NHK Eテレの人気キャラクター「ニャンちゅう」。ネズミの着ぐるみを着たネコというユニークな設定に加え、「ニャッハー!」という豪快な笑い声や、少しかすれた独特のダミ声で、子どもから大人まで幅広い世代に親しまれてきた。ところが、長年聞き慣れた声が変わったことに気づき、「今のニャンちゅうの声優は誰?」「以前と声が違うのはなぜ?」と疑問を持つ人も少なくない。
2026年11月現在、ニャンちゅうの声を担当しているのは声優の羽多野渉(はたの・わたる)さんだ。1992年の番組開始から約30年間にわたって声を担当した津久井教生さんから、2023年4月放送分を境に引き継いでいる。交代の背景には、津久井さんが公表した難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)との闘病がある。一方、津久井さんは単に番組を去ったわけではなく、後任への引き継ぎ後もアドバイザーとして番組に参加することが発表された。
【この記事の重要ポイントまとめ】
- 現在の声優は羽多野渉さん: 2023年4月放送分から正式に担当。2026年11月の番組情報でも出演が確認できる。
- 初代から約30年間担当したのは津久井教生さん: 独特のダミ声は、1992年のオーディションで生まれた演技上の工夫が原点。
- 声優交代の背景にはALSがある: 津久井さんは2019年10月に罹患を公表し、2023年2月には気管切開と人工呼吸器の装着後に声を失ったことを明かした。
- 2026年も津久井さんは情報発信を継続: 公式ブログで日々の生活や病状、視線入力などの工夫について発信している。
【2026年最新】ニャンちゅうの声優は誰?現在は羽多野渉が担当

現在のニャンちゅうの声優は、羽多野渉さんである。
羽多野さんはアニメやゲーム、吹き替えなど幅広い分野で活躍する声優。ニャンちゅう役は2023年4月放送分から正式に引き継いだ。
2026年11月1日放送の『ニャンちゅう!宇宙!放送チュー!』の番組情報でも、羽多野さんがニャンちゅうの声として出演している。さらに11月8日放送予定の番組情報でも同じ担当が確認できる。
つまり、2026年現在もニャンちゅうの声は羽多野さんが担当しており、津久井さんに戻ったという事実はない。
羽多野渉はどんな声優?羽多野渉さんは81プロデュースに所属する声優。津久井教生さんとは同じ事務所の先輩・後輩という関係にある。
今回の交代で注目されたのは、単なるキャスト変更ではなく、長年キャラクターを育ててきた先輩から後輩への継承だったことだ。
2022年11月18日の交代発表後、羽多野さんは津久井さんについて、長年ニャンちゅうを演じてきた大好きな先輩であり恩師だという趣旨のメッセージを発信。キャラクターや作品が持つ温かさ、大切な思いを引き継いでいく姿勢を示した。
このコメントからも、羽多野さんが単に声の雰囲気を再現するだけではなく、長年積み重ねられてきたキャラクターの歴史を尊重して役に臨んでいることがうかがえる。
ニャンちゅうの声は2023年4月にどう変わった?交代発表が行われたのは2022年11月18日。所属事務所の81プロデュースが公式発表資料を公開した。
同発表では、2022年度中は津久井さんが担当した回も放送される一方、翌年度の4月放送回からはすべて羽多野さんが担当すると説明された。
このため、2023年4月はニャンちゅうの声が正式に切り替わった重要な節目となる。
現在の声に違和感を覚える人がいるとしても、それは必ずしも演技の優劣を意味しない。30年間聞き続けた声の記憶と、新しい声優による表現の違いが、視聴者の耳に自然に残っているためだ。
【誕生秘話】ニャンちゅうのダミ声はどうやって生まれた?
ニャンちゅうの声といえば、少しかすれたような低めの声と、独特の揺れを感じさせる話し方が特徴だ。
一般的な子ども向けキャラクターの声とは異なり、どこか中年男性を思わせるような響きがある。それでいて、キャラクターの設定は永遠の5歳。このギャップが、ニャンちゅうの個性を際立たせている。
実は、この声は最初から完成された設定だったわけではない。
オーディションで生まれた米国の短波放送DJ風の声津久井教生さんは、女性自身の2021年9月掲載インタビューで、ニャンちゅうの声が生まれた経緯を明かしている。
1992年のオーディション当日、会場にアメリカ人がいたことから、津久井さんは米国の短波放送のDJをイメージして声を出したという。
その場で思いついた声が審査側に好評だったことが、ニャンちゅうの声の原型になった。
興味深いのは、最初から意図的にダミ声を作り込んでいたわけではない点だ。
津久井さんによれば、その声を完全に習得するまでには約3年かかったという。現在知られているニャンちゅうの声は、偶然のひらめきを長期間の訓練で磨き上げたものだった。
ニャンちゅうのダミ声を特徴づける3つの要素津久井さんのインタビューや本人の発信から、特徴を整理すると次のようになる。
1.かすれたような独特の声質
ニャンちゅうの声は、一般的なアニメキャラクターの明るく澄んだ声とは異なる。少ししゃがれた響きがあり、聞いた瞬間にキャラクターを認識しやすい。
2.ビブラートを利かせた話し方
津久井さんは、ニャンちゅうの声には基本的にビブラートを利かせていると説明している。
単に声を低くしたり、喉を荒らしたりしているわけではない。声の揺れを演技として取り入れることで、独特の存在感を生み出していた。
3.長いセリフや早口にも対応できる技術
津久井さんは、約3年かけて声の出し方を習得し、長ゼリフや早口にも対応できるようになったと語っている。
この点は、ニャンちゅうの声が単なる一発芸ではなく、長期間の番組収録に耐えられる専門的な演技技術だったことを示している。
日本コロムビアが発売した2014年の記念DVDでも、ニャンちゅうは「ダミ声でオッサンみたい。でも永遠の5才」という特徴的な紹介をされている。
外見や年齢設定と声のギャップそのものが、キャラクターの魅力として定着していたのだ。
【歴代声優を比較】津久井教生から羽多野渉への交代年表
ニャンちゅうの歴史を理解するには、番組の開始から声優交代までを時系列で見るとわかりやすい。
1992年に誕生したニャンちゅうは、番組の形態や共演者が変わっても、キャラクターとして長く受け継がれてきた。
ニャンちゅうの声優・関係者の比較一覧| 時期 | 人物・出来事 | 担当・関係性 |
|---|---|---|
| 1992年4月 | 津久井教生 | ニャンちゅうの声を初登場時から担当 |
| 1992年〜2022年 | 津久井教生 | 約30年間、キャラクターの声を担当 |
| 2019年10月 | 津久井教生 | ALSの罹患を公表 |
| 2022年11月18日 | 81プロデュース | 羽多野渉への声優交代を公式発表 |
| 2023年2月 | 津久井教生 | 気管切開・人工呼吸器装着後、声を失ったことを公表 |
| 2023年4月 | 羽多野渉 | ニャンちゅうの声を正式に引き継ぐ |
| 2023年4月以降 | 津久井教生 | 番組のアドバイザーとして参加することが発表された |
| 2026年11月 | 羽多野渉 | 現在の番組でもニャンちゅう役を担当 |
この年表で特に注目したいのは、声優交代の発表と津久井さんが声を失った時期が異なることだ。
交代発表は2022年11月。実際に気管切開と人工呼吸器の装着を経て声を失ったことが公表されたのは2023年2月だった。
したがって、声優交代は声を失った後に急きょ決定されたものではない。病気の進行を踏まえ、番組の継続を見据えて先行して行われた引き継ぎだったことが時系列から読み取れる。
なお、主担当として公式に引き継ぎが発表された声優は津久井さんと羽多野さんの2人である。
【なぜ声優交代した?】津久井教生のALS闘病と声を失った経緯
ニャンちゅうの声が変わった最大の背景として知られているのが、津久井教生さんのALSとの闘病だ。
ALSは筋萎縮性側索硬化症という指定難病で、運動神経に障害が生じ、筋肉を動かす機能が徐々に低下していく病気である。
声優という仕事は、声帯や呼吸、口、舌などを使って表現する職業だ。病気の進行によって発声や呼吸が難しくなれば、従来と同じ方法で収録を続けることは困難になる。
2019年10月にALSを公表津久井さんがALSの罹患を公表したのは2019年10月だった。
当初から病気と向き合いながら声優活動を続けており、ニャンちゅうの収録にも取り組んでいた。
津久井さんは、病気を公表した後も仕事を続ける姿勢を見せていた。ニャンちゅうは約30年間演じてきた大切な役であり、番組スタッフや関係者との協力のもとで収録を続けていた時期もある。
しかし、ALSは進行性の病気であり、徐々に身体機能への影響が大きくなっていった。
2022年11月に羽多野渉への交代を発表2022年11月18日、所属事務所の81プロデュースが交代を正式発表した。
ここで重要なのは、公式発表が明確に示したのは交代の事実と今後の体制であり、病気だけを唯一の理由として明記したわけではない点だ。
ただし、津久井さんがすでにALSを公表していたことや、その後の病状の経過を考えると、健康上の事情が交代の背景にあったことは理解できる。
また、事務所は交代後も津久井さんがアドバイザーとして番組に参加すると発表した。
長年キャラクターを演じてきた人物の経験を、番組制作に生かすための引き継ぎでもあった。
2023年2月、気管切開と人工呼吸器の装着を報告2023年2月17日、津久井さんは自身の発信を通じて、気管切開手術と人工呼吸器の装着を行い、声を失ったことを明らかにした。
報道によると、本人は機械音声を使用して現在の状況を伝えた。
この報告は、長年ニャンちゅうの声を聞いてきた視聴者にも大きな影響を与えた。
ただし、声を失ったことと、声優交代の決定時期は分けて理解する必要がある。
交代発表は2022年11月に行われており、2023年2月の報告は、その後の病状の進行を示す出来事だった。
【2026年11月最新】津久井教生の現在は?ALS闘病と近況
2026年11月1日現在、津久井教生さんはALSと向き合いながら、公式ブログなどを通じて近況を発信している。
2026年10月3日には、ALSの罹患を公表してから7年が経過したことを報告した。
TBS NEWS DIGが紹介した本人のブログによると、現在は身体の大部分を動かすことが難しくなっており、気管切開を行ったうえで人工呼吸器を使用して生活している。
一方で、本人は人工呼吸器を使用していることと、寝たきりであることを同一視しておらず、自身の生活についても言葉を選んで説明している。
2026年10月31日の最新報告では何を伝えた?11月1日付のTBS NEWS DIGの記事では、津久井さんが10月31日に公式ブログを更新したことが紹介されている。
投稿では、ALSの罹患を公表してから7回目となるハロウィンを迎えた近況を報告した。
妻の協力を得て、カボチャをイメージした仮装にも参加。オレンジ色の帽子や紫色の飾りなどを身につけた姿を公開した。
また、読者から寄せられた目の状態を心配する声に対して、まぶたの動きには変化があるものの、目は動き、視界も保たれていると説明した。
疲れやすくなっていることにも触れながら、できることを続けていく姿勢を伝えている。
病状の進行という厳しい現実を抱えながらも、日常の出来事を発信し続けていることが、現在の津久井さんの活動の大きな特徴だ。
声を失った後も続く声優としての表現活動津久井さんは声を失った後も、音声合成技術や視線入力などを活用した発信に取り組んでいる。
2026年7月のTBS NEWS DIGの報道では、東芝の音声作成ソフト「ToSpeak」を利用していることが紹介された。
本人は音声ソフトの進化についても触れ、以前より流暢で聞き取りやすくなっていると伝えている。
また、視線入力を使ったパソコン操作にも取り組んでおり、身体の動きに制約があっても、自分の考えや日常を発信する手段を広げている。
ここで押さえておきたいのは、音声合成による津久井さん自身の発信と、ニャンちゅう役の声優が誰なのかという問題は別だということだ。
現在のニャンちゅうの声は羽多野さんが担当している。一方、津久井さんは別の方法で自身の言葉を伝え続けている。
【プロの結論】津久井教生と羽多野渉、ニャンちゅうの声は何が違う?
ニャンちゅうの声優交代を理解するうえで、最も大切なのは「声の違い」と「キャラクターの継承」を分けて考えることだ。
津久井さんが作り上げた声は、米国の短波放送DJをイメージした即興的な発想から始まり、約3年の習得期間を経て完成した独特の表現だった。
一方、羽多野さんは、そのキャラクターを長年演じてきた先輩への敬意を示しながら役を引き継いでいる。
両者の違いを整理すると、次のようになる。
津久井教生さんのニャンちゅう
- 1992年の初登場から約30年間担当。
- ダミ声とビブラートを生かした独特の話し方。
- オーディションでの即興的な発想が声の原点。
- 長期間の演技経験によってキャラクターの基礎を築いた。
羽多野渉さんのニャンちゅう
- 2023年4月から正式に担当。
- 津久井さんの後輩として役を引き継いだ。
- キャラクターや作品の温かさを大切にする姿勢を表明。
- 2026年11月現在も番組で担当を継続している。
声質や話し方に違いが生じるのは、演じる声優が変われば自然なことだ。どちらか一方を正解として比較するよりも、それぞれの時代におけるニャンちゅうの表現として捉えると、交代後の番組も楽しみやすくなる。
また、津久井さんがアドバイザーとして番組に参加することが発表された点も見逃せない。
これは、キャラクターを長年作り上げてきた演者の経験を、次の世代へつないでいく仕組みでもある。
声優が交代しても、キャラクターが持つ歴史や魅力まで消えるわけではない。ニャンちゅうの声の変化は、長寿キャラクターが新しい時代へ進むための継承の一例といえる。
【ニャンちゅうの声に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:2026年現在、ニャンちゅうの声優は誰ですか?
A1:2026年11月現在、ニャンちゅうの声を担当しているのは羽多野渉さんです。2023年4月放送分から正式に担当しており、2026年11月の番組情報でも出演が確認できます。
Q2:ニャンちゅうの初代声優は誰ですか?
A2:初登場の1992年から約30年間にわたって担当した津久井教生さんです。特徴的なダミ声は、オーディションで米国の短波放送DJをイメージして生み出されました。
Q3:ニャンちゅうの声優が交代した理由は何ですか?
A3:津久井教生さんがALS(筋萎縮性側索硬化症)を患い、健康上の事情から声優活動の引き継ぎが必要になったことが背景にあります。2022年11月に交代が発表され、2023年4月から羽多野渉さんが担当しています。
Q4:津久井教生さんは声を失ったのですか?
A4:はい。2023年2月、気管切開手術と人工呼吸器の装着を経て声を失ったことを本人が公表しました。その後は音声作成ソフトなどを活用して情報発信を続けています。
Q5:2026年現在、津久井教生さんはどうしていますか?
A5:ALSと向き合いながら、人工呼吸器を使用した生活を続けています。2026年10月31日にも公式ブログを更新し、ハロウィンの仮装や目の状態などについて報告しました。
Q6:津久井教生さんはニャンちゅうの番組から完全に引退したのですか?
A6:声の担当は2023年4月に羽多野さんへ交代しましたが、81プロデュースの公式発表では、津久井さんは交代後もアドバイザーとして番組に参加すると説明されています。声優交代と番組との関係終了は同じ意味ではありません。
Q7:ニャンちゅうのダミ声はどのように作られたのですか?
A7:津久井さんが1992年のオーディションで米国の短波放送DJをイメージして出した声が原型です。その後、約3年かけて習得し、ビブラートなどの技術を取り入れた独特の演技へと発展させました。
2026年11月現在、NHK Eテレのニャンちゅうの声を担当しているのは羽多野渉さんだ。
1992年の初登場から約30年間にわたり、独特のダミ声でキャラクターを育ててきたのが津久井教生さん。米国の短波放送DJをイメージした声から始まり、長年の演技によってニャンちゅうならではの個性を確立した。
その後、2019年にALSを公表。2022年11月に羽多野さんへの交代が発表され、2023年4月から新しい声へと切り替わった。
津久井さんは2023年2月に声を失ったことを公表した後も、音声合成技術や視線入力を活用しながら、自身の言葉を発信し続けている。2026年10月31日にも公式ブログを更新しており、現在の生活や日々の出来事を伝えている。
ニャンちゅうの声が変わったことは事実だ。しかし、津久井さんが約30年間かけて築いたキャラクターの魅力と、その歴史まで変わったわけではない。
現在の声を知りたいなら羽多野渉さん、懐かしいニャンちゅうの声の原点を知りたいなら津久井教生さん。 2人の歩みを知ることで、長寿キャラクターとしてのニャンちゅうを、これまでとは違った視点から楽しめるはずだ。