンジャーと災害救助を描く続編。
加えて、2026年4月9日には『キチこわ~自衛隊基地で本当にあった怖い話~』が発売されています。
こちらは藤原さとしが原作を担当し、船木海路が作画を担当した自衛隊×ホラー作品です。
自衛隊関係者への取材や藤原自身の体験をもとに、基地にまつわる不思議な話を漫画化しています。
2026年現在も、自衛隊という題材を別のジャンルから描き続けていることが分かります。
自衛隊漫画のおすすめ作品『ライジングサン』を読んで自衛隊を扱う漫画に興味を持った人には、次の作品もおすすめです。
防衛大学校に進学した青年の成長を描く青春作品。幹部自衛官を目指す学生生活に興味がある人におすすめです。
自衛隊の教育隊を舞台にしたコメディー・アクション。『ライジングサン』とは異なるユーモラスな視点で楽しめます。
【評判・感想・電子書籍】ライジングサンはどんな人におすすめ?
読者からの評判・感想『ライジングサン』は、自衛隊という普段なじみのない組織を扱いながら、青春漫画としても楽しめる作品です。
コミックシーモアでは、本編1巻の作品評価が5点満点中3.8点、25件のレビューとなっています。
レビューには、自衛隊の内部を描いた珍しさや、訓練を通じて成長する登場人物たちの熱さを評価する声が見られます。
特に興味深いのは、軍事知識が豊富な読者だけでなく、ほかの学校・教育機関を題材にした漫画から本作にたどり着いた読者もいることです。
自衛隊の知識がなくても読み始めやすい点は、作品の強みといえます。
読んでほしい人・好みが分かれそうな人| おすすめできる人 | 好みが分かれそうな人 |
|---|---|
| 青春・成長物語が好き | 恋愛中心の漫画を求める人 |
| 自衛隊の組織や生活に興味がある | 戦闘アクションだけを期待する人 |
| 仲間との友情や絆が好き | 訓練や集団生活の描写が苦手な人 |
| 災害救助や社会的テーマに関心がある | 軽いコメディーだけを読みたい人 |
特に、主人公が最初から優秀な人物ではない点が魅力です。
失敗し、悩み、周囲に支えられながら前に進む姿には、一般的なスポーツ漫画や学園青春漫画にも通じるものがあります。
電子書籍で試し読みできる?紙の単行本だけでなく、電子書籍でも読むことができます。
主な確認先は次のとおりです。
- コミックシーモア:本編・続編の作品ページで試し読みを確認できる。
- BOOKWALKER:本編全15巻の電子書籍を取り扱い、試し読み機能もある。
- Reader Store:本編と続編の電子版を取り扱っている。
- webアクション:双葉社の公式漫画サイト。作品の公開・試し読み情報を確認できる。
なお、双葉社は2025年の完結記念に、本編15巻分と続編1巻分、合計127話の無料キャンペーンを実施しました。
これは完結記念の期間限定企画であり、2026年現在も同じ話数が無料で読めるとは限りません。
電子書籍を購入する場合は、各ストアの試し読み範囲、割引、ポイント還元、読み放題対象の有無を比較するとよいでしょう。
【よくある質問】ライジングサン漫画に関するFAQ
Q1:ライジングサン漫画は全部で何巻ありますか?
A1:藤原さとし版は、本編『ライジングサン』が全15巻、続編『ライジングサンR』が全18巻です。合計33巻でシリーズが完結しています。
Q2:ライジングサンとライジングサンRはどちらから読めばいいですか?
A2:『ライジングサン』1~15巻を先に読み、その後『ライジングサンR』1~18巻へ進むのがおすすめです。主人公・甲斐一気の入隊からレンジャーとしての成長まで、時系列に沿って楽しめます。
Q3:ライジングサンRの最終回はいつですか?
A3:『ライジングサンR』は2025年5月29日発売の単行本18巻で完結しました。2026年11月現在、シリーズは完結済みです。なお、藤原さとしは2026年4月に新作『キチこわ~自衛隊基地で本当にあった怖い話~』も発表しています。
『ライジングサン』は、甲斐一気という青年が自衛隊に入隊し、仲間との出会いや過酷な訓練を通じて成長していく物語です。
前作15巻では自衛官候補生としての教育と青春を描き、続編18巻ではレンジャー訓練や災害救助へと物語の幅を広げました。シリーズ累計200万部を突破し、2025年5月に完結。2026年現在は全33巻を最初から最後まで読める状態です。
この作品を読む価値は、自衛隊の訓練の厳しさを知ることだけではありません。入隊理由も性格も異なる若者たちが、仲間を信頼し、誰かを助けるために成長していく過程にあります。
また、2026年には陸上自衛隊のレンジャー教育も見直し後の再開が進められており、作品で描かれた訓練や救助活動を現実の自衛隊の変化と照らし合わせる楽しみ方もあります。
これから読み始めるなら、まず本編15巻から。続編の『ライジングサンR』まで読み進めることで、甲斐一気の13年にわたる物語を最後まで見届けられます。